凸文字鋳造型 蓋付きVer.②

road88またか・・・とウンザリするかも知れませんが(笑)、NDロードスター用ヘッドカバーの凸文字化計画は引き続き続いています。まだ気に入らない所があるので仮定を立てながら色々試してみています。

road81 今回はMAZDAの方に内蓋を取り付けまして、注いだ金属が固まる前に蓋を完全に閉められれば余分な金属が溢れ出てくれるのでは・・・と言う算段です。

road84さらに今回は今までよりも溶かした金属の温度を高めに設定する事にしました。鋳造に使っているピューターなる金属は大体260℃くらいで溶けてくれて、今まではそれで安心して注いでいたのですが、余りにも固まるのが早いので、だったらもっと温度を高くしておけば固まるのも遅くなってくれるのでは?と思った次第です。

考えてみれば当たり前の事なのですが流石に300℃ともなると無用に温度は上げたくは無いのでウッカリしていました。で、予想していた通りこれが思いのほか上手く行きました。

road82溶かしたピューターを素早く型に注ぎ込み急いで蓋を閉じます。今までは火から離して3秒ないし5秒でどうにもならない状態でしたが、今回は温度を高めにしておいたお陰でゆっくり落ち着いて蓋を閉めきる事が出来ました。多分10秒くらいの余裕があったと思います。

road83 底板を外した状態です。これは何度見ても感動ものですよ。

road86 同じくこちらも良い感じで、作業にも慣れてここまでは安定して出来るようになりました。

road87上のDOHCの長い方は一部ピューターが弾いてしまった箇所がありますが、これは後で土台を全部削ってしまうので問題ありません。左のMAZDAも表面に食み出てしまっていますがこれも大丈夫です。

factory (1 - 1)-28注文していた切削用の工具もある程度揃っていて、実は作動テストも済んでいますから今度はこれらの仕上げ処理の作業を紹介したいと思います。

ちなみに画像はその内の一つのエンドミルなる物で、一般的なドリルの刃は上から穴を開ける為の物ですが、これは対象物に横から当てて削る為の物となります。金属加工ではとても基本的な物になりますが、私の場合はこれこそ専門外なので今まで一つも持っていなかったんですよね。これに似たスポットカッターの刃だったら何本かあったのですが、後藤氏(以前間借りしていた工場の社長)に相談したところ多分大丈夫だろうけど辞めといた方がって事で今回購入しておきました。

と言う事で、また作業進行しましたら紹介させて頂きますね(って仕事しろって話しですか・・・)。

凸文字鋳造型 蓋付きVer.

road67NDロードスターのヘッドカバー用として作成している凸文字は既に良い感じで出来たいたりするのですが、ちょっと厚みがあり過ぎて削るのが大変そう・・・という事で、今度はこれを薄く仕上げようと型を作り直してみました。ちなみに今はロードスター用として作っていますが、上手くいけば他にもどんどん応用するつもりです。プラスチック製のエンジンカバーなのに結晶塗装とこの凸文字が光っていたら、もう金属にしか見えないのでは・・・なんて思っていたりしますので(実はこれが長年の夢でした・・・)。

road70 と言う事で新たに用意したのは3mm厚のフランジが付いた蓋です。鋳込み型の深さは6ミリでしたが、これを浅くしてしまうと奥まで金属が流れ込んでくれないのではと思い、深さはそのままにして上から圧力を掛ける事にしました。

road71閉じるとこんな感じです。遂に4枚来ましたか・・・。

 

road72 maZDaの方もこんな感じです。もう落雁を作る型みたいになって来てしまいましたね。

road73 閉じるとこんな感じです。そんなに上手くいくかなぁ・・・と一抹の不安が(笑)。

road74 MAZDAの方は完全に土台無しの文字単体にしたかったので、先日作ったアレでは厚みがあり過ぎますから、ちょっと勿体無いですが再利用させて頂く事にしました。

road75 そして今回の秘密兵器です。樹脂の注型では必須アイテムの離型ですが、多分今回の金属にも効くだろうと思って使ってみることにしました。そもそもシリコン(シリコーンですか)は熱に強いので多分応用出来ると思ったんですよね。と言うか単に油ですし。

road76 そして溶かしたピューター(金属)を流し込んで直ぐに蓋を閉じます。余計に入っていた金属は上手くフチから溢れてくれて、ちょっと偶然っぽいですがこれは期待出来そうです。

実は作業前に皮手袋を探したのですが溶接用のゴツイのしかなく、多分それだと上手く作業出来なさそうなので結局素手でやってしまったのですが、予想以上に上手く金属が飛び散ってくれたので(?)、ちょっと危なかったかも知れません。次までに見つけておかないとですね。

road77 ちなみに蓋の裏側のフランジは直前になってもう少し厚みが欲しいと思い、厚紙を3枚かさねて合計4ミリくらいにまでしたのですが、それがいけなかったのか所々で金属が表面張力してしまい穴が開いてしまってます。でも見事に蓋は出来たので、今回はそれだけで十分な収穫でした。

road78 そしてもう一方のMAZDAですが、残念ながらこちらは蓋をする時にズレてしまい、そのまま押し型の文字が取れてしまうという結末に・・・(苦)。金属は樹脂と違って可使時間が短いので(5秒くらいでしょうか)やり直しは効かないんですよね。

road79 まあそんな事でしたが、最初に塗っておいたシリコーンのお陰で型枠は非常に簡単に剥がす事が出来ました。型にテーパーが付いていないので破壊するのは仕方ないにしてもこれだけ作業性が上がってくれれば十分です。失敗はしましたがこちらも良い収穫はありました。

road80鋳込み具合としては良さそうに見えますが、実は「D」の穴の中にちょっと広めな空間みたいなのが出来てしまっているので、これを面研しても上手く文字が残ってくれそうもありません。という事でこちらも再度溶かしての再利用となりますかね。

仕事であれば一発良いのを作るだけに尽力するところですが、今は今後の応用の事を考えているので、むしろ今のうちに出来るだけエラーを出しつくしておいて安定した供給が出来るようにしたいと思います。

いつか「ヘッドカバーに結晶塗装と、「L28改3.1L DOCH」って文字を金属で入れられますか?」ってお問い合せが来た時に即答出来るようにしておかないとですからね(今時居ませんか・・・)。

NDロードスター凸文字 型作り

road200昨日は日曜日で仕事は休みでしたが、従兄弟がわざわざ工場に遊びに来てくれるという事で私はほぼいつも通りに朝から出勤し、先日から計画していた「NDロードスターヘッドカバー凸文字化計画」を実行していました(そんな大層な計画では無いのですが・・・笑)。

当初は「レーザー彫刻」を使って掘ったところにピューター(金属)流し込んで作る予定でしたが、、このレーザー彫刻が思った以上に素地を荒れてしまい、とてもじゃありませんが仕上がりが悪過ぎたので、今度はもっと精密に出来る「シリコン樹脂」を使って型を作る事にしました。マスター型は5ミリのアクリル板をレーザーでカットして作製します。

road201 この状態だとかなり厚目になっていますが、これは鋳込んだ時に出来る「巣」も想定しての事で、出来上がった物の両側を削ってしまう予定ですからその分を考えて厚くしておきます。

road202 そして「DOHC 16-VALVE」の方も作ります。一応参考として先日作った鋳造物も並べてまして、今回もこれと同じく文字と土台が一体化したものを作ります。

road204 カットした文字とは別に土台となるプレートも作製します。

road205 土台となるプレートには切り取った文字と同じデータを使って0.5ミリくらいの深さにレーザー彫刻を施し、そこに接着剤を流してカットした文字をはめ込んでいきます。これなら作ったデータ通りに文字が配せますから超便利です。このアイデアもJIROちゃんから頂きました。フフフフフ(病)。

road211 (1 - 1)ちなみに今回はプラモデル用の接着剤を使っていますが、これは主にPS(ポリスチレン)向けで、それよりも耐溶剤性が強いPMMA(アクリル)ではちゃんとくっ付きませんから使い方としては間違いだと思います。ただ今回はシリコンで作る型用なので強度は必要ありませんのでこれでOKとしています。

本当は抹茶~ん!が持ってるアクリル用の接着剤を借りたかったのですが、この時彼はバイクで群馬に行ってしまって不在でして・・・。何故こんな肝心な時に!(笑)

road207 そしていよいよシリコンを流し込んで型を作るか!と思っていたのですが、傍から見ていたJIROちゃん曰く、「レーザー彫刻は確かに型がボロボロになっちゃいますが、レーザーカッターならMDFでも行けるかも知れませんよ?」との事で、今一度改めて今度は彫刻では無く「レーザーカット」によるMDF型を作る事にしました。

road210 (1 - 1)それぞれカットした物を3層構造にして木工用ボンドで固定していきます。確かにこれなら一度データさえ出来てしまえば簡単に型が作れるので大きなコストカットが望めます。コ、コンクリートでもいけるかも・・・(病)。

road208既に従兄弟は帰ってしまったのですが、うっかり(と言うかいつもの通り)エンジンが掛かってしまったので、序でにと言う事で「MAZDA」の型も作ってしまいました。日曜日なので早く帰るつもりだったのにと・・・(勿論JIROちゃんも道連れで。笑)。

road209そしてレーザーカットによる3層構造の型枠が完成です。掘りが大分深いですが、これも金属を鋳込んだ時に出来る巣穴の分を想定し、最後には裏も表も半分以上は削り落としてしまうので問題ありません。溢れんばかりになみなみ注いであげるつもりです。

ただ余りにも厚くなった分をペーパーやらヤスリで削るのも大変ですから、今後はボール盤を改造して簡易フライスとして使えるようにしてそれでザクザク削っていくつもりです。上手くすれば削りカスを再利用も出来ますしね。

鋳込みはちょっと忙しいので週末になる予定で、ただ逸る気持ちを抑えるのが本当に大変なのですが・・・(苦)。

ピューターについて調べてたら・・・

factory (1 - 1)-17 連休中に注文していたピューター(錫と鉛の合金)1キロが届きました!NDロードスターヘッドカバーの凸文字計画は(一応)着々と進んでいます。

ちなみにこのピューターなる金属について一応ちゃんと調べてみる事にしまして、先日融点が220℃くらいではないかと記載しましたが(超適当)、ウィキペディアでは250℃、購入先のサイトでは280℃と紹介されていました。結局どれが本当なのか判りませんが(苦笑)、とにかく考えていたよりも溶ける温度は高いようなので安心しました。付けてみたら凸文字が溶けた!なんて事だけは避けたいですからね(怖)。

で、それとは全然関係無いのですが、時々現場の人間などに使われる「カンピューター」(或いは「勘ピューター」)について調べてみたら、これって本当にそう言う言葉があるんですね。ただそれについては前記したウィキペディアでは無く、「アンサイクロペディア」(!?)なるちょっと変わったサイトにて紹介されていました。私は初めてこのサイトを知ったのですが、読んでみるとふざけた内容をウィキペディア風に真面目に書いてあるのが凄く面白くて、これからもちょっと癖になりそうです。

気になる方は是非どうぞ!

(って、下の説明文を見たら誰だって気になるような気が・・・笑)。

カンピュータ(Kan-puters Are Not comPUTERs)とは、長嶋茂雄によって提唱された、コンピュータを越えるモノのことである。