rotiformホイールセンターキャップ加工

先日塗装の仕事でお預かりしておりましたrotiform=ロティフォームのホイールセンターキャップ5個です。

今回は塗装だけでは無く、こちらをスリーポインテッドスター仕様の艶あり黒にされたいという事で作業を承りました。

尚、塗装については仕事なのでブログ=PRO_Fit日記の方で紹介しますが、制作については個人的な趣味のような事となりますのでこちらの社外記に掲載するようにしています。

参考までに以前制作したエッティンガーホイール用のセンターキャップを紹介しますね。

この様な感じで直径68mmのホイールセンターキャップに合わせたスリーポインテッドスターを樹脂で作成し、

その後装着した状態の画像も送って頂きました。

今回のホイールキャップはその時よりも2mm大きい、直径70mmとなります。

試しにと、前回予備用として作っておいた68mm仕様のスターを合わせてみると違和感がなかったので、今回はこちらの型を使用するようにします。一からマスター型とシリコーン型を作ると大幅なコスト高となってしまうので、今回はそれを省ける感じですね。

ただちょっと難点があって、

今回のキャップはフチとプレートが別体になっていて、

通常であればプレートを外すと土台部分が平滑なのですが、今回はフチのパーツを取り付ける為の段差があって凸凹としているんですよね。

だったらという事で既存のプレートはそのままに、上からスターを貼り付ける!という方法も出来なくはないのですが、

プレートは湾曲しているのでスターの周り(フチ)は浮いてしまいますから、この場合結局削って平面にする必要があるんですよね。溝も見えなくはなるにしても残っていると気持ち悪いですし、かといってパテやパネルボンド(接着剤)でそのまま埋めるのも違うかなぁと。

という訳でジャジャーンと!レーザー加工機の登場です。趣味で作成して販売している色見本キーホルダーも全てこれを使用しています。余りにも役に立ってくれているので、いずれ自宅にも導入しようかと思っているくらいです。

各部の寸法を測ってデータを作成し、土台部分のフチに合わせてリング状のアクリル板を切り出しました。

元の段差に合わせてアクリル板の厚さは1.5mmを採用しています。ピッタリに出来ました。

その上に今度は2mm厚のアクリル板を載せました。

そこに68mmで作ったスリーポインテッドスターを取り付けます。尚、上の画像では下のアクリル板をカットしたままですが、塗装する前にフチの角を削って滑らかにするのでサイズ違いの違和感はもっと減ると思います。

以前作ったシリコーン型はちゃんと保管しておいたので綺麗な状態で残っていました。再び役に立つ日が来た事は何とも嬉しい限りです。

右が原型となる物で、それを基に作ったのが左側のシリコーン型となります。

よく離型剤を塗り、注型用のウレタン樹脂を注ぎます。ちなみに余った樹脂をそのまま捨てるのは勿体ないので、同じく以前作ったシリコーン型を使って色見本用のミニカーを作っておきます。

樹脂を注いでポリプロピレン製のシート(クリアーファイルをカットした物)を被せ、

平らな板を乗せて重石を置いて15分程待つと、

このような感じで複製品が出来ます。

勿論このままでは使えないので、バリを剥がしてペーパーで形を整え、サフェを塗って巣穴等も埋めるようにします。

この後は普通の塗装作業になりますので、こちらでは無くPRO_Fit日記の方での紹介になるかと思います。

念のためですが、制作のみや販売などは行っておりませんのでご了承くださいませ。

BMW1/18ミニカー 分解

昨年塗装のご依頼でお預かりしておりましたBMW 1/18のミニカーです。塗るのは一台で、もう一台は万が一の部品取り用です。

分解については個人的な趣味として行っているので、日記の方では無く、こちらの社外記での紹介とさせて頂きます。

大抵の場合は裏側にあるネジを取るだけで上下分解できるのですが、全然外れる気配がありません・・・。

色々試してみると、ホイールが外れる事が判り、

タイヤハウス内にネジが!

それらを外すといつもの様に土台部分とボディとが分割できます。

内装を取り外し、

カシメで固定されている箇所は、

半田ごてでカシメ部の周りを溶かして取り外します。

フロントガラスとカウルトップパネルは一体式でした。元々クリアーのパーツを部分的に艶消し黒に塗っている感じですね。

ルーフライニングを外します。

接着剤は結構がっちりついていて、無理に外そうとするとパーツが割れてしまいますので、テンションを掛けつつドライヤーで温めて接着効果を落としながら丁寧に外していきます。

グリルやヘッドライトは熱カシメで止まっているので、その部分を半田ごてで除去し、ポンチで押し出して外します。

ヘッドライト等のレンズパーツはそれ自体接着剤でついていて、

無理に外そうとするとやはり割れてしまいますから、ボディ(アルミ)をドライヤーで熱して接着剤の効果が落ちたところでパキパキと外していきます。

困るのがこういった窪みに嵌ったパーツで、

裏側を見ても穴がありませんから、

裏側から押し出せるよう新たにドリルで穴を開けるのですが、固定されている箇所から場所がズレてしまうと、

上手く外せずに割れてしまい、穴も開けてしまいました・・・。

という事ですが、構造が判れば部品を生かして外すことは可能なので、はめ込みの穴を表からドリルで貫通させ、

裏側から見てその場所が判るようにし、

それと同じ箇所を、反対側で穴を開けるようにします。

突起の位置が判れば、そこをピンポイントに穴が開けられるのでパーツを生かして外すことが可能です。

割れてしまった最初の方はもう一度の車体から取り外してそちらを使うか、もしくはどの道こちらは艶消し黒で塗装する物なので修理して使うかも知れません。

そしてドアパネルです。

ルーフライニングを外すのと同じ要領で隙間からヘラを差し込み、テンションを掛けた状態でドライヤーでドアパネル(アルミ)を熱して接着剤を外します。

窓ガラス部分も接着剤で着いていて、こちらはとても割れやすいので見えない部分を半田ごてで溶かして外します。

アウターハンドルはなんとアルミ製で、こちらも接着剤で固定されているのでドライヤー&半田ごてで熱々にしてヘラでこじって外します。

これでようやく分解完了!と思いきや、

今回はドアミラーの塗装をご依頼頂いていたので、こちらも外します。

裏から見ると接着剤がしっかり浸透しているのが判り、無理に剥がそうとすると簡単に割れてしまいそうで、かといってドライヤーを使うと変形してしまいそうです。プラモデル等に使われているPS=ポリスチレン樹脂は熱にとても弱く、また衝撃にも弱いので取り扱いが難しいです。

という事ですが、熱湯なら温度は100℃以下ですし、ピンポイントに当てる事が出来るのでは?と考えました。

隙間から染み込ませるようにして接着箇所を温め、少しずつヘラでテンションを掛けて無事外せました!

鏡の部分はミラーシートが貼ってあって(何故か剥がした下からもミラーが出てきました)、こちらは再利用可能なので塗装後に元に戻すようにします。

この後の作業はいつも通り日記の方で紹介しようと思います。組付け時にはまたこちらで紹介するかも知れません。

1/18VWビートルミニカー 組付け

先日ステップと内装を艶消し黒で塗装しておいた1/18のVW空冷ビートルミニカーです。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ゴミが付いていた箇所を磨き処理し、さらに数日寝かして組付け作業を行いました。

接着するにあたって強度の必要が無いウィンカーレンズ等のパーツは再度外せるよう模型用の透明な接着剤を使い、

カシメなどで止まっていた強度が必要な箇所は、透明エポキシ接着剤を使って固定していきます。

ウィンドガラスはリヤとサイドガラスが一体構造になっていたのですが、取り付けの際ズレが生じてしまうのでバンドソーでカットして3分割にして固定する事にしました。ここも元々はカシメでの固定でしたが、エポキシ接着剤の点付けとしています。

バンパーも熱カシメで止まっていたのですが、外す際にその部分が無くなってしまうので、ここは新たに穴を開けて、

小さいネジ(メガネ用) を使って固定する事にしました。

元々接着剤で固定されているパーツを外すのはかなり面倒なのですが、元に戻す事についてもそれは同様で(それ以上に大変で)、

仕事が終わってから少しずつし、毎日キリの良いところ=接着する作業までを数日に掛けて行っていました。

ナンバープレートの色は白の原色そのままで、それに比べるとボディカラーの白は大分色が着いているのが判るかと思います。

今回は元々設定の無かった右ドアミラーを、別の個体(カブリオレ)から取り外して移植を行いました。

最後の接着が終わったら数日寝かして完成です。完成画像はいつもの通り日記の方で紹介します。

アングルポイズ アームランプ 組付け

先日本塗りを終えていたアングルポイズのアームランプ(スプリング式のタスクランプ)です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしておきました。

各パーツには元々グロメットが付いていて、ただ同じ穴の径なのに付いていない箇所もある為、取り外す前に各部を撮影してあります。後で記憶が無くなっても「これは何のために撮影した画像か」が判るよう、指差し確認をした状態で撮っていたりします。

このパーツなんか結構微妙で、普通なら左右対称にしがちですが、実際には非対称の位置にグロメットが嵌っています。元の画像が無ければ絶対同じようには組めなかったですね。

この可動部も隙間に薄いプラスチックパーツが入っていて、そういった物も前後を間違えないよう元通りに組み付けていきます。

組付けはワンミスで塗り直し確定なので慎重に行います。

最初に勤めていた自動車メーカーのサービスセンターでは、塗装4人(後に外注が入って6人)、板金4人でやっていて、辞めるまで私は下っ端でしたから、塗った物(車)の部品を組み付けている鈑金屋さんが「デヘヘ、タカハタ、傷つけちゃったよ。ちゃちゃっと塗り直しておいて貰って良い?」と軽口を叩くのによく殺意を覚えていました(塗装屋さんなら皆そうかと)。

小物塗装を行う上でネックとなるのがこういった分解組付け作業で、ディーラー在籍時は塗装しかしていませんでしたが、その後独立して何でもやるようになったお陰でこういった事も何とか出来るようになりました。車のアウターハンドル周りや電動ドアミラーとかは構造が複雑なので、それらの経験が今も活かされているのだと思います(特に英・伊・仏・米は酷いですね…)。

工具に関しても、自動車を扱っている時に揃えた物があったお陰で今が成り立っている所もあります。保険作業の無い今の小物塗装屋では到底買えなかったと思います。

こちらは土台です。

ウェイトで入っていたスチール製の重りを取り付けます。

この後は事前に作成しておいたクッションシートを貼り付ける予定だったのですが、取り付ける方法として接着剤は避けたく、ただ既に丸く切ってしまった物に綺麗に両面テープを貼るのは困難だった為、

新たなシートに両面テープを隙間なく貼り付け(プライマーも塗っています)、

改めてレーザーカットし直しました。

するとどうでしょう!(笑)両面テープがフチまで綺麗に貼られたクッションシートの出来上がりです。気持ちが良いですね。

それを位置を合わせて貼り付けます。

良い具合に出来ました。

参考までに元の状態も紹介します。

元々貼ってあったクッションはフチが破け、伸びて食み出してしまった箇所もありましたが、

新たに似た素材と厚みのクッションシートを作り直す事で、土台も分解出来て綺麗に塗る事が出来ました。

フチから食み出なく、上品に仕上がったと思います。

あと元々貼ってあった裏側の品番が印刷されたアルミシールですが、

お湯に浸けてさらにシリコンオフを染み込ませたら、

折り目はついてしまいましたがなんとか破かずに剥がせたので、

新たに両面テープを貼り直し、

元のように貼り付けておきました。万が一メーカーで修理する際もスムースに受け付けてくれるかと思います。

ソケット周りの配線を繋ぎ、手元にあった電球を取り付けて、

点灯するか確認をしたら組付けて完成!

と思いきや、ソケットの後ろにある配線に被せる耐熱配線カバーを入れるのを忘れていたので(あるあるですね…)、

もう一度分解して組付け、最後にもう一度灯火テストを行って完成です!

自動車の部品であれば、万が一破損しても部品屋さんから新しい物が手配出来ますが、こういった物で、しかも毎回違う作業をするのはかなりリスクが高いのですが(そして採算も全く合いませんが…)、自分の性格的に同じ事を繰り返し行う=既に出来る事をやるのが好きでは無いので、お陰で飽きずに毎日楽しく仕事が出来ているのだと思います。

今は採算が合わなくても、コストの掛からない郊外を仕事場にするとか、もしくは地方の廃校とかを利用した再生プロジェクトとかなら何とかなるかもですね(あれらが上手くいかないのは新規でやろうとする人を集めるからで、既にそれで事業が成り立っている人に限定すれば良いと思うんですけどね。やはりと言うか楽しいだけじゃ長くは続けられないです)。