AlfaRomeo凸文字鋳造制作 完成

先日より作成していた金属製のAlfaRomeoの凸文字です。鋳込んだのは合計6個で、一応それぞれを残しておきました(材料に余裕が無かったら溶かして再利用しています)。

作業内容が判り易いよう、改めて最初の記事から紹介をさせて頂きますね。

↓まずは本業でヘッドカバーの塗装ご依頼を頂いている、PRO_Fit日記の記事からです。

アルファロメオヘッドカバー塗装&凸文字制作承ってます

↓今回行っている鋳造作業については私的な趣味(本業の付帯作業)も含まれていると言う事もあり、こちらの社外記での紹介としています。

AlfaRomeo凸文字 鋳型作製

時々「これと同じ文字だけ作って欲しい」(特にスカイラインのRB26を28にする為の「8」)といったお問い合わせを頂くのですが、当店はあくまでも「塗装屋」で、そういった事は単体ではお受付をしていませんので、それを明確にするべく「日記」と「社外記」で別けるようにしています。

AlfaRomeo凸文字 鋳込み

今回の鋳造やフライスにしても、その道のプロからすれば私が行っている事は遊び程度でしか無く、これを日記で紹介するにはさすがにおこがましいと言う事もあり、こちらで紹介をさせて頂いている次第です。

AlfaRomeo凸文字 鋳込み 2回目

またこういった付帯作業はそれ単体では利益は出せなくとも、「趣味」と銘打てばある程度の事は許される(笑)と言う事もあり、ただただ楽しくやらせて頂いています。

AlfaRomeo凸文字 切削(簡易フライス)

と言う訳で完成となります。

 上の三個は切削する前の段階で失敗したと判断した物で、ただ終わってから見てみると、「Alfa」と「Romeo」それぞれを別けて使えばこのうちから一つは作れたかも知れません。ただし型枠から外してしまったのでバイスに固定するのが難しく、なのでこれはこれで終了となります。

 上から4番目の物は途中まで切削はしたのですが、削った中から巣穴が見つかり、これは使えない物と判断してこの状態で止まっています(むしろなんか格好良いので工場の外壁に飾ろうかな、と)。

念の為ですがこういった物の販売、または単体での制作はしておりません。あくまでも「塗装の付帯作業」といった事に限られていますのでご了承下さいませ。

 そして実際に使える物が一番下の物で、ただこちらも実は一度で出来た訳では無く、「Alfa」と「Romeo」をそれぞれ良く出来た物から選んで使う「ニコイチ」となっています(下から二番目のがそれの余りです)。

ちなみに簡易フライスで削ったカスですが、最初は掃除機で吸っていましたが、今回はかなりの量になったので途中から回収するようにしました。これらも溶かして再利用出来ます。

 試しにヘッドカバーに置いてみました。

 大き過ぎず、良い感じのサイズになっているかと思います。

 また今回は結晶塗装では無く「艶々の塗装」の為、貼付け面の処理ではかなり気を付けた作業が必要になるかと思います。

結晶塗装ではある程度の粗は目立たなくしてくれますが、艶ありの塗装だとちょっとした隙間や接着剤の食み出しなどが目立ってしまうので、次の工程ではそこをどうするかです。峠を越したように見えても実はまだ趣味のレベルで、本番はこれからと言う感じです。

次からは本業(塗装)での作業になりますので、今後の内容についてはいつもの日記の方での紹介とさせて頂きます。少し先になるかと思いますがどうぞもう少々お待ちくださいませ!

AlfaRomeo凸文字 切削(簡易フライス)

先日鋳造で作成した金属製の「AlfaRomeo」の文字です。

これを、塗装の仕事でご依頼を頂いているアルファロメオのヘッドカバー上面に取り付ける為、余分を削り落として平らにしておきます。

 加工に使うのはボール盤(卓上のドリル)にクロスバイスを取り付けた簡易フライスで、

これを使えば余分な金属も比較的簡単に平らに削れるという寸法です。

尚、これについては以前紹介しました以下の記事が判り易いかと思います。

鋳造凸文字 簡易フライス加工

 通常のボール盤は固定した物に穴を開けるだけですが、この「クロスバイス」なる可動式の固定台を取り付けると、ハンドルを回す事で縦横に対象物を動かす事が可能となります。

ちなみにこのボール盤は工場を借りた時にそのままあった残物で、当初は汚れが酷く、配線は切れ掛かっているし軸はブレているしと、かなりどうしようもない物でしたが、今となっては非常に重宝して役に立ってくれています。

 ドリルには専用の刃(エンドミル)を装着し、削りたい個所に刃を当てながら少しずつ対象物を動かしていきます。欲を出して一気に削ろうとすると凄い振動が出て、さらに無理をすると多分刃が欠けたり物が飛んでいってしまったりするのだと思います(幸いにしてまだそういった経験はありません)。

 文字が出てくる瞬間が一番楽しくて、まるで化石を発掘しているよう(笑)。

 表側は湯道の為に溝を掘ってあった為にガタガタの状態ですが、

こちらも表面を削ってあげれば綺麗に平滑になってくれます。湯道のお陰かどうかは判りませんが、細部までしっかり金属が行き渡ってくれているようです(しかしこの後ドリルの操作を誤って駄目にしてしまうという事態に・・・)。

次は型から取り出す作業で、いよいよ完成系も紹介出来ると思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

AlfaRomeo凸文字 鋳込み 2回目

AlfaRomeo凸文字 鋳込み

先日失敗したNo.1とNo.2に続き、第二回目のNo.3とNo.4の型枠鋳造となります。

 前回は土台となるプレートには彫刻刀を使ってV字に湯道を彫り込みましたが、今回は予めレーザー彫刻で溝を作っておく事にしました。

 ただちょっとこちらは彫りが浅過ぎたようなので、

 改めてもう少し幅広に、さらに深く彫り込みました。レーザー加工機では切る事以外にもこういった彫刻が出来たりします。

と言う訳で今回の型枠No.3(上)とNo.4(下)が完成です。より少ない金属で圧力を掛けられるよう仕切りも追加してみました(まあこれはどうでも良いのですが)。

 場所を工場一階の現場に移し、型枠の内側には離型剤とシッカロールを塗り、

 先ずは溝の深いNo.4に溶かした金属(ピューター)を流し込みます。

 型に金属を流して10秒くらいの間は中から空気の泡がブクブクと浮いて来ます。

前にMAZDAの凸文字を作った時にはこんな事は無かったので、MDF板を変えたせいか、または溶かした金属の温度が高過ぎるのかも知れません。途中で固まったらヤバ過ぎると思うのですが。

と言う訳ですが、底板を開けてみると中々良い感じに仕上がってます。

 そして続けて行ったNo.3です。今回は台に叩きつけるようにして奥まで行き渡るようにしてみました。

上が最初の彫りの深いNo.4で、下のNo.3は彫りが浅かったにも関わらず、よく叩きつけたお陰か、板の隙間から食み出るくらいまで溶けた金属が行き渡っています。これは上手くいったかもですね(しかし300℃近い金属が跳ねたりするのでちょっと危ないです)。

 ちなみにその後、新たに作成したNo.5とNo.6の型枠も試していたりしました。造り自体はNo.4と同じく彫りの深い物で、ただ今回は鋳造時にちょっと違う方法を試してみたかったんですよね。

一般的な鋳造では予め型の方を熱しておくのですが、今回のMDF板でもそれと同じような事が出来るのでは?と思いまして、工場二階(食用)で使っているオーブントースターを使って先に温めておく事にしました。

 ただそのままだとMDF板(と私の心)が燃え尽きてしまうので、アルミホイルを掛けてMAX250℃で熱します。

 予想通りMDF板は燃えないまでも熱々の状態になってくれて、注いだ後もかなりの時間固まらない状態が続いてくれました。

が・・・

 残念ながら細部まで金属が行き渡っていませんでして、結果としては台に叩いて重力の力に頼った方が効果はあった模様です。

ただその次に行ったNo.6では中々良さそうな具合で、この辺はもっと数をこなしてデータを取らないとですね。段々楽しくなって来ました。

この後切削作業を行うのでまだ枠を外せないのですが(バイスで型を挟んで固定する為)、表から見るだけであれば良い感じに出来ていると思います。

ちなみに今回使ったオーブンはMAXが250℃までだったのですが、これが300℃くらいまで出来る物なら、わざわざ溶かした金属を流し込んだりせず、型の上に置いてそのまま熱すれば勝手に出来上がってくれるのでは・・・と思った次第です。いずれ陶芸とか七宝焼きもやりたいので、次は電気炉ですかね(一体どこへ・・・)。

次はいよいよボール盤+クロスバイスを使った簡易フライスでの裏表面の切削作業で、そちらも出来上がり次第紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

AlfaRomeo凸文字 鋳込み

 先日より紹介しています、アルファロメオヘッドカバー用の凸文字制作です。

レーザーでカットして作ったMDF型を用意し、離型剤を塗ります。これを塗らないとMDFの接着剤が金属にくっ付いて中々取れてくれません。

 また今回は、金属の鋳造にベビーパウダーを使うと良いとの情報を得たのでそれも試してみます。離型効果と、毛細管現象で細部まで行き渡ってくれるのでしょうか(そこまでは良く調べていませんでして・・・)。

今回の鋳造に使うのはピューターなる金属で、

 融点が250℃くらいと、比較的低い温度でも溶けてくれる為、家庭用のカセットコンロでも十分使用が可能です。

 型に流し込み、蓋をします。

 蓋をするのは後で削る作業を軽減したいからですが、もしかしたらこれは辞めておいた方が良いかも知れません(後に発覚します)。

 土台の板を剥がしてみると、

 細部までの流し込みがちょっと足りていません。

 と言う事で続けてNo.2の型にも行います。こちらは少し多めに流し込みました。

ただどちらも微妙な感じで、試しに全ての板を剥がしてみると、中にはかなり大きな気泡が出来ていました。流し込んだ直後からボコボコと大きな泡が出ていたのは判っていましたが、どうやらそれが途中でそのまま固まっていたような感じです。一体何なのでしょう・・・。

と言う事ですが、既にNo.3、No.4の型も出来ていますので、次回はそちらでリベンジしたいと思います。次こそは、です。