先日導入したスタンドックスの新色SPFシルバーですが、その後原色の黒(MIX571)を混ぜた2コート仕様として何種類かの色見本を作成しておりまして、さらに今回は改めて3コート仕様を試してみる事にしました。
ちなみに当初トヨタの極小エンブレムはメッキ調塗装で進行していて、これは一旦艶あり黒で完成させた後にさらに専用のシルバー(モトクローム)を塗装し、専用のクリアー(モトクリアー)&通常のクリアーを塗るという手間の掛かる工程となる為、今回のスマートキーのボタンに入れる極小のロゴには使えず、色の統一感を図れないという事で却下となりました。
その後に検証したのがこちらの「SPFシルバーに黒を添加」する仕様で、ただどうしても黒味よりもシルバーの輝きが強くなってしまい、かといって明るさを抑えようとすると金属感が落ちると言う事に陥ってしまいました(まあ当然と言えば至極当然なのですが・・・)。
と言う事で、今回の改めて黒とSPFシルバーを別々にした「3コート塗装」としまして、イメージとしてはマツダの新色「マシーングレープレミアムメタリック」(カラーコード:46G)をさらにドぎつくしたような感じです。
マツダのマシーングレープレミアムメタリックにはSPFシルバーは他の色に対して3割程しか入っていなく、また黒も1割程入っている為、恐らく先に作成した色見本と金属感的にはそんなに変わらないと思います。上の画像はかなり良い具合に見えますが、これは塗装面積自体が大きいのと、さらにコントラストを強く画像を加工編集した物と思われます。
と言う事で今回は下色にマシーングレープレミアムメタリックと同様に単体の黒(MIX571)を塗り、その上にSPFシルバーのみを含有量を変えて塗装しました。下色との差が大きいので当然ムラやダマは目立ちますが、その分金属感は増します。
SPFシルバーはMIX818と同様に隠ぺい力が高く、そのまま塗るとあっという間に下色の黒を隠ぺいしてしまいます。
ですので今回はマツダのマシーングレープレミアムメタリックを参考に、SPFシルバーに対して樹脂分(バインダー)を添加してシルバーの含有量を減らし、下色の黒を透かせようとしました。
上の画像ではシルバー原色1に対してバインダー分が4となっていて、これでもマツダのマシーングレープレミアムメタリックよりは薄くしてありますが、シルバー感は強過ぎます。2コートしか塗っていませんが下の黒は殆ど隠蔽してしまっているようです。
と言う訳でその後徐々にバインダー分を増やして塗料中のSPFシルバー含有量を減らし、最終的にはこちらの「1:15」までしました。SPF シルバーを15倍に薄める!と言う程にまでしています。
ただそれでもシルバー感は強く、最終的にはウェットでは無くドライコートで、ムラ・ダマが目立たないギリギリの所に留めて塗りました。被塗物が小さいから出来ていますがボンネットじゃ多分相当ムラムラです。
その後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、最初に塗った「SPFシルバーに黒を添加」した2コート仕様の見本と見比べてみました。そちらが右奥で、今回の3コート仕様が手前です。
SPFシルバーをドライコートで仕上げた見本と、以前「モトクローム」を使ってブラックメッキ調に塗ったダースベイダーのと比べてみました。
ダースベイダーの方は5コート2ベイクとかなり手間が掛かっていますが、今回の3コートSPFシルバーも工程の割には似たような雰囲気になっています。
全方向から光が当たる塗装ブースの中では余り金属感が判りませんでしたが、外に出してみるとその差は歴然でした。バインダーで薄めたSPFシルバーは完全には隠ぺいしておらず、一方向からのみ光が当たると下色の黒が透けて良い具合に黒味が出てくれています。
念の為ですが、手前が2コート仕様で、奥が今回の3コート仕様です。
屋外で見るとさらに金属感が強調されます。勿論ですが、画像は未加工です(縮小はしていますがいつもの撮影と同じです)。
普通の純正塗料(自動車補修用塗料)でこの質感はちょっと昔ではあり得ないくらいで、さすが蒸着アルミフレーク!(多分)と感心しました。
と言う事で、一応私的には上の画像の一番手前の、「黒の上に、15倍に薄めたSPFをドライコート」で良いのでは、と考えております。
どうぞご確認の程宜しくお願い致します!