30cm色相環壁時計制作~完成

以前作成した30㎝のキャンディーカラー色相環壁時計ですが、さらにその後もオーダーが入ったので、新たにもう一つを作る事となりました。

ちなみに現在壁時計の販売はしていなく、それの理由としては採算が合わな過ぎる為でして(大変な赤字です…!)、ただ「それでも!」という方向けに、オーダーでの制作のみ対応しています(ただ当然ですが金額もそれなりに高くなってしまっています)。

キャンディーカラーで塗装した12色のピースはこれまでに6セット分作っていて、ただ残っている物はゴミが付いていたり傷が付いてしまっていたりするので、クリアーを塗ってリフレッシュしました。

壁時計としてはあり得ない金額になっていますが(市販の10倍くらいではと…)、それでもこれらピースを一つずつ依頼されて塗るよりかはかなり安く出来ていると思います。

赤字でもやり続けているのは、将来的にこういった事で収入を得られればという願いというか準備的な事があり、現在行っているようなオーダーを受けて一品を塗る事はいずれ難しくなると思いますから、歳をとっても何とかこの仕事を続けていけられるようにですね。

背板は元々ただの艶消し黒(ベースコートのみ)としていましたが、その後作成した結晶塗装の質感が良く、今回そちらもオーダーで頂いたので新たに作成しています。小さい方は量産向けの壁時計(15㎝)用の背板ですね。

もちろんこちらもそれ単体で行うと採算が合わないので、仕事で行う本塗りと一緒に(と言うかそれの前に行うテスト用)塗らせて貰っています。

ただしテスト用と言う事もあり、大体半分は失敗で塗り直しになります。手前の方は全滅ですね。

ただピースも含めこれらは一品物のオーダーとは違いますから、失敗したのは後で纏めて塗り直せば良いという事で、作業的にも精神的にも大きな負担が無いのがとても良いところです。ただこういった考えで毎日塗装をやっているとみるみるレベルが落ちてしまいますから、今は「趣味」といった位置づけで丁度良いですかね。

大きい方は3個の内2個が失敗で塗り直しました。

ちなみに失敗といっても廃棄はゼロを基本としています。

それぞれのパーツが出来上がったら組付けます。

これらの作業は一日の仕事が終わってからで、大抵は19時くらいから、動画を観たりお酒を飲みながらとかでまったり楽しくやっています。

結晶塗装は表面が凸凹しているので両面テープはくっ付かず、なので充填性の高いシーリング系の接着剤を使っています。エアロパーツや自動車ガラスの取り付けに使う、安心のシーカフレックス221ですね。

圧力を掛けた状態で数日固定しておきます。

ちなみにアクリル樹脂の接着面にはプラスチックプライマーも塗っています。PP程ではありませんが、PMMAも決してくっ付き易い樹脂では無いですからね。

基本的なコンセプトは仕事で行う塗装と同じで、経年でも劣化(破損や剥離)しなく、長い年月使える物を目指しています。

接着剤が固まったらムーブメントと針を取り付けます。針は汎用の物で、それぞれの大きさの壁時計に合わせてカットしています。

そして完成です!

これも元々は自分用の色見本が欲しいという事で作成したのがきっかけですね。

やはりと言うか、背板の結晶塗装の質感が渋くて格好良いです。

いつもの様に各完成画像はサイズの縮小以外は未加工となっています。Photshop等の画像加工ソフトを使えば綺麗に格好良く加工出来ますが、そういった事を知らない方や、それを隠して紹介する事例が多く見受けられますので、それとは違うという事を明確にする為ですね。

ちなみに量産品の壁時計では多少のゴミとかは気にせずそのままとしていましたが、オーダーメイド品は通常の御依頼品(仕事)と同様、その辺も気にして仕上げています(磨くよりは塗ってしまった方が早いという事でクリアーを2度塗りしています)。

ちなみにキャンディーカラーの壁時計は現在この30cm用しか塗っておらず、

残りはあと1セット分のみとなります。

今回オーダーで御依頼頂いたきっかけは、デザフェスで同じキャンディーカラーの色見本キーホルダーをご購入された方がそちらを大層気に入って頂けたとの事で、「多少お金が掛かっても!」という事で今回の御依頼に至りました。

既に小さい壁時計もどこに置こうかと考えて頂けているそうです。となるといずれは15cmでキャンディーカラーVer.も作らないとですかね。

ちなみにこのキーホルダーだけでも5千円程度の値段設定になっていて、それでもデザフェスではかなりの数をお買い上げ頂きましたから、だったらもう少し高くても壁時計を買う人が居るのでは?!と考え、一度廃盤にした小さい壁時計=直径15cmの物を一般販売用に価格を抑え、それ以上のサイズ(20cm~)を、オーダーメイドでの作成にしようと思った次第です。

色相環は元々この世の中にあって誰もが一度は見た事がある物ですが、印刷と塗装とではその質感は全く違う物なので、まずはキーホルダーでその良さを知って頂き、その後壁時計にステップアップしていって頂ければと思っています。20年後は郊外か自宅の作業場で、こういったプレッシャーの無い塗装をして生きていければと思っています(笑)。

その後オーナー様から画像も送って頂きました。

セロー ハンドルガード取り付け

以前塗装していたこちらのハンドルガードですが、

現在はこのような感じで私のセロー(DG17)取り付けていました。ちなみに一緒に結晶塗装にしたハンドルバーと、その後入手して同じく結晶塗装したトップブリッジはまだ交換していなく、これらとは別にヘッドライト下にあるガードも塗りたいので、いずれそちらが出来上がったら全部まとめて交換しようかと思っています。

ハンドルガードを取り付けた理由は、この様にハンドルカバーを取り付ける為でして、さらにこれにグリップヒーターを取り付けた事で気温の低い季節でも快適に走れるようになりました。


ちなみにグリップヒーターはGUNさんからのアドバイスで紐では無く熱収縮チューブを使って固定しています。グリップ本体を交換するタイプに比べるとカバーが着いた分太くなるのはちょっと嫌な感じですが、使うのは冬だけですし、とにかく手軽に脱着出来るが良い点ですね。電源はUSBの5Vなのでそんなに効果は大きくないだろうと侮っていましたが、これが予想以上に暖かくて快適です!

こちらの社外記では紹介していなかったのですが、その後GUNさんと千葉にツーリングに行った際にこのグリップヒーターとハンドルカバーが大活躍してくれました。

イメージ的にはこたつの様な感じかと思っていましたが、温泉に浸かっているようなぬくぬく感が本当に素晴らしかったです・・・!

と言う訳ですが、ジャジャーンと!新たに大きなサイズのZETA スクードプロテクターを購入しました!(?)。

と言うのもハンドルカバーはもう一台のトリッカーに着けるために買った物で、2台同時に走る際にはセローに使えないんですよね。「だったらもう一個ハンドルカバー買えば良いんじゃ?」と思うかも知れませんが、実はもう一個どこかにあるのです!(?)。

実は最初に買ったハンドルカバーをどこに仕舞ったのか判らなくなってしまい、仕方なくもう一個同じ物を購入し、なのでいつか見るかるかも知れない物をさらにもう一個(3個目)を買うなんて愚行はどうしても出来なく、だったらという事で風防効果が高くリーズナブルなこちらを購入しました。お値段は判り易いようそれぞれのリンクも記載しておきますね。

どこかにはある筈なんです。どこかには・・・。


ちなみに今回買ったスクードプロテクターはサイズが大きいので、これに同社のハンドルカバーは取り付けられません。→適合確認ページ

ただ届いたそれを見たら樹脂素地そのままのチープ感が半端無かったので(画像撮り忘れたのでこちらは塗装後に撮影した裏側です)、

仕事で結晶塗装を行う際に、こちらも一緒に塗らせて貰いました。

プラスチックの梨地にそのまま艶ありの塗装を行おうとするとこのような感じでかなり気持ち悪い仕上がりになります。

なので梨地を艶あり仕上にする場合は「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理で先ず素地を平滑にしてから上塗りを行うか、もしくは素地がザラザラのままでも比較的それが目立たない艶消し仕上げにしたり、

または今回のように結晶塗装にしてしまうか!といった選択方法となります。まあいずれもコストが掛かるので最初から樹脂素地を(金型表面を)梨地にしておいている訳なんですよね。

ただ「着色樹脂素地そのまま」と言うのが私的に好きでは無いので、だったらという事で今回一緒に塗らせて貰う事にした次第です。

ただこの時は一度失敗した後に再塗装を行った時だったので(そちらは塗り足りなく結晶委塗装が綺麗に出なかったので)、それを避けたいという思いが出てしまい、ちょっと塗り過ぎの傾向になってしまいました。

トヨタ2000GTのヘッドカバーなら丁度良さそうな結晶目ですが、今まで塗っているセローのパーツの結晶塗装は細かい結晶目を目指しているので、ちょっとバランスが崩れてしまったと思います。

それでもまあこの樹脂素地そのままの質感に比べれば大分マシですかね(実物は画像より大分チープ感が強いです)。

ちなみにこのスクードプロテクター、素材名がどこにも記載されていなく、恐らくはPP=ポリプロピレンだと思うのですが、足付け処理をした際にヌルっと感が強かったので、もしかしたらPE=ポリエチレンかも知れません。PEは塗料が密着しなく基本的には塗装不可能と言われた素材ですが、当店ではそれ用の塗装も可能としていて、ただそれにはかなりの手間と時間が必要なので今回は極簡易的な方法のみに留めておきました。もしかしたら剥がれてしまうかも知れなく、この後の経過がどうなるかちょっと愉しみです(何かしらトラブルが起きる事の方を期待してしまう湾岸ミッドナイトのリカコ的な感じで)。

と言う訳で塗装したスクードプロテクターを自宅に持ち帰り、元々着いていた小さいプロテクターと交換しようと思ったのですが、なんと穴の位置が違~う!!!

そういえば元々着いていたハンドガードは安価なコピー品で、ZETAのプロテクターがそのまま着くという保証は無かったんですよね。うっかりしていました。

が、幸いにして自宅にも多少の工具は用意しているので、新たに穴を開けてタップを立てネジ山を作る事にしました。こういった事が無駄に楽しいですね(笑)

それぞれのハンドルガードを比べるとこんな感じです。小さい方は手前になっているので実際より大きく見えていて、当然ですが新たなスクードプロテクターはかなり大きく、すっぽり手を覆ってくれます。

着けた状態の方が判り易いですかね。左が元々着いていたプロテクターで、右が今回購入したスクードプロテクターです。見た目のボリュームもかなり違います。

既に塗ってある結晶塗装に比べるとやはり結晶目が大きいですが、まあテストを兼ねての塗装ですし、樹脂素地そのままに比べれば断然格好良いので全然OKですね!

ハンドルカバーのぬくぬく感には足りないと思いますが、それでも十分寒さ対策にはなるかと思っています。

私的にはハンドル回りは何も着いていないスッキリとした見た目が好きですが、自分で塗った物と言う事であればそれの満足感の方が上回りますし、結晶塗装の無骨感が普通とは違ってとても気に入っています。

年始は千葉の鴨川まで泊まりでツーリングに行く予定で、後日効果の程も紹介出来ればと思っています。まあ寒いでしょうね~(笑)。

結晶塗装

少し前に結晶塗装を行っていた、私物のバイク(セロー)のヘッドライトカウルです。

この時点で二回目の塗装で、一旦はこれで良しと思ったのですが、どうしても結晶目の仕上がりに納得が出来なかったので、

改めて別のパーツ=アルミ製のヒールガードを塗装する際、ライトカウルも塗り直すことにしました。

ヒールガードはアルマイト処理されていたので、サンドブラスト後にリン酸処理を行い、プライマーを塗ってその日が来るのを待ちました。

そして仕事で行う結晶塗装の際、事前のテスト塗装として私物のこれらを一緒に塗らせて頂くことにしました。

色は結晶塗装の黒となります。

本塗後、140℃程の熱を掛けて硬化(熱重合)させると結晶目が現れます。もう少し細かい肌にしたかったですが、均一に揃っているので良しとしました。

そしてライトカバーパネルです!

自分の物だとどうしても集中力が落ちてしまいがちですが、今回は三度目の正直という事もあり、本番(ご依頼品k)さながら、全体が均一な膜厚になるよう慎重に塗装を行いました。熱の掛け方についてもかなり気を使い、ようやく熱に弱いプラスチック素材でも美しい結晶目を表現出来るようになったと思います。これらの屍を超える事で、今回のRB26エンジン樹脂製タイミングベルトカバーのご依頼も引き受けられるようになったのだと思う次第です。

当初はフィン状のの箇所を研磨してアルミ地を光らせようと思っていましたが、結局紺屋の白袴よろしく、自分の物という事でやる気が無くなってしまい、今回はこれで完成とする事にしました。

それよりも嬉しかったのがこちらのライトカバーです。ようやく納得できる結晶目になりました。自分の物でここまで執着したのは珍しいですね。

元々割れていた物をエポキシ接着剤とファイバークロスで固定し、ドライブレコーダーのカメラを通す穴を開けています。

ちなみに同じパーツを艶あり仕上げに塗装した物もありますが、誰でも出来る物を装着するのも面白く無いという事で、PP=ポリプロピレン製のカウルパネルを結晶塗装で塗りつぶしていっています。

あと先日は知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)の許可を頂いて作成しているブラックラビットのキーホルダーにも結晶塗装を行いまして、ただこちらは立てた状態で熱を入れてしまったので途中で変形して折れ曲がってしまっていました。PMMA=アクリル樹脂はそこまで熱に強くないので、熱を掛ける時は注意が必要ですね。

 

後はトップブリッジを入手しているので、タイミングが来たらそちらも結晶塗装で塗る予定です。ウィンカーベースとかも結晶塗装にしてみたいですね!

色相環+結晶塗装壁時計 完成

今まで作っていたのはこういった背板が白い物や、

こういった黒い物

その他グレーブルーっぽい色の物(VWアクエリアスブルー)を、ベースコートのみ(クリアー塗装無し)で仕上げていたのですが、

さらに当店らしい物を!という事で、

結晶塗装を施してみました!

素材はMDF=木製品なのでてっきり熱を掛けた時に泡を吹いたりするかと思ったのですが、

金属の場合と同じく普通にそのままで焼き付けて綺麗に仕上がってしまったのです。

在庫している塗装済みの色相環ピースを集め、

それらと背板をシーリング接着剤(シーカフレックス221)を使って固定します。ピースの裏側はアクリル樹脂素地が露出しているので、プラスチックプライマーも塗っておきます。

最後に針を着けて完成です!

ちなみに今まで出品していたものは全部売れてしまっていて、その後追加で作成したのですが、どれも採算が全くあっていないので売るのが勿体ないと思い、現在は販売を停止しています。

ただ今後は「針を外した状態で梱包」(取り付けは購入された方にやって頂く)という事を考えていて、それが可能になれば多少なり赤字幅も減らせるかと思っていて、とりあえずその仕様で今度のデザフェスに出店して販売してみようと考えています。通常の壁時計と違って針がむき出しですから、発送や梱包で気を遣うのもネックだったんですよね。

この辺にプレートか何かのアクセントが着けば良さそうだと思うのですが、360度どの方向でも大丈夫!というのもあるので、とりあえずは何も無しにしておこうかと思います。もしくは限定でPRO_Fitのカーボンエンブレムを着けるとかですかね。

それにしても結晶塗装のストラクチャーがめちゃくちゃ格好いいです。

色相環のピースのエッジが立っているのも私的に大好きです(自動車のボディではこういったところは安全上廃されてしまっているので)。

11月のデザインフェスタでは知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)と一緒に出店する予定なので、これらを含め、塗装を施した物を色々販売しようと思っています。

今の環境(諸々の固定経費)でのこういった物販行為はどうしても赤字を免れませんが(なのでとりあえず通販は辞めました)、ワークショップや小物塗装の宣伝を兼ねればそういった催しにも出る意義もあるかと思った次第です。

経営の事だけを考えると仕事をしていた方が間違いないですが、あと25年は働き続けなければならないので(具体的には家のローンがその期間ある為)、環境が変わっても今の塗装の仕事が続けられるよう、色々な事を試しておかないといけない訳ですね。