コロナ禍の影響

  当工場には殆ど影響は無かったのですが、昨日全国での緊急事態宣言が明けたようで、これによりとりあえずは一安心と言う方も居るのではないでしょうか。

うちの場合は受付窓口を設けていないので元々人との接触が無く、またご依頼の殆どはウェブサイトを見た個人の方からのオーダーで、さらには従業員は雇わず一人でやっているという事もあり、この騒動でも以前に比べて全く変わりがありません。ただネットで見た記事によると、一か月だけでも収入が去年の半分になれば100万円が貰えるとの事で、だったら仕事をセーブして私もそうした方が良いと思ってしまったのですが・・・(勿論しませんが)。

上の画像は現在作っている色見本キーホルダーのテスト品で、仕事が終わってから少しずつやってはいるのですが、相変わらずそんな事をやっている時間が無くて中々思うようにいっていません。

表面は先日作っていたのですが、

今度は背面のアクリル板が無くなったので新たに作ってました。

 こちらは艶消し黒のアクリル板に、当ウェブサイトのQRコードをレーザーで彫刻しています。

 そこにベースコートの白を塗装し、

 台紙を剥がします。これが地味に面倒です。

そして以前塗装しておいた色相環のピースを台から切り離します。

サイズが小さいので糊面にベタ貼りするしか固定する方法が無く、それ故に塗装のバリが凄いです。

これをカッターで切り落とし、

二枚のアクリル板を貼り合わせ、それにピースを組んでいきます。

 そして完成です。

・・・が!

今回枠となるアクリル板の厚みを3mm→2mmにしたので、結晶塗装にしたパーツの歪が目立ちます。アクリル板を140℃で焼いているので、実は熱で結構反っているんですよね。

 以前作ったこれのように、段差をつけてあげれば反りは目立たないので、やはりこうしないと駄目な模様です。また作り直しですか・・・。

ちなみにイモリと色相環のピースを混ぜた物は、隙間にゴミが溜まりそうなのと、作る度にピースの角度や位置・配色が変わるのがどうにも我慢出来ないので、とりあえず辞める事にしました。

ただこれに関しては、色相環Ver.と同様メス型となるアクリル板を作る事で対応出来るので、いずれ各配色からしっかり練り直して作ろうと思います。しかしこんな感じではその内試作だけで色相環に塗ったピースが無くなってしまうのではと・・・(恐)。

 

今日は日経平均株価が2万1000円台に回復したとの事ですが、大田区にある場末の小物塗装工場にはこれも全く関係が無い話で、まあ地道にネチネチとやるしかないですかね。

Roland MIDIキーボード 本塗り

MIDIキーボード クリアー下塗り

先日分解して下塗りの為のクリアーを塗っていたローランドのMIDIキーボードです。先週末にようやく時間を見つけて本塗りを行いました。

 今回は枠の他に黒い鍵盤部分も塗りたいので、塗装時にそれを固定する為のクリップも追加で用意しておきました。

 こんな感じで鍵盤を一つ一つ固定して・・・

と思いましたが、仕事でも無いのにこれを一つ一つ塗るのは少々厳しいのでは無いかと感じまして、

 専用のジグを作ろうと思い、クリップの先だけが100個入った物を買ってみました。

しかし後にこれは大きな間違いと気づき(いつもの事ですが・・・)、他に何か良い方法が無いかな~と通勤中に考えていたところ、

 形状が同じ物であれば、と言う事で、

 採寸してIllustratorでデータを作り、

 端材のMDF板をレーザー加工機でカットし、

 それに鍵盤に挿し込むようにしました。

 射出成型品なので形状がテーパーになっている為、単に差し込むだけでもかなりしっかり固定する事が出来ます。

 と言う訳でいきなりですが、本塗り完了となります。

 色は当初の予定通りで、クロマフレア風パウダー顔料No.2を採用しました。見る角度によって「青→紫→赤→橙」へ変化する塗装となります。

 本物のクロマフレア顔料程にキレのある発色では無いのですが、材料を低コストで購入出来るルートを見つけたので、今までのように材料費を別途計上したりせずに済むようになりました(1キロ10万円以上する塗料なので、今回の場合だと塗装費とは別に数万円が必要でした)。

また顔料はパウダータイプなので、STANDOXの樹脂に混ぜて使えば通常通りの塗装システムで使用が可能です。

 基本はパール顔料なので隠蔽性は低く(殆ど無く)、その特性を利用して元々あった印字をそのまま残す仕上げとしました(ただしこの方法は通常の仕事としてはお受付が出来ません)。

 黒かった鍵盤もマジョーラ風に仕上がりました。

 鍵盤と鍵盤の隙間は25ミリ開けていて、これならスプレーガンを斜めにしてそのままスライドするだけで側面も簡単に塗る事が出来ます。

これらを以前塗装したRobiのように、それぞれのパーツを一つずつ手で持って塗ると非常にコスト高な作業となってしまいますが、今回のこの方法ならさらにコストを下げられるので、電子ピアノ等の楽器は今までより現実的な費用に出来ると思います。

後日時間が出来たら組み付け~撮影も行って改めて紹介したいと思います。

(ただ仕事じゃ無いからと言ってちょっと調子に乗ってしまい、クリアーを塗り過ぎたら一部がナイアガラになってしまいました・・・。後日もう一度クリアーを塗り直すかも知れません)。

有孔ボード用マイクスタンド作製

 色見本用として塗装したマイクは壁の有孔ボードに掛けているのですが、その後マイクの数が大分増えたのでスタンドを増産する事にしました。

マイクを掛ける為のスタンドは専用の物を自作していて 、端材で買った3ミリ厚のアクリル板をレーザーでカットして作ります。

 こんな感じで3つの部品を組み合わせれば完成です。穴はギリギリに調整しているので、接着剤無しで大丈夫です。

いつも「これくらい作っておけば当分大丈夫だろう」と思いつつ、気付くと足りなくなっています。月日が経つのはあっという間ですね。

画像に写っていない物も含め、色見本用のマイクは現在22個出来ています。レース塗装もやろうと思ってユザワヤで生地を買ってあるのですが、それからもうすぐ一年が経ってしまうと言う始末でして・・・。

マイクに丁度良い有効ボード用のスタンドなんて恐らく売っていないと思いますが、データが作れてレーザーカットが出来る環境なら自作は非常に簡単です。

これの応用で、今度サーモス用のも作ってみようかと思います。と言うか有効ボードもそろそろ足りなそうですね・・・。

色見本キーホルダー レーザー彫刻

こちらは元々色見本用に作っていた注型樹脂製のミニカーで、その後キーホルダーとして販売する際裏側にデカールを貼っていたりしましたが、ここまですると大分コストが掛かってしまうので何とかもう少し手間を掛けないで出来ないかと思い、今回これをレーザーで彫刻してみようと思った次第です。

レーザー彫刻については以下の記事などで施工例がありますので宜しければどうぞ。

仕込みメモリー

入れるロゴはこんな感じで、一番の問題はこのロゴを対象物に対してしっかり「水平」に入れられるかどうかです。

水を使って貼るデカールであれば微調整が出来るのでその辺は問題無いのですが、立体物に直接加工を行う場合はここが一番難しいと思います。同じように立体物に直接印刷が出来るUVプリントもこの辺が一番気を遣う所ではないでしょうか…。

と言う訳で、今回はそれの固定用ジグ(と言うか単なる台座)から作る事にしました。

ただフィッティングを合わせる手間は省きたかったので、サイズを替えた3種類を作り一番良い物を使おうという作戦です。使えない物は捨ててしまうと言う世の中の仕組みがようやく判って来ました(大袈裟ですか。笑)。

ロゴデータを開き、

まずは試しに、以前遠心注型で失敗した物を使ってテスト彫刻を行います。

ちょっと出力が強かった為か、彫った部分が少々デロっとなっています。

熱で溶ける樹脂=熱可塑性じゃ無くても溶けるのか!と心の中で一人ツッコんでいましたが、

レーザー出力を抑え気味にし、

中々良い具合に出来るようになりました。

エアーブローをして隙間に残ったカスを取り除くと、

おぉぉぉぉ・・・(惚)。

ちなみにロゴの全長(横幅)は32ミリです。

サフェーサーは熱でフチが焼き切れる(剥がれてしまう)と思っていましたが、出力を絞る事でこれは意外と大丈夫そうです。ただ細い部分の彫りが浅くなってしまうので、その辺はデータ側で線を太くして修正して対応しました。

一応これをこのまま塗装した物と、改めてシリコーン型から作り直してみようと思っていて、複製が出来ればコスト自体は上がらないでこれが出来ますし、ロゴ部分の墨入れなども楽しめそうです。QRコードもレーザー彫刻した物が読み込めるのか是非試してみたいですね。

当初はただの塗装用色見本として作っていた物ですが、だんだんと形になっていく過程が結構楽しいです。色見本も各色揃ったら色相環壁時計も実現出来るので、枠はコンクリート打ちっ放しにしようかとか、妄想が止まりません(笑)。