撮影用デスク作成

塗装の完成品などを撮影する時にはいつもこの場所で行っていますが、

少し前に購入したこちらの「背景紙」を使うにあたって、毎回これを出したり仕舞ったりするのは正直やっていられないと思い、こことはべつに新たな撮影作業スペースを設ける事にしました。いやしかし、どこにそんな場所があるんだって話なのですが・・・。

背景紙については以下の記事で紹介しておりますので宜しければどうぞ。やはりと言うか結局その後一度も使っていません。

自作撮影スタジオ 改

 と言う訳で用意(?)したのがこちらのガラス天板の机で、元々工場二階に間借りして貰っているK氏の物だったのですが、以前譲り受けたので一応事前に許可を貰って改造する事にしました。

 上からの照明もそうですが、今回はガラスの天板を活かして下からの照明も欲しかったので、まずは真ん中のパイプを切り取ってしまいます。

ちなみに最終的なイメージとしては以下の記事内にある(PVの)ような感じにしたいと思っておりまして。

色々大人買い

 天板のガラスを支えているのはこちらのパイプで、

真ん中の部分は今回取り除き、端だけで支えるようにします。

照明については以前購入した40W蛍光灯タイプのLEDを使おうと思い、それを固定するソケット部分(土台)を新たに購入しました。

端子に配線を直結でも良かったのですが、これにより角度が変えられるので今回の使い方に丁度良かったのです。

先ほどのソケットをガラス天板の下に取り付けました。ちょっと飛び出しちゃっていますが、むしろ裏からの配線が取り易いので良しとしています。

LED照明はお互い向き合うように2個配置しました。配線も繋ぎます。

 おおお・・・(眩)。

ガラス天板も乗せてみました。 ガラスの表面は片面がサンドブラスト処理されて曇りガラスになっているのでそれが丁度良い塩梅です。

現状は照明が局部的に明るくなっていますが、後程下に白い反射板を取り付けて照明の向きを下にすれば光を拡散できると思います。

また場合によっては照明の向きを上にしてコントラストを強くしたりも良さそうです。

小物の撮影だとどうしても床近くからの光が欲しかったので、これで今までとは違った撮影が出来そうです。

次は上からの照明で、そちらは以前購入した天井埋め込みのシーリングライトを使う予定です。

色見本素体作成

先日新たに作った新型2in1の色見本ですが、色を黒にしたせいかちょっと微妙(地味)でして、ただ他にも応用が効きそうなので量産する方向で作業をしています。

 作業的に楽になったのがレジンによる注型で、サイズが半分で良いので注ぐ量も半分で、またフチは表面張力で盛り上がりますが、肉厚が薄いのでダブルアクションサンダーで削れば簡単に平らになってくれます。

 また土台にするアクリル板はそのままだと少々寂しいので、取り敢えずうちのロゴを入れてみました。

ちなみにレーザー彫刻はアウトラインから削っていくのではなく、上の段から徐々に下に下がっていくという、ちょっと特殊な動き方をします。まさにGANTZの転送途中みたいな感じです。

 レーザーによるカットと彫刻は(一応)同時に作業が出来るので、位置出しは以前行った注型ミニカーの裏に直接レーザー彫刻を行うよりも断然楽にできます。これならオーダーで個別にロゴを変えるのもそんなに難しくはありません。車の塗色だったらメーカー名と色番号を入れたり出来ますね。

 と言う訳で、何個かのアクリル板と注型ミニカーを組み合わせて接着します。

 また全部同じと言うのも何か物足りないので、以前作ったS-WORKSのカーボンフレームの一部(のミニチュア)を組み合わせてみました。透明も格好良いですが今回はそう言うコンセプトでは無いのでスルーと言う事で…。

と言う訳で前回と同じく継ぎ目の隙間をラッカーパテで埋め、シンナーで拭き取った後にプラスチックプライマー&ラッカーサフェーサーを塗っておきます。レーザー彫刻したロゴ部分は®が少々埋まり気味になりましたが、まあ全体的には何とかなっていると思います。

次はこれを原型としてシリコーン型を作り、複製した樹脂はそのまま塗って色見本として使えるようにする予定です。

と、思ったのですが、先日買ったアクリル端材セットの中に白いアクリル板が入っていたのを思い出してみて、ちょっとそれも試してみる事にしました。

ベースが白なのでそれを余白として利用し、色がついた部分は今までと同じ面積です。入れるロゴも併せて検討しています。

 と言う訳で早速白アクリル板をレーザーカット&彫刻してみました。

またこの状態のままプラスチックプライマーとベースコートの黒を塗ってマスキングを剥がすと、

おおおお・・・ 。適度な厚みと良い、まるでまな板です(笑)。

 予想外だったのはアクリル板が「艶消し」だった事で、そのまま何もしない状態でもクドく無いので色見本を乗せただけでも良い感じです。

ただこれだとちょっと余白が大き過ぎるというかバランスはよくないので、先ほど紹介したイラストのように塗り分けたのが右側の二個です。

ゴールドなのはVWの部品を塗る時に一緒に塗ったからで、色名は「サンドストームイエロー」、カラーコードは「LD1Z」です。車のボディーカラーにしては結構派手目な色で、レンジローバーのサハラゴールドを思い出してしまいました(徳大寺氏が乗っていたと思いますが、判りませんか…)。

余白をマスキングで作るくらいならそんなに手間では無いので、レジンで作るのは止めてこの方向で進めてみようかな~と思っています。

蛍光塗料

パウダータイプの蛍光塗装用顔料です。以前オールペンされたROVER MINIを補修するのに一度だけ使った事がありますが、まともに購入したのはこれが初めてです。

蛍光塗料を使った塗装は二輪車(バイク)や自転車に使われていたりしますが、褪色し易いデメリットがある為、一般的な自動車の新車塗装に使われる事はありません。なので私もずっと使う事は無く、興味もありませんでした。だって色が無くなってしまうので…。

が!小物の塗装であれば屋外で使う事の方が稀と言う物も多いので、だったらと言う事で色々改めて試してみたいと思った次第です。

塗料自体に今更感はありますが、マイクのように今まで塗装される対象では無かった物を塗る機会が増えたので、今なら意外と需要もあるのでは、と思っています(と言う訳での見本用モックアップを大量に作っていたのでです)。

尚こちらは粉末タイプの顔料なので、塗装に使う場合はクリアーなどの樹脂に混ぜてスプレーします。なので塗料のメーカーは問いません。

ちなみに一応いつも塗料を購入しているオートサプライヤーさんにも聞いてみたのですが、やはりと言うか自動車の補修塗装では使われる事が無い為か、購入は数キロ単位(!)での取り寄せとの事で、今回は知り合いの塗装屋さんに教えて貰って少量に小分けされている物を購入しました。ご紹介有難う御座いました!

 また発色確認の為、別途ブラックライトも購入しました。

それ単体でも鮮やかな色ですが、ライトを当てると中々派手に発光してくれます。

ブラックライト以外の照明を消してみると、

 おおおお・・・。

まあここまでブラックライトに近づける事は無いと思いますが、出力の高いライトを使っているスタジオやステージならそれなりに映えると思います。普通の白いTシャツでさえ光りますからね。

単体で使うには派手過ぎる感がありますが、既存のベースカラーに混ぜて使ったり、2トーンカラーの抜きなどにしてアクセント的な使い方にすれば色々楽しめそうです。蛍光グリーンのメガネフレームとか如何でしょう(笑)。

ワンオフパーツの作成

最近仕事でのお問い合わせに多いのが塗装と余り関係無い事でして、いや、私的にはとても興味深い事なので良いのですが、余り身を乗り出してしまうと経営自体を圧迫しかねないのでジレンマを感じる時が多々あります。工場が賃貸で固定経費が掛かると大きな脱線は出来ないんですよね。

上の画像はエッティンガー用のホイールセンターキャップを制作した時の物で、ホイールを装着した車体がベンツだったのでセンターキャップもそれに合わせたい(?!)と言う事で、この世に存在しないサイズのスリーポインテッドセンターキャップを作って塗る事になりました。現在仕事にシリコーン型を使えているのはこの時の案件がきっかけになっているとも思い、いやはや有り難い限りでした(新たなご依頼を誘っている訳ではありませんので念の為。笑)。

そう言えば一時期興味があった3Dプリンターですが、こちらも「3Dプリントした物を塗って欲しい」と言ったお問い合わせが結構多く、ただそのせいで逆に幻滅してしまった所もあります。そのまま塗装すれば綺麗になると考えている方が結構多いようなのですが、いやいやいや!、あれを綺麗に仕上げるには相当の下地処理が必要です。なので塗装屋の観点からするとあれは塗る物ではありません。ちゃんとした機械(数千万円する製品)で、色付きで出力してそのまま製品として完成させる方法が宜しいかと思います。それ以外は美観とか期待しない方が良いと思います(アセトンで表面を溶かして積層を綺麗にするとかは無理ですよ)。

ちなみに昔は塗装や金属加工などと言えば一般人からは縁遠い、企業間だけの取引が基本でしたが、現在はインターネットの普及で普通にBtoC(企業が個人に対して商品・サービスを提供する取引)が可能となりました。当店も業者様からのご依頼はありますが、多分95%くらいは個人の方からのご依頼です。3Dプリンターで自分で物を作ったり、缶スプレーで自家塗装するのは凄く良い事ですが、クォリティを求めるならばやはりそれを仕事にしている方にお願いする方が確実だと思います(ただし失敗を愉しめるという気持ちがあれば自家塗装はお勧めです)。

ちなみに上のサイトは金属加工を専門に扱っている企業様のウェブサイトで、トップページの見出しから「1個からの部品製作」金属加工の町工場、精密機械加工を法人様、個人様を問わず承ります」といった文言が入っていてとてもお願いし易いと思いました。サイト自体も凄く格好良くて、この後改めて自分のウェブサイトを見たらかなりのショックを受けました(苦)。

お知り合いでも何でも無いのですが、とあるお問い合わせがあって私も初めて知りました。以下のリンクからオフィシャルサイトに行けますので宜しければどうぞ。施工実績のページとかヤバいですよ。

野方電機工業株式会社

私としては3Dプリントよりも「3Dスキャン」に興味があって、「原型」が自分で作れればかなりの人がもっとものづくりを身近に感じて楽しくなると思っています。シリコーン樹脂や塗料が手軽に入手出来るようになっても(昔はそれすら出来ませんでした)、基となる原型を作るのはやはりハードルが高いですからね。色々やりたい事があっても最初の一歩が踏み出せない方が殆どだと思いますので(私も含めて)。

ただ本格的な3Dスキャンとなるとかなり敷居が高い物だと考えていましたが、おおお・・・!と言う記事が上の画像で、以下がそちらのサイトです。

市販デジカメを使って工業レベルの高精細3Dデータを作成

高精度な3Dスキャンが簡単に出来れば、それを3Dプリンターでは無く、CNCフライスなどを使って強度のある部品を作る事でやりたい事の幅がもっと広がると思うのです。自分のフィギアを作っても楽しいのはその時だけですが(私的見解です)、自転車のステムを、サイズと形を自分で決めて鍛造で作って貰ったりしたら一生物になるんじゃないかなぁ、と思いまして(原型は粘土で作って撮影し、ネジ穴だけタップを使って切れば出来てしまいますよね)。

ここ大田区には金属加工の工場が沢山あるので、自分で出力しないまでもデータだけ送って後日通勤途中に出来上がった物を取りに行く!みたい事が出来れば凄く楽しそうです(と言いつつ自前のCNCが欲しいという矛盾もあるのですが)。