色見本キーホルダー【蛍光オレンジ】完成

少し前に行ったワークショップで、参加者の方が塗装した蛍光オレンジがとても良く感じた為、当方で作成している色見本キーホルダーにもこれを採用してみる事にしました。

蛍光オレンジ自体には隠蔽力が殆ど無いので、それとは別に下色を作る必要があります。今回はワークショップで作って貰った塗料が余っていたので、それを基に配合データから作り直しました。

蛍光顔料は元々粉末状の物を、STANDOXのベースコート用樹脂=MIX599に10%程添加して塗料を作成しています。パウダー顔料はダマになり易いので、先にシンナーで希釈してから樹脂と混ぜるようにします。

ワークショップでは枠だけでしたが、今回は背板の部分も同色にした仕様も作成しました。

ちなみに枠の塗装は、透明アクリルの裏側から「蛍光オレンジ→下色オレンジ→クリアー」ですが、こちらの背板はその逆で「下色オレンジ→蛍光オレンジ→クリアー」となります。それぞれ塗り方が変わっても色が違うようにならないかの確認=チェック機能も含まれています。

枠のパーツは裏のスプレー塗装とは別に表側からのドロー部の塗装も必要で、この作業が地味に面倒なのですが、最近余分をふき取る作業で使う溶剤に丁度良い物を発見したのでかなり作業効率が改善されました。

一つのキーホルダーに要するパーツが計15点、全てSTANDOXで塗装されているというのがこちらの売りだったりします。特にフェラーリビアンコフジ仕様のように、車体と同じ塗装が施されているというのは面白いですよね。

そして完成です!

各完成画像は仕事の場合と同様、サイズの縮小以外は未加工となります。

画像だとただのオレンジに見えますが、実際には通常顔料では得られない鮮やかな発色を感じられるかと思います。

枠の方の彩度が高いと色相環が埋もれてしまうかと思っていましたが、

意外とそんな事は無くかなり良い感じです。色相環の部分はソリッドカラーの艶あり仕様となります。

とにかく目立つ色なので、デザフェスでは通り掛かりの人の目に留まってくれるのではないでしょうか。

そしてこちらは背板にホログラムシルバーラメを採用したモデルです。色相環の部分はミラーアクリルに透過色=キャンディーカラーを塗装した仕様となります。

今回のモデルではドロー部に白を採用していますが、黒やグレーでも良さそうです。趣味でこんな事が出来るのは本当に楽し過ぎますね。

作った色はいつものように飾れる色見本を作成しておきます。子供の頃にやった昆虫採集標本よろしくコレクションが増えていくのも楽しみの一つです。

色相環キーホルダー 【ソリッド艶消し】+ウォルナット+結晶塗装黒

ウォルナット材を使った枠に、ソリッドカラー(パールでもメタリックでも無い色)の色相環と、背板に黒の結晶塗装を施した色見本キーホルダーです。

色相環の部分は3ミリのアクリル板をレーザー加工機で切り出し、それぞれに12色で塗装、艶消し専用クリアーで仕上げています。

艶消しクリアーは艶ありと同様、自動車ボディの塗装に採用している2液アクリルポリウレタン製(STANDOX K9150)となります。こちらの記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

ウォルナットは無垢材を使い、汚れ防止の為にセラックニスの塗装を施しています。家具やバイオリン等の楽器に使用する塗料で、ペーパー掛けをして素地調整を行ったウォルナットに極薄く塗り込み、木の質感を損なわないよう仕上げています。

背板の黒の結晶塗装は、自動車エンジンヘッドカバー等に採用しているそれと同様の物となります。熱硬化型メラミン樹脂塗料=所謂焼付塗装と呼ばれるものです。

ドロー部はレーザー彫刻で表現しています。

ウォルナット表面は#120→#180→#240で仕上げています。

手作業で作成している物なので大量には作れませんが、ある程度の数が出来たらウェブショップで販売したり、デザフェスに出店したりしています。前者は梱包や発送などの手間でどうしても割高になってしまいますが、後者の方は休日を利用して趣味の範囲で行っているという事でその分安く販売しています。

ウォルナット仕様のキーホルダーは他にも種類があり、色相環の部分をミラーキャンディーカラーにしたモデルもあります。

こちらも人気の製品で販売すると直ぐに売り切れてしまうのですが、ウォルナット材は出来るだけ安く仕入れる為に端材で購入している為、一度に多くの数を作れないのがネックとなっています。塗装するパーツは既存の物に比べて少ないので作業的には比較的楽なのですが、今は多く売るよりも新しい事を色々試してみる事に重きを置いていますので、何卒ご理解頂ければ幸いです。

ネモフィラ色見本キーホルダー作成

少し前に歯の定期健診の為に工場の近くにある歯医者さんに徒歩で向かっていた所、道中にあった花屋さんの軒先にこちらの可愛い花=ネモフィラが並んでいたので、気になって診療後の帰り道に購入してみました。

淡いブルー味と白の組み合わせがとても良い感じで、今回こちらの色を参考に色見本キーホルダー作成してみる事にしました。尚、画像にあるのはPANTONEの色見本帳で、こちらの色は「印刷」された物なので塗装とは違うのですが、一般的に分かり易いという事で仕事にも利用しています。

尚、ネモフィラ=瑠璃唐草(ルリカラクサ)の英名がBaby Blue Eyesとの事で、念の為STANDOXの配合データを調べてみると、FIAT/LANTIAで該当のボディカラーが見つかり、参考としてこちらの作ってみる事にしました。

ちなみにわざわざ配合データから作るよりも、適当に現色を混ぜて作った方が作業的に早く遥かに楽に早く済むのですが、やはりと言うか色のルーツみたいなのがあった方が私的に好きなので、今回も一応それを踏むことにしました。多分自動車補修塗装屋さんならあるあるなのではと。

という感じで出来上がったのがこちらの色です。

単体で見れば良い色なのですが、今回のコンセプトであるネモフィラの色味を考えるとちょっと違ったので、

結局改めて独自データで作成する事にしました。

また色見本キーホルダーでは背板部分は白系にするので、そちらの色も決めておきました。ただの白だとのぺっとしてしまうので、今回は白のカラーベースの上に見る角度で色味が変わるクロマフレア系顔料No.19を使う事にしました。

No.19の顔料はカラーベースを黒にした場合上記のような色味になりますが、白の上に塗る事も可能な顔料となります。マジョーラカラー等のクロマフレア顔料(本物)の場合黒のブツが見えてしまうのでこのような使い方は出来ないのですが、今回のNo.19はそれが無いのが特徴です。

と言う訳で、ネモフィラカラーと白(VWキャンディホワイト)の2色とクロマフレア系顔料No.19を使って色見本キーホルダーのパーツの塗装を行いました。

こちらは白のカラーベース=フォルクスワーゲンのキャンディホワイト(LB9A)の上にNo.19を重ねた単色3コート塗装となります。

こちらはネモフィラカラーにべた塗りした上に、中央のみVWキャンディホワイトを塗ってグラデーションさせた物です。No.19は重ねていなくので、塗装工程自体は3コートですが、塗膜としては「2コート塗装」となります。判り難いですが業界では後者で呼ぶのが基本ですね。

そしてこちらがそれぞれを合わせたネモフィラ→白グラデーション→No.19の仕様となります。

その後完全硬化させ、組み合わせるとこんな感じです。

基本はあくまでも「色見本」で、色相環以外の部分もそれに該当しますから、それぞれの出自=配合データはしっかり残すようにしています。

それにミラーキャンディーカラーの色相環を組み合わせてみました。これは可愛いですね。

動画も撮影しました。

7月5日~6日のデザフェスにてこれらの色見本キーホルダーを販売する予定です。宜しければ是非お越しくださいませ!

rotiformホイールセンターキャップ加工

先日塗装の仕事でお預かりしておりましたrotiform=ロティフォームのホイールセンターキャップ5個です。

今回は塗装だけでは無く、こちらをスリーポインテッドスター仕様の艶あり黒にされたいという事で作業を承りました。

尚、塗装については仕事なのでブログ=PRO_Fit日記の方で紹介しますが、制作については個人的な趣味のような事となりますのでこちらの社外記に掲載するようにしています。

参考までに以前制作したエッティンガーホイール用のセンターキャップを紹介しますね。

この様な感じで直径68mmのホイールセンターキャップに合わせたスリーポインテッドスターを樹脂で作成し、

その後装着した状態の画像も送って頂きました。

今回のホイールキャップはその時よりも2mm大きい、直径70mmとなります。

試しにと、前回予備用として作っておいた68mm仕様のスターを合わせてみると違和感がなかったので、今回はこちらの型を使用するようにします。一からマスター型とシリコーン型を作ると大幅なコスト高となってしまうので、今回はそれを省ける感じですね。

ただちょっと難点があって、

今回のキャップはフチとプレートが別体になっていて、

通常であればプレートを外すと土台部分が平滑なのですが、今回はフチのパーツを取り付ける為の段差があって凸凹としているんですよね。

だったらという事で既存のプレートはそのままに、上からスターを貼り付ける!という方法も出来なくはないのですが、

プレートは湾曲しているのでスターの周り(フチ)は浮いてしまいますから、この場合結局削って平面にする必要があるんですよね。溝も見えなくはなるにしても残っていると気持ち悪いですし、かといってパテやパネルボンド(接着剤)でそのまま埋めるのも違うかなぁと。

という訳でジャジャーンと!レーザー加工機の登場です。趣味で作成して販売している色見本キーホルダーも全てこれを使用しています。余りにも役に立ってくれているので、いずれ自宅にも導入しようかと思っているくらいです。

各部の寸法を測ってデータを作成し、土台部分のフチに合わせてリング状のアクリル板を切り出しました。

元の段差に合わせてアクリル板の厚さは1.5mmを採用しています。ピッタリに出来ました。

その上に今度は2mm厚のアクリル板を載せました。

そこに68mmで作ったスリーポインテッドスターを取り付けます。尚、上の画像では下のアクリル板をカットしたままですが、塗装する前にフチの角を削って滑らかにするのでサイズ違いの違和感はもっと減ると思います。

以前作ったシリコーン型はちゃんと保管しておいたので綺麗な状態で残っていました。再び役に立つ日が来た事は何とも嬉しい限りです。

右が原型となる物で、それを基に作ったのが左側のシリコーン型となります。

よく離型剤を塗り、注型用のウレタン樹脂を注ぎます。ちなみに余った樹脂をそのまま捨てるのは勿体ないので、同じく以前作ったシリコーン型を使って色見本用のミニカーを作っておきます。

樹脂を注いでポリプロピレン製のシート(クリアーファイルをカットした物)を被せ、

平らな板を乗せて重石を置いて15分程待つと、

このような感じで複製品が出来ます。

勿論このままでは使えないので、バリを剥がしてペーパーで形を整え、サフェを塗って巣穴等も埋めるようにします。

この後は普通の塗装作業になりますので、こちらでは無くPRO_Fit日記の方での紹介になるかと思います。

念のためですが、制作のみや販売などは行っておりませんのでご了承くださいませ。