遠心脱泡初実践

enshin59先日注いでおいたシリコーンが固まったのでようなので早速開けてみる事にしました。この瞬間、結構ドキドキしますよね。

enshin42うっかり土台のサイズの事を忘れていて、型がデジケーターに入らない!と言うミスを生じましたが、その後機転を利かしてデジケーターをひっくり返して被せる!と言う作業のお陰で(多分)巣穴は一切無くギッシリ詰まった感じで出来ました。ひとまずは一安心です。

enshin44 原型とスチレンボードの破片を抜き、湯道をカッターで切って通しておきます。

enshin45 先日作成しておいたMDFのプレートにクリアーファイルをカットした物を敷き、台の中心にシリコーン型を乗せます。

enshin46 蓋を被せネジを締めます。

ちなみにこのネジをどれくらいの締め付けトルクにするのかが判らず、取り敢えずシリコーン型が崩れない程度に軽く締め付けましたが、今後はこの辺も精査が必要なようです。実はこの後大変な事になりました。

enshin47 台をポリッシャー改に乗せ、実際に回しながら中心になるよう位置を決めていきます。

enshin48 注型する樹脂は今まで通り120秒硬化のウレタンレジンを使います。

enshin50シリコーン型を回し、真ん中の穴から樹脂を注ぐと、樹脂を注いだ傍からみるみる周りに飛び出してくるという…。

取り敢えずあるだけ注いでいきますが、どうも隙間から漏れているっぽいです。

しかも120秒待っても樹脂が一向に固まる気配が無く、いつもは早く固まって困るくらいなのに、いったいどうして…。

enshin49ちなみに一応普通の型に同じ樹脂を注いでみると、こちらはいつも通り二分程で硬化が始まりました。意味が判りません。

回転したからといって気温が下がる訳では無いので結構不思議です。まさかそこだけ時空が歪んだとか…(または反応熱が逃げてしまうんですかね)。

enshin51 と言う事ですが、5分くらい周し続けたら何とか固まりました。そしてプレートを外してみると下にはジャジャ溢れの樹脂の残骸が(苦)。

結局のところ、注いだ樹脂はかなりの量が零れてしまいました。こんなに零れてしまうなら次はドレンを設けて、零れた樹脂をもう一度上から注げるようにした方が良さそうですね(かなり間違い)。

enshin52注ぐ時にも大分周りにこぼしてしまい、今更ながらかなりいい加減にやってしまった感が強いです。

そして、どうせ中はスカスカなんだろうなぁ、と。

enshin54 が!中には普通に樹脂が詰まってました(笑)。意味が分かりません。

enshin55 湯口に樹脂が固まってしまい取り外し難い事もありましたが、予想に反して注型自体は普通に出来ていました。と言うか大分良い感じです。遠心注型はスゲェ…と何度か呟いていたと思います。

enshin56 適当にバリから外しただけの状態ですが、湯口以外には巣穴などは全く無く、どこを見ても今までで一番良い仕上がりです。

enshin57下に敷いたPP製のクリアーシートは使い古しだった為にシワや折り目などがそのまま残ってしまいましたが、裏側の面も概ねフラットに綺麗に出来ました。パーティングラインはフチのプレスライン部分なのでこの後の仕上げもこれなら簡単に出来そうです。これはちょっとヤバいかも知れません。

ただ周りに飛び散る量がひどいので(苦)、これはもう少し改良しなければなりません。恐らくはトルク管理とかの問題では無く、もしかしたら板が薄くて圧が均一に掛かっていないか、または回転数が早過ぎて型が歪んで隙間が出来てしまっているのかもです。

今回は事前情報はほぼ無しで挑んでいますので、もう少しネットで先人の方々の作業例を参考にして色々改めてみようと思います。

いやー、それにしても遠心注型、予想以上に凄い威力です。これならもっと細かくて繊細な形状も隅々まで樹脂を行き渡らせらせそうですね。ミニカーではちょっと勿体ない気がしてしまいました。

遠心注型用 台座プレート作成

enshin27先日飛散防止用のタライ改を取り付けておいた固定電動ポリッシャー兼遠心注型機です。

enshin30今回はシリコーン型を固定する為の台を作成しました。シリコン型を上と下で挟み、回転軸に取り付ける為の物です。

通常これを自作する場合はベニヤ板をジグゾーで切ったりするのですが、折角なのでIllustratorでデータを作成してレーザー加工機でカットする事にします。

enshin31ちなみにレーザーだと穴の形も自由自在なので一部には多少工夫をしておきました。

enshin32  使ったのは6ミリ厚のMDF板で、こちらの300×600のサイズはダイソーで¥200、一回り小さい300×400は¥100で売っています。面積で言うと実は小さい方を二枚買う方がお得と言う…。

enshin33こんな感じで3枚カットし、ちょっと遊び心を加えてロゴをレーザー彫刻で入れていたりします。まあ折角のオリジナル品ですしね。

enshin35 六角形に開けた穴にはナットがピッタリ嵌るようにして、わざわざスパナを用意しなくても簡単に外せるようにしています。

enshin34 板同士の貼り付けは木工用ボンドを塗って

enshin36 乾くまでボルトで仮止めしておきます。

enshin37 ポリッシャーとの固定は板に直接シャフトをボルトで固定する方法も考えたのですが、一応利便性も考えて既存のマジックテープを利用する事にしました。

enshin39 と言う訳で作業的にはあっという間でしたが遠心脱泡機(注型機)の完成です!

後は板と板の間にシリコーン型を挟み、これを回転させた状態で真ん中の穴からレジンを注げば、遠心力の力で巣穴の無い高密度な注型樹脂が出来る(だろう)、と言う算段です。

enshin40ちなみにふと気が付いたのですが、樹脂よりもさらに注型が難しかった金属の鋳造も遠心の力を使えば結構簡単に上手く行くんじゃぁ…なんて思ってしまいました。以前何度か試して上手くは出来るようになりましたが、やはりと言うか巣穴が入り易いので失敗率は凄く高いんですよね。ただ溶けた金属がタライを突き破って地獄絵図、と言うのは避けたいと思います(笑)。

次はいよいよシリコン型ですね。シリコーンの在庫はあるので、あとは時間、ですか・・・(眠)。

ポリッシャー 遠心注型仕様

polisher 先日バフグラインダーとして使えるようにしていた電動ポリッシャーの固定台ですが、さらにそれを遠心脱泡(遠心注型)に使えるようにと加工しました。と言っても単にタライを着けただけなのですが(苦笑)。

enshin17当初は20Lポリペールみたいな物を使おうと思ったのですが、余っている物が手元に無く、結局流しの下で眠っていた100円ショップのタライを使う事にしました。ピンクのバケツ石鹸にホコリが乗っかって汚れるのが嫌で、蓋として被せておいた物です。

enshin18 ポリッシャーのシャフトよりも少し大きめに20mmの穴を開けて、

enshin19 こんな感じでシャフトを通します。これの用途は型に注いだレジンが周りに飛び散らないようにする為の壁ですね。

enshin20 ただそのままだと底の部分がポリッシャーに干渉する為、ドライヤーを使って変形させて逃げを作ってあげます。

enshin16仕事で使う工業用ドライヤーは物を燃やす程の温度になる為、PPなどの熱可塑性のプラスチックなら簡単に変形させる事が出来ます。デメリットとしてはうっかりその辺に置くととても危険な事ですかね。

enshin21 アツアツの状態になったら何かしら硬い物を当てて押し付けます。軍手でも良いのですが、繊維の跡が残るのが何か嫌で…。

enshin22 と、こんな感じで中央が少し上に盛り上がる感じにします。また垂れたレジン周りに落ちてくれてポリッシャーに付かないのも良さそうな具合です。

enshin23 後は丁度良さそうな所に穴を開けてネジで固定し、

enshin24パットを取り付けて完了です。思った以上安定もしました。

蓋は必要なのかどうか分かりませんが、無いとマズイようならもう一個同じタライを買ってくるか、もしくはその辺の段ボールを被せる程度で良いと思います。

enshin29ただちょっと見た目がチープな気が・・・(物が¥100円ショップなので当然なのですが)。

enshin26 と言う訳で軽く塗ってみました(笑)。

enshin27 最初は金属っぽく見えればと思ってシルバーを塗ってみたのですが、如何せん形からしてプラスチッキー感が払拭できず、だったらという事でインダストリアルデザイン風の配色にしてみました。って、ちょっと強引ですか(笑)。

enshin28後はシリコン型を抑えるプレートを作ってポリッシャーに固定出来るようにすれば完成です。そして肝心の遠心式対応のシリコン型ですね。

ちなみに通常の注型方法では何が駄目なのかと言うと、私の場合は微細な形状とかでは無く「ピンホール」の除去なのです。ベースコートの時点では判らない程のピンホールでも、クリアーを塗ると表面張力でハジキが出たように巣穴が空いてしまい、これが一個でも残っていると気になってしまうので、結局いつもの通り全ての注型品に「研磨→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程を行うようになってしまい手間が掛かってしまっていました。何故仕事でも無いのにこんな目に・・・みたいな感じでいい加減嫌になってしまったのです。

ただその後180秒硬化のウレタンレジンを教えて貰い(既に買いました)、もしかしたらそれで全てが解決していたかも知れないと言う噂もあるのですが(苦笑)。