ポケとる ステンレスボトル

DESIGN WORKS ANCIENT社のPOKETLE(ポケとる)ステンレスボトルです。容量は120mlと少なく、手のひらに収まるサイズです。全く使う予定は無かったのですが、塗ったら面白そうなのでとりあえず買ってみました。

 少し前にFrancfrancで売っているのを初めて見て、「こんな小さいの、一体何を入れるんだ・・・」と思っていましたが、意外にもヒットしているとの事にビックリしました。色々楽しめるよう複数持ちしたりするみたいですね。

 以前塗ったサーモスと比べてみました。サーモスが500mlですから、ポケとるだとそれの24%しか入らないとか・・・。

まあでも確かに持ってみた感じはサイズ的に良い具合で、ミニチュア物が好きな人には間違いなくウケると思います。

ただ塗装する場合、本体と別にキャップも塗る必要があって、さらにそこにPP(ポリプロピレン)のフチが見えているので、マスキングをすると手間が掛かる&綺麗には仕上がらないという事で、塗るには余り向いていない気がします。まあでも塗りますが(笑)。

単体で塗っても面白くは無いので、マイクのような物と御揃いの仕様にした塗装にしてみようと思います。どうせならピンクグラデーションのマイクに間に合えば良かった良かったのですが・・・。

色見本用マイク シリコーン型Ⅱ 作成②

 先日の続きで、新たに作成している色見本マイク用のシリコーン型です。

ブロックの隙間から漏れ出して減った分のシリコーン樹脂を後から足していて、それが固まったのでブロックの枠を外していきます。

 零れていたよりも随分と減っていると思っていたら、どうやらブロックの内側に大量にシリコーンが詰まっていました・・・。

 恐らくはしつこく真空脱泡を繰り返したので、隙間からブロック内側に充填されてしまったのだと思います。折角の高価なシリコーンが・・・。

尚、今回は分割はせず一度にシリコーンを注いだ方式にしているので、ここからそれをナイフで切り開きます。

この場合の切り方が良く判らなかったのですが、一応ズレないようにジグザグに切ってみました(余り意味は無かったかも知れません・・・)。

全部を完全に切る必要はなく、ある程度のところでスポット抜けました。

 と言う訳で、さっそくレジンを入れて色見本用の素体を作ります。

 15分くらい待つと固まるので、同じようにして抜き出します。

今回使った信越シリコーンのKE-1417は耐久性・離型性が良いとの事ですが、出来るだけ型を長持ちさせたいので一応3回に一回は離型剤も塗っています。

継ぎ目はやはり見えてしまうのでそのまま上塗りと言う訳にはいかず、数がまとまったらサフェを塗っておこうと思います。

色見本用マイク シリコーン型Ⅱ 作成①

 色見本用マイクのシリコーン型は以前造っているのですが、何度も注型しているうちに型が劣化してきたので改めて作り直すことにしました。

また今回は片側ずつ作る分割タイプでは無く、一度にシリコーンを注いで後から割いて開く作戦です。この方が単純に時間が半分で済みますので楽なのです。

 底板にはアクリル板の端材を敷き、両面テープを貼ってマイクを固定しています。一応ブロックのところには漏れないよう油ねんどを盛っておきました。

 その後マイクがすっぽり収まるようにブロックの壁を積み上げます(ただ真空脱泡時に溢れるのでこの後さらに2段嵩上げしました。

 今回使うシリコーン樹脂も新しい物で、信越シリコーンのKE-1417なる製品となります。以前GMCのアルミホイールキャップを複製した時に購入して使っていなかった物ですね。

既存の物より離型性や耐久性において非常に優れているとの事で、ピューターなどの低融点金属などにも使えるようです。メーカーのカタログはこちらのページからどうぞ。

 主剤100に対して硬化剤は5%です。

 硬化剤はまるでハウスオブカラーのKK-05コバルトブルーのような美しさで、多分攪拌不良が判り易いよう着色されているのだと思います。ポリパテと同じですね。

 真空脱泡はサイズを大きくしたデシケーター弐号機を使います。まあ単にアルミ寸胴に穴を開けてドライポンプと繋げただけの物ですが・・・。

真空脱泡についてはこちらの記事が判り易いかと思います。宜しければご参照下さい。

ちなみに現在使っているドライポンプ以下の製品となります。ORION社のKHA750Aなる製品で、一般的な油回転式の真空ポンプと違って油を排出しないので、塗装現場で使っても全く問題ありません。ちなみに油回転式真空ポンプをこんな風にコンプレッサーの上に置いて使うと、その辺に油が散って工場が終わります(恐)。「排気のパイプを外に出せば良いのでは?」と思うかも知れませんが、塗装の現場においてはそういうレベルでは無いのです。

 主剤と硬化剤を混ぜた物をデシケーターに入れて予備脱泡します。

その後本番用の型に先ほど予備脱泡したシリコーン樹脂を入れ、再び真空脱泡します。動画も撮影したので今度インスタグラムでアップしてみようと思います。

油回転式の真空ポンプは油膜がシールになっているのできっかり-0.1MPaまでいく筈ですが、当工場が使うドライポンプはブレードの先端にカーボンが付いているだけなので密閉性が悪く、この辺が限界です。ずっと回し続けているともう少し下がっていくのですが、そこまでやる意味も無いかなといった感じです。そういった点でドライポンプより油回転式の方が使い勝手は良いですかね。

そして翌日です。

って、あれ?!

入れた量よりかなり減っている気が・・・。

どうやらブロックの隙間からシリコーンが漏れ出してしまったようです。こんな事は今まで一度も無かったので、既存のものに比べて分子が小さいのかも知れません(水は通さないけど水蒸気は通すゴアテックスのような感じではと)。

 と言う訳で、零れて固まった分を、

小刻みにカットして型に投入して嵩上げし、新たにシリコーン樹脂を50g程作って注ぎ込みました。

 再びデシケーターに入れて真空脱泡をします。

カットした端シリコーンがケバケバと突出していたので、プラ板をカットして無理やり押し込みました(笑)。

固まったシリコーンは既に切り開いてマイクを取り出し済みで、続きは後日改めて紹介します。

桜柄マイク色見本作成

 仕事に追われて中々進んでいないのですが、最近少しずつ柄物の色見本を作成しています。

通常は桜の花びらをマスキングテープにして一つずつ貼っていきますが、それだとどうしてもコストが上がってしまう為、

 レーザーを使って「一枚物」のマスキングシートを作成する方法にしました。

 いつものカッティングプロッターだと「刃」でカットする為、糊の成分は残り、切り抜いた筈の物も一緒にくっ付いて来てしまいますが、レーザーだとその糊ごと分断してくれるので、ピンセットでシートを摘まむと画像のようにスルっと剥がれてくれます。この凄さは地獄のマスキングを経験した人じゃないと判らず、知り合いの塗装屋さん(GUNさん)が初めてこれを見た時はかなり興奮していました(笑。近々買うみたいです)。

 マスク型は一つでも配色によって色々な仕様が出来ますが、とりあえず今回は無難に白ベースにする事にしました。画像は既にベースコートの白(VWキャンディホワイト)を塗った状態です。

 現物合わせを何度も行っていて、多少のズレは問題無いように配置しているので、比較的簡単に(水無しで)貼れるようになっています。

 桜の花びらには濃淡2色のピンクを使いました。

 ちょっと(と言うかかなり)判り難いのですが、花びらは中心を薄いピンクに、外側を濃いピンクにしています。グリルはリングを薄いピンクに、メッシュ部は白にしています。

 そしてその上にパールを重ねます。パールは干渉型レッドとアメジスト(バイオレット)パールを入れています。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

 パールを入れたので色がちょっとぼやけてしまっています。もっとピンクを濃くした方がよかったですかね。

 今回のマスキングの利点は剥がす手間が非常に楽な事で、もしこれを花びら一枚一枚貼っていたらそれらを剥がすのは非常に面倒ですが(そしてリスクも)、今回のように「一枚物」なら簡単に剥がせます。

その後熱を入れて塗膜を硬化させ、撮影も行いました。

 画像だと判り難いのですが、光にあたると表面にピンクっぽいパールが浮かび上がります。

グリルのメッシュ部は白なのですが、その上に重ねたピンクパールでこちらも多少色味を感じられます。

 自然光でも撮影してみました。

 うっかりしていたのですが、これにSHUREのロゴを濃いピンクかマゼンタのメタリックで入れたらもっと引き締まっていたと思います。

 画像だと判り難いのですが、光い当たるとパールが浮かび上がります。

ちょっと判り難いので、先日スポットライトを取り付けた場所でも撮影してみる事にしました。

一方向からの光が当たるとこのように表面にキラキラとパールが浮かび上がります。

靴のデザイナーをやっている従弟からもアイデアを出して貰っているので、時間が出来たらそちらも試してみようかと思います。