2018/12/23サーモス塗装ワークショップ③

 先日行いましたワークショップで塗装した物の紹介となります。

こちらの青いサーモスは、アートトイペインターのGUNさんが塗装した物です。GUNさんについては以下の記事を見て頂くと判り易いかと思います。サーモスを塗るのは今回で4回目です。

マスキングシートを届けついでに

 下に赤味のある青を塗り、その上に粗目のブルーパール(MIX845)、そして最後にクリアーを塗った3コートブルーパールの仕様です。

GUNさんは普段はエアーブラシを使っていますが、やはりと言うか使う材料や工具、環境が違うので今までの二回では若干垂れが生じていましたが、今回はそれも克服しました。外資系のクリアーは粘度が高く、塗った後からも伸び続ける傾向にあるので、普段国産のクリアーを使っていると流し易いのかも知れません。私がディーラー勤務の時も、中途で入って来る塗装屋さん(社内外注さん)が、激しいナイアガラ(再起不能なタレ)を引き起こしているのを良く見かけました。

そしてこちらは今回初参加の女性の方の作品で、色はクロマフレア風No.4、またサーモスの下の方には「ありがとう」の文字をシルバーの塗装で入れています。

 また今回はサーモスの底に着ける「傷付き防止用プレート」の制作も行っていまして、

 サーモスの底のサイズに合わせて3ミリ厚のアクリル板(半透明乳白色)をレーザーでカットし、「2018」の文字をレーザー彫刻で入れました。

 塗膜が完全硬化後、両面テープで貼り付けました。サーモスは日常的に使うとどうしても底の塗装が傷付いてしまうと言う事で、それの防止にテスト的に使って頂こうと思います。

画像は判り難いのですが、2018の文字にはシルバーを墨入れ(塗装)してあります。

文字はデカールを貼るか塗装で入れるかで悩んだのですが、チヂレ等のリスクを考えるとデカールはちょっと怖かったので、今回はマスキングシートを使った塗装で行っています。

今回塗ったクロマフレア風No.4は見る角度によって「紫→橙→黄」と色が変わる塗装です。色は当日色見本の中から選んで頂きました。

自家塗装を経験された事のある方なら判ると思いますが、初めて塗装をしてここまで仕上げられるというのは、ある意味夢のような事だと思います(少なくとも子供の頃の私はそうでした)。

勿論失敗する事はあると思いますが、環境さえ整っていれば、初めてスプレーガンを握った方でもこれくらいには仕上げられる!という事でもあります。念の為ですが、私は一切手出しをしていません。

 そしてこちらはG-SHOCK塗装屋さんが塗られた、アクリル板をレーザーでカットして作った色見本キーホルダーです。目の部分はG-SHOCK塗装屋さんが自宅で作って来たデカールで、クリアーを塗る前にいつの間にか貼られていました(笑)。

プレートを支えてくれているのは以前GUNさんから購入したBLACKRABBITで、詳しくはこちらの記事で紹介していますので宜しければどうぞ。やはりと言うか立体造形物が画中に入ると映えますね。

 今回は色(顔料)の取り寄せも頼まれていますので、そちらが入荷次第一緒に送らせて頂きます。それまでは私のリュックで(笑)。

次回ワークショップ開催する時はまたご案内をさせて頂きますね。この度の御参加有難う御座いました!

色相環色見本制作⑪ グリーン系3色本塗り

 先日のイエローに引き続き、色相環12色の内のグリーン系3色の塗装となります。

一色につき74個(多分)なので、今回は合計222個の塗装となります。

ちなみに画像では白を塗った上に下色のグリーンを重ねた状態で、恐らく以前チェーンカバーの塗装の時に作って余った色だと思います。当工場では塗料は血よりも高い位置付けなので、余ったからといって捨てる事はまずありません(単にカツカツなだけで偉そうに言う事でも無いのですが)。

 その後それぞれの色を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

色相環の位置で言うと、手前の青緑が以下画像の「5時」の部分で、奥にあるのが「4時」の位置にあたります。そして下の色が「3時」になります。 画像だとそんなに鮮やかに見えませんが、使っている原色では濁る要素が入っていないので、カワサキのライムグリーンよりはるかに鮮やかな色味になっています。

こちらは現状艶がありますが、塗っているのは艶消しクリアーなので、この後徐々に艶が消えて艶消し仕上げとなります。前回塗ってなかったイエローの艶消しも一緒に塗りました。

多少無理をすれば1ターンで4色塗れるのが判ったので、年末年始のうちにあと2ターン塗って、早いところ色相環壁時計を完成をさせたいと思います。

STANDOX VOCプラチナクリアー

先日塗ったフェラーリロッソコルサの色見本用アクリル板ですが、

折角なのでクリアーを塗り直す事にしました。

と言うのは、

現在お預りしております、三菱アウトランダーのフロントグリル用に用意したSTANDOX VOCプラチナクリアーをテストしてみたかった為です。傷が非常につき難い耐擦傷性クリアーで、ベンツではナノ粒子クリアーの補修時に指定されている物です(と言うか最近のベンツは全てこれになっているみたいですね)。

ちなみにこれの前の型のプラチナクリアーは、以前スマホカバーの塗装に使っていて、今のVOC型になってからは今回が初めてです。一応どんな感じなのかオートサプライヤーさんに聞いてみたのですが、殆ど出る事(売れた事)が無いとの事で、事前に試してから本番に使う事にしました。

 また折角なので引っ掻きテスト用の色板も作製しておきます。

色は傷が判り易いよう黒にして、左がイージークリアー(旧)、右の二枚がVOCプラチナクリアーです。

またよくネットなどで論議されている塗膜の硬さについてですが、私的には以下のページで紹介されている記事が信頼性が高いと考えておりますので(何と言っても塗料のプロが説明している事ですので)、宜しければご参照下さいませ。ナノクリアーも7Hとか言われていますが、そんな事は無いと思います。

ハードコートの性能向上・塗料に関わる新技術

手軽に出来るハードコートとしてはUV硬化型の塗料だと思うのですが、確か紫外線に弱いので屋外での使用は推奨されていないと思います(そう言うのも余り紹介されていないのが怖いところです)。

と言う事で、今回のVOCプラチナクリアーは硬いのでは無く、分子間の結合が強い&軟化性がある事によって傷が付きにくいクリアーとなっています。ガラスのように硬くて傷が付かないというのとはちょっと(と言うかかなり)違います。

前記した理由(性質)から磨き処理が大変なので使える場面は限られますが、ご興味のある方はお問い合わせ頂ければと思います。

極小さい物、形が非常にシンプルな物、例えばフェラーリのリモコンキーなどであれば対応は出来ると思います。垂れたり溜まったりしそうなたらどうしようも無くなってしまうので、その恐れがある物にはお受付が出来ません。ご了承下さいませ。

2018/12/23サーモス塗装ワークショップ②

 先日に引き続き、 2018年12月23日に行った見本キーホルダー&サーモス塗装ワークショップの紹介になります。

 先ほどの画像に映っているのは、普段は主にG-SHOCKを専門に塗装をされている方でして、今回も塗装済みのG-SHOCKを幾つか持って来て頂きました。

 こちらのG-SHOCK屋さんも、当店と同様にオーダーメイドでの塗装が基本なので、余分やサンプル品などは余り在庫されていないとの事です。仕事で塗っているとそうなっちゃいますよね。判ります、判ります。

それにしてもこの柔らかいベルト部分に、日常使用を想定した塗装を施そうだなんて、塗装を良く知る方ならこれがどれだけハードルが高い事かは判ると思います。「BMW Mのウレタンバンパーは柔らかくてー」とか言っているのとはレベルが違います(苦)。

他には文字の墨入れの方法にも拘っていて、GUNさんも半ば呆れていました(笑)。

GUNさんはと言うと、先日頼まれていた色相環用とその他STANDOXの塗料を準備しておきまして、これにシンナー(4キロ)も入れるとかなりの重量となるので、今回塗ったサーモスと共に後日発送する事になりました。きっとGUNさんなら無理してでも持って帰るだろう思っていただけに、ちょっと残念です。

ちなみにGUNさんはいつものブラックラビットでは無く、無機色系の塗装を施したウルトラマンのプラモデルをお持ち頂きました。シルバーの部分は以前ご購入頂いたSTANDOX MIX818を使っているとの事で、元々塗られていた粗目のシルバーが気に入らなく、粒子の細かいこれを使ったとの事です。塗り分けも相変わらずキレてますね(恐)。

 今回初めて御参加頂いた女性の方は、元々当店で何度も塗装のご依頼を頂いているお客様でして、この日は以前塗らせて頂いたピンクのサーモスをご持参頂きました。奥にあるG-SHOCK塗装屋さんが以前のワークショップで塗ったジオン仕様(笑)の赤いサーモスも含め、塗装の剥がれなど無く比較的綺麗な状態を維持していました。

今回塗装して頂い物は後日発送となりますので、完全硬化後に改めて撮影をして紹介したいと思います。

この度の御参加、誠に有難う御座いました!