2022/6/4スニーカー塗装ワークショップ

先日の土曜日は公休を使って、スニーカー塗装ワークショップを開催しました!

Twittterから募集を行ったところ開始早々に定員が埋まったのですが、開催日間近に一名の方がキャンセルされ、急遽募集したところ幸いにして直ぐに埋まってくれました。この辺のスピード感がSNSの良いところですかね。

メンバーは前回のスニーカースプラッシュ塗装に参加された方が3名、新規が3名の合計6名となります。

男女差の比率は、男性3名女性3名で丁度半々でした。いつもの塗装の仕事だとご依頼者は殆ど男性ですから、この辺がワークショップの面白いところかも知れません。

一番時間が掛かる作業がマスキングだと思ったので、ここはゆっくり2時間程度の時間を設けています。

こちらは前回スプラッシュ塗装でご参加された方で、その時に塗らなかった箇所を今回エアーブラシで塗装されます。素晴らしいですね・・・!

という感じでマスキングが完了です。

色に関してはお一人2色までで、やはりというか見る角度で色味が変わるマジョーラ系(実際にはクロマフレア顔料を使ってはいないそれに似た色)が人気でした。

という訳で一階に移動していざ本塗り開始です。

ぶっちゃけエアーブラシでは無く普通のスプレーガンの方が簡単に塗れそうな気もしましたが、塗り過ぎて垂れたりしたらその後のフォローが大変ですし、「エアーブラシを使ってみたい」という方向けのワークショップでもあるので、これはこれで良いかと思っています。車の塗装屋さんなら0.8mm口径くらいの普通のガンで塗っちゃった方が確実に早いですよね。

今回は参加者の他に、知り合いの塗装屋さんが4名いらっしゃって、ガンの洗浄やマスキング等を手伝ってくれたのが本当に助かりました!

ちなみに塗って貰ったのはベースコートだけですが、大抵はカラーベースとパールベースの3コート仕様だったのが想像以上に大変だった気がします。

今回はこの色の準備が大変だったので、今後は「この20色の中から好きな2色を」という感じで予めボトルを用意しておいた方が良いかも知れませんね。

こちらの方は一から色を作成されていました(他人事っぽいのは、この辺の作業は助っ人の方々にお任せしてしまっていたからです笑。いやはや本当に助かりました・・・!)。

オレンジパールとピンクパールをグラデーションされています。自然な配色がとても良い感じです。

その後は私がクリアーを塗装し、恒温機で60℃60分程の熱を掛けて塗膜を硬化させました。そして最後のマスキングを剥がす作業です。

多分塗装作業の中ではこの時が一番テンション上がるのでは!と思ってます(笑)

剥がす前と剥がした後の印象がかなり違って面白いんですよね。

という訳でこの日のワークショップが完了!

練習用に塗って貰ったキーホルダーも添えて貰って撮影しました。

クロマフレア系の2種使ってグラデーションさせた塗装です。素晴らしいですね!

コンバースのロゴは外側では無く内側で、それぞれ違う色のアシンメトリーになっています。市販には無さそうでこれも良いですね~。

スプラッシュ塗装と今回のエアーブラシグラデーション塗装の組み合わせも素晴らしいです。

それぞれの色味を考えての配色が上手くいった感じでしょうか。

こちらの方は前回と同様、塗ったスニーカーをそのまま履いて帰られるという中々凄い事をしていました(笑)。

次回はスプラッシュ塗装を予定していますが、もしかしたら変更になるかも知れません。御希望の方はTwitterをチェックしておいて頂ければと思います。

この度のワークショップにご参加頂いた方々、また手伝って頂いた方々、有難うございました!

スニーカーエアブラシ塗装準備

6月に開催予定のスニーカーエアブラシ塗装のワークショップに向けて、仕事の合間に準備を行っています。

前回サンプルの塗装を行った際はこちらの安価なエアーブラシを使いましたが、

その後頼んでいたIWATAのエアーブラシが届いたので、ワークショップではこちらも使えるようにします。トリガー式なので、多分初心者ならこちらの方が使いやすいのではと(私も。笑)。

あとスタンドも買いました!

模型用なのでプラスチック製のチープ感は否めませんが、この手の物は初めてなので取り敢えずメジャーそうな物を試しに買った次第です。ちなみにSATAのエアーブラシ用スタンドでは全く安定しませんでした(あれは本当にSATA用って感じですね)。

鉛筆を持つような感じで操作するボタン式のエアーブラシは、元々持っていた同じくIWATA社製の物もワークショップで使えるようにします。ベースコート用に使うガンの口径はどれも0.3mmですね。

トップコート=クリアーにはSATAの0.5mmを使う予定で、これは当方で行うつもりですが、折角なので自分でやってみたい!という方には是非使って頂こうかと思ってます。とても使いやすいので初めての方でも大丈夫だと思います。

あと多人数で作業をするとどうしてもエアーホースが邪魔になりそうなので、上から吊るすスタイルにしてみました。前にテレビに出ていた染み抜き専門で行っているクリーニング屋さんがこんな感じにしていてとても便利そうだったんですよね。

ちなみに仕事で使うエアーは元圧そのままですが、エアーブラシにはレギュレーターで調圧して使うようにします。

という感じでワークショップの準備は大方出来上がったので、

スニーカーとは別のプラスアルフ&本塗り前の練習用として何か塗れる物はないかと思い、アクリル板をレーザー加工機でカットしてこちらを作ってみました。

スニーカーに塗る色をそのまま利用出来ればそんなに手間は増えませんし、何より足元とお揃いの色のキーホルダーを鞄に着いていたりしたら気分も上がるのでは!と思った次第です。自分の車と同じ色のミニカーを車の中に飾るのと同じような感じですかね。

ワークショップでロゴを塗装するのはちょっと難しいかも知れませんが、取り敢えずサンプルは多い方が妄想が広がるかと思い、試しに色々な仕様で作っています。

やはりというかアクリル樹脂そのままよりもクリアーが塗られた方が断然質感が良いですね!

ロゴもちゃんとグラデーションにしています。

穴に革紐を通して完成です。

ベースに白を塗ったVer.もあるのですが、ロゴを入れる場合は透明なままの方が良さそうです。

反対側もお揃いでイエロー~蛍光オレンジのグラデーションに。

こちらは普通のベタ塗りグラデーションで、ワークショップでは多分このような感じになるかと思います。

ベタ塗りの場合は2個、ロゴにする場合は1個とかにすると良さそうですね。

来週のワークショップが終わったらまた次の7月を募集しようと思います。次はスプラッシュ塗装ですかね。

NIKEスニーカー塗装 完成

ワークショップ用の素材として、白い無垢のナイキスニーカーを購入しました。比較的安い物で、確か四千円くらいだったと思います。

前回塗装したアディダスのスニーカーは塗る部分(ロゴ)が艶々の素材でしたが、

今回はベースと同じくシボ模様の艶消し状態なので、前回程の艶々には仕上がらない事が予想されます。まあ普通はこうですから問題無いですかね。

まずはマスキングを行います。作業前脱脂も済ませています。

部分的な塗装ではつい塗る部分の周りを最初に貼りがちですが、色々な事を想定するとそこは最後にするのが吉=セオリーとなります。この辺は自動車補修塗装と変わりないですね。

自動車補修塗装ではマスキング作業にカッターを使う事は殆ど無いですが(まさかこれから直す被塗物に万が一でも傷を付けたりしてはいけないという理由で)、ワークショップではそんな細かい事は気にしないで大丈夫です。やりたい方法で色々試して頂ければと思っています(勿論判らない事は聞いて頂ければアドバイス差し上げます)。

ただスニーカーのロゴ部分はフチが浮くので、その隙間にマスキングテープを入れられますから、時間さえ掛けられれば難しい作業では無いと思います。なのでワークショップではこのマスキング作業に2時間を想定しています(手伝ってくれる塗装屋さんも多く居るので、早く終わった方は先に塗って行くという事も可能そうです)。

と言う訳でマスキングが完了です。この後アシレックスオレンジ(布状研磨副資材#1300)で足付け処理も行っておきます。

よく脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗ったら本塗り開始です。

ちなみに本当はこの日にこちらのIWATAトリガータイプのエアーブラシが到着する予定だったのですが、いつもは来ない福山通運さんで土曜日だったからかスルーされてしまい(多分休みで不在だと思われ)、

仕方ないので少し前に二千円ちょっとで購入していたこちらの安価な物を使う事にしました。

結果としてはそのエアーブラシでも問題は無く、

良い感じにグラデーションも表現出来ました。

こちらはイエロー(MIN575)の上に蛍光オレンジを重ねてグラデーションさせています。ちなみに周りにある黒いシミは・・・、

当初はキャンディーカラーを想定していて、だったらレース塗装でも!と思って準備していたのですが、ワークショップにはまだ早い(と言うか時間的にかなり難しい!)と思い諦めました。次は是非チャレンジしてみたいと思います。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。ワークショップでのクリアー塗装は私が行う予定ですが、御希望であればこちらもご自身で可能です。

クリアーはSATAのエアーブラシ(口径0.5mm)で、軟化剤を25%程入れています。自動車ボディ(鋼板)でこれをやるといつまで経っても爪の痕が入る程柔らかくなってしまうのでNGですが、そもそも柔らかい素材なら気にする必要も無いかと思い、今回は規定値より多めに入れて試してみています。当然ですが柔らかい方が割れ難いので。

強制乾燥は後日でも構わなかったのですが、今回はワーク当日を想定し、持って帰れるレベルなのかどうか(ベトベトになっていないか)を確認する為、塗装後すぐに恒温機に入れて熱を掛けました。ただ今回はこれを想定し、前日に塗った物も一緒に熱入れを行って効率化を図っています。

通常であればマスキングも塗った後に剥がしておきますが、今回はこの状態のまま熱を入れておいています。

ただこの状態だと余り良い色味とは言えず、配色に失敗したか・・・とかなり凹んでいたのですが、

マスキングを剥がして素地の白が見えると、中々良い感じに思えて安堵しました。

ワークショップでは2色まで利用出来る事を想定し、今回グラデーションを試してみました。

軟化剤を規定量以上に入れたクリアーは問題無く、これならワークショップも問題無いかと思います。ようやく安心しました!

各色は、通常のSTANDOX原色を基に作った色を下に敷き、その上にキャンディーカラーや蛍光色を重ねた乗算でのグラデーションとしています。

これのみ色を重ねないでグラデーションさせた例ですね。ブガッティのティファニーグリーンに似たライムグリン―と、蛍光ピンクの2色となります。

イエローの上に重ねた蛍光オレンジは透明度が高いので、一色だけのグラデーションでも粒子感が目立たずに出来ていると思います。

今回サンプルを作ったスニーカーのワンポイント塗装のワークショップ概要はこちらで紹介していて、募集してから数十分で埋まってしまったのでこちらの社外記ではご案内出来ませんでした。

今後は毎月1回はワークショップを開こうと思っていて、ただ中にはエアーブラシは不安と思っている方もいらっしゃると思いますから、以前行ったスプラッシュ塗装と交互にやっていければと思っています。後は本気で塗装を学びたいというガチの方向けの講習とかもやりたいですかね。

adidasスニーカー塗装 完成

先日ワークショップ用にテスト塗装を行ったアディダスのスニーカーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

最初の状態も紹介します。

今回塗装したのは3本ラインのみで、ここは元々艶のある素地でしたから、サフェ等の下地処理無し=上塗りのみでも艶々に仕上がっています。

逆を言えばシボ模様の所に単に塗装しただけではこういった艶は出ず、また布のようなキャンパス地では色が滲んでしまうのでNGです。他には染料が使われている場合は色の滲み=ブリードが起こるのでこれもNGで、さらには溶剤に被膜が侵されて溶けてしまったり縮れが起きたりしたらもはや廃棄物となってしまいます。当店のように毎回違うような塗装を行っているショップが少ないのはこういった事が理由で、一度も扱った事が無い物を塗るという事は常にリスクと隣り合わせなのです。

今回は見本も兼ねるという事で、4面それぞれを違う色にしました。

またどれも単なる塗色では無く、見る角度(視点位置と光源位置)によって色相が変わるマジョーラ=クロマフレアのような顔料を採用しています。

塗装面に突起状のブツが目立ちますが、実はこれらはゴミでは無く、最初から着いている接着剤が撥ねた物となります。とても固く、ペーパーを掛けようとすると素地を痛めてしまいそうで、かといって爪でカリカリやっても全く取れないのでかなり厄介です。PVC=ポリ塩化ビニル樹脂は塗料や接着剤との相性が良いのが利点ですが、溶着のようにくっつき過ぎてしまうのが厄介な所でもあります。

今回のような内容でワークショップを行うとしたら、塗装するのはこれらのようにワンポイントのみで、ただこれだけでも人数は4人程度、時間的にも一日掛かりになってしまうかと思います。スプラッシュ塗装であれば一度に8人で塗装する事も可能ですが(色を飛ばすだけなので)、スプレー塗装(エアーブラシ)となると一人ずつ順番に、せいぜい二人までの作業になるので、どうしても時間は掛かってしまうと思います。

またスプラッシュ塗装とは違ってちょっと塗料が食み出しただけでも結構目立ってしまうので、普段マスキング作業に慣れている人向けか、失敗するのが当たり前と理解して頂いた方だけになるかと思います。スタンドックスのデモマンの方に「タカハタさんがそれやるって安過ぎじゃないですか?!」と言われてしまいましたが、講習では無くあくまでもワークショップ=塗装体験できる場なので、結果よりも過程を楽しんで頂ければと思ってます。

そしてこの先に考えているのは「マンツーマン」の塗装で、「一日貸し切り5万円でもやりたい!」という方が現れれば仕事としても十分成り立つのでは、と思っている次第です。最近で言うとYouTuberとか、お忍びで楽しむ芸能人向けとかですかね。実際そういったお問い合わせはあったのですが都合が合わず、実現には至りませんでした。当店のように一般向けでは無い職種の場合、宣伝費と取材費を相殺するのは難しいんですよね。

ちなみにマジョーラ系は一般的なパールと同じなので、太陽(光源)を背にして見た時には色味は見えなくなり、透かしの黒だけが目立って全く派手さはありません。

なのでパール系を上面に、今回のように側面であればソリッドカラー(一般的にはエナメルと呼ばれる色)が適していると思います。好きな模様のレース生地を使った塗装とかも良いかもですね。まあでも敢えて目立たせたくは無いという事であれば、今回のような下色の黒が透けるクロマフレア系はむしろ良いかも知れません。

動画も撮影しました。

最初に撮った動画は大分暗かったのですが、後から編集で明るく出来るのを知ったので加工しました。スマホで動画を後から編集出来るって・・・凄い時代になりましたね。

 

こちらも元々は暗くてしかも遠かったのですが、切り抜き&明度を上げる編集加工をしました。

作業内容については、マスキング自体はスプラッシュ塗装の時とさほど変わらなかったのと、プライマー~クリアーの塗装は当方がやってあげるとして、参加者は着色=ベースコートだけなら問題無いかと思います。ただ事前に説明してもキャンバス地とかシリコーン樹脂とかの塗装に不向きな素材を持って来られる可能性も無いとは言えないので、どれのどこを塗りたいのか予めチェックは必要になるかもですね。

取り敢えず初回は4名までで参加費は¥5,000くらいで考えています。募集はツイッターで行うと思いますので宜しければそちらをご確認頂ければと思います。