重曹ウェットブラスト

先日より修理・改造しているウェットブラスト用のボックスですが、

それの完成を待たず、ウェットブラストを試してみたい仕事が入りましたので、今回はボックスを使わず、今まで通りの大気開放式の重曹を使ったウェットブラストを行う事にしました。対象物は三菱ランサーエボリューションの新品ヘッドカバーです。

判り易いようスマホで動画を撮影してYoutubeにアップしました。

この型のヘッドカバーは何度も塗っていて、いつもは布状の研磨副資材(アシレックスレモン)を使ったネチネチとした足付け処理を行っていましたが、当たりの柔らかい重曹ウェットブラストなら既存の塗膜を傷めずに#800~#1500相当の目に仕上げられるのでは?と思い、早速試してみました。

結果は予想通り、ペーパー(布状研磨材)を使った作業よりも細部までしっかり足付け処理が出来ました。これは素晴らしい・・・!

ただブラストガンを近づけて集中的に当てた箇所は塗膜が削れ過ぎてしまったので、扱いにはやはり注意は必要かと思います。まあこのヘッドカバーはクリアーに色を混ぜたような塗装で塗膜が非常に薄いだけと言う事もありますが。

余った重曹は水を抜いて乾燥させていましたが、それだと粉が固まって次に使う時に中々分散してくれなくなってしまったので、

水と一緒に空ペットボトルに写して保管しておく事にしました。ちょっとピンクっぽくなっています。

重曹は25kgを買っていて、毎回これを動かすのは本当に大変なので、

空ペットボトルに詰め替えておきました。袋にはまだまだ残っているのですが、移し替えるだけでも大変な作業で・・・。

しかし当初はこんなに買ってどうするんだ・・・と思っていましたが、予想以上にウェットブラストが使えそうなので、良い買い物をしたかも知れません。

早く箱が出来上がってバンバン使いこなしたいですね!(と言うか大気開放は肌がヌルヌルして何か気持ち悪くて・・・)。

ウェットブラスト用ボックス 改②

先日キャスターと脚を取り付けていたブラストボックスです。

8年間ベランダに放置していたら、アクリル板の表面に水垢のような物が染みついて中が曇ってよく見えないので、

コンパウンドで磨いて透明感を取り戻させてあげました。これは気持ちが良いですね!

次は箱の底にドレン用の穴を二ヵ所開けます。

使うのは水道管等に使う塩ビ製のパイプで、この辺のパーツは一個50円くらいと非常に安いので、気軽にカットしたり加工して使えるのが気に入っています。イオン化とかして箱の錆びを誘発したりとかもしないですしね(良かれと思ってステンレスのニップルなんか使うと穴の周りから無用に錆が出てしまいます)。

それらをこんな感じで、箱の中の水を抜き取ってホースで流せるよう取り付けます。

・・・が!

この部品の特性上から、最後までネジを締めても若干の隙間が空いてしまい、ブラストボックスの外板にきっちり固定してくれません。鉄板がもう少し厚ければ問題無かったのですが、まあ判っていた事でもあるので、

ワッシャーを自作する事にしました。以前CORSAIRのPCケースを塗装した際、ABS板をカットして専用ワッシャーを作った時のような感じですね。

今回は3mm厚のアクリル板をレーザー加工機でカットしました。

それを捻じ込む二つの部品の間に挟みます。良い具合でピッタリ締められるようになりました!

設計からここまで15分程度で作れてしまうスピード感が、レーザー加工機の気に入っているところです(作業中に足りないものを買いに行ったり手を休めるのが本当に嫌なので・・・)。

側面にも穴を増やし、そこには水道ホースがワンタッチで装着できるカプラーを取り付けました。

こんな感じで、ブラストボックスの中で水道水を使えるようにしました。粉だらけだとワーク(対象物)にどれくらいブラストが当たっているのか判り難いので、それを洗い流す為と、窓に水を掛けて中を見れるようにですね。

新たに設けたドレンは二ヵ所で、上段は中の水が規定量を超えたら自動的に排水するようにと、下段は使い終わって中の水を全部捨てたい時に使う為の物です。ただ重曹はアルカリ性なので、もしかしたら入れっぱなしでも特段問題無いかもなのですが(普通の水だと錆が出るのが嫌なので)。

次は内部の照明の強化と、ミストを排出させる為の排気または送気ファンを取り付けようと思います。まあその辺は後でで、とりあえずテスト的に使ってみようかと思っています。いや、でもその前に塗装しないとですか。

ウェットブラスト用ボックス 改

先日絶体絶命の状況を救ってくれたウェットブラストですが、

8年間屋外に置いておいたブラストボックスは、塗られた塗装が紫外線で劣化して褪色してしまっているので、今回を機に活躍出来る場を与えてあげる事とし、新たに塗り直してあげようかと考えました。

また折角なら使い易いようにと、脚を伸ばしてあげる事にします。使う度に台に乗せるのも大変ですし、使わない間これをどこに置いておくのか!と言う問題も解消したい訳です。

使う材料は、この工場に来たばかりの時に作った塗装ブースの余り材料、60×30のC型鋼です。

長さは3200程で、少しでも楽が出来る&無駄がないよう、きっちり4等分にカットします。

キャスターを取り付ける箇所は、こちらも余っていた端材のアルミアングルを使います。

カットしたアルミアングルへ、工場二階にあるボール盤で穴を開けます。

こちらのボール盤は今の工場に来た時に置いてあった残物で、危うく産業廃棄物になる所だった物を直して今も使っています。

本来なら各所はボルトナットで固定してあげたい所ですが、取りあえず手っ取り早くドリルビスを打ち込んでいきます。

各脚を本体に取り付けます。

どこかで見た事あるような姿だと思ったら、スターウォーズのAT-ATウォーカーですね(笑)。

キャスターは以前まとめて50個買っておいた物がまだ残っていたので、

それらを利用します。

ブラストボックス専用の台は1万円くらいで売っているのですが、そちらも組み立て式で、またキャスターもついていないので、だったら時間的に変わりないだろうと思って自作する事にしました。その方が愛着も湧きますしね。

と言う訳で脚の完成です!

強度を考えると脚の途中に補強材や棚板を着けた方が良いのですが、

こんな感じで下に色々仕舞えると便利なので、とりあえず棚板は付けず、縦方向にだけ補強材を入れようかと思っています。

あとはウェットブラストとして使えるよう内部にシャワーの取り付けや送気ファン、水抜き用のドレンなどを取り付けようと思います。あと照明も強化しないとですね。

大きい物は今まで通り開放式で問題無いのですが、小さい物の場合、思いついたら直ぐに使える!と言う風に出来たらと考えています。

ウェットブラスト

塗装の仕事でご依頼頂いているTOYOTA1600GTのヘッドカバーです。オイル汚れの固着が酷く、この後アルカリ槽→溶剤槽にそれぞれ数日浸け置きをしたのですが、殆ど変わりが無く、

またケルヒャーを使ったスチーム洗浄でも全く効果がありません。もはや不働態被膜化しているのでは・・・

と諦めかけたのですが、

ジャジャーンと!

いつもサンドブラストに使っている吸い上げ式のガンです。以前予備用にと買っておきました。

実際に使えるかどうかは判らなかったので、取りあえず水でテストをしてみました。

この通り全く問題無さそうです。

と言う訳でジャジャーンと!

最初はガラスビーズを買おうと思ったのですが、今回はブラストボックスを使わない大気放出式になるので、そのまま下水に流せる(人にも環境にも優しい)重曹を使う事にしました。どれぐらい使うのか判らないので、とりあえず25kgを購入です(ただこんなに必要無かったっぽいのですが・・・)。

ちなみにそのまま床に置いて行うのではなく、適当な箱(衣装ケース)の中に置いて重曹水を循環して使えるようにします。

  水と重曹を適当量入れ(よく判りません)、一ヶ所に集まり易いよう、箱の下に板を置いて傾斜させました。

そしてウェットブラスト開始(完了)です。ファンを回していなかったのでブース内は靄が掛かって前が見えません(笑)。

ブラスト後の水です。

ブラストガンの口径が大きい為か塗装を剥がす程の威力は無さそうですが、ワーク(ヘッドカバー)に対して優しく作業が出来るので、用途によっては十分使えそうです。そもそもこれを使うのは、主に結晶塗装以外での塗装前の足付け処理用で、現在仕事のご依頼で入っている、キャンディーカラーに塗装する樹脂製インマ二の為となります。

ちなみに作業後にはかなりの量の重曹が残っていて、捨てずに(溶かさずに)このままにしておけば次回も再利用出来そうです。