2022年10月8日サーモス塗装ワークショップ

先日の土曜日、当工場にてサーモス塗装のワークショップを行いました!

今回の参加者は2名で、うち一人はなんと外国人の方でした。仕事であれば日本人以外からも塗装の依頼を受けた事はありますが、ワークショップでは今回が初めてです。しかもわざわざ八王子からバイクでやって来てくれました!(てっきりホンダかと思いきやBMWでした・・・!)。

今回はサーモス本体の塗装と言うよりも「エアーブラシを使ってのワンポイント塗装」というのがメインで、参加者の方からは予めベクターデータを送って頂くようにしています(勿論JPEG画像でも比較的簡単な方法=ライブトレースでベクター化出来れば問題ありません)。

まずはメールでデータを送って頂き、難しそうな部分(画像だと小さい円形部分)を省いたりしてデータを修正し、マスキングシートをカットしておきます。

こちらの方が持ってこられたのはかなりサイズの小さいサーモスです。以前私も塗ったポケとると同じくらいのサイズですね。

マスキングシートはカットだけしか行っていないので、その後のカス取りは参加者様ご自身にやって頂くスタイルです。ただここまで小さいのは通常行わない程で(プロッターの限界を超えて上手く切れません)、一応デカールでも作成しておきましたが、折角の機会と言う事でチャンレジして頂いています。

まず最初のベースカラー=サーモス全体への下色塗装は私が行おうかと思っていましたが(ここで垂れてしまったりするとフォローするのはかなり難しいので)、今回は参加者が2名と少なかったので、御希望される方にはご自身で塗って貰う事にしました。エアーブラシでは無く、普通のスプレーガン(IWATAの1.0mm)を使って貰っています。

奥が私ですね。手伝ってくれた知り合いの塗装屋さん(まいるどさん)が撮影してくれてました!

ベースカラーの塗装が終わったら再び2階に戻ってマスキング作業を行います。

細かい文字は仕上がりを優先するとデカールで行いますが、ワークショップは極力自分の手を動かすという事で、特別にマスキングで対応しました。他の塗装屋さんも「そのサイズ切ったんですか?!」と驚いてました(笑)

そして再び一階に戻り、ロゴの色を作成します。

色を混ぜて作るような事は小学生の図工の時間にやっている筈ですが、工業品塗装の色を作るなんて機会は普通無い筈なので、こんな事一つとっても楽しいと思います。

それぞれ印刷した紙や画像を参考に色を作って貰いました。

そしてロゴ入れです。

ロゴはエアーブラシ0.5mmを使って貰いました。

一色目を塗ったらマスキングして2色目~3色目と塗って貰います。

一見簡単そうなストライプラインですが、仕上がり重視で行うとなると実はかなり難しい塗装となります。人間の目って意外と正確なので、ちょっとでも曲がっていたり幅が違うと違和感が凄いんですよね。

そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お疲れ様でした!

結局下色の塗装からロゴ入れ、トップコート(クリアー)までを全て参加者ご自身にやって頂きました。多少不具合が出た箇所もありますが、十分過ぎる程良い感じに仕上がったのではないかと思います。初めてスプレーガン持ってここまで仕上げられるっていうのは普通出来ないですよね!

その後は60℃60分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、

マスキングを剥がしたら完成です。皆さん喜んで頂けていたようで本当に何よりでした!

そういえば、遊びに来てくれた知り合いの塗装屋さんが初期の頃に行ったワークショップで塗ったサーモスを持って来てくれました。不具合等も見られず、これなら新品のブレンボキャリパーに塗られている塗膜より丈夫なのでは、と思った次第です。

その後GUNさんや以前ワークショップに参加された方も遊びに来られて、いつもの塗装屋会みたいな感じになりました。

ご参加された方にはとても楽しかったようで、また私も普段人に何かを教えるという事は全くしないですから、こういった機会があるのはとても嬉しく思います。

次回は来年ですかね!

2022年10月8日サーモス塗装ワークショップ

2022年10月8日(土曜日)に、久しぶりにサーモス塗装のワークショップを行います。

サーモスの塗装はこれまで行ったワークショップを鑑みると初心者にはちょっと難しく、一つ間違えるとトンデモない事に・・・!と考え、その後はスニーカーのスプラッシュ塗装やエアーブラシ塗装にしてきましたが、Twitterで行ったアンケートではサーモス塗装の人気が高かったので、今回はこちらでやってみようと思った次第です。

そこで初心者向けの対応策として、一番難しいクリアー塗装と、最初に塗る下色はこちらで行って、その後行う着色=ロゴ入れや模様入れ、グラデーション等の塗装を、比較的リスクの少ないエアーブラシで行って頂く、といった形にしました。

ただ既にエアーブラシを日常的に使っている方には物足りないかも知れないので、そういった方には全部ご自身でやって頂いても構わないようにします。ただ塗装をした事がある方なら良くご存じだと思いますが、塗って当日に持って帰るとなるとこれはかなりリスクが高く、万が一垂らしたりしても手直しは出来ないので、とても残念な状態になった物を持って帰らなければならなくなります。

たた私的には、むしろそういった失敗があった方がその後の勉強になって良い!(むしろ塗装を極めたくなる!)と思っていたのですが、知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)曰く、「誰だって失敗なんかしたくないですよ!ちゃんと出来上がらないと納得しないですよ!」と言っていたので、苦肉の策としてこのようにした次第です。ちなみにGUNさんのワークショップでもクリアーは塗らせて貰えないシステムなのだそうです。なるほど~!

2018/12/23サーモス塗装ワークショップ③

こちらは以前行ったサーモス塗装ワークショップの記事です。もう4年近く経つんですね。

参加方法につきましては、以下のページからお手続きになります。宜しければご検討くださいませ!(お手続きにはTwitterアカウントが必要となります)。

https://twipla.jp/events/529530

2022/6/4スニーカー塗装ワークショップ

先日の土曜日は公休を使って、スニーカー塗装ワークショップを開催しました!

Twittterから募集を行ったところ開始早々に定員が埋まったのですが、開催日間近に一名の方がキャンセルされ、急遽募集したところ幸いにして直ぐに埋まってくれました。この辺のスピード感がSNSの良いところですかね。

メンバーは前回のスニーカースプラッシュ塗装に参加された方が3名、新規が3名の合計6名となります。

男女差の比率は、男性3名女性3名で丁度半々でした。いつもの塗装の仕事だとご依頼者は殆ど男性ですから、この辺がワークショップの面白いところかも知れません。

一番時間が掛かる作業がマスキングだと思ったので、ここはゆっくり2時間程度の時間を設けています。

こちらは前回スプラッシュ塗装でご参加された方で、その時に塗らなかった箇所を今回エアーブラシで塗装されます。素晴らしいですね・・・!

という感じでマスキングが完了です。

色に関してはお一人2色までで、やはりというか見る角度で色味が変わるマジョーラ系(実際にはクロマフレア顔料を使ってはいないそれに似た色)が人気でした。

という訳で一階に移動していざ本塗り開始です。

ぶっちゃけエアーブラシでは無く普通のスプレーガンの方が簡単に塗れそうな気もしましたが、塗り過ぎて垂れたりしたらその後のフォローが大変ですし、「エアーブラシを使ってみたい」という方向けのワークショップでもあるので、これはこれで良いかと思っています。車の塗装屋さんなら0.8mm口径くらいの普通のガンで塗っちゃった方が確実に早いですよね。

今回は参加者の他に、知り合いの塗装屋さんが4名いらっしゃって、ガンの洗浄やマスキング等を手伝ってくれたのが本当に助かりました!

ちなみに塗って貰ったのはベースコートだけですが、大抵はカラーベースとパールベースの3コート仕様だったのが想像以上に大変だった気がします。

今回はこの色の準備が大変だったので、今後は「この20色の中から好きな2色を」という感じで予めボトルを用意しておいた方が良いかも知れませんね。

こちらの方は一から色を作成されていました(他人事っぽいのは、この辺の作業は助っ人の方々にお任せしてしまっていたからです笑。いやはや本当に助かりました・・・!)。

オレンジパールとピンクパールをグラデーションされています。自然な配色がとても良い感じです。

その後は私がクリアーを塗装し、恒温機で60℃60分程の熱を掛けて塗膜を硬化させました。そして最後のマスキングを剥がす作業です。

多分塗装作業の中ではこの時が一番テンション上がるのでは!と思ってます(笑)

剥がす前と剥がした後の印象がかなり違って面白いんですよね。

という訳でこの日のワークショップが完了!

練習用に塗って貰ったキーホルダーも添えて貰って撮影しました。

クロマフレア系の2種使ってグラデーションさせた塗装です。素晴らしいですね!

コンバースのロゴは外側では無く内側で、それぞれ違う色のアシンメトリーになっています。市販には無さそうでこれも良いですね~。

スプラッシュ塗装と今回のエアーブラシグラデーション塗装の組み合わせも素晴らしいです。

それぞれの色味を考えての配色が上手くいった感じでしょうか。

こちらの方は前回と同様、塗ったスニーカーをそのまま履いて帰られるという中々凄い事をしていました(笑)。

次回はスプラッシュ塗装を予定していますが、もしかしたら変更になるかも知れません。御希望の方はTwitterをチェックしておいて頂ければと思います。

この度のワークショップにご参加頂いた方々、また手伝って頂いた方々、有難うございました!

adidasスニーカー塗装 完成

先日ワークショップ用にテスト塗装を行ったアディダスのスニーカーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

最初の状態も紹介します。

今回塗装したのは3本ラインのみで、ここは元々艶のある素地でしたから、サフェ等の下地処理無し=上塗りのみでも艶々に仕上がっています。

逆を言えばシボ模様の所に単に塗装しただけではこういった艶は出ず、また布のようなキャンパス地では色が滲んでしまうのでNGです。他には染料が使われている場合は色の滲み=ブリードが起こるのでこれもNGで、さらには溶剤に被膜が侵されて溶けてしまったり縮れが起きたりしたらもはや廃棄物となってしまいます。当店のように毎回違うような塗装を行っているショップが少ないのはこういった事が理由で、一度も扱った事が無い物を塗るという事は常にリスクと隣り合わせなのです。

今回は見本も兼ねるという事で、4面それぞれを違う色にしました。

またどれも単なる塗色では無く、見る角度(視点位置と光源位置)によって色相が変わるマジョーラ=クロマフレアのような顔料を採用しています。

塗装面に突起状のブツが目立ちますが、実はこれらはゴミでは無く、最初から着いている接着剤が撥ねた物となります。とても固く、ペーパーを掛けようとすると素地を痛めてしまいそうで、かといって爪でカリカリやっても全く取れないのでかなり厄介です。PVC=ポリ塩化ビニル樹脂は塗料や接着剤との相性が良いのが利点ですが、溶着のようにくっつき過ぎてしまうのが厄介な所でもあります。

今回のような内容でワークショップを行うとしたら、塗装するのはこれらのようにワンポイントのみで、ただこれだけでも人数は4人程度、時間的にも一日掛かりになってしまうかと思います。スプラッシュ塗装であれば一度に8人で塗装する事も可能ですが(色を飛ばすだけなので)、スプレー塗装(エアーブラシ)となると一人ずつ順番に、せいぜい二人までの作業になるので、どうしても時間は掛かってしまうと思います。

またスプラッシュ塗装とは違ってちょっと塗料が食み出しただけでも結構目立ってしまうので、普段マスキング作業に慣れている人向けか、失敗するのが当たり前と理解して頂いた方だけになるかと思います。スタンドックスのデモマンの方に「タカハタさんがそれやるって安過ぎじゃないですか?!」と言われてしまいましたが、講習では無くあくまでもワークショップ=塗装体験できる場なので、結果よりも過程を楽しんで頂ければと思ってます。

そしてこの先に考えているのは「マンツーマン」の塗装で、「一日貸し切り5万円でもやりたい!」という方が現れれば仕事としても十分成り立つのでは、と思っている次第です。最近で言うとYouTuberとか、お忍びで楽しむ芸能人向けとかですかね。実際そういったお問い合わせはあったのですが都合が合わず、実現には至りませんでした。当店のように一般向けでは無い職種の場合、宣伝費と取材費を相殺するのは難しいんですよね。

ちなみにマジョーラ系は一般的なパールと同じなので、太陽(光源)を背にして見た時には色味は見えなくなり、透かしの黒だけが目立って全く派手さはありません。

なのでパール系を上面に、今回のように側面であればソリッドカラー(一般的にはエナメルと呼ばれる色)が適していると思います。好きな模様のレース生地を使った塗装とかも良いかもですね。まあでも敢えて目立たせたくは無いという事であれば、今回のような下色の黒が透けるクロマフレア系はむしろ良いかも知れません。

動画も撮影しました。

最初に撮った動画は大分暗かったのですが、後から編集で明るく出来るのを知ったので加工しました。スマホで動画を後から編集出来るって・・・凄い時代になりましたね。

 

こちらも元々は暗くてしかも遠かったのですが、切り抜き&明度を上げる編集加工をしました。

作業内容については、マスキング自体はスプラッシュ塗装の時とさほど変わらなかったのと、プライマー~クリアーの塗装は当方がやってあげるとして、参加者は着色=ベースコートだけなら問題無いかと思います。ただ事前に説明してもキャンバス地とかシリコーン樹脂とかの塗装に不向きな素材を持って来られる可能性も無いとは言えないので、どれのどこを塗りたいのか予めチェックは必要になるかもですね。

取り敢えず初回は4名までで参加費は¥5,000くらいで考えています。募集はツイッターで行うと思いますので宜しければそちらをご確認頂ければと思います。