蛍光ピンク 色見本作成

蛍光塗料”ピンク” 実塗装テストⅡ

先日色見本用マイクへのテスト塗装を行っていたパウダータイプの蛍光ピンクです。

 右の淡い方は、「白:樹脂:蛍光ピンク」=「MIX570:MIX599:パウダーピンク」=「5:5:1」の比率になっていて、左の濃い方は右のピンクの上に「MIX599:蛍光ピンク」=「10:1」の比率で混ぜた塗料を重ねた「3コート塗装」となっています。ちょっと判り難いのですが、要は白に蛍光ピンクを混ぜた方と、その上にさらに純粋な(透明な)蛍光ピンクを重ねた塗装になっています。

尚、”MIX599″は樹脂単体のSTANDOXベースコート原色(バインダー)で、通常これにパール顔料などを混ぜて3コート塗装に使います。今回はパールの代わりに蛍光顔料を使っています。

 塗り上がった物を見ると、いつもの塗装より艶引け(肌荒れ)が強いですが、最初の時のようなクラックが生じる兆候も見れませんので、これなら実用は問題無さそうです。

 と言う訳で、これでようやく蛍光色の色見本を作製出来るようになりました。

いつものようにレジンで作った注型ミニカーと、レーザーでカットしたアクリル板を用意します。艶ありと艶消しをそれぞれ7種類ずつ作れるよう、全部で28個準備します。

まずは全体に下色の白を塗ります。

一応隠蔽しない場合も想定して下色は統一しておこうと思い、いつものVW「キャンディホワイト」(カラーコード:LB9A)を塗りました。

まずはベースとなる蛍光ピンクを作ります。バインダー10に対して、蛍光ピンクパウダーを1入れます。

 さらにそれをSTANDOXの原色白(MIX570)と、当店で規定としている混合率にして混ぜて塗装します。

色見本のバリエーションは1色につき7段階に分けています。

ちなみに「7」については、以前使っていたDUPONTのVS(バリューシェード)システムがそうだったのでそれに倣っています。

蛍光顔料の使い道としては、「派手な蛍光色を作る!」と言うよりも、既存の原色では表現出来ない「彩度の高い淡い色」を作れればと思っています。

こちらは以前塗装したスターバックス(製品自体はサーモス)のタンブラーですが、これも通常の顔料だけでこの青は出せず、キャンディーカラーに使う染料の青を使って表現しています。こんな普通の色でさえ既存の塗料だけでは出せないんですよね。技術云々では無く、物理的に不可能なのです。

ただ車の補修に使うにはタブー的な物でも、使用用途を屋内と限定すれば今まで使っていなかった顔料も利用が可能となるので、今更ですが今回のような蛍光顔料の利用は新しい発見が色々あって非常に楽しいです。顔料がパウダータイプなら、塗膜構成自体はSTANDOXのままに出来ると言うのが大きなメリットですしね。

蛍光塗料”ピンク” 実塗装テストⅡ

蛍光塗料”ピンク” 実塗装テスト

前回テストして結果が芳しく無かった蛍光塗料ですが、ようやく時間が出来たので改めて問題点を改善してみました。

 まずは下色として通常のベースコートを塗布し、

 白の原色にパウダータイプの蛍光ピンクを、さらに今回は白の原色と同量のバインダー(樹脂)を入れました。

塗料は「顔料」「樹脂」「溶剤」から構成されていて、前回はパウダー顔料の含有量が多過ぎて塗膜にクラックが入ったと思われ、今回は樹脂分を増やして対応しようと考えました。

 結果としては非常に良好で、敢えて無理な塗り方をしてみましたが、前回のようにベースコートにクラックが生じるような気配は微塵もありません。いやー、ようやく安心出来ました。

 尚淡い方のピンクは「白:樹脂:蛍光ピンク」=「MIX570:MIX599:パウダーピンク」=「5:5:1」の割合になっています。前回行った時が白に対してパウダーピンクを40%入れていましたから、今回はパウダー分をかなり少なくして対応しているという訳です。

 他の回避方法としては「ドライコートで」とか「薄膜を重ねるように」といったやり方もあったかも知れませんが、基本的な塗り方は正規の方法から外したくは無かったので(と言うかそこは当然です)今回のやり方で上手く出来たのは安心しました。

濃い方のピンクは「下色」→「先ほどのピンク」→「樹脂バインダー10:蛍光ピンク1」の3コート塗装となっていて、ただかなりのコート数になっているので塗り分けなどには適しておらず「ベタ塗り」での使い方が基本になるかと思います。さすがに蛍光色が10%だと殆ど隠蔽しないので、塗りが足りないとどうしてもダマが見えてしまって実用的では無いのです。

しかしこれでようやく蛍光色が使えるので、今後はまず各色の色見本を充実させ、さらに経過の様子を見ていこうと思います。

車体の塗装をしていた頃は蛍光色なんて使う機会は殆ど無く、むしろ褪色し易いその特性から忌み嫌っていた所がありますが、対象が小物となった今では塗装の幅がさらに広がって非常に楽しいです。

蛍光塗装試用結果

 先日テストした蛍光塗料が残っていた紙コップです。溶剤が揮発して樹脂と顔料だけが残った状態ですが、やはりと言うかちょっと普通ではあり得ない状態になっています。ベースコートがこういう風に地割れみたいになる事は無いのですが・・・。

ちなみに問題(クラック)が発生した色見本は一応クリアーまで塗って完全硬化させています。

時間が無いのでその後の検証は何も出来ていませんが、取り敢えず今回は結果だけでもと言う事で。

碁盤目テスト(クロスカット法)はまだ試していませんが、ガムテープでバシバシやっても剥がれる気配は全く無いので密着性は大丈夫そうな感じです。と言うかこれでそこは大丈夫なのかと逆に関心しますが・・・(まあベースコートの膜厚自体は薄いので当然ですか)。

それにしても蛍光色の発色は通常のそれとは段違いに良くて(実物は凄いです)、まだ見当は付いていませんが何とかこれをマイク塗装のラインナップに入れたいと思っています(ただし褪色する筈なのでマイク以外に採用する予定はありませんが)。

試しにブラックライトでも照らしてみました。

パウダーままの時のような激しい発光にはなりませんが、暗闇でボーっと光る感じは、シルエットで形状が判り易いマイクには良さそうな気がします。

それにしてもこの「彩度」と「明度」は通常の顔料では到底得られない色で、最初の試用では駄目でしたがどうにか既存の塗料(STANDOX)で上手く使えるようにしたいです。取り敢えずは含有量を減らし(10%程度に)、その分コート数を増やしてですかね。もしくは蛍光塗料を使ったマイクの塗装だけは違うメーカーの塗料にするとか・・・(しかしそれは避けたいなぁと)。

蛍光塗料”ピンク” 実塗装テスト

蛍光塗料

先日導入していたパウダータイプの蛍光塗料です。ようやく使う時がやって来ました。

 取り敢えず今回はテストと言う事で、まずは需要がありそうな蛍光ピンクから試してみる事にしました。

ちなみに左側にある色見本も一応は「ピンク」の部類に入るのですが、右の蛍光ピンクと比べると彩度が全然足りないのが判ると思います。

 と言う訳で、今回は2通りの方法でテストしてみる事にしました。内容は以下の通りです。

①(右)・・・ベースコートの白に40%蛍光ピンクを混ぜた物

②(左)・・・ベースクリアー(バインダー)に25%ピンクを混ぜた物

 塗る物はいつもの色見本用マイクと注型ミニカー、そしてレーザーでカットしたアクリル板です。

 最初に下塗りとして適当な白(VWのキャンディーホワイト)を2コート程塗り、まずは①の「白に蛍光ピンクを40%混ぜた物」を塗ります。

・・・しかし何か様子が変な気が・・・

 おおお・・・(恐)。

 まるでクラック塗装(と言う塗料があります)のように塗膜にヒビが入ってしまっています。

 状況を観察してみた限りでは下色の白は関係が無さそうで、上に塗った「白10:蛍光ピンク4」の塗膜が縮んでいるようです。

実は色を作っている時点で「随分粉っぽい感じがするけど、これって駄目な奴じゃ?」と感じていた所もあるので、ある程度は予測出来たというか、こういう結果になってもそんなにショックはありませんでした。それ故のテストでもありますので。

ちなみにメーカーサイトでは「クリアーに対して50%まで」と記載されていて、恐らくこれは「2液ウレタンクリアー」の事だと思うので、今回は使い方が違っていたのだと思います(と思いましたが、知り合いの塗装屋さんが使っている塗料ではこういう事は無いそうです)。

ちなみにこちらはベースクリアーに蛍光ピンクを25%添加した物ですが、やはりと言うかクラックっぽい亀裂が入っています。若干ではありますが、こういうのは少しでも兆候が出たらマズイ物なので、ちょっと使えそうもありません。

知り合いの塗装屋さんからいただいた情報からすると、恐らくはSTANDOXのベースコートとの相性が良くないようで、ただ2液のウレタンクリアーであれば問題は無いでしょうから、次回は1コートソリッド(STANDOX 2Kエナメル)にこちらのパウダーを40%入れた物で塗ってみようと思います。さらにはそれを一旦完全硬化させた上に「ベースクリアー+蛍光色パウダー」を混ぜた物を塗ってみて、再びクラックが出る兆候があるかどうかも確認してみたいと思います。

出来れば「ベースコート→デカール(もしくはロゴ入れ塗装)→クリアー」の1工程で済む塗装にしたかったのですが、そうは問屋が卸してくれない模様です。まあいつもの事なのでもう慣れましたが(苦笑)。