遠心注型用シリコーン型作製

enshin40 先日遠心注型(脱泡)用の台座プレートが出来たので、続いてそれ用のシリコーン型を作製しました。複製するのはいつもの色見本用ミニカーですね。代り映えしなくてすいません…。

enshin41 シリコーンを注ぐ為の容器を用意する時間が無かった為、今回はMDF板に直接壁を作って注ぎ込むようにしました。実は良く判らないのですが、多分型の形を丸くしないとバランスが悪く上手く回らないんでしょうね。

enshin42 壁にはいつものPP製クリアーファイルを切って使います。こんなので大丈夫かと思いきや、意外と何とかなりました。

enshin43 芯の部分も適当な物が無かったので50mm幅のマスキングテープを置き、そことミニカーとの間には5ミリ幅のスチレンボードをカットした物を配置します。真ん中に注いだレジンが遠心力の力でその導管を通って型に流し込まれると言う算段です。

enshin44 今までシリコーンの量は適当でしたが、今回は結構使うので体積を計算してみました。

半径×半径×3.14×高さ=9×9×3.14×2.5とし、シリコーン樹脂の比重は1.2くらいなので少し多くして700g程作製しています。

enshin45 まずは真空脱泡し、

enshin46 硬化剤を混ぜ型に流し込みます。さらにもう一度この状態で真空脱泡を行います・・・が!

失敗しました…。

台に使ったMDF板が大きく、これではデジケーターに入らないのです。全く失念していました…。

enshin47 と言う事ですが、デジケーター自体をひっくり返して被せると言う荒業を考えだして何とかしのぎを削りました。

enshin48 MDFとその上に貼ったマスキングテープで空気の密封性はとても悪かったですが、鍋の上に全体重を乗せて数分ポンプを回してみると、意外にも結構なエアーは抜けてくれたようです。下の台がアクリル板だったらさらに良かったっぽいですね。

enshin49急ごしらえで作成したクリアーファイル製の壁でしたが、予想以上にしっかりしていて漏れもありませんでした。次もこれで大丈夫そうです。

既に型からの取り外しも出来ていますので、また後日紹介しようと思います。次はいよいよ遠心注型本番、ですかね。

遠心注型用 台座プレート作成

enshin27先日飛散防止用のタライ改を取り付けておいた固定電動ポリッシャー兼遠心注型機です。

enshin30今回はシリコーン型を固定する為の台を作成しました。シリコン型を上と下で挟み、回転軸に取り付ける為の物です。

通常これを自作する場合はベニヤ板をジグゾーで切ったりするのですが、折角なのでIllustratorでデータを作成してレーザー加工機でカットする事にします。

enshin31ちなみにレーザーだと穴の形も自由自在なので一部には多少工夫をしておきました。

enshin32  使ったのは6ミリ厚のMDF板で、こちらの300×600のサイズはダイソーで¥200、一回り小さい300×400は¥100で売っています。面積で言うと実は小さい方を二枚買う方がお得と言う…。

enshin33こんな感じで3枚カットし、ちょっと遊び心を加えてロゴをレーザー彫刻で入れていたりします。まあ折角のオリジナル品ですしね。

enshin35 六角形に開けた穴にはナットがピッタリ嵌るようにして、わざわざスパナを用意しなくても簡単に外せるようにしています。

enshin34 板同士の貼り付けは木工用ボンドを塗って

enshin36 乾くまでボルトで仮止めしておきます。

enshin37 ポリッシャーとの固定は板に直接シャフトをボルトで固定する方法も考えたのですが、一応利便性も考えて既存のマジックテープを利用する事にしました。

enshin39 と言う訳で作業的にはあっという間でしたが遠心脱泡機(注型機)の完成です!

後は板と板の間にシリコーン型を挟み、これを回転させた状態で真ん中の穴からレジンを注げば、遠心力の力で巣穴の無い高密度な注型樹脂が出来る(だろう)、と言う算段です。

enshin40ちなみにふと気が付いたのですが、樹脂よりもさらに注型が難しかった金属の鋳造も遠心の力を使えば結構簡単に上手く行くんじゃぁ…なんて思ってしまいました。以前何度か試して上手くは出来るようになりましたが、やはりと言うか巣穴が入り易いので失敗率は凄く高いんですよね。ただ溶けた金属がタライを突き破って地獄絵図、と言うのは避けたいと思います(笑)。

次はいよいよシリコン型ですね。シリコーンの在庫はあるので、あとは時間、ですか・・・(眠)。

ポリッシャー 遠心注型仕様

polisher 先日バフグラインダーとして使えるようにしていた電動ポリッシャーの固定台ですが、さらにそれを遠心脱泡(遠心注型)に使えるようにと加工しました。と言っても単にタライを着けただけなのですが(苦笑)。

enshin17当初は20Lポリペールみたいな物を使おうと思ったのですが、余っている物が手元に無く、結局流しの下で眠っていた100円ショップのタライを使う事にしました。ピンクのバケツ石鹸にホコリが乗っかって汚れるのが嫌で、蓋として被せておいた物です。

enshin18 ポリッシャーのシャフトよりも少し大きめに20mmの穴を開けて、

enshin19 こんな感じでシャフトを通します。これの用途は型に注いだレジンが周りに飛び散らないようにする為の壁ですね。

enshin20 ただそのままだと底の部分がポリッシャーに干渉する為、ドライヤーを使って変形させて逃げを作ってあげます。

enshin16仕事で使う工業用ドライヤーは物を燃やす程の温度になる為、PPなどの熱可塑性のプラスチックなら簡単に変形させる事が出来ます。デメリットとしてはうっかりその辺に置くととても危険な事ですかね。

enshin21 アツアツの状態になったら何かしら硬い物を当てて押し付けます。軍手でも良いのですが、繊維の跡が残るのが何か嫌で…。

enshin22 と、こんな感じで中央が少し上に盛り上がる感じにします。また垂れたレジン周りに落ちてくれてポリッシャーに付かないのも良さそうな具合です。

enshin23 後は丁度良さそうな所に穴を開けてネジで固定し、

enshin24パットを取り付けて完了です。思った以上安定もしました。

蓋は必要なのかどうか分かりませんが、無いとマズイようならもう一個同じタライを買ってくるか、もしくはその辺の段ボールを被せる程度で良いと思います。

enshin29ただちょっと見た目がチープな気が・・・(物が¥100円ショップなので当然なのですが)。

enshin26 と言う訳で軽く塗ってみました(笑)。

enshin27 最初は金属っぽく見えればと思ってシルバーを塗ってみたのですが、如何せん形からしてプラスチッキー感が払拭できず、だったらという事でインダストリアルデザイン風の配色にしてみました。って、ちょっと強引ですか(笑)。

enshin28後はシリコン型を抑えるプレートを作ってポリッシャーに固定出来るようにすれば完成です。そして肝心の遠心式対応のシリコン型ですね。

ちなみに通常の注型方法では何が駄目なのかと言うと、私の場合は微細な形状とかでは無く「ピンホール」の除去なのです。ベースコートの時点では判らない程のピンホールでも、クリアーを塗ると表面張力でハジキが出たように巣穴が空いてしまい、これが一個でも残っていると気になってしまうので、結局いつもの通り全ての注型品に「研磨→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程を行うようになってしまい手間が掛かってしまっていました。何故仕事でも無いのにこんな目に・・・みたいな感じでいい加減嫌になってしまったのです。

ただその後180秒硬化のウレタンレジンを教えて貰い(既に買いました)、もしかしたらそれで全てが解決していたかも知れないと言う噂もあるのですが(苦笑)。

電動ポリッシャー固定台 完成 

enshin9 先日ベースとなる骨格部分を作成していた電動ポリッシャー用の固定台です。

enshin6本体の固定には元々グリップが付いていた穴を利用してボルトで固定しましたが、このままだとポリッシャーがクルクルと回ってしまうので、

enshin10 Cチャンネルを配置し、足長Uボルトでポリッシャーを固定出来るようにしました。

尚Cチャンネルは90cmで買った物をカットして使っていて、これは以前自宅に設置した自転車用の天吊りスライドレールにも使った素材です。安い割にデザインが良いので気に入ってます。

enshin11 ポリッシャー台は下の塗装台に固定するのでバフに何かが引っかかっても飛んで行かないようにボルトで固定してあります。

ただ以前ディーラー在勤中、社内外注の塗装屋さんがこの台に乗せたバンパーを台ごとふっ飛ばした光景を見た事がありますが…(勿論塗り直しです)。

enshin12 そう言えば肝心のポリッシャーが動くのかどうかをテストするのを忘れていた(!)のですが、電源を入れてみたら問題無く動いてくれました。最後に使ったのは多分5年以上前で、また活躍出来る日が来るなんて思いもしませんでした。

enshin13 折角なので取り敢えず何かを試してみたくて、ただ周りを見渡してもテストに使っても良いような塗装済み品なんてある訳が無く・・・。仕方ないので画像の板金用のドリーを磨いてみる事にしました。

ちなみにドリーとはハンマリングする際に鉄板等の裏側に当てて使う鉄の塊です。見た目的には平面部を使うように見えますが、実際は角など「点」として当てて使う事が多いです(私の場合はですが)。

enshin14コンパウンドを使って軽く磨いただけですが、固定がしっかりしているので非常に楽に且つ安心に磨き作業が出来ました。まさに簡易版グラインダーバフといった感じです。

polisherバフはエアーポリッシャーと兼用なので新たに買い揃える必要もありません。

enshin15そしてなんといってもこれの良いところは持ち運びが楽な事で、使う時は排気が出来る換気扇の傍で、使わない時は普通のポリッシャー同様その辺に仕舞っておけます。うちの工場は床面積が少ないのでもう置く場所がありませんが、こんな感じで天吊りネットに吊るしておけば場所を取りません。。

と、今回は塗装後の磨きとしての用途としてですが、既に遠心脱泡(遠心注型)用にも使えるよう作業は進行していますので、そちらも出来上がり次第紹介したいと思います。

後は肝心のシリコン型が…。