NDロードスター用「DOHC 16-VALVE」作製

road (1 - 1)今回の企画の概要としては、新型NDロードスターのヘッドカバーがノッペリしていてちょっと物足りない!という事で、そこに今までのロードスターにあったような凸状の文字を付けてみようと言う計画です。今までのロードスターのヘッドカバーには凹んだ文字か凸文字のどちらかがあって格好良かったんですけどね。一体どうしてしまったのでしょう・・・。

road150ちなみに凸文字の形ですが、これについては今回新たに作成しても良かったのですが、どうせなら本物の血筋を受け継いだ形をしていた方が良いと思いまして、以前NCロードスターの樹脂性ヘッドカバーで作成した凸文字のデータを使う事にしています(なんて事は後付で、単にそのままデータを使いまわせて楽をしたかっただけなのですが・・・苦笑)。

road151凸文字は石刷りの要領で紙に転写し、それをスキャナーでPCに読み込みます。

road148ただそのままの状態では粗くて使えないので、Illustrator等のソフトを使って新たにベクターデータとして作り直します。

road149ちなみにレーザーでカットするとその部分が焼けて消失してしまうので、型を作る場合は内側を使うか外側を使うかでデータを補正しなければなりません。なので「そのまま使える」という程楽では無いんですよね。

road209尚、今回使うのはカットした外側=メス型となりますので、文字は少し細身に修正してカットしてしっかりした形を残せるようにしています。実は最初そのままのデータでカットしていたら、「mazDa」の「Z」の継ぎ目の部分が繋がっちゃう程細くなってしまいまして・・・。

road58そして材料を溶かします。昨日も使った画像ですが気にしないで下さい(結構このインチキ臭い画が気に入っていまして。笑)。

road62ジャジャーん!と鋳込みが完了です。溢れんばかりに入れてみました(いや厳密には溢れてます)。

ちょっと注ぎ過ぎな感じは否めませんが(笑)、余らせてもしようが無いですし、もしかして重力の力で何とかしてくれるのでは?と思ったので、とりあえずなみなみ注いでみることにしました。

road66 少し時間を置いて温度が下がったら底板を剥がしてみます。

うーん、tres bien !!! (何故かフランス語になっちゃっていますが、この時はまさにこんな感じでしたので・・・)。

road67 そしてMDF板を全て剥がしてみました。うーん、良いじゃないですか!

road68重力が味方をしてくれたのかどうかは判りませんが、溶けた金属は思った以上に細部まで流れ込んでくれていて、自分でやっておいてなんですが、凄く綺麗です・・・(惚)。

ちなみに当初は「どうせ削るなら下型にランナー(ゲート?)を走らせてようかな・・・」なんて事も考えましたが、この深さでこれなら全然問題無さそうです。どうかなJIIROちゃん?(フフフフフ)。

road69隙間に詰まっていたMDFの破片を取り除くのにマイナスドライバーとピックを使って結構乱暴に抉ったのですが、予想よりもピューターは固くて、塗装する上では殆ど影響無い程です。まあ食器などに使われるような金属ですから鉛とか錫とは違いますよね。

しかしこの鋳造品、最後に表裏を削って高さの調整をするつもりでしたが、表面に関してはこのままでも全く問題なく使えそうです。ただ裏はあれだけタップリ注いでしまったので、あれを全部削るのはさすがに骨が折れそうな気が・・・(恐)。

尚、切削に関しては、現在ボール盤を改造した簡易フライスを申請中でして(誰にだって話ですが一応会社の財政状態を見ながらと・・・)、それらが揃えば盛り過ぎた分の研磨も簡単に出来るので(多分)次はその辺の設備を整えていきたいと思います。

ちなみにエンドミルはそろそろ届く筈で、ブレて気になっていたボール盤のドリルチャックも先ほど手配出来ました。あと固定台にするクロスバイスですね!(一体どこに向かっているのやらと・・・苦笑)。

NDロードスターヘッドカバー凸文字化計画

road209  予定では週末辺りに鋳込む予定だったのですが、仕事の方が比較的落ち着いていたので(ほ、本当です・・・)、先日作った型に溶かした金属を流し込んでみる事にしました。

road58 前回は板金用の電気コテを使って溶かしましたが、今回は結構な量を流し込む為、基本通りガスコンロを使って金属を溶かします。一番最初に作ったDOHCの凸文字も再利用です。

road59 ちなみにるつぼ(=金属溶かすための容器)を用意する時間が無かった為、缶コーヒーのアルミ缶をハサミで切って使っています。抹茶★ん!が「アルミで溶けないの?!」と言っていましたが、アルミの融点は660℃と結構高いのでこんなガスコンロで溶けてくれたら奇跡です。と言うかそれならむしろアルミを使ってますよ(笑)。

road60 ちょっと気になったので一応溶ける温度を測ってみたら240℃くらいから溶け始めました。200℃以下では変化無かったのでヘッドカバーに使う分には問題無いようですね。

road61 本当は金属がドロドロに流れて注ぎ込んだ画が欲しかったのですが、如何せん誰も居ない・・・orz。 まあでも凄く楽しかったので大丈夫です(笑)。

で、少しでも早く型枠を外したいので、なんならこのまま水に浸けちまうか・・・なんて考えたりもしたのですが(汚い言葉ですいませんがこの時はまさにこんな感じでして・・・笑)、何か悪い事が起きそうなので一応自然に熱が冷めるのを待ちました。ガラスじゃないので多分大丈夫だと思うんですけどね。

road63 そして型枠を外してみました。ほぼイメージ通りに溶けた金属が流れ込んでくれています。ただやはり不安はあったので、一人工場の一階でヤバイヤバイって連発してしまいましたけどね(笑)。

road64 さらに分解していきます。形状がテーパーじゃないので型は破壊するしかないのですが、逆に一気に外れないもどかしさがまるでお宝の発掘作業をしているみたいでさらに興奮度MAXです(危)。

road65そして無事鋳造完了です。いやー、思った以上にちゃんと出来ていてビックリしました(笑)。

ちなみにこの後もう一個の「DOHC 16-VALVE」も鋳込んでいまして、そちらの方がサイズは大きいのですが仕上がりはもうバッチリです。時間の関係上そちらの紹介はまた後日にしますが是非期待していてください。私的な見解と言うか希望としては、もうそれ単体の状態で結晶塗装してしまいたいくらいですよ(笑)。

NDロードスター凸文字 型作り

road200昨日は日曜日で仕事は休みでしたが、従兄弟がわざわざ工場に遊びに来てくれるという事で私はほぼいつも通りに朝から出勤し、先日から計画していた「NDロードスターヘッドカバー凸文字化計画」を実行していました(そんな大層な計画では無いのですが・・・笑)。

当初は「レーザー彫刻」を使って掘ったところにピューター(金属)流し込んで作る予定でしたが、、このレーザー彫刻が思った以上に素地を荒れてしまい、とてもじゃありませんが仕上がりが悪過ぎたので、今度はもっと精密に出来る「シリコン樹脂」を使って型を作る事にしました。マスター型は5ミリのアクリル板をレーザーでカットして作製します。

road201 この状態だとかなり厚目になっていますが、これは鋳込んだ時に出来る「巣」も想定しての事で、出来上がった物の両側を削ってしまう予定ですからその分を考えて厚くしておきます。

road202 そして「DOHC 16-VALVE」の方も作ります。一応参考として先日作った鋳造物も並べてまして、今回もこれと同じく文字と土台が一体化したものを作ります。

road204 カットした文字とは別に土台となるプレートも作製します。

road205 土台となるプレートには切り取った文字と同じデータを使って0.5ミリくらいの深さにレーザー彫刻を施し、そこに接着剤を流してカットした文字をはめ込んでいきます。これなら作ったデータ通りに文字が配せますから超便利です。このアイデアもJIROちゃんから頂きました。フフフフフ(病)。

road211 (1 - 1)ちなみに今回はプラモデル用の接着剤を使っていますが、これは主にPS(ポリスチレン)向けで、それよりも耐溶剤性が強いPMMA(アクリル)ではちゃんとくっ付きませんから使い方としては間違いだと思います。ただ今回はシリコンで作る型用なので強度は必要ありませんのでこれでOKとしています。

本当は抹茶~ん!が持ってるアクリル用の接着剤を借りたかったのですが、この時彼はバイクで群馬に行ってしまって不在でして・・・。何故こんな肝心な時に!(笑)

road207 そしていよいよシリコンを流し込んで型を作るか!と思っていたのですが、傍から見ていたJIROちゃん曰く、「レーザー彫刻は確かに型がボロボロになっちゃいますが、レーザーカッターならMDFでも行けるかも知れませんよ?」との事で、今一度改めて今度は彫刻では無く「レーザーカット」によるMDF型を作る事にしました。

road210 (1 - 1)それぞれカットした物を3層構造にして木工用ボンドで固定していきます。確かにこれなら一度データさえ出来てしまえば簡単に型が作れるので大きなコストカットが望めます。コ、コンクリートでもいけるかも・・・(病)。

road208既に従兄弟は帰ってしまったのですが、うっかり(と言うかいつもの通り)エンジンが掛かってしまったので、序でにと言う事で「MAZDA」の型も作ってしまいました。日曜日なので早く帰るつもりだったのにと・・・(勿論JIROちゃんも道連れで。笑)。

road209そしてレーザーカットによる3層構造の型枠が完成です。掘りが大分深いですが、これも金属を鋳込んだ時に出来る巣穴の分を想定し、最後には裏も表も半分以上は削り落としてしまうので問題ありません。溢れんばかりになみなみ注いであげるつもりです。

ただ余りにも厚くなった分をペーパーやらヤスリで削るのも大変ですから、今後はボール盤を改造して簡易フライスとして使えるようにしてそれでザクザク削っていくつもりです。上手くすれば削りカスを再利用も出来ますしね。

鋳込みはちょっと忙しいので週末になる予定で、ただ逸る気持ちを抑えるのが本当に大変なのですが・・・(苦)。

日曜日はちょっとワークショップっぽく

factory (1 - 1)-27本日は日曜日でPRO_Fitの工場は定休日だったのですが、従兄弟がうちの工場を見てみたい、そしてJIROちゃんに会いたい!と言う事で、休日ではありましたがいつも通り工場に出勤していたりしました。私も先日からやっていたNDヘッドカバーの凸文字製作の続きをやりたかったですしね。

factory (1 - 1)-23左がいつものJIROちゃんで、右に居るのが今回初登場の私の従兄弟です。彼は若くして岡山から上京し現在都内で服飾系のデザイナーとして活躍しています。二人は今回初めて会うのですが、元々どちらにもそれぞれの話はしていたので、是非会って話して見たい!と言う事で今回工場に遊びに来てもらう事にしました。お互いクリエイティブな所が似ているのでで、会って早々に気があっていたようです。ちっ、なんだか楽しそうだなぁ(笑。いや冗談で、実は私が一番楽しんでいました)。

factory (1 - 1)-24ちなみに従兄弟がデザインした製品は今まで雑誌で紹介されたり賞を取ったりと、控えめに言っても結構出来る方だと思っているのですが、彼的にはそう言うのに無頓着な所もあるみたいで、現在は勤め人としてやっていて個人的な活動などは殆どしていなかった模様です。

ただ最近になってようやく始めたウェブサイトやフェイスブックでは案の上評判は良いらしく、在庫が切れてしまった物は増産を始め、さらに現在新たな商品開発を進めている模様です。今回は持参した皮を使って実際にレーザー彫刻を施してみたり、JIROちゃんがレーザー加工機を使って作った革製品を見たりと色々興味津々のようでした。

factory (1 - 1)-25そしてこちらが彼のデザインした靴で、一見して良く判らないのですが、なんとここに配されている柄は全て動物の尻尾(?!)との事です。ここだけを聞くと羊達の沈黙と言うかサイコ的な趣味なのかと思いきや(冗談冗談)、実際はそうでは無く、単に相当動物が好きで出来上がったデザインのようです。

尻尾が好きかどうかは別として(笑)、「人と違った物が」と言う方にはきっとお勧めのブランドになるかと思います。 →Re.EGO

factory (1 - 1)-26それにしてもレーザー器械を使っている時は楽しすぎる為か、いつもJIROちゃんと「ここだけ時間の経ち方が違うみたい!いつの間にかもうこんな時間だよ~」みたいな事を言っていたのですが、後ほど従兄弟から来たメールにも「 時間が過ぎるのがめちゃくちゃ早い精神と時の部屋のようでした」との事が書いてあって、ああなるほど、みんな感じ方は一緒なのかと少々ビックリしました。楽しい事をやていると時間はあっという間に過ぎるようです。本当に楽しかったなぁ・・・と(まあ私の場合は鋳造用の型造りが本当に楽しくて楽しくて・・・笑)。

ちなみに「精神と時の部屋」とは漫画ドラゴンボールに出て来る例の場所で、そこだと外界での1日が1年分!と言う時間の経ち方をするのですが、ただそうなると歳の取り方が周りよりも365倍ですから、それはちょっと嫌かも(笑)。