水中花風、みたいな

car142 仕事とは少々離れてしまっていますが、今までやってみたくても出来なかった事が結構あったので、少しずつですが色々試していたりします。

factory75そうです、塗装ブースの床を塗り直しました!

と言う事では無くて(笑)、いや実際に床は塗ったのですが、昨日アップしようと思っていたらサーバーが緊急メンテナンスと言う事で、しかし折角撮影しておいたので割り込まさせて頂きました。

car143 と言う事で本題(?)なのですが、いつかこういった物を試してみたいという事でドライフラワーとかガラス片とかをちょこちょこと買い集めていて、今回はこれをいつもの色見本用シリコーン型を使って樹脂で固めてみる事にしました。

car144 一応真空脱泡も試みたのですが、別件で一緒に作っていた樹脂(と混ぜ物)の溢れ方が半端無く、結局殆ど気泡を抜けませんでした・・・。そちらはまた進行次第紹介したいと思います。

car145 右の方の黒いのに関してはまだ検証中でして、今回試作したのは左の二つです。

離型剤を落とし、クリアーを塗る事にしました。

car149クリアーは仕事の序に塗らせて頂いています。

car146 こちらは青系のガラス片を入れた物で、

car147 こちらはドライフラワーを入れた物です。一応寒色系と暖色で別けてみました。

car183その後熱を掛けて完成です。

car182試してみたかったのは中に入れた物の動きでして、やはりと言うか上下逆向きに注型していると比重の重い(?)ガラス片は底に沈んでしまい、出来上がってみると上の方に溜まってしまっています。一度の施工で真ん中の方に留めるのは難しい感じですかね。

car181ドライフラワーの方はと言うと、3個入れたうちの一つは下を向いてしまい、やはり楽をして一回で終わらせようとするのは少々難しいようです。

と言う事ですが実は既に上下を二段に別ける方法を試していて、果たして注型用のエポキシレジンでもウェットオンウェットが通用するのか(継ぎ目は出ないのか)なども検証中です。さらにドライフラワーも300個追加していて(笑)、今度はそちらの染色にもチェンジしてみるつもりです。段々脱線していっている気がしないでもないのですが、まあたまには息抜きも必要でして。

と言う事で、後日ヒートンを取り付けてキーホルダー化してみようと思います(シフトノブには使いません。笑)。

自作塗装ブース③ 制御&備品編

factory_58前回は塗装ブースの肝である「天井フィルター」を設置する所まで紹介しましたが、今回はそれらを通る風量の制御方法と、その他備品を紹介します。

factory (1 - 1)-23給気側に使っている換気扇は三相200Vの0.75kwを左右に一個ずつ設置していて、1次フィルターを通った空気を強制的に天井裏に送り込むようになっています。

排気側は元々出力調整が可能になっていますが、給気側も同じようにインバーターを利用して必要に応じて風量のバランスを取れるようにします。

electricスチール製の制御盤ボックスは意外と安く、新品在庫品みたいな物を見つけられれば¥5,000程で入手可能です。見た目がそれっぽく見えるのが良いですよね(笑)。

electric_2インバーターは使う機器に対して容量が決まっていて、この辺の事に関しては制御の仕事をしている友人に色々と協力をして貰っています。制御系とは、お寿司のシャリを握ってくれたり餃子の皮を包んでくれたりするロボットを作るようなお仕事ですね(違ってたらすいません…)。

electric_1やはりと言うか関心したのは安全面でして、もしファンが何かしらの理由で止まってしまった場合でも、熱を出して発火したりしないようにとこういったサーマルリレーなどを入れたりするそうです。特に今回のようにファンがフィルターに隠れて見えない場合は安心ですね。

electric1下が浄化装置のポンプと排気ファン側で、上が給気ファンの制御ボックスです。

そう言えば今思い出しましたが、給気側には循環用または補助用にと言う事でもう一個換気扇を付けていて(確か1kwくらいの一回り小さな物)、ただ実際に動かしてみるとほぼ無意味だったので今は使っていません。

factory23床は年に二回くらい塗り直していて、使っている塗料はシンナーでも溶けないエポキシ系の物となります。ちなみにコンクリートに直接上塗り塗料は付かないので、その際には先に専用のプライマーを塗ります。ガレージの床を塗るような塗料で水性の物があったりしますが、プールサイドのようにテロテロにしたい場合はエポキシやウレタンなど2液タイプの物になりますかね。

factory_62 入口側はビニールカーテンにしていて、一昔前はこの糸入り厚手のタイプが相当高級品だったのですが、最近はネットのお陰でメーカー直販(と言うかビニール溶着職人さん)から直接購入する事が可能になったので、当時の10分の1くらいの費用で買う事が可能になりました。昔はこれだけで10万円くらいしましたよね。

ちなみにビニールカーテンは重たいので普通のカーテンレールだと抜けてしまいますから、工業用のしっかりとした物が必要になります。

factory_63 壁は全面にビニールを貼っていますが、これを一人でやるのが意外と大変でして…。

factory-47塗装に使うエアーは、まず最初にコンプレッサー内蔵のエアークリーナーを通り、その後エアータンク直後にあるIWATAのエアークリーナー、さらに画像のオレンジ色のSATA社製エアークリーナー、最後にその右の黒いケースのMotor Guard社製のフィルターを通っています。スプレーガンに来るまでにフィルターを4回通って来る訳ですね。

ちなみに途中にIWATA社製のトランスフォーマーもあって(上の画像真ん中のシルバーの)、これも遠心分離で水分やゴミを除去するなどの機能がありますが、こちらはフィルター的な使い方では無く主にエアーレギュレーター(エアー量の調整)用として使っています。圧縮空気中の水分は最初の段階でエアードライヤーが除去してくれています。

factory_76 そしてこちらが塗装ブースの壁に塗る粘着物質で、これが予想以上に大きい効果が得られます。是非お勧めですよ。

booth2最初にディーラーの内製工場で塗っていた頃は作業場が地上10階くらいの高さだったので虫が来る事は無かったのですが、その後独立して横浜の工場で塗っていた頃は本当によく虫に事で悩まされました。

ただその後間借りしていた自動車板金塗装工場の塗装ブースでこれを使っていて、横浜と同じような環境だったのに虫が全く付かず、これの威力を実感したのです。本当に凄いんですよ。

factory_77 塗装ブースは明るいのでどうしても虫が寄って来ますが、一旦これが塗ってある所に止まるとトリモチよろしく二度と飛び立つことが出来ません。さらには微細なホコリもくっ付いてくれるので塗装面へのゴミの付着もかなり低減出来るのです。

factory_61ブース内に設置した台は実は厨房機器で(笑)。専用の工具台とかだと3万円くらいはしますがこれなら1万円くらいで色々なサイズの物が売っていました。オールステンレスなので錆びませんし、造りもしっかりしているので重たい物を置いても大丈夫です。

factory_53乾燥用のヒーターはこれくらいのサイズ(画像ので4.5kw)になると一昔前は50万円以上しましたが、今は普通に買ってもこれの半額以下で買えるようになりました。エアーダンパーの付いたキュービック社製の物とか軽く100万円以上しましたよね。

yamato3さらに最近導入した箱型のヒーターは熱が漏れないので非常に省電力の優れものです。

factory_89塗装ブースはその後、元々冷却用パイプが入っていたU字溝を改造して排水が出来るようにしたりもしています。

factory-45うちの場合は小物と言ってもある程度の量を塗るのでここまでのサイズとなっていますが、DIYや本当に小さい物だけであれば部屋の中にこういうのを作る事も出来ると思います。

部屋の中をビニールカーテンで区切れば塗料ミストの飛散は防止出来ますし、給気側のフィルターさえしっかりしていれば飛躍的にゴミの付着が低減出来るので、自家塗装でも磨き無しの塗りっぱなしと言う仕上がりが十分可能になると思います。

使ったフィルターなど詳しく知りたい!と言う事であればコメント頂ければ調べますのでお気軽にどうぞ。

自作塗装ブース② 天井フィルター編

factory_65前回壁を作った「躯体編」に引き続き、今回は塗装ブースの肝となる「天井フィルター」の設置を紹介しようと思います。

自作で塗装ブースを作る上ではここが一番難しく、またこれが無いと単に周りから埃を集めるだけの集塵機となってしまうので、高品質な仕上がりを目指すのであれば是非自作のブースでもこれの設置をお勧め致します。

factory_36天井フィルターを支える為には何かしらネット状の物が必要で、今回の塗装ブースではこれにコンクリートを流し込む時に使う「ワイヤーメッシュ」を利用しました。コスト面ではこれが非常に優れていて、その辺のホームセンターで一枚¥300くらいで買えると思います。

ただ塗装ブースに使う事としては少々(と言うかかなり)厄介な事があって、売っている状態では錆止めの為に全体に油が塗ってあるので、最初にそれを完全に除去する必要があります。

一枡ずつ拭き取るのは大変なので、私は刷毛と灯油で上から洗い流すようにしました。丁度床の油も掃除したかったですしね。

その後、さらにシリコンオフを使って洗い流すようにし、最後に錆止めの為のプライマーを塗っておきます。しかしこれらの事を考えると、もう少し違う方法を探しが方が良いかも知れません(結構大変です)。

factory_38 端の飛び出た部分はワイヤーカッターで切り取ります。頑張れば少し大きいペンチでも切れないことはありませんが、多分手のひらが相当痛くなるかと・・・。

factory_37 今後のメンテナンスの事も考えて、ネットは片側開きになるようにしてあります。お陰でなんでも一人で出来るようになりました(苦)。

factory39先ほどのネットの固定にはこういった配線止めの金具を使っています。わざわざ蝶番などを用意すると高く付きますが、これなら100個で¥1,000くらいとかなりお得です。

factory_39塗装ブースの横幅は5メートルくらいあるので、通常であれば鉄鋼材で躯体を作る必要があるのですが、今回は天井の低さを逆手に取ってこのような感じで梁に木材を持たせてあります。

ここに20cm~40cmの隙間の空間が出来るので、天井裏全体をチャンバー室として空気を流します。

factory_46と言う訳でネットの設置が完了です。あとはその上に天井フィルターを敷いてネットを固定していきます。

factory_60 こちらが天井に貼る非常に目の細かい2次フィルターです。フィルター全体に粘着物質が着いているので、これによって極微細なホコリもキャッチしてくれます。

factory_56 これもまともに買うととても高い物ですが、今はインターネットからメーカー直販で買ったりすれば、市販価格の半額以下で買えたりします。今回はブース1台分で10万円くらいで買えました。以前ディーラーに居た頃は確か40万円くらいだったような気が・・・。

factory_57 ワイヤーメッシュの固定には軽天の部材を使います。これはトタンのような極薄いスチール素材で出来ていて、通常の鉄鋼部材のような強度はありませんが、フィルターとネットの周り全てをこれで挟むように固定すれば強度も十分です(画像のは落ちてこないように仮止めとして真ん中に通しています)。

factory_55 こんな感じで隙間無くフィルターを固定していきます。ブースの奥(裏)にある一次フィルターを通ったエアーが天井全体に送られ、この二次フィルターを通るようになります。

factory_58注意する点としては、とにかく隙間が出来ないようにですね。

factory24ブースの奥にあるファンから強制的に送られたエアーは、1次→2次と二重のフィルターを通ってブース内にクリーンなエアーを供給し、汚れた空気は奥の浄化装置を通って排気されていきます。

electric尚、ブース内の気圧がマイナス圧になってしまうと周りからホコリを吸い込んでしまうので、ブース内の気圧はプラスマイナスゼロか、弱プラス圧にする必要があります。

排気装置には元々出力の調整が出来るようになっているので、今回は給気側のファンもインバーターで制御出来るようにしました。幸いにして機械制御の仕事をしている友人が居たので色々手伝って貰えたのです。

次回はこれら制御関係についてと、その他ビニールカーテンやエアーフィルターなどの付帯設備について紹介したいと思います。

出来ました!→自作塗装ブース③ 制御&備品編

自作塗装ブース① 躯体編

factory-45少し前に自作の塗装ブースについてコメントを頂いたので、改めて作り方(?)を紹介しようと思います。

あまりにも長いので、「躯体編」「天井フィルター編」「制御編」の3回に分けて紹介しますね。

doma_2ちなみに今の工場に移る前は知人の自動車板金塗装工場に間借りをしていて、営業しながら移転の準備をしていたのである程度の資材は安い中古品を買い揃えておきました。ネットオークションは本当にとても便利です。

doma蛍光灯ユニットなども普通に買うと高いのですが、ネットオークションだと産業廃棄物扱いでタダみたいな金額で売っていたりします。上記の照明器具は一まともに買うと一個30万円くらいする物ですが、何と数百円で入手していたりします(非常灯としてのバックアップバッテリー搭載で、病院等公共機関向けの物かと)。

factory38 今回借りた工場は二階に比べると一階の面積が小さく、なので一階の殆どは塗装ブースにしてしまう!と言う構想でした。青くなった範囲が塗装ブースにしてスペースとなります。

factory_12契約した工場は「現状渡し」と言う事で、最初は床一面にベニヤ板が敷き詰められた状態でした。12ミリ厚のコンパネの上に6ミリのベニヤを重ねてあって、多分以前借りていた会社が荷物置き場として使っていた為だと思います。

当初はこれが非常に厄介だと思っていたのですが、実はそれらの板を全て塗装ブースの壁として利用出来たので本当に助かりました。

上の画像に写っているのは友人で、以前電気工事の仕事などをしていたので今回の塗装ブースの製作も手伝って貰っています。

factoty工場の壁には天井の梁を支える為の筋交いが斜めに飛び出ているので、今回はそれをそのまま利用して照明のパネル兼、吸気側エアーの通り道としました。

factory_43ブースの壁に木目が残るは凄く嫌だったので、今回はこのような砥の粉みたいな物を使っています。壁紙を貼る前に隙間やネジ穴を埋めたりするパテみたいな物ですかね。

factory_19今回の塗装ブースの壁は全て木製の合板を使っているので、この木目を消すべく先ほどのパテを使って壁全面にヘラで塗り研ぐと言う離れ業を行ないました。何かの罰ゲームかと思う程の大変な作業なので全くお勧めは出来ません・・・(疲)。

factory_14隙間を埋めるのには発泡ウレタンを使っています。わざわざその形に板を切って貼るよりは断然楽ですね。その他最後に仕上げには隙間と言う隙間全てに変性シリコンシーラーを塗っています。

factory_22壁は水性塗料をローラーで塗りましたが、一応それらしいのを期待して「艶有り」を選びました。と言っても求めていたような艶は殆ど出なかったのですが(笑。ちゃんと下地をやらないと駄目ですね)。

factory_21 と言う訳である程度両方の壁が出来上がりました。これはブースの奥から振り返ってみた光景です。

factory_23そしてこちらが排気浄化装置です。今回の塗装ブースでは給気側(供給されるクリーンなエアー)は自分で作りますが、排気についてはこのユニットを据え付けてもらう事にしました。ただしこれが結構高く、安いベンツが新車で買えるくらいするのです。

factory (1 - 1)-22ちょっと他によい画像が無かったので判り難いのですが、塗装ブースの奥の両脇に給気用のユニットを作ってあります。ここの躯体は鋼材で作っているので溶接工をやっている兄に手伝って貰いました。

factory (1 - 1)-23スペースがギリギリだったので給気ファンは左右に一個ずつ分けるような形にして、ここからブースの天井に空気を送り込む構造になっています。

周りに貼ったネットに1次フィルターを貼り付けて、ここで最初にある程度のホコリを取り除きます。

factory_45 そしてそこに壁を貼りました。方法は同じくベニヤ板を貼り、全面にパテを塗って研いでます(大変でした…)。

factory_42順番が逆ですが、こんな感じに徐々に躯体が出来上がって来ました。

factory_48そして奥の壁も色を塗って完成です。

ちなみにアルミ製のドアは思ったよりも安くて、たしか2万円もしなかったと思います。取り付けは思ったよりも簡単で、一緒にくっ付いて来た枠をビスで壁に打ち込むだけです。

factory_54排気装置は所謂水洗式のタイプで、ただこの排気装置が凄いところは浄化機能も併せ持っていると言うところです。

詳しくはこちらでレビューしていますが、これが無ければ今の住宅街で塗装の仕事は出来なかったと思います。

factory_55と言う訳で、次回は塗装ブースの要である天井フィルターの設置を紹介したいと思います。恐らく塗装ブースはこここそが肝で、これを自作で設置するのはかなり大変なのですが、これさえしっかりしておけば本ブースに匹敵する仕上がりに出来たりするのです。

近いうちに続きを紹介しますね。

出来ました!→自作塗装ブース② 天井フィルター編