腐食はピカールでは落ちませんよっと

factory-1-1-36 こちらは友人が乗っているハーレーですが、訳あって近々これを手放す予定らしく、最後に綺麗にしておきたいからと言う事で工場に乗って来ました。なるほど、今まで共に歩んで来た日々に感謝の意を込めて、と言う訳ですね。

factory-1-1-37ヘッドカバーやクラッチカバーなどのアルミ素地からは既に白い粉を噴いていて、傍から見たら(塗装屋として見たら)それはもう駄目じゃん!と思ったりもしたのですが、結構気合を入れてやっていたので敢えて水を差すような事は控えておきました。どうやら明日には次のオーナーになるかも知れない方が見に来るとの事で、少しでも見栄えをよくおきたかった模様です。って、そこなのか!と(笑)。

factory-1-1-38ちなみに私が徒歩での通勤に切り替えたのは彼の影響で、元々かなり不摂生だった癖にいつの間にか朝5時に起きてランニングをしてから仕事に行くと言う良く判らない事を始めて、そのお陰で肩こりなんて全く無くなったと言う話を聞いて私も影響されたのです。そう言えば元々長編小説嫌いだった私が「十二国記」や「グイン・サーガ」などを好きになったのは彼のお陰だったんですよね。

今はハーフマラソンやらミニトライアスロンに誘われていますが、いや、さすがにそっちに行くつもりは無いですって・・・。

注型ミニカー 量産体制

car33 色見本用として作成している自家製の注型ミニカーですが、実用品としても使えるようにすれば需要もあるのでは・・・と思い、もう少し量産し易いようにと新たにシリコーン型を作成する事にしました。6倍速くを目指します。

key47ちなみにこちらが今まで使っていたシリコン型で、これだと一度に一個しか作れません。

car35 と言う訳ですが、実は今回初のシリコーン樹脂の真空脱泡のテストも兼ねています。

まずは硬化剤を入れない状態でシリコーン樹脂を予備脱泡します。容器は以前に紹介した自作デジケーターです。

car37ドライポンプを回して内部を負圧にさせるとみるみるシリコーン樹脂中の気泡が出て来てあっという間に溢れそうになってしまうので、バルブを開けて圧を逃がして安定させながら様子を見ます。

car38 「脱泡→常圧戻し(加圧」を3回繰り返して予備脱泡完了とし、この後硬化剤を3.5%入れてかき混ぜました(ちなみにカタログ上の指定値は4%です)。

car34 シリコンを注ぐ場合、いつもなら極力気泡を噛まないよう糸状に垂らして少しずつ入れていくのですが、今回はテストも兼ねているのでいきなりドボっと型に入れてみました。今までだと完全にアウトな感じです。

car36 蓋をしてドライポンプを回し、容器の中を負圧にしていきます。

ちなみに負圧計の目盛りは右下の「0」の位置からのスタートで、時計とは逆方向に回ります。画像の状態だとマイナス0.095MPaって所ですね。ここまでは10秒くらいで到達します。

car39内部が負圧になると同時にグツグツと煮立つようにシリコン樹脂中の空気が抜けていきます。

ちなみに気圧が下がると沸点が下がりますがこれは沸騰とは違います。

car40 その後容器から出した状態です。尚、樹脂中には前回失敗したシリコーン型を切り刻んで目方を増やしてます。

car41 その後一日置いてヒックリ返してみました。

さすがにあの注ぎ方ではちゃんと裏まで回り込んで無いだろう・・・と思っていましたが、さすが真空脱泡です。隅々までかなり入り込んでくれていました。

car42 カッターで口を広げてあげて中の注型ミニカーを取り出します。

car43両端の内部が艶々なのは、ここに使ったマスター型も艶々だったからで、真ん中はサフェーサーを#800で研いだ状態だったのでシリコーン型の方もつや消しになっています。

今までは単に樹脂を注いで色見本として使っていましたが、出来上がったそれの底にドリルで穴を開けて強力なネオジム磁石を埋め込めばペーパークリップになりますし、ヒートンをねじ込めばキーホルダーにもなる!と言う算段です(だからどうしたって感じでもないのですが…)。

まあ何とか色見本以外への用途を見つけ出してみたいと思います。

どうしてここに・・・

flog-1-1 昨日の帰り道、歩道の先で何かが動いたと思ったら、な、なんとジャバ・ザ・ハットが!(じゃなくて普通のカエルですが)。

ちなみに昨日は雨なんて降っていませんしこの辺には川や池なんてありません。勿論田んぼの畦道なんかも無いので、一体どこでどうやってここまでのサイズに育ったんだか・・・。

さらに驚いたのは今日の帰り道にも多分昨日と同じこのカエルがほぼ同じこの場所にいた事で(!?)、どうやらこのカエルは夜になると出て来てこの辺を徘徊しているみたいです。さすがに二日連続はビックリしましたよ・・・。

nomigawa-1-1-28こちらは先ほどのカエルとは全然関係無く、いつもの呑川沿いの道端にあった排水口?です。先日の日曜日にいつもの業者さんの所に納品に行く時、足元に穴が開いていて何かと思って覗いたら何だか洞窟のミニチュアみたいに良い味を出していました。Nゲージ用の牛とか置いたら結構似合いそうですよね。

ちなみにこの日の納品はいつものcannondaleでは無く、何を血迷ったか徒歩で行ってしまい、案の定途中で道に迷って往復20キロと言う道のりに(苦)

CASIO BABY-G 乾燥硬化中

gshock35 先日本塗りを終えていますカシオBABY-Gのパーツ一式です。

画像は工場一階の乾燥炉(恒温機)で、BABY-Gは既に2回程熱を入れて強制乾燥していますが、念の為もう一度熱を掛けておこうと思っています。

gshock36 塗装方法は通常の2コートメタリック塗装ですが、クリアーに軟化剤を入れてフルフレキシブル仕様にしてあります。被塗物がゴムのように柔らかいので、その上に塗った塗装が割れないようにですね。

gshock37 クリアーに入れる軟化剤は通常10~15%程ですが、今回は念の為20%入れてあって、それ故に何度も熱を入れてしっかり硬化を促そうとしています。

ちなみに少し前にSTANDOXのオフィシャルサイトで軟化剤を30%入れるようなマニュアルを見たような気がするのですが(確かVOCクリアーとの組み合わせで)、その後それを探しても見つからず、結局15%添加のマニュアルしか見つかりませんでした。まさかここ数日で消えたとも思えませんし・・・夢でも見ていた気分です(本件とは関係ありませんのでご安心下さいませ)。

gshock39 ちなみにこちらはカップに余ったクリアーを取り出して一緒に熱を掛けて確認しているところです。

factory (1 - 1)-35通常カップから出したクリアーの塊は外気に触れると一気に溶剤が抜け、こんな感じでひび割れて崩壊が始まりますが、軟化剤が入っていればクリアーに柔軟性が持たれるのでこうはなりません。まあこれは極端な例ですけどね(笑)。

gshock40 今回は軟化剤を20%入れているという事で、ここまでの厚みの物をこんなに曲げても割れません。

gshock41 表裏どちらに曲げてもヒビ一つ入りません。

ただしこれは塗料樹脂が完全に硬化していないという事もあって、この後経年していく内に徐々に樹脂は固くなっていきますから、もしかしたら同じようにして割れてしまうかも知れません。

実はこういうテスト的な事は塗装屋さんなら誰でもやっていたりしまして(多分)、それが故にこういったゴミみたいな物(!)がその辺に溜まっていってしまいます。そう、それはただのゴミじゃないんですよ!(と言い訳を代弁しておきます)。

gshock38ちなみに今回テスト用の為にジャンク品のBABY-Gも用意しておりまして、ご依頼品と一緒にこちらも同じ条件で塗装しておきました。さすがにご依頼頂いた品で引っ張りテストとかをやる訳にはいきませんが、これなら本体が千切れるまで大丈夫!と言う算段です。一応分解するところから撮影はしていますのでいずれテスト結果と共に紹介したいと思います。

全然話は違いますが、湾岸ミッドナイトと言う漫画で「大田リカコ」と言う女性メカニックが登場するのですが(「スピードファクトリー RGO」代表の大田和夫氏の娘さんです)、悪魔のZと神谷エイジのランエボが対決する時にこのリカコもランエボに同乗し、自ら組んだエンジンの限界を知ろうとして隣のエイジを激しく煽るシーンがあるのですが(記憶が違っていたらすいません)、隣のリカコはエンジンが逝かなくてガッカリ・・・。恐らく自分が組んだエンジンがどこまで回るのか、どこまで行けば壊れるのか、壊れた後のエンジンの中が見たい!と言う心情だったのだと思います(何のことだか全く判らない方にはすいません・・・)。

エイジを煽るシーンでの彼女は異様に目をギラギラさせていて、若かった私は「コイツ狂ってる・・・」と結構引いたのですが(笑)、実際作り手の側になってみるとその気持ちが良く判るところがあって、なので今回のようなテストをしているのだと思います。

しかしあの漫画に出てくる作り手って確かに一芸に秀でているのですが、それ以外は人生を捨てているというかかなり狂っていますよね(苦笑)。私はそうならないように気を付けたい次第です。