2023年3月18日サーモス塗装ワークショップ

先日の土曜日、当工場にてサーモス塗装のワークショップを行いました!

今回は新規の参加者さんが4名、お手伝いしてくれる塗装関係の知り合いの方々が3名、それに私を含め、合計8人での開催となりました。

マスキング等の細かい作業は先ほどの画像にあった工場二階の事務スペースで、塗料の扱いや塗装作業についてはこちらの工場一階で行います。

当工場は元々ワークショップを行う為に造られている訳では無いので、前日までは通常業務をこなしつつ、翌日のそれの為に準備を行うのは実は結構大変だったりします。案の定今回もギックリ腰気味になりました・・・(しかしいつもの右下肢では無く左側だったのがちょっと面白いですね)。

しかも今回はそれぞれ2色、さらにロゴ入れも行うという内容で、これは結構大変な事となりました。

「え?スプレーガンでパパッと塗るだけでしょ?」と思うかも知れませんが、これがどんなに大変な事かは、同じような事を日本中探してもまずやっていない事から判るかと思います。まあそもそも他でやっていないからこそ面白い筈なんですけどね。

と言う事ですが、幸いにしてこういったワークショップにはお手伝いをしてくれる塗装経験者の方々がいらっしゃいまして、当ワークショップはまさにこれのお陰で成り立っていると言っても過言ではありません。いつも本当にすいません・・・。そしてありがとう御座います!

ちなみに私が初めてスプレーガンを握って上塗りを行った時(フェンダーやドアパネルの裏吹き)は、傍に居てそれを監視見てくれていた親方(上司)からは罵倒や舌打ちをされて完全に委縮してしまい、全く上手く出来なかった・・・!という覚えがあるので、うちでやるワークショップでは全肯定で応援するようにしています。というか皆さん本当に私が小僧の頃より全然上手いです・・・。

こちらは比較的柔らかい色合いで、さらにグラデーションも行って頂いています。ちなみに今回の参加者は4人中3人が女性の方でした。

私の場合「自分の工場以外はアウェイ」という性格なので、他でやっているこういったワークショップに参加するのがどんなに勇気が必用なのかは判っているつもりですから、ご参加頂いた方にはとにかく楽しんで頂けるようにと考えています。

こちらは塗装後、予めマスキングしていたシートを剥がしているところですね。所謂「抜き」の作業です。

こちらはベースコート塗装後、デカールを貼り付けて頂いているところです。

ちなみにこちらの方は職種は違いますがある意味プロの方で、予めご自身で作成したデザインとデカールを持ち込んでの作業となりました(そうでなければこのサイズをデカールでやろうとは私は恐ろしくて出来ません・・・!)。

こちらは先ほどのマツダロゴの方とご一緒に参加された方で、ご家族であるワンちゃんを模したイラストのデカールを貼り付けて頂きました。

その後しっかり乾燥させ、最後にトップコート=クリアーを塗って頂きました。

こちらの方はエアーブラシ経験者の方で、スプレーガンはその応用ですから塗り方自体は安心して見ていられるのですが、

自家塗装にありがちなガン距離が比較的遠目問題(15cmくらい)があったので、それを10cmくらいまで近づけるようにして塗るとさらに良くなる!というアドバイスをさせて頂きました。1回目のクリアーの肌が比較的凸凹していたのに比べ、2回目のクリアーは平滑な肌になってくれたと思います。

ちなみに塗装初心者の方は、サーモスを横にした状態で固定&回転出来る台にセットして塗って貰うようにしました。

私的には持って塗った方が楽に綺麗に塗れるのですが、初心者で左右の手で別々の動きをするのは相当難しいらしく(言われてなるほど!でした)、なので以前知り合いの塗装屋さん方々に頂いたアドバイスを活かして採用しました。確かにサーモスならこの方式は良いですね!

やはりと言うか多人数での作業なのでゴミの付着は避けられず、また一部タレも出来てしまったりはしましたが、初めてスプレーガンを握った方がここまで仕上げられるのは中々素晴らしい事だと思います。と言うか素人の方が自動車ボディと同様の塗装を行えるなんて事は本当に特殊な事ですからね。

その後は恒温機(乾燥炉)で60℃60分程の熱を掛け、塗膜を硬化させました。

最後にマスキングを剥がしてキャップを取り付けて完成です。

画像だとちょっとわかりにくいのですが、ご自身で制作しているアート作品のキャラクターをロゴにし、同じコンセプトの色でグラデーションを施しました。

 

こちらは下地の白を活かしつつピンクでグラデーション塗装を行い、ご自身の趣味?でもある自転車のロゴをデカールで入れられました。デカール貼ってその上にクリアー塗るなんて事も普通であれば初心者がいきなり出来る事では無いのですが、それを可能にしてしまうのがこのワークショップも面白いところだと思います。

次のワークショップはまだ未定ですが、そろそろまたスニーカーか、または今までとは違うような事が出来ればと思っています。真夏は避けたいので、6月か10月くらいですかね!

2022年10月8日サーモス塗装ワークショップ

先日の土曜日、当工場にてサーモス塗装のワークショップを行いました!

今回の参加者は2名で、うち一人はなんと外国人の方でした。仕事であれば日本人以外からも塗装の依頼を受けた事はありますが、ワークショップでは今回が初めてです。しかもわざわざ八王子からバイクでやって来てくれました!(てっきりホンダかと思いきやBMWでした・・・!)。

今回はサーモス本体の塗装と言うよりも「エアーブラシを使ってのワンポイント塗装」というのがメインで、参加者の方からは予めベクターデータを送って頂くようにしています(勿論JPEG画像でも比較的簡単な方法=ライブトレースでベクター化出来れば問題ありません)。

まずはメールでデータを送って頂き、難しそうな部分(画像だと小さい円形部分)を省いたりしてデータを修正し、マスキングシートをカットしておきます。

こちらの方が持ってこられたのはかなりサイズの小さいサーモスです。以前私も塗ったポケとると同じくらいのサイズですね。

マスキングシートはカットだけしか行っていないので、その後のカス取りは参加者様ご自身にやって頂くスタイルです。ただここまで小さいのは通常行わない程で(プロッターの限界を超えて上手く切れません)、一応デカールでも作成しておきましたが、折角の機会と言う事でチャンレジして頂いています。

まず最初のベースカラー=サーモス全体への下色塗装は私が行おうかと思っていましたが(ここで垂れてしまったりするとフォローするのはかなり難しいので)、今回は参加者が2名と少なかったので、御希望される方にはご自身で塗って貰う事にしました。エアーブラシでは無く、普通のスプレーガン(IWATAの1.0mm)を使って貰っています。

奥が私ですね。手伝ってくれた知り合いの塗装屋さん(まいるどさん)が撮影してくれてました!

ベースカラーの塗装が終わったら再び2階に戻ってマスキング作業を行います。

細かい文字は仕上がりを優先するとデカールで行いますが、ワークショップは極力自分の手を動かすという事で、特別にマスキングで対応しました。他の塗装屋さんも「そのサイズ切ったんですか?!」と驚いてました(笑)

そして再び一階に戻り、ロゴの色を作成します。

色を混ぜて作るような事は小学生の図工の時間にやっている筈ですが、工業品塗装の色を作るなんて機会は普通無い筈なので、こんな事一つとっても楽しいと思います。

それぞれ印刷した紙や画像を参考に色を作って貰いました。

そしてロゴ入れです。

ロゴはエアーブラシ0.5mmを使って貰いました。

一色目を塗ったらマスキングして2色目~3色目と塗って貰います。

一見簡単そうなストライプラインですが、仕上がり重視で行うとなると実はかなり難しい塗装となります。人間の目って意外と正確なので、ちょっとでも曲がっていたり幅が違うと違和感が凄いんですよね。

そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お疲れ様でした!

結局下色の塗装からロゴ入れ、トップコート(クリアー)までを全て参加者ご自身にやって頂きました。多少不具合が出た箇所もありますが、十分過ぎる程良い感じに仕上がったのではないかと思います。初めてスプレーガン持ってここまで仕上げられるっていうのは普通出来ないですよね!

その後は60℃60分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、

マスキングを剥がしたら完成です。皆さん喜んで頂けていたようで本当に何よりでした!

そういえば、遊びに来てくれた知り合いの塗装屋さんが初期の頃に行ったワークショップで塗ったサーモスを持って来てくれました。不具合等も見られず、これなら新品のブレンボキャリパーに塗られている塗膜より丈夫なのでは、と思った次第です。

その後GUNさんや以前ワークショップに参加された方も遊びに来られて、いつもの塗装屋会みたいな感じになりました。

ご参加された方にはとても楽しかったようで、また私も普段人に何かを教えるという事は全くしないですから、こういった機会があるのはとても嬉しく思います。

次回は来年ですかね!

2022年10月8日サーモス塗装ワークショップ

2022年10月8日(土曜日)に、久しぶりにサーモス塗装のワークショップを行います。

サーモスの塗装はこれまで行ったワークショップを鑑みると初心者にはちょっと難しく、一つ間違えるとトンデモない事に・・・!と考え、その後はスニーカーのスプラッシュ塗装やエアーブラシ塗装にしてきましたが、Twitterで行ったアンケートではサーモス塗装の人気が高かったので、今回はこちらでやってみようと思った次第です。

そこで初心者向けの対応策として、一番難しいクリアー塗装と、最初に塗る下色はこちらで行って、その後行う着色=ロゴ入れや模様入れ、グラデーション等の塗装を、比較的リスクの少ないエアーブラシで行って頂く、といった形にしました。

ただ既にエアーブラシを日常的に使っている方には物足りないかも知れないので、そういった方には全部ご自身でやって頂いても構わないようにします。ただ塗装をした事がある方なら良くご存じだと思いますが、塗って当日に持って帰るとなるとこれはかなりリスクが高く、万が一垂らしたりしても手直しは出来ないので、とても残念な状態になった物を持って帰らなければならなくなります。

たた私的には、むしろそういった失敗があった方がその後の勉強になって良い!(むしろ塗装を極めたくなる!)と思っていたのですが、知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)曰く、「誰だって失敗なんかしたくないですよ!ちゃんと出来上がらないと納得しないですよ!」と言っていたので、苦肉の策としてこのようにした次第です。ちなみにGUNさんのワークショップでもクリアーは塗らせて貰えないシステムなのだそうです。なるほど~!

2018/12/23サーモス塗装ワークショップ③

こちらは以前行ったサーモス塗装ワークショップの記事です。もう4年近く経つんですね。

参加方法につきましては、以下のページからお手続きになります。宜しければご検討くださいませ!(お手続きにはTwitterアカウントが必要となります)。

https://twipla.jp/events/529530

上高地仕様サーモス

今年の夏に上高地に旅行に行った際、立ち寄ったインフォメーションセンターで頂いたイラストシール(無料!)が可愛かったので、

それを手持ちのサーモスに貼ってみよう!という作戦です。

ただシールの白とサーモスの白が全然違う色だったので、

足付け処理後、一旦原色の白(まま)を塗装し、

その上にシールを貼りました。

たったこれだけの事ですが、仕事場で自分の事をやるのは中々難しく、半年掛かってようやく手を付ける事が出来ました。やはりと言うか楽しいですね~。

その後プラスチックプライマーを塗り、クリアーをコートしました。

クリアーは通常通り2コート塗っています。

が、シールの厚みが予想以上に凄く、この後熱を掛けて硬化させたらそれがさらに目立ったので、

再び足付け処理後、もう一度クリアーをコートして完成となります!

それでもかなりの段差が残りましたが、まあこれはこれで味があるので良いかなと思ってます。下に塗った白は原色そのままですが、シールに比べて赤黄色いのが判るかと思います。赤味のある青を入れればもう少し良くなったと思いますが、そこまで自分の事に時間は割けませんかね。

ちなみに勿論ですが、仕事でこういった事は受け付けていません。

ウェブサイト内でもご案内していますが、クリアーの下にシールを貼るという事には対応していないのです。理由は何かしらのトラブルが発生する可能性が高いからですね。

そもそもシールの粘着性は塗装のそれ(密着性)に比べると遥かに低く、またシール表面に貼られている透明なフィルムがどういった物なのか判りませんから、全く得体が知れない物の上に塗装を行う事になる訳です。得体の知れない魚を釣ってそれをお寿司屋さんに持って行って「何かあっても自分が全て責任を持つからこれで握ってくれ!」と言っても受け付けてくれないのと同じですね(結局問題が起きて営業停止になるのはお店であって、その間の休業補償をしてくれる訳はありませんでしょうから…)。

と言う訳で、こちらはあくまでも自分で使って楽しむ事が前提で、またそれによって生じる問題点なども実際に見てみよう!という事も含んでいます。湾岸ミッドナイトで敢えてエンジンブローを期待するリカコ氏みたいな感じですね(判りませんか…)。