工場の設備とか工具とか

 板金塗装工場あるあるなのですが、暑くなってくると色々な所からエアーが漏れ始めます。気温が上がると弱っていた所が熱で裂けるんですかね。

ちなみに画像のホースは普通のエアホースでは無く、塗装屋さんなら判ると思いますが、いわゆる「折れないホース」です。本塗り中ににホースが捩じれてエアーが止まると最悪な事態になりますが、これはそうなり難いしなやかさのあるちょっと高級なホースです。

頼んだのは今まで使っていた長さと同じく10メートルで、ただ残りの最後だったらしく余った分も一緒におまけしてくれて15メートルにしてくれました。5メートル、どこに使いましょう…。

 そして以前キャンペーンの勢いで買ってしまったデビルビスのミニガンですが、その後「やっぱり使い難いなぁ~」と思って結局IWATAをメインで使っていたのですが、「やはり使い続けないと良いところは判らない」と思い無理無理使っていたところ、ようやく良い面が判って今ではまさかのメイン機になっています(笑)。

と言うのも、このガンの特徴でもある「驚くほど狭い範囲のノズルパターン」のお陰で、奥の方が塗り難いブレーキキャリパーの塗装も非常に楽で、また低圧ガンらしい塗着効率の良さから塗料の使用量もかなり少なく済んでいます。同等クラスのIWATA LPH-50に比べると70%くらいしか使いません。

ただしその反面低圧ガンらしさの強い面もあって、慣れていないと「これは駄目だ」と最初に思う筈です。イメージとしてはSATAのNR(低圧ガン)が出た当時と同じような感じでしょうか。

 あと半年くらい前に、工場一階の現場に新たにシロッコファンを増設していました。本来の使い方では無いのでモーターは剥き出しで、冷却する為に高速で回っているファンが手に当たると怖いのでクリアーファイルを巻いてあります。何故ピンクを選んだのかは意味不明です(苦)。

 先ほどのシロッコファンに繋がっているダクトホースはそのまま壁を伝い、

あ、エアーが漏れたのは一緒に写っているホースリールの根元部分で、青いホースが綺麗になっているのが判ると思います。ちょっとの漏れでもシューシューいってると気持ち悪いんですよね。

そして先ほどのダクトホースは、塗装ブースの天井内部へと繋がっていきます。

塗装ブースはゴミが付かないよう内部を若干のプラス圧にする必要がありますが(その辺に舞ったホコリが中に入ってくるとマズイので)、そのせいで工場内に溶剤を含んだ空気が漏れ出し、それを吸気マスクに強制送気されると結構辛いので(マスクの意味が無いんです…)、コンプレッサー周りの空気もクリーンなエアーで充満させよう!と言う作戦でした。

見た目はちょっとアレですが、結果としては見事に環境が改善されまして、工場内には一次フィルターを通った新鮮な空気で充満されるようになりました(ただ結構うるさいので本塗りの時にしか回しませんが)。

尚、強制送気マスクについては以下の記事で紹介していますので宜しければどうぞ。このシステムにしてからは防毒マスクが必要無くなったのでもう買っていません。

塗装作業マスク

 あと、先日クリアーを塗った新しいPRO_Fitオリジナル極小ドライカーボンエンブレムですが(名称が長い…)、デカールをカーボン板のサイズに合わせてカットして段差を目立たなくするのには成功したのですが、デカールの艶引けが気になったので結局もう一度塗る事にしました。磨いて終わりでも良かったのですが、ペーパー掛けてコンパウンドを使ってポリッシュするなら研いで塗った方が早いですよね。

 こちらのカーボンエンブレムは横幅のサイズが3センチ程で、下の文字は1ミリ以下なので遠視だと読めないと思います。

以前定規と並べて撮影した画像なども掲載しましたが、それでも「実物は想像以上に小さくてビックリしました!」と言ったコメントを頂いたりして、なので「極小」と銘打っています。

大きい分には普通の塗装屋さんでも作れますが、ここまでとなると印刷したりデカールを作る&貼るような作業が必要になる為、小物塗装屋としては丁度良いかな~と思っています。

ちなみに今回こちらをご注文のお客様は先日TOYOTA86用のブレンボキャリパーをオレンジパールメタリックの塗装でご依頼頂いた方で、本日頂いたメールには「想像以上の仕上がりで、一瞬取り付けるのがもったいなくなりました。」とのお言葉も頂戴しました。いやはや有り難い限りです。

PRO_Fit極小エンブレム デカール~本塗り

先日CNCでカットして貰ったドライカーボンですが、

速注文も入っていますので作業着手しています。

以前使ったデカール用のデータを引き出し、

 ALPSのドライプリンターで印刷しました。

インクはメタリックシルバーで、その上にクリアー(艶出し)をページ合成で重ねて印刷しています。

ちなみにこれだけの量を一度に印刷したのには理由があって、

こういったインクリボンの重ね合わせのスジや、

 ちょっとした欠けが気に入らないので、

 良く出来た分だけを使って後は捨てると言うスタイルです。今回は2列分、10個の内の2個だけが使える物でした。10枚の内8枚は気にいらないので捨ててしまいます。

足付け処理をしてベースクリアーを塗ったカーボンにデカールを貼り付け、

本日クリアーも塗り終わりました。

実は少し前から、とある大学からかなり難易度の高い塗装のご依頼を受けていまして、昨日ようやくベースコートが終わり、本日改めて緒を締め直してクリアーの塗装に挑んだ次第です。

失敗すると大変な迷惑が掛けてしまう案件でしたが、何とか無事本塗りまで終えてる事が出来てッとしています。これでようやく悪夢に魘されなく…。

カーボンエンブレムは最後に穴を開けてキーホルダーを着けられるようにします。工程に問題が無ければ次はもっと数を増やして、ウェブショップに並べられるようにしようと思います。

PRO_Fitドライカーボンエンブレム制作

以前作成していたPRO_Fitオリジナル極小カーボンエンブレムですが、その後も売って欲しいといったご要望が何度かありまして、一応は考えていました。

ただ繊維の状態から作るとかなり大変で、

こんな事をしていると会社の存続に危機を及ぼしかねない!と言う事が判り、出来れば避けて通りたいと思っていました。

単にカットしてデカールを貼り、クリアーを塗るだけならそんなに労力は掛からないのですが、繊維目がズレるのを気にすると使える物より捨てる物の方が多くなり、時間の掛け方にもキリが無くなってしまうんですよね。良いと思った時には削り過ぎて小さくなっていますし(苦)。

 さらには下塗りも含めると塗装工程は3回以上に及び、あり得ないコストの掛け方で会社にとってはもはや爆弾でしかありませんでした。

と言う事ですが、色々調べていくとどうやらカーボンはノコギリ(バンドソーですが)で切るよりもCNCを遣えば綺麗に且つ早く出来るらしく、だったらという事で私でも使えるCNCが買えないか代わりにやって頂ける方を探していました。

 と言う訳でジャジャーンと!

こんな小ロットでも対応してくれる方を見つけおりまして、つい先日出来上がって到着していました。。

 しかも今回はドライカーボンです。

 私が自作していたのは所謂「ウェットカーボン」で、その後真空脱泡も可能になったので「いつかはドライカーボン」(笑)とも考えていたのですが、それだといよいよ工場の存続が危なくなってくる為、今回は専門の方にお願いした次第です。

ドライカーボンと言えばリヤスポの上に人が乗ってジャンプしても折れない程の強度で、今や飛行機の外装や車体の骨格に使われている強い素材です。BMWはバイクにも採用したんですよね。当然ですが人の力で折れそうもありません(何キロの圧力で破損するのか知りたい所ではありますが。笑)。

尚、デカール貼りに関しても、以前カーボンエンブレムを作っていた頃に比べれば遥かにレベルアップしていますので、その辺の作業効率も上がってそんなに時間は掛からないと思います。

ただ今回は無料配布では無く販売向けで、今まで(またはこれから)PRO_Fitの塗装を御利用頂いた方のみの対象とさせて頂きます。どうかご了承下さいませ。

PRO_Fitカーボンエンブレム 取り付け

profit1少し前に無料で配布しておりましたPRO_Fitオリジナルカーボンエンブレムです。カーボン繊維から作っているので無駄に結構な手間が掛かっていたりするのですが、お陰で普段は行わないような作業の技術力が向上出来たり、また新たなご依頼のきっかけになったりもしています。一応は無駄にはなっていないと思います(と、そう願いたいところです)。

road99 と言う訳で、実は現在仕事でご依頼頂いているNBロードスターのヘッドカバーへこれの装着もご依頼頂いています。こちらのオーナー様は前回のエントリーでこちらのカーボン製エンブレムを当選されていまして、いざ送ろうと思ったら「依頼したい物があるので待って貰えますか」と言う事で今回のご依頼に至ったのです。もしもこのカーボンエンブレムが無ければ今回のご依頼も無かったかも知れませんから、一応は役に立っているみたいですね。

その他色々な方からレビューも頂いていますので紹介したいのですが、如何せんもう時間が・・・。

road100 ちなみに貼り付けは通常両面テープなのですが、今回は貼る位置がエンジンヘッドカバーの側面と言うことで、振動や熱の心配がありますから接着での取り付けを承っていたのです。

尚、この辺の作業は仕事以外と言うことでこちらの社外記で紹介しております。通常はお受付しておりませんのでどうか御了承下さいませ(落ちてしまう可能性が無いとは言い切れないからで、そもそも当店は塗装屋ですので)。

road21ちなみに貼り位置については事前に場所をご指定頂いておりました。

road101 先ほどの画像を参考に位置を決めていざ接着します。ズレたらもうお終いです(色々と)。

road102結晶塗装の上だとテープがくっ付かないので、先ほどの上にマスキングテープの芯を固定してこんな感じでテンションを掛け、さらにテーブルの上に置いて壁に押し当てておきました。週明けには固まっていますので完成画像と共にこちらのエンブレムもお披露目出来ると思います。

spacer さらにこちらは別件で、先日仕事で本塗りを終えていたBMWR1200RTに取り付け予定のカーボンパニアケースの蓋に着いていたスペーサープレートです。元々本体に接着剤で固定されていたのですが作業をしている内に剥がれてしまったので、それぞれを別にして塗装し、最後に両面テープで貼り付けておきます。むしろ外れてくれて助かりましたよ。

spacer1一応ボルトを通るか位置を確認して貼り付けます。

こちらは先ほど紹介したPRO_Fitカーボンエンブレムとは全く別に、新たにオリジナルのエンブレムをご依頼~作成していまして、そちらも来週には装着した完成画像を紹介出来ると思います。

ふぅ~、しかし毎日やる事が尽きません(自ら墓穴を掘っていると言う噂が・・・)。