CO2レーザー管の交換

  7年くらい前に購入したレーザー加工機ですが、最近どうも切れが悪くなったような感じがしていて、

それを補う為にカットスピードを遅くして対応していましたが、先日仕事でアクリル板をカットした際、断面のガタガタがとても気になってしまったのです。

という事で・・・

ジャジャーンと!新しいレーザー管を購入しました!

レーザー加工機本体はヤフーオークションで購入していて、この場合アフターフォローは全く期待が出来ませんが、使っているパーツは汎用品の寄せ集め的な感じですから、比較的自分でメンテナンスがし易いのが良いところです。

レーザー管には色々種類がありましたが、構造自体は変わらないように見受けられないようで、

元々着いていた物と長さと太さが同じものを購入しました。

レーザー管は本体裏側に収まるようになっていて、本体側面にネジで固定されている蓋を開けるとさらに長い物=ワット数の高い物が取り付けられるようになっています。特に不便はなかったので(むしろレーザー管が横に飛び出るのはとても邪魔そうだったので)、既存と同じ物にしています。

まずはこの古いレーザー管を取り外します。

結線はワニクリップで着いているだけです。こんなんで大丈夫なのでしょうか・・・。

古いレーザー管を取り外しました。使えない訳では無いので、万が一の時の為に捨てないで保管しておく事にします。

外したホースと配線を基の通りに繋いだら作業完了です。特に難しい事は全くありませんでした。

面倒なのはここからの作業で、今回交換したレーザー管は元の位置とズレてしまっていますから、そこから出て来るレーザー光線の位置修正が必要となります。

レーザー光線は目では見えないので、それが当たる反射ミラーにマスキングテープを貼り、その中心にレーザーが当たる=焦げるように確認しながら位置を修正していきます。

ガラス管から対象物までには3回ミラーに当てる事になるので、それら全てを調整していきます。地味な作業ですが成果が目で見て判るのでこれは結構好きな部類ですね。

無事レーザー光が最後まで届く事を確認し、テストカットしてみました。元々カットが出来なかった訳では無いので違いが余り判りませんが、とにかく普通に切れる事は確認出来ました。

丁度使う機会があったので、動画も撮影しておきました。

いつものスバルエンブレムの両面テープも無事カット出来ました。考えてみればレーザー管を交換する前にこれらをカットしておくべきでしたが、無事使えて一安心です。

ただ距離が長くなるとレーザーの威力が弱くなっているので、もしかしたらミラーの方も劣化しているのだと思い、今度はそちらを交換してみようと思います(一緒にやれば良かったのですがうっかりしていました・・・)。

 

マスキングテープ レーザーカット

 先日、知り合いの塗装屋さん(GUNさん)が工場に遊びに来まして、以前テストしていた、マスキングテープのレーザーカットを行いました。

GUNさんについては何度もこちらで紹介していますが、「誰だそれ?」と言う方は以下の記事を見ると判り易いかと思います。本業はデザイナーさんですが、趣味で色々ヤバい塗装をしている方です(笑)。

マスキングシートを届けついでに

当工場の二階にあるCO2レーザー加工機は、仕事用と言うよりかは趣味として使っている物ですが、予想以上に塗装の付帯作業で活躍してくれていて、お陰で元手が取れたかも知れません(笑)。

 と言う訳で、今回はGUNさんが持ち込んだIllustratorのデータを使い、3Mのマスキングテープにレーザーでカットしました。

 レーザーの出力とスピードを調整し、台紙を切らないようにしつつマスキングテープだけをカットしています。今回は焦点距離を11ミリ、スピードを秒速15ミリ、パワーを8.2としました。

 ちなみにこれくらいならカッティングプロッターでもカット出来ますが、レーザーでカットする大きな利点としては、

 カス取りを全くしなくて良い事です。

通常カッティングプロッターでカットした場合、どうしても余計な部分も一緒について来てしまうのですが、レーザーでのカットだと「糊」の部分もしっかり焼き切ってくれるので、欲しい部分だけがスッと剥がせます。当たり前のように感じますが、カッティングプロッターではこれがどうやっても出来ないので(全てくっ付いて来ます)、それに慣れている人はきっとこれに驚くと思います。GUNさんは勿論、私でも毎回感動していますので(笑)。

GUNさんも近々レーザー加工機を買うかも知れないとの事で、そうなるとうちで使っている中国製の物より出来が良いでしょうから(特にソフト面が)、きっと今までよりさらに幅が広がるのでは、と思っています。

ただレーザーを使う場合は臭いもそうですが、以前一度火を噴いた事があったので(しかも丁度GUNさんが来ている時に!)、使うのに躊躇しなくて良いハンディタイプのCO2消化器も用意していおいた方が良いかもですね。

塗装スタンド2.1 完成

以前こういった小物塗装用のスタンドを自作していて、これはこれでとても重宝しているのですが、

その後クリップ単体で使うケースが増えて来て、

ただこれだと台の高さがあるのでクリップを持つ部分が狭く、なので新たに専用の台を作る事にしました。

ちなみにこれらのスタンドは以下ページの記事にある物です。

自作塗装スタンド(保管用)

 取り敢えず以前のデータの基にして半分ほどのサイズに変更し、

レーザー加工機でテストカットをしてみます。

が、何故かちょっとエラーが出て一部が違う形に…。

まあ取りあえずは試作と言う事で一応組んでみました。

クリップが掴み易いようにと今回は高さは50ミリに抑えたのですが、ちょっと低すぎたようで不安定な感じが否めません。

また一応中央にボール紙の棒も挿せるようにしましたが、この高さじゃ全く意味が無かったですね。この辺がやはり二次元で見ているだけの場合と実際に三次元に起こした時の違いでしょうか。俄然やる気が出て来ます(病)。

と言う訳で新たにデータを見直しました。今回は3コート・・・じゃ無くて三層構造です。

使っている材料はいつもの6ミリ厚のMDF板で、横幅が40センチ、縦が30センチのサイズです。

ちなみにこのような塗装台は既に「模型用」として市販されているのですが、それらはプラスチック製だったり、被塗物を挿したまま持ち運ぶ事は想定していないようなので、だったらと言う事で自作してしまおうと思った次第です。データさえ出来てしまえば量産も可能ですしね。

と言う訳でジャジャーンと!取り敢えず塗装台Ver.2.1の完成となります。

尚今回は以前作ったスタンドよりも穴のサイズを少し小さくし、接着剤無しで組み付けられるようにしました。前回はレーザーで焼けてしまう分を考えなかったので挿し込む個所が緩かったんですよね。

ただ今回の物は仕事で使う物なので、念の為天板のみ木工用ボンドをくっ付けてます。

今回は中板(底板)に少し大きめの穴を開け、そこにクリップの柄を通して安定するようにしました。

また中板のサイズを少し広くする事で柄のが外に食み出さないようにもしています。隙間に指を入れられるので台から持ち上げる時も遣り易いですかね。

この状態でもしっかり固定されていますが、

さらに中板を上にスライドする事でホールド性が高まります。こいつ・・・動くぞ!みたいな(判りませんか)。

普段の仕事では塗り終わった物を乗せたまま移動させる事が多いので、これだけしっかり固定していれば隣の被塗物と接触するような事も無いと思います。

落とそうとしても落ちないくらいなので、塗る時はわざわざクリップを一本ずつ抜いて持つのではなく、この台ごと持って塗った方が楽かも知れません。汚れたらまた作れば良いですしね。

尚、今回作った物は以下よりPDFファイルがダウンロード出来ますので、レーザー加工機を遣える方はご自由にお使い頂ければと思います。使い易いよう適当に改造してみたりもどうぞ。

また以前作製した台も今度増産するので、細部を修正したらそちらもアップしたいと思います。大した物では無いですが、完成度が高まればウェブショップでも販売しようかと思います。

艶消し色 検証

 恐らくどの塗装屋さんも一番嫌なのがこの「艶消し」仕上げで、本塗り時に付くゴミ対策もそうですが、艶が消えた時の色の見え方が普通の艶ありとは違う為、殆どの塗装屋さんは「あれだけ調色したのに!」と言う経験をしていると思います。

上の画像は以前仕事でご依頼頂いたポルシェのメーターフードとその土台で、色自体は良かったのですがその上に塗ったクリアーの艶具合が合わなく一度塗り直しています。↓詳しくはこちらでどうぞ。

ポルシェメーターフード塗装 完成

そしてこちらは先日メガネフレームを塗装した時に一緒に作製した色見本で、下に敷いているのはタミヤのラッカー塗装で全く違う色(塗料)なのですが、上に並んだ樹脂製の注型ミニカーはそれぞれ同じ色です。

違うのはそれぞれの色の上に塗っているクリアーで、奥はいつもの通りの透明なクリアーで、手前は艶消し仕様のクリアーです。繰り返しますが、色はどちらも同じです。

が!

先ほどの艶消しクリアー仕上げの上にシリコンオフ(低溶解の脱脂用溶剤)を塗って艶を出してみると、同じ色でも左側が少し白い(明るい)のが判ると思います。左側が艶消しクリアーを塗った物です。

こちらは右側手前が艶消しクリアー仕上げの物で、やはり奥の艶あり仕上げに比べると白くなっているのが判ります。

結果から言うと、先日STANDOXのデモマンの方と話した内容通り、艶消し剤成分にはシリカゲル=白い粉が使われている為、クリアーが白濁りして色自体も白くなってしまいます。ある意味キャンディー塗装の仕上りに近いかも知れません。

ただこういった事を理解し、また今回のように艶あり・艶消しをそれぞれ見比べられるようになっていれば今後行う艶消し塗装で多少は作業が楽になるのでは?と思っていて、先日も紹介した「艶あり」「艶消し」を同時に見れる独自の色見本を作成しようと思っています。こんなのどこにも無いですからね(ちなみにPANTONEはcoatedとuncoatedがありますが、あれは塗装では無く「印刷」なので全く別物です)。

と言う訳で、早速レーザー加工機でアクリル板をカットしています。

実は少し前に、知り合いのSTANDOXユーザーの方から「3センチ程度あればアクワイヤーで読み込めますよ」との情報を頂いたので、ミニカー型の他にアクリル製の平面で5×5センチ(実際の塗装範囲は5×4センチ)の色見本を作製し、さらにこれも「艶あり」と「艶消し」をそれぞれ並べられるようにしました。プレートは脱着可能にするので直接アクワイヤーに当てれば大丈夫なようにしています(本体の両端にあるスイッチは何かで押せるようにすれば大丈夫との事ですのでその際には型を造りますね)。

またベースコートが水性になったらプレートを重ねてそのまま継続して使えるようにもしています。

イメージとしては「平面で色を合わせ、曲面で完成形の色をイメージする」といった感じで取り敢えずこれを300種類程、最終的にはPANTONE色見本を超える2000枚くらい作れればと思っています。まあその前に寿命が来ますか(笑)。

300枚のプレートを作るとするとアクリル板は600枚で、これはそんなに面倒では無いですが、さらに注型ミニカーを600個も使うとなると、これはもはや手作りでは製造が追いつかない気が・・・(苦)。