結晶塗装

少し前に結晶塗装を行っていた、私物のバイク(セロー)のヘッドライトカウルです。

この時点で二回目の塗装で、一旦はこれで良しと思ったのですが、どうしても結晶目の仕上がりに納得が出来なかったので、

改めて別のパーツ=アルミ製のヒールガードを塗装する際、ライトカウルも塗り直すことにしました。

ヒールガードはアルマイト処理されていたので、サンドブラスト後にリン酸処理を行い、プライマーを塗ってその日が来るのを待ちました。

そして仕事で行う結晶塗装の際、事前のテスト塗装として私物のこれらを一緒に塗らせて頂くことにしました。

色は結晶塗装の黒となります。

本塗後、140℃程の熱を掛けて硬化(熱重合)させると結晶目が現れます。もう少し細かい肌にしたかったですが、均一に揃っているので良しとしました。

そしてライトカバーパネルです!

自分の物だとどうしても集中力が落ちてしまいがちですが、今回は三度目の正直という事もあり、本番(ご依頼品k)さながら、全体が均一な膜厚になるよう慎重に塗装を行いました。熱の掛け方についてもかなり気を使い、ようやく熱に弱いプラスチック素材でも美しい結晶目を表現出来るようになったと思います。これらの屍を超える事で、今回のRB26エンジン樹脂製タイミングベルトカバーのご依頼も引き受けられるようになったのだと思う次第です。

当初はフィン状のの箇所を研磨してアルミ地を光らせようと思っていましたが、結局紺屋の白袴よろしく、自分の物という事でやる気が無くなってしまい、今回はこれで完成とする事にしました。

それよりも嬉しかったのがこちらのライトカバーです。ようやく納得できる結晶目になりました。自分の物でここまで執着したのは珍しいですね。

元々割れていた物をエポキシ接着剤とファイバークロスで固定し、ドライブレコーダーのカメラを通す穴を開けています。

ちなみに同じパーツを艶あり仕上げに塗装した物もありますが、誰でも出来る物を装着するのも面白く無いという事で、PP=ポリプロピレン製のカウルパネルを結晶塗装で塗りつぶしていっています。

あと先日は知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)の許可を頂いて作成しているブラックラビットのキーホルダーにも結晶塗装を行いまして、ただこちらは立てた状態で熱を入れてしまったので途中で変形して折れ曲がってしまっていました。PMMA=アクリル樹脂はそこまで熱に強くないので、熱を掛ける時は注意が必要ですね。

 

後はトップブリッジを入手しているので、タイミングが来たらそちらも結晶塗装で塗る予定です。ウィンカーベースとかも結晶塗装にしてみたいですね!

色相環+結晶塗装壁時計 完成

今まで作っていたのはこういった背板が白い物や、

こういった黒い物

その他グレーブルーっぽい色の物(VWアクエリアスブルー)を、ベースコートのみ(クリアー塗装無し)で仕上げていたのですが、

さらに当店らしい物を!という事で、

結晶塗装を施してみました!

素材はMDF=木製品なのでてっきり熱を掛けた時に泡を吹いたりするかと思ったのですが、

金属の場合と同じく普通にそのままで焼き付けて綺麗に仕上がってしまったのです。

在庫している塗装済みの色相環ピースを集め、

それらと背板をシーリング接着剤(シーカフレックス221)を使って固定します。ピースの裏側はアクリル樹脂素地が露出しているので、プラスチックプライマーも塗っておきます。

最後に針を着けて完成です!

ちなみに今まで出品していたものは全部売れてしまっていて、その後追加で作成したのですが、どれも採算が全くあっていないので売るのが勿体ないと思い、現在は販売を停止しています。

ただ今後は「針を外した状態で梱包」(取り付けは購入された方にやって頂く)という事を考えていて、それが可能になれば多少なり赤字幅も減らせるかと思っていて、とりあえずその仕様で今度のデザフェスに出店して販売してみようと考えています。通常の壁時計と違って針がむき出しですから、発送や梱包で気を遣うのもネックだったんですよね。

この辺にプレートか何かのアクセントが着けば良さそうだと思うのですが、360度どの方向でも大丈夫!というのもあるので、とりあえずは何も無しにしておこうかと思います。もしくは限定でPRO_Fitのカーボンエンブレムを着けるとかですかね。

それにしても結晶塗装のストラクチャーがめちゃくちゃ格好いいです。

色相環のピースのエッジが立っているのも私的に大好きです(自動車のボディではこういったところは安全上廃されてしまっているので)。

11月のデザインフェスタでは知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)と一緒に出店する予定なので、これらを含め、塗装を施した物を色々販売しようと思っています。

今の環境(諸々の固定経費)でのこういった物販行為はどうしても赤字を免れませんが(なのでとりあえず通販は辞めました)、ワークショップや小物塗装の宣伝を兼ねればそういった催しにも出る意義もあるかと思った次第です。

経営の事だけを考えると仕事をしていた方が間違いないですが、あと25年は働き続けなければならないので(具体的には家のローンがその期間ある為)、環境が変わっても今の塗装の仕事が続けられるよう、色々な事を試しておかないといけない訳ですね。

2022/6/4スニーカー塗装ワークショップ

先日の土曜日は公休を使って、スニーカー塗装ワークショップを開催しました!

Twittterから募集を行ったところ開始早々に定員が埋まったのですが、開催日間近に一名の方がキャンセルされ、急遽募集したところ幸いにして直ぐに埋まってくれました。この辺のスピード感がSNSの良いところですかね。

メンバーは前回のスニーカースプラッシュ塗装に参加された方が3名、新規が3名の合計6名となります。

男女差の比率は、男性3名女性3名で丁度半々でした。いつもの塗装の仕事だとご依頼者は殆ど男性ですから、この辺がワークショップの面白いところかも知れません。

一番時間が掛かる作業がマスキングだと思ったので、ここはゆっくり2時間程度の時間を設けています。

こちらは前回スプラッシュ塗装でご参加された方で、その時に塗らなかった箇所を今回エアーブラシで塗装されます。素晴らしいですね・・・!

という感じでマスキングが完了です。

色に関してはお一人2色までで、やはりというか見る角度で色味が変わるマジョーラ系(実際にはクロマフレア顔料を使ってはいないそれに似た色)が人気でした。

という訳で一階に移動していざ本塗り開始です。

ぶっちゃけエアーブラシでは無く普通のスプレーガンの方が簡単に塗れそうな気もしましたが、塗り過ぎて垂れたりしたらその後のフォローが大変ですし、「エアーブラシを使ってみたい」という方向けのワークショップでもあるので、これはこれで良いかと思っています。車の塗装屋さんなら0.8mm口径くらいの普通のガンで塗っちゃった方が確実に早いですよね。

今回は参加者の他に、知り合いの塗装屋さんが4名いらっしゃって、ガンの洗浄やマスキング等を手伝ってくれたのが本当に助かりました!

ちなみに塗って貰ったのはベースコートだけですが、大抵はカラーベースとパールベースの3コート仕様だったのが想像以上に大変だった気がします。

今回はこの色の準備が大変だったので、今後は「この20色の中から好きな2色を」という感じで予めボトルを用意しておいた方が良いかも知れませんね。

こちらの方は一から色を作成されていました(他人事っぽいのは、この辺の作業は助っ人の方々にお任せしてしまっていたからです笑。いやはや本当に助かりました・・・!)。

オレンジパールとピンクパールをグラデーションされています。自然な配色がとても良い感じです。

その後は私がクリアーを塗装し、恒温機で60℃60分程の熱を掛けて塗膜を硬化させました。そして最後のマスキングを剥がす作業です。

多分塗装作業の中ではこの時が一番テンション上がるのでは!と思ってます(笑)

剥がす前と剥がした後の印象がかなり違って面白いんですよね。

という訳でこの日のワークショップが完了!

練習用に塗って貰ったキーホルダーも添えて貰って撮影しました。

クロマフレア系の2種使ってグラデーションさせた塗装です。素晴らしいですね!

コンバースのロゴは外側では無く内側で、それぞれ違う色のアシンメトリーになっています。市販には無さそうでこれも良いですね~。

スプラッシュ塗装と今回のエアーブラシグラデーション塗装の組み合わせも素晴らしいです。

それぞれの色味を考えての配色が上手くいった感じでしょうか。

こちらの方は前回と同様、塗ったスニーカーをそのまま履いて帰られるという中々凄い事をしていました(笑)。

次回はスプラッシュ塗装を予定していますが、もしかしたら変更になるかも知れません。御希望の方はTwitterをチェックしておいて頂ければと思います。

この度のワークショップにご参加頂いた方々、また手伝って頂いた方々、有難うございました!

NIKEスニーカー塗装 完成

ワークショップ用の素材として、白い無垢のナイキスニーカーを購入しました。比較的安い物で、確か四千円くらいだったと思います。

前回塗装したアディダスのスニーカーは塗る部分(ロゴ)が艶々の素材でしたが、

今回はベースと同じくシボ模様の艶消し状態なので、前回程の艶々には仕上がらない事が予想されます。まあ普通はこうですから問題無いですかね。

まずはマスキングを行います。作業前脱脂も済ませています。

部分的な塗装ではつい塗る部分の周りを最初に貼りがちですが、色々な事を想定するとそこは最後にするのが吉=セオリーとなります。この辺は自動車補修塗装と変わりないですね。

自動車補修塗装ではマスキング作業にカッターを使う事は殆ど無いですが(まさかこれから直す被塗物に万が一でも傷を付けたりしてはいけないという理由で)、ワークショップではそんな細かい事は気にしないで大丈夫です。やりたい方法で色々試して頂ければと思っています(勿論判らない事は聞いて頂ければアドバイス差し上げます)。

ただスニーカーのロゴ部分はフチが浮くので、その隙間にマスキングテープを入れられますから、時間さえ掛けられれば難しい作業では無いと思います。なのでワークショップではこのマスキング作業に2時間を想定しています(手伝ってくれる塗装屋さんも多く居るので、早く終わった方は先に塗って行くという事も可能そうです)。

と言う訳でマスキングが完了です。この後アシレックスオレンジ(布状研磨副資材#1300)で足付け処理も行っておきます。

よく脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗ったら本塗り開始です。

ちなみに本当はこの日にこちらのIWATAトリガータイプのエアーブラシが到着する予定だったのですが、いつもは来ない福山通運さんで土曜日だったからかスルーされてしまい(多分休みで不在だと思われ)、

仕方ないので少し前に二千円ちょっとで購入していたこちらの安価な物を使う事にしました。

結果としてはそのエアーブラシでも問題は無く、

良い感じにグラデーションも表現出来ました。

こちらはイエロー(MIN575)の上に蛍光オレンジを重ねてグラデーションさせています。ちなみに周りにある黒いシミは・・・、

当初はキャンディーカラーを想定していて、だったらレース塗装でも!と思って準備していたのですが、ワークショップにはまだ早い(と言うか時間的にかなり難しい!)と思い諦めました。次は是非チャレンジしてみたいと思います。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。ワークショップでのクリアー塗装は私が行う予定ですが、御希望であればこちらもご自身で可能です。

クリアーはSATAのエアーブラシ(口径0.5mm)で、軟化剤を25%程入れています。自動車ボディ(鋼板)でこれをやるといつまで経っても爪の痕が入る程柔らかくなってしまうのでNGですが、そもそも柔らかい素材なら気にする必要も無いかと思い、今回は規定値より多めに入れて試してみています。当然ですが柔らかい方が割れ難いので。

強制乾燥は後日でも構わなかったのですが、今回はワーク当日を想定し、持って帰れるレベルなのかどうか(ベトベトになっていないか)を確認する為、塗装後すぐに恒温機に入れて熱を掛けました。ただ今回はこれを想定し、前日に塗った物も一緒に熱入れを行って効率化を図っています。

通常であればマスキングも塗った後に剥がしておきますが、今回はこの状態のまま熱を入れておいています。

ただこの状態だと余り良い色味とは言えず、配色に失敗したか・・・とかなり凹んでいたのですが、

マスキングを剥がして素地の白が見えると、中々良い感じに思えて安堵しました。

ワークショップでは2色まで利用出来る事を想定し、今回グラデーションを試してみました。

軟化剤を規定量以上に入れたクリアーは問題無く、これならワークショップも問題無いかと思います。ようやく安心しました!

各色は、通常のSTANDOX原色を基に作った色を下に敷き、その上にキャンディーカラーや蛍光色を重ねた乗算でのグラデーションとしています。

これのみ色を重ねないでグラデーションさせた例ですね。ブガッティのティファニーグリーンに似たライムグリン―と、蛍光ピンクの2色となります。

イエローの上に重ねた蛍光オレンジは透明度が高いので、一色だけのグラデーションでも粒子感が目立たずに出来ていると思います。

今回サンプルを作ったスニーカーのワンポイント塗装のワークショップ概要はこちらで紹介していて、募集してから数十分で埋まってしまったのでこちらの社外記ではご案内出来ませんでした。

今後は毎月1回はワークショップを開こうと思っていて、ただ中にはエアーブラシは不安と思っている方もいらっしゃると思いますから、以前行ったスプラッシュ塗装と交互にやっていければと思っています。後は本気で塗装を学びたいというガチの方向けの講習とかもやりたいですかね。