色相環キーホルダーワークショップ2025/1/4

今年は年始の土曜日を利用して、当工場でワークショップを開催する事にしました!

少し前に紹介していたこちらの色相環キーホルダー制作ワークショップですね。

今回の参加者は3人、お手伝いをして下さる方々が2人と私で合計6人でスタートとなります(途中さらにお手伝いで1名来て頂きました!)。

まずはテンプレートを使用してイメージ図を作成して貰います。私が仕事でやる時も必ず行っている事で、大丈夫だと思っていてもいざ本番(本塗り)となると頭が真っ白になるか、または強い思い込みをして勘違いを防ぐ為ですね。「俺は長年やってるから大丈夫!」が一番危険だと思っています。所謂老害と言われるのは大体これですよね…。

イメージイラストが出来たら工場一階に場所を移し、原色を使って色を作って貰います。

使い捨てのエプロンとビニール袋、保護メガネはこちらで用意していますので、基本的には手ぶらでOKとしています(自己責任となっているので懸念する事があればご自身で準備、例えば防毒マスクなどは自前のを持って来て頂くようなスタイルとなっています)。

何も混ざっていない塗料原色は基本的に黒い(明度が低い)のでそれ単体では色味が判り難く、これに白などを混ぜて明度を上げると色相の判断がついてきます。

メタリックも細かいのから粗い物まで色々とあり、その辺はお手伝いしてくれる方々が塗装経験者という事もあってフォローしてくれますからとても助かっています。

この様な感じで色を作って頂き、

各パーツに塗装を行って貰います。

ベースコートに使用したガンはIWATAのLPH-50 口径0.6mmとなります。多分未経験者はエアーブラシよりこちらの方が使い易いのではと思っています。

自信の無い方はクリアーコートは代わりにやってあげるスタイルですが、今回は全部参加者自身で塗って貰いました。

理想としては均一に同じ膜厚で艶を出して頂きたいのですが、さすがにそれは難しいので(私でも難しいです・・・!)、多少塗り過ぎな感じで仕上げて貰っています。塗り足りなくてザラザラの肌よりは全然良いですよね。

その後強制乾燥をしている間に別の作業を行って貰います。全体的にみると結構時間が掛かるので色々な作業を並行して行って貰う感じですね。結構忙しいです。

色相環12色のピースは予め私が塗っておいた物を使って頂くスタイルで、「ソリッドカラー」「ミラーキャンディ」「メタリックキャンディ」の3つから好きな物を選んで頂きます。

画像はバリ取りを行って貰っている所で、怪我だけは避けたい事なので革手袋を用意しています(こういった物も使いなれば物があればご自身で用意して持って来て頂ければといった感じですね)。

今回は「塗装してからレーザー彫刻&カット」といった流れで、レーザー彫刻は時間が掛かりますから、その間に4ピース色見本のキーホルダーを作成して頂きます。

こちらの白と黒の枠は予めレーザー彫刻&カットされた物で、本番前の練習としてドロー部の塗装と、先ほど塗装しておいた四角いピースを組み付けて貰います。

ドロー部の色はお好みで選んで頂けるようにしています。

そして完成です!

ちょっと判り難いのですが、左端の枠はネイビーで、背板は黒メタリックとなります。色相環のピースはメタリックキャンディーカラーですね。

右端の枠は赤から白にグラデーションしていて、背板はホワイトゴールドメタリック、色相環はミラーキャンディーカラーとなります。

中央の枠は黄緑から白へのグラデーションで、背板は黒メタリック、色相環はメタリックキャンディーカラーとなります。

裏はこんな感じですね。ドロー部も全て参加者の方々ご自身で塗っています。

こちらの4ピース色見本はおまけのような感じで、それぞれ色相環キーホルダーに使った4色を使っています。色見本としてはこの方が判り易いので私的にはこちらが好きだったりします(ただ配色という点での見た目は難しいですよね)。

今の工場でいつまで仕事が出来るのかは判りませんが、都内でやっているメリットとして人が来やすいという所があるので、今年は出来るだけワークショップの回数を増やしていこうと思っています。

この度はご参加頂いた方々&手伝ってくれた方々有難うございました!

色見本キーホルダー制作ワークショップ準備

前回行ったワークショップではこちらの猫型色見本”.NUKO”(ドットぬこ)のキーホルダーやバッジを作りましたが、

次はこんな感じで、枠と背板をお好みの色に塗装する色相環キーホルダーを作ってみようかと思います。

既にやった事がある内容の方が楽ではあるんですが、頭と体が動く今のうちに色々と試しておきたいんですよね(どの道ワークショップは赤字なので…)。

また色相環以外に、こちらの4色仕様のキーホルダーも作って貰おうと思います。より色見本っぽくて良いかなぁと。

使うパーツはこんな感じで、予めレーザー彫刻&カットしておきます(ただしこの後に大きな問題が…)。

レーザー彫刻をしたドロー部の塗装は当初スプレーガンで行っていましたが、その後は筆塗り→即ふき取りという方法に変更しています。イメージとしてはシルク印刷みたいな感じですかね。

通常はここもスタンドックスの塗料(MIX870)を使っていますが、溶剤の臭いが強い為にこれを室内で行うのは難しいと考え(恐らく気分を悪くする方が続出するかと…)、ワークショップでは模型用の水性塗料を使う事にしました。エマルジョンなので乾けば水で溶けたりしませんから自作ならばこれで良いかと思います。

台紙を剥がした状態です。本当はこの透明な状態で色相環を表現したいのですが、仕上がり品質を担保してそれをやるのはまだ難しいんですよね。

と言う訳で早速テスト塗装を行ってみました。

ちなみに枠は「裏側」から塗るので、塗装としてはそんなに難しくないのがこのワークショップの良いところだと思います。ドライコートになっても艶引けとか関係ないですからね。

と言う訳で完成です。ちょっと判り難いのですが、手前のキーホルダーの枠はピンクメタリックから紫メタリックにグラデーションさせています。

もう一つは青系メタリックです。背板がシルバーに見えますがこちらは淡い水色のメタリックカラーで塗装しています。

それぞれ使った4色で塗ったピースを集めたのが黒い枠の方のキーホルダーです。こっちの方が自分だけの特別感があって私的には好きですかね。

またそれの枠を黒では無く、同じくピンクメタリックから紫メタリックにグラデーション塗装した物も作ってみました。

・・・が!

画像をよく見て頂くと判るのですが、レーザーカットして箇所=特に熱が掛かり易い角の部分に亀裂が入っているのが判るかと思います。高温によって弱くなった箇所にさらに溶剤が浸透する事で起こるソルベントクラックですね。

この時ほどではないのですが今回はこれに気を付けていても起きてしまったので、ワークショップではどうしても塗り過ぎたりする事もありますから、この方法はNGとしました。

と言う訳でジャジャーンと!

次は少し大きめにアクリル板をカットし、先に塗装を行ってからレーザー彫刻&カットを行う方式に変えました。

という訳で早速塗装を行いました。今回は淡い色のソリッドカラーを使います。

予め作成しておいた治具に塗装したプレートを嵌め、レーザー彫刻&カットを行います。

その後色々な色の水性塗料を入手したので、今回は紫とピンクを使ってみる事にしました。

台紙を剥がしたらこんな感じです。これはかわいい!

後日、各色の背板に色相環のピースを取り付けた物を自宅で作成して工場に持って来ました。

それぞれを仮合わせしてみて良さそうな組み合わせを探します。同色は間違いないですが、ちょっとつまらない感じもしますね。

こちらは蛍光マゼンタで、彩度が強すぎるので淡い色の枠とは合わないです。

私的に白が一番合うかと思っていましたが、ちょっと明るすぎて浮いてしまいます。オフホワイト=黒やオーカーを入れて濁らせたアイボリー系だったらもう少しマシだったかも知れません。

と言う訳で、今回は偶然文字色と同じ紫系のこちらを採用してみようと思います!

ちなみにこちらはもう一つの水色単色で塗った方の枠です。やはりと言うか白い背板はちょっと明るすぎますかね。

ソリッドカラーの枠に対してメタリックパールの水色の背板は悪くありません。トヨタのクールソーダですね。

と言う訳ですが、こちらはやはり文字色とも合っている淡いピンクの背板を採用する事にしました。そもそもこの2色の組み合わせで考えていたので間違いはないです。

そして完成です!

世界に一つだけの仕様という事でこれはテンション上がりますね。

紫の背板は元々あった物を使ったので仕方ないのですが、枠に合わせてもう少し彩度を落とした方が良かったと思います。

これでピンク・白・水色・紫の4色を使った仕様となります。

裏側はこんな感じです。

そしておまけで作れる4ピース色見本キーホルダーです。

こちらの枠は黒か白のみにしようと思っています。

開催についてはX(Twitter)でご案内しますので宜しければご検討くださいませ!

2023年秋 猫キーホルダー塗装ワークショップ

少し前に作成していた猫型の色見本キーホルダーですが、

Twitter(X)で紹介したところ評判が良かったので、その後ワークショップを開催する事にしました。

開催会場はいつものPRO_Fit二階の事務作業エリア(兼間貸し場所)と、

塗装作業はこちらの工場一階で行います。

ちなみにこれまで行ってきたワークショップとしては、

スニーカーのスプラッシュ塗装や、

同じくスニーカーの、こちらはエアーブラシ塗装、

他には定番のサーモス塗装

またアーティストさん向けの貸し切りワークショップなども行ってきました。

なので今回は初の試みと言う事で、一応事前にシュミレーションもしておきました。

今回の参加者は4名、お手伝いに来てくれるのが2名、いつものGUNさんとくまさん、あと残念ながらGショック塗装屋さんは都合が合わずお休みです。いずれはワークショップでは無く、昔やっていた塗装屋会みたいなのもやりたいですね!

ワークショップの行程としては、予めレーザー加工機で切り出したアクリル板に、

それぞれお好みの色で塗装を施して貰い、それらを組み付けてキーホルダー&バッジを作成して頂くといった内容となります。猫ちゃんの形も5種類の中からお好みで選んで頂いています。

それぞれのパーツを段ボールに固定し、足付け処理を行って貰い、プラスチックプライマーを塗ったらそれぞれ色を塗って貰います。

今回はエアーブラシでは無く、普通のスプレーガンをメインに使って貰いました。その方が洗うのが楽だからですね(笑)。

お一人3色、それが4人なので全部で12色を使いますから、とにかくそれの準備が忙しいのです。

まあでも今回は対象がとても小さいので大きな失敗も無く、皆さん良い感じに塗って頂けました!

また今回はトップコートで「艶あり」「つや消し」どちらか好きな方も選んで頂く事にしました。今回は被塗物の形状的に表面張力が働いて凸凹になり易いですから、私的にも艶消しの方が良いと思っています。

その後60℃60分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化したら組付け作業です。ちなみに今回は参加者4名中3人が女性で、これまでのワークショップとしては初の半数越えとなりました。初期の頃のおっさん100%の時とは大分変ったなぁ、と(笑)。

出来上がったそれぞれのパーツを段ボールから切り離します。

ちなみに各パーツは塗料でバリが出来にくいよう、少し浮かした状態で固定するようにしています。

これまでのワークショップでは塗って終わり!という流れが殆どでしたが、今回は組付け作業がメインの様な感じになっているのでさらにここからが長くなります。

裏に両面テープを貼り、食み出ないよう少し内側でカットします。予め作っておいてあげれば良かったのですがうっかりしていました…(まあでもこういう面倒くさい作業ほど長く記憶に残ってくれるのではと思ってます)。

目と鼻と口の細かいパーツは元々塗ってある物を使って頂き、その中からお好みの色を選んで組付けていきます。

枠の裏側のパネルもそれぞれの猫ちゃんに合わせた仕様にしました。

次に参加するデザフェスでは、こういったパーツを塗装した物を並べ、そこからお好みの物を選んで頂き、それらをその場で組付ける!という事に挑戦してみようかと思っていたのですが、ただこれらを見ているとちょっと無謀な気がしてきました…。

こんな感じでそれぞれ組み合わせた表側と裏側のパネルを合体させると、

こんな感じのキーホルダー(またはバッジ)が出来あがります。

尚、右側の子の眼はミラーキャンディーのイエローで、

左側の子の眼は蓄光アクリルにクリアーを塗った仕様となっています(蓄光もUVライトを当てると発光します)。

こちらの猫ちゃんの色はブガッティのティファニーブルーと、それに白を足して淡くした2色と、少し青味を加えた白で塗られました。

こちらは愛猫に合わせた茶色です。艶消しクリアー仕様ですね。

こちらはつくねです(笑)

こちらも愛猫に合わせ黒と白のハチワレに塗られていまいた。背板は淡いピンクで塗っています。

基本的にはお一人2個で、一応失敗しても良いように1個は予備用、ただどなたも全部上手くいったので3個ずつ作れる事が出来ました。

ただ予想以上に組付けに時間が掛かり、スタートから終了までは最長記録の7時間半!、ちょっと長くなり過ぎてしまったので次回行うとしたら2個までにしようと思います。

ちなみに売り上げ的にはワークショップをやるより仕事をしていた方が断然良いですし楽なのですが、せっかく交通の便が良く人口も多い都内に工場を借りているという事もあって、そういう事が出来る今の内に色々な事をやっておこう!というような感じです。いずれ工場を返して郊外か今の自宅で塗装の仕事を続けるにしても、今のうちに色々経験しておけば選択肢も増えますし(特に老化すると保守的になってしまいがちですので…)。

何とかあと25年、どういった形にせよ塗装に関わる仕事を続けていければと模索し続けていこうと思います。

ご参加頂いた皆様、お手伝いして頂いた方々有難うございました!

貸し切りワークショップ

以前紹介した貸し切りワークショップはその後も何回か継続していまして、先日ついに修了となりました!

ワークショップで塗っていたのはイラストが描かれた履物の土台部分で、こちらは海外で展示・販売するアート作品との事です。透明レジンの各層にイラストが描かれ、そのままでも十分良い作品だと思うのですが、以前ご参加頂いたサーモス塗装ワークショップで塗った際の塗膜の美しさに感動し、是非自分の作品に自らの手でやってみたい!という事でマンツーマンのワークショップを開催する事にしました。

先ほどの状態からダブルアクションサンダー#120で研磨して段差を平滑にし、その後#180→#240→#320→#400と番手を上げ、最後に#600→#800→#1500の水研ぎでペーパー傷を均します。尚仕事では無いので全部ご自身の手でやって頂いています(その後筋肉痛等でかなり大変だったみたいです)。

ガン距離がかなり離れていますが、やはりというか慣れていないと「塗り重ね」「運行スピード」を一定にするのは難しいようで、なのでその辺を確実に出来るよう必要以上に距離を取ってゆっくり塗って貰えるようにしています。多すぎるオーバースプレーもその為ですね。

塗装後は30℃程で30分程初期乾燥を行い、その後60℃1時間の熱をかけて塗膜を硬化させます。

 塗って直ぐに熱を入れたくはないのですが、その日に持って帰って頂くので多少無理はしている感じですかね。

穴の部分に紐を通して実際に下駄として使えるようになります。

各イラストは層を変えて描かれているので立体的に感じられます。

その他違う形の物も塗っていて、たしか全部で4回になったと思います。

フチの木の部分には違う色で塗るのでそこにはクリアーが付かないようにしています。

動画も撮影してそちらはTwitterでアップしています。

この時の方がガン距離は近く、自然に塗れていた感じです。

その後花緒を着けた画像がありました。

やはりと言うか素材単体で見るよりも、それぞれが組み合わさって出来て良く様が良いですね。

そして最後のワークショップです。

尚、これらの作品を作られている方は上記の「ビールの妖精」さんで、ツイッター(X)よりもインスタで多くの作品を紹介しているので、そちらを見る方がお勧めですかね。

こちらが最後のワークショップで塗る作品です。透明レジンで造られた物で、予め透明なブルーと、その上にクリアーがコートされています。事前のテストでチヂレ等問題が起きない事を確認しておきました。

このように雲の上にキャラクターが乗るような構造になっているとの事で、当店で行うワークショップではこの雲にスタンドックスのクリアーを塗る作業となります。

全体を塗るには固定する部分が必用で、下側に穴を開けてネジを挿せるようにしています。ちょうど知り合いの原型師さん(くまさん)が遊びに来ていたので手伝って貰いました(笑)。

そして後日、最後のワークショップ無事修了です!

貸し切りのワークショップは1時間あたり¥5,000とかなり割高になりますが、今回のように予め着色まで終えておきあとはクリアーを塗るだけ!という事でなんとかなった、という感じですかね。

確かにラッカーや10:1のアクリルクリアーではこういった質感の艶は出せないので、そういった点では今後も需要はあるかもです。8時間で4万円なら仕事としても成り立ちますし。

こちらは最初のテストで塗った時の画像です。いつものように編集加工はせず、サイズの縮小のみ行っています。

表面にあった無数の巣穴を埋める為にかなり強引にクリアーを塗り重ねていて、垂れたクリアーが一番下に溜って固まった状態ですが、こうやって見る分には一番仕上がりが良い物だと思います。

雲の上に人形が乗せられる形状になっていて、

そちらの人形も華やかに彩色されるようです。艶々な塗装とマットな質感の組み合わせが凄く良さそうです。

貸し切りワークショップはこれでひと段落したので、次はいつものように多人数で行う催しをしようと思います。折角都内に工場を構えてやっているので、人が集まり易い今の内にもっとワークショップをやらないとなんですよね!