コロナ騒動による仕事への影響

お陰様でと言って良いのか判りませんが、このコロナウイルスの騒動でも当店は変わりなく営業出来ております。また多くの方にご贔屓を頂き、通常時と変わらない売り上げを維持出来ておりまして、本当に有難い限りです(ただ暇になったら休業にして都から助成金を貰うという目論見は泡と消えましたが。笑)。

画像は先日完成した1/18のレンジローバーミニカーで、完成後にはオーナー様からご感想も頂きました。喜んで頂けて本当に何よりです。いずれ施工例のページを作って頂いたご感想も添えて紹介したいと思います。

現在行っている小物塗装は、一人でやっているという点でまず大きな利益は望めませんが(さらに車の塗装と違って保険作業がありませんので・・・)、それ故に大きな浮き沈みも無く、お陰で今回の騒動でも安定して営業が出来ているのかも知れません。柳生石舟斎の言葉じゃないですが、石舟はついに浮かばずみたいな感じでしょうか(全く違いますか)。

上の画像も先日完成してお納めしたBMWの純正ボンネット(&トランク)バッジで、こちらもオーナー様から非常にお喜びのご感想を頂けました。ぱっと見は地味ですが、細部を綺麗に仕上げようとするのは結構大変で、地を這ってやるような辛かった作業も全てが報われました(笑)。

  これからの状況はまだどうなるかは判りませんが、今のところコロナウイルスの影響でキャンセルとなったような事は一つも無く、むしろ騒動前にお問合せ頂いていた案件が今になって「ようやく海外に頼んでいた部品が入るので」とご依頼に至るケースがあるくらいです。この時期にそこまでの出費をされて大丈夫かと私が心配するくらいですが(笑)、本当に有難い限りです。

上の画像も先日完成してお納めした自転車用のステム(フォークとハンドルを固定する部品)で、こちらのオーナー様からもあり得ないくらい喜んで頂けました。

ただこの辺は私の技術よりも材料による恩恵が大きく、何にしても今使っているSTANDOXの塗料システムのお陰だと思っています。独立した当時はDUPONT(今は名前が変わってCromax)の塗料を使っていて、まだ買ってから数年しか経っていないその当時、担当して頂いていたオートサプライヤーさんからの(凄く)強い勧めで今のSTANDOXを導入しましたが、今思うとそれが本当に良かったと思っています。

DUPONTも勿論良い塗料なのですが、当時色々悩んでいた事がSTANDOXに変えた事で改善されて、特に驚いたのはベースコートが違うとクリアーの仕上がりもここまで変わるのか!と目から鱗だったのを今でも覚えています。ただそれによって超えられない壁がさらに高くなってしまった事に気づく事になりましたが・・・(苦)。

コロナウイルスの騒動はまだまだ続きそうですので、何とか今まで通りに仕事を続けていければと思っています。

小物塗装工場の購入

以前知り合いの塗装屋さん(GUNさん笑)が「熱海から新幹線で通勤!」みたいな事を言っていて、この人は中々凄い事を考えるなぁと思っていたのですが、最近は私もなるほどそれは良い考えかも!と思うようになりました(笑)。

問題のGUNさんの記事はこちらです。

私の場合はこれとは逆で、都内から郊外に仕事に行く!といった感じで、色々調べてみると、現在の工場を2~3年借り続ける金額で買えてしまうような物件もあるので、もはや場所を選ばない今の小物塗装ならどこでやっていても良いのでは・・・と思いました。確かに都内は色々刺激的な場所などありますが、月曜日~土曜日はほぼ自宅と工場の往復だけなので、電気が通っていてクロネコヤマトさんさえ来てくれる場所ならどこで仕事をしても良いんですよね。

ちなみに通勤に時間が掛かるのは避けたいので一応は近県で、また行ったら泊まりっぱなしで週に4日滞在して残り2日は都内の家で在宅勤務、といった形にしようかと思っています。それなら通勤コストも抑えられますし。

しかしそうなると対応出来る被塗物はさらに限られ、売り上げも相当落ちてしまうと思われますが、最終的には自宅の作業場で極小さい物だけをやろうとしていたくらいなので、それの中間といった感じで考えれば何とかなるのでは?と思っています。とにかく家賃が発生し続ける状況で体力が低下するのに危機感を感じてしまうんですよね。

土地が広ければレーザー加工機から出る臭いとか気にしませんし(笑)、自分の物なら改造はし放題ですから、こういう秘密基地的なのが出来ると想像するだけで楽しくなってしまいます。

まあ実際のところ頼みの綱が国民年金しか無いとなると死ぬ直前まで働き続けなければなりませんから、動ける内にコストの掛からない環境を作っておきたいというのが本音でもあります。

まあこういうのが単なる夢で終わったとしても、それで日々のモティベーションが上がってくれるだけで十分かと思っていて、と言うか工場引っ越しの時に都から借りたお金の返済がついに来年終わるので、それで燃え尽き症候群にならないよう次の目標を考えていたりする訳です(笑)。

GMCホイールキャップ 注型

 先日より準備を始めているGMCのホイールキャップ制作です。注文していたエポキシレジンが届きましたが、古いのも少し残っているのでこちらも使います。

 主剤自体は変わりありませんでしたが、硬化剤はかなり黄ばんでいます。クリスタルレジンNEOは耐候性が良いので評判ですが、硬化剤単体だと黄変はしてしまうのかもですね。

 一応以前作った時の試作品(失敗作)をシリコーン型に入れてみて、サイズ的には問題が無い事を確認しました。シリコーン樹脂を固める時に内部にガラスクロスを入れておいたのが良かったのでしょうか。

 型の内側に離型剤を塗り、

 ボルト部に埋め込むアルミリングの穴径を10ミリから12ミリにしておきました(すっかり忘れていました)。

 それをボルト取り付け穴の周りに嵌め込み、

 型を合わせて輪ゴムで止めたら注型準備完了です。

 また樹脂にはガラスパウダーも混入します。強度を上げる為の骨材ですね。

 真空脱泡機で予備脱泡をし、

 注いだエポキシレジンが固まったら型から取り出します(おっと間違えました)。

 実は固定しているゴムが弱くて途中で隙間から樹脂が漏れたりして大変だったのですが、途中でゴムを足してレジンを注ぎ足す事で何とかなりました。

 裏側は良い感じで、

表側は注口付近に溜まった気泡がそのまま残っていますが、まあ前回同様パネルボンド(エポキシ接着剤)で埋めれば使えない事はなさそうです。表面には何故出来たのか判らない離型剤を塗った時の刷毛目が出ていますが、サフェで下地処理を行うので問題ありません。

 と言う訳で後日二回目の注型を行いました。

 今回は新しいレジン100%なので黄ばみが全くありません。白い!

ただこちらも上の方に気泡が残っているので、やはり後でエポキシで埋めないとです。

まだ材料が余っていて、また追加でアルミリングも頼んだので、もう少し良いのが出来ないか試してみようと思います。早く下地処理始めたいですね!

姿見鏡の修理

 友人から「やっちまった・・・」みたいな電話があって、何かと思って聞いてみると、

 どうやら酔っ払って躓いた拍子に部屋にあった姿見を倒してしまい、鏡を割ってしまったとの事でした。

ただこの辺は塗装と同じで「直すより買った方が安いよ」と進言したのですが、聞いてみると奥様の大切な嫁入り道具で、家具屋さんに相談しても同じような回答だろうからなんとかして欲しいとの相談でした。

って、私はただの塗装屋なんですが・・・。

 と言う訳ですが、そのまま自宅に置いておけない(奥様に見られる訳にはいかない)との事なので、一応預かる事にしました。

さすがに家具の分解は無理だろうと思って裏側を見てみると、どうやらベニヤで鏡を固定しているだけのようで、ワイヤレスマウスの分解よりは100倍くらい簡単そうに見えたので作業をしてみる事に・・・。

 しかしなるほど確かにその辺のホームセンターに売っているような代物では無いみたいです。

ただ固定はタッカーなので、これさえ外せれば問題無いですかね。

 なんて油断していたら、10年以上使っていて無傷だったスナップオンのピックツールの先端があああ!(酷)。

 と言う訳で、無事背板脱着完了です。やはりと言うか何事にも褌を締めてかからないと駄目ですね(ただそんな事をし続けていたら病んでしまいます)。

  さらに鏡を固定している割り箸みたいなのを取り外し、

 鏡の脱着が完了です。

そして外した鏡の寸法を測り、

 ネットから業者さんに発注しました(画像は全く関係なく、いわゆる夜の部のいつもの状態です)。

 そして数日後~!

ドキッとしました。

 ネットで発注した鏡にはカットした断面に対して色々な仕上げがあるみたいで、今回は枠に入れるので切り口は隠れますから一番安い「割っただけ」にしました。鏡だけ単体で使う場合はカット面を磨き加工すればそのまま単体で使えるようです。

予想していたよりも金額は安く、ある程度のサイズなら市販品を買うより安いと思うので、ショーケースを自作したり、壁をピッタリ遊び無しで一面鏡にしたりと面白いかもですね。

と言う訳で枠にはめ込みました。当然ですがピッタリです。

 ・・・が!

どうやら元々着いていた鏡より2ミリくらい分厚いみたいで、鏡の裏に貼ってあった当て板が少し飛び出てしまってます。

 今回発注したのが5ミリ厚で、これは選べませんでしたから、多分イタリアの一般的な企画が3ミリ厚だったのだと思います。もしくは輸出用は軽量化する為にわざと薄いのにしているとか。

 なので元々着いていた7ミリ厚の当て板を外し、5ミリ厚のアクリル板で代用する事にしました。わざわざ探さずにこういうのが沸いて出てくる環境がもう最高です。

 元々着いていた割り箸みたいなのも鏡の厚さが変わったのでそれは取っ払い、スポンジテープを貼る事にしました。

 柔らかくて分厚いエプトシーラーと、丁度良くて固いウレタンスポンジを併用しました。どっちかが劣化したりしても大丈夫なようにですかね。

そして背板を元の通りに取り付けて完成です。

幸いにして今回は接着剤が使われていなかったので分解が可能でしたが、大量生産品だとこの辺が難しいかもですね。イタリア製なのが幸いだったのかもです。

 早速完成の連絡を入れたところ、まだ取りに来れないとの事で工場二階に保管しておく事にしました。

 埃も溜まっていたので軽くエアーブローしておきました。

鏡と送料、その他の材料で掛かった費用は1万円ちょっとといった感じでしょうか。ただ「塗装工場」としてのこの場所でやると、レーバーレートからしてこれの3~5倍くらいの費用になってしまいますから、仕事としては到底成り立たないです。まさに買った方が安いという事になります。

ただいずれ自宅で仕事をするようになったら何でも屋みたいな感じでこういうのも良いかも知れないので、今は何事も経験ですかね。