AlfaRomeo凸文字 鋳型作製

 先日より仕事でご依頼を頂いているアルファロメオGT 2.0 JTS 4気筒モデルのヘッドカバーです。「AlfaRomeo」の凸文字を金属で作成し、ヘッドカバーに貼り付けます。

 ロゴは筆記体の特徴からこれ以上サイズを大きくすると上下スペースが狭くなる為、丁度良さそうなこのサイズにしました。

ただ文字の一部は線が細く、

 このままだと金属を鋳込んだ時に上手く流れてくれない恐れがある為、この後こういった箇所のデータを修正しておきます。

 データが出来たらレーザー加工機を使ってMDF板をカットします。

レーザーによるカットは燃焼して消失する分がある為、そういった点も含めてデータを修正していきます。具体的には「R」の中の小さい2つで、これに関しては太くした物を別にして切り出しています。

 カットした物を試しに置いてみました。

 配置はこのような感じで丁度真ん中にしようと思います。

 上下のスペースも確保され、良い具合かと思います。

 土台部分や枠など、鋳造をする際に使う型の一式を切り出しました。

 今回は細い線が多いので、隅まで金属が流れ込むよう、土台に湯道を彫刻刀で掘っておきます。

その後、メインの枠板を木工用ボンドで貼り付けます。

 切り抜いた文字を一旦嵌め込み、それをガイドとして小パーツを接着していきます。

 こんな感じで文字用の枠が完成です。金属が流れ込み難い個所も下に彫った湯道を通って隅々まで行き渡る!と言う寸法です(ただ面倒なのでこの後さらに効率が良くなるよう仕様変更しました)。

注いだ金属が漏れないよう枠板を接着し、完成です。

既に鋳込みも終わっていますが、先日ご案内したように第一、第二陣は失敗し、現在第三、第四段の型枠が控え中といった状況です。

取り敢えずは失敗した作業内容も後日紹介しますが、それまでに上手くいっていれば気が楽かな、と。

失敗は成功の・・・

先日より仕事でご依頼を頂いていますアルファロメオヘッドカバーに増設する凸文字ですが、久しぶりの鋳造と言う事もあって中々上手くいきません。

ただどれも仕様を変えながらのデータ取りと言う側面もあるので、むしろ一発で上手く行ってしまうよりかは色々問題点が見つかった方が後々楽になると思ってやっています(しかしお前は何屋だって話なのですが)。

型枠は現在No.4まで出来ていて、それらが上手く行かないにしても作業内容は近々アップ出来ると思います。それまでに出来ていれば気も楽になっていると思うのですが・・・。

さてどうなる事でしょう。

ロードスターヘッドカバー用MAZDA凸文字 完成

road57 前回作成した凸文字では「a」の部分に巣が出来てしまったので、今回はそれのリベンジとなります。

road58 今回の肝はここの湯道で、前回空気溜まりが出来てしまった箇所にこれを設けて、金属の流れをスムーズにさせようという作戦です。

road59 カットした板を組み合わせるとこんな感じで、「a」の中心に立っている柱の下側にある湯道を溶けた金属が通るようになっています。本当は柱の所に穴を開けた方が良いのかも知れませんが、そうなると残ったランナーみたいなのを後で削らなければならないのが嫌だったんですよね。この方式ならフライス加工で一緒に削れるので手間が掛からないと思ったのです。

road60 今回も2セット作りました。どちらにも湯道を作ってあります。

road61 前回作った失敗作も再利用します。そろそろ材料が無くなりそうなので先ほど2キロ追加しておきました。それにしても1キロあった材料はどこに行ったんだか…。

road62 溶かした金属を流し込み、蓋を被せて余分を減らします。

金属が冷え、板を剥がしてみると・・・

road63 ジャジャーンと!!ちゃんと湯道に流れてくれました~(嬉)。

road64 早速クロスバイスに噛まして簡易フライスで表面を削ります。

road65 実際は先ほどの裏側なのですが、まあイメージ的にこんな感じです。最初にあった1キロの内の消えた部分はこれになった訳ですね(苦)。

road66 バリを削るとこんな感じです。うーん、良いじゃないですか・・・(惚)。

road67型から抜いてヘッドカバーに乗せてみました。あとはエポキシ接着剤で固定するだけなのですが・・・

road68貼る部分は湾曲しているので、今度はこの面に合うように削ります。

その後はリン酸処理を行い、接着したらいよいよ本塗りですが、他の案件と一緒に行いたいのでもう少し先になるかもです。この後の作業はいつもの塗装の仕事と言う事で日記での紹介になると思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NBロードスターヘッドカバー 凸文字鋳造作成②

road45 木型自体は先日既に出来上がっていて、今日はこちらの鋳造作業を行いました。

まずは型に離型剤を塗っておきます。これをしないとMDFから溶け出た接着剤が鋳込んだ金属にくっ付いて剥がれ難いんですよね(と言うのが私的見解です)。

road46 使用する金属はピューターで、この金属は融点が280℃くらいと比較的低いので家庭用のカセットコンロでも簡単に溶かせます。難点は少し高いと言うところですかね(アルミの50倍くらいでしょうか・・・)。

road47 5分くらいで完全に溶けて、非接触温度計で測ってみると330℃になっていました。

road48ぴゅーたーを溶かしていると表面に酸化した煤みたいなのが浮かんでくるので、それらは割り箸やらスプーンで除去しておきます。「そんな器用な事が出来るのか!」って感じですが、ピューターの方は比重が重いので比較的簡単に煤だけを取り除く事が出来ます。

road49 溶けた金属を木型に注いだら用意しておいた蓋を押し込みます。今までの経験上では注いだままの方が綺麗に仕上がると思うのですが、文字以外の部分は削らないといけないので極力余分を無くしておきたいんですよね。

road50 貼ってあった底板を剥がすとこんな感じです。ただ、「a」の部分でちょっと巣が出来てしまっているのが判るでしょうか。

road51 裏側はこんな感じで、蓋をしっかり押し込んだのが奥の物で、少し浮かしておいたのが手前側です。液体は固体になると面積が減りますから(水は逆ですが)、 その分を考えて少し浮かしておいた方が良さそうですね。

road52文字の周りの木枠は外さないままにして、その後は工場二階にある簡易フライスで切削します。ボール盤にクロスバイスを取り付けてエンドミルを装着した物です。

road53 木枠を万力で固定して、土台のX軸とY軸をハンドルで回すことによって表面をサクサク削っていきます。これは楽しいですよ。

road54 表側が終わったら裏側です。この状態から・・・

road55 こんな風に出来るんですよ!エンドミルって凄いですよね~。

road56そして木型から外しました。・・・が!

実はよく見てみると「a」の穴の部分がやはり鋳込み足りていなくて、上の使わない方の右側のaは凄く上手くいっているのですが、それ以外の3個はどれも少し足りていない状態です。

これ以上削っても意味が無いのでとりあえず今回は失敗として、次回はあそこに何かしら逃げとなる湯道を作ってあげようと思います。うーん、次こそは!