猫型ドット画キーホルダー作成

今年の4月頃にお迎えした保護猫のつくねですが、

スマホのアプリで作って貰ったドット画を元に、

Illustratorでベクターデータを作成、

色見本帳から実際の色に近い感じの物を彩色し、

良さそうな色を選んだら、

それをデータ化して、

レーザーカットしたアクリル板に塗装を施しました。

それらのパーツを組み合わせ、いつもの土台に取りつけたら完成です。

枠は余っていた物を使ったのでマット地で、

中央のつくねと背板は艶あり仕上げとなっています。ちょっと判り難いですかね。

リュックに取り付けて撮影をしました。

一応は「色見本」を銘打っているので、それぞれ使った色はデータも残しています。

それぞれの色について具体的に言うと、


■背板の白・・・VWキャンディホワイト(LB9A)

■枠と目と口の黒・・・STANDOX原色 MIX571

■目の黄色・・・フェラーリGIALLO MODENA(4305)

■顔のグレー・・・PRO_Fit Color Chip Gray No.5


となります。なので後で同じ物を作る場合、これと全く同じ色で再現が可能です。一見当たり前の事のようですが毎回これを行おうとするのは結構な手間で、ぶっちゃけ適当に混ぜて作った方が断然楽だったりしますが、そこは塗装を仕事にしている身としてはちゃんとしておきたい所ですかね。実際企業様からの案件で、最初に御依頼頂いたマイクの塗装から数年経って「前回塗ったマイクと全く同じ色で」と御依頼頂いて、しっかりそれに応えられた経緯があったりしますので。

フィギアとかでは無い、こういった2次元的な物への塗装となると、どうしても単調な感じになり易いですが、今回のようなピクセルアートだと塗装との相性が良く、また組み合わせ次第で色々なキャラクターが作れるのが良い所だと思います。今後ワークショップやデザフェスでの販売といった事も出来そうな気がしています。

またそれぞれのパーツは1ミリ、2ミリ、3ミリと、それぞれ厚みの違うアクリル板を使っていて、立体感があるのもアクセントになって面白いと思っています。立体物に施された塗装は見る角度や光の当たる方向によって違った表現を感じられる(フリップフロップ性)のが良いところで、また塗装の質感は素材そのものに比べると段違いに良いですから、一度それを知ると(見ると)、また御願いしたくなるという事で当店

その後違う種類の猫ちゃんも作りました。

また普通に塗装で行っても面白いかと思い、時間が出来たらマイクの色見本なんかも作ってみようと思っています。

デザフェスでの販売方法としては、各色に塗装したパーツを購入される方に選んで頂き、その場で組み合わせてオリジナルのキーホルダーを作る!みたいな感じを考えています。

ゴールデンウィーク前から続いていた忙しさがようやく落ち着いてきたので(結局GWも夏季休暇も一日も休めていません・・・)、何とか年内に形に出来ればと思っています。

貸し切りワークショップ

以前紹介した貸し切りワークショップはその後も何回か継続していまして、先日ついに修了となりました!

ワークショップで塗っていたのはイラストが描かれた履物の土台部分で、こちらは海外で展示・販売するアート作品との事です。透明レジンの各層にイラストが描かれ、そのままでも十分良い作品だと思うのですが、以前ご参加頂いたサーモス塗装ワークショップで塗った際の塗膜の美しさに感動し、是非自分の作品に自らの手でやってみたい!という事でマンツーマンのワークショップを開催する事にしました。

先ほどの状態からダブルアクションサンダー#120で研磨して段差を平滑にし、その後#180→#240→#320→#400と番手を上げ、最後に#600→#800→#1500の水研ぎでペーパー傷を均します。尚仕事では無いので全部ご自身の手でやって頂いています(その後筋肉痛等でかなり大変だったみたいです)。

ガン距離がかなり離れていますが、やはりというか慣れていないと「塗り重ね」「運行スピード」を一定にするのは難しいようで、なのでその辺を確実に出来るよう必要以上に距離を取ってゆっくり塗って貰えるようにしています。多すぎるオーバースプレーもその為ですね。

塗装後は30℃程で30分程初期乾燥を行い、その後60℃1時間の熱をかけて塗膜を硬化させます。

 塗って直ぐに熱を入れたくはないのですが、その日に持って帰って頂くので多少無理はしている感じですかね。

穴の部分に紐を通して実際に下駄として使えるようになります。

各イラストは層を変えて描かれているので立体的に感じられます。

その他違う形の物も塗っていて、たしか全部で4回になったと思います。

フチの木の部分には違う色で塗るのでそこにはクリアーが付かないようにしています。

動画も撮影してそちらはTwitterでアップしています。

この時の方がガン距離は近く、自然に塗れていた感じです。

その後花緒を着けた画像がありました。

やはりと言うか素材単体で見るよりも、それぞれが組み合わさって出来て良く様が良いですね。

そして最後のワークショップです。

尚、これらの作品を作られている方は上記の「ビールの妖精」さんで、ツイッター(X)よりもインスタで多くの作品を紹介しているので、そちらを見る方がお勧めですかね。

こちらが最後のワークショップで塗る作品です。透明レジンで造られた物で、予め透明なブルーと、その上にクリアーがコートされています。事前のテストでチヂレ等問題が起きない事を確認しておきました。

このように雲の上にキャラクターが乗るような構造になっているとの事で、当店で行うワークショップではこの雲にスタンドックスのクリアーを塗る作業となります。

全体を塗るには固定する部分が必用で、下側に穴を開けてネジを挿せるようにしています。ちょうど知り合いの原型師さん(くまさん)が遊びに来ていたので手伝って貰いました(笑)。

そして後日、最後のワークショップ無事修了です!

貸し切りのワークショップは1時間あたり¥5,000とかなり割高になりますが、今回のように予め着色まで終えておきあとはクリアーを塗るだけ!という事でなんとかなった、という感じですかね。

確かにラッカーや10:1のアクリルクリアーではこういった質感の艶は出せないので、そういった点では今後も需要はあるかもです。8時間で4万円なら仕事としても成り立ちますし。

こちらは最初のテストで塗った時の画像です。いつものように編集加工はせず、サイズの縮小のみ行っています。

表面にあった無数の巣穴を埋める為にかなり強引にクリアーを塗り重ねていて、垂れたクリアーが一番下に溜って固まった状態ですが、こうやって見る分には一番仕上がりが良い物だと思います。

雲の上に人形が乗せられる形状になっていて、

そちらの人形も華やかに彩色されるようです。艶々な塗装とマットな質感の組み合わせが凄く良さそうです。

貸し切りワークショップはこれでひと段落したので、次はいつものように多人数で行う催しをしようと思います。折角都内に工場を構えてやっているので、人が集まり易い今の内にもっとワークショップをやらないとなんですよね!

色見本キーホルダー 色相環12色+αイモリ 完成

Twitterのアイコンにもしているイモリ+色相環12色のキーホルダーですが、ようやく商品化出来ました!

元々は単にイモリと色相環12個のピースを枠の中に置いた物を撮影しただけの物で(固定されていないのでバラバラになります)、

その後それを大きくした物をデザフェスに持っていったところ「それは買う事は出来ないのですか?」と聞かれたので、

いつか製品化&量産しようと思っていたんですよね。

イモリの色は色相環の12色とは別の色にしていて、今回はPANTONE322を参考にして作成したグリーンと、BUGATTI「TIFFANY GREEN」(V603)の水色で塗装した物の2種類で作成しました。私的にはパントンのグリーンの方が好きなのですが、ネームバリュー的にはティファニーグリーン(ブルー)の方が強いので需要はあるんでしょうね。

作成方法としては結構面倒で、当初は先に枠の中に配置してシリンジで樹脂を注ぐ方法を試してみたのですが全く上手くいかず(表面張力の強さを思い知らされました…)、なので土台の枠より少し小さくした治具(透明な枠)を用意し、それに予め色相環のピースとイモリを配置して納めた物を作って一気に落とし込む!という方法を採用するようにしました。ちなみに先に樹脂を注いで一個ずつ配置する方法は一番うまくいきませんでした(それこそ表面張力でグチャグチャになります…)。

バリ取りとこれらの治具にセットする作業に結構時間が掛かるので、これらの作業は自宅で夜な夜なするようにしました。工場でやるとまた銀行残高が大変な事になりますので…(仕事は仕事としてこれらはあくまでも自宅に帰ってから時間が余ったらという感じです)。

土台は予め組付けた状態で段ボール片に固定し、周りをマスキングしておきます。

自宅で作成しておいたイモリ+色相環12個ピースです。

接着面は#400で研磨して足付け処理してあります。

土台部分とピースそれぞれの接着面にプラスチックプライマーを塗布します。PMMA=アクリル樹脂はそのままじゃくっつかないですからね。

転写用のシートを貼り、剥がれ易いようにしておきます。

土台部分にタップリクリアーを塗ります。通常塗装する際のエアー圧では吹き返しが強すぎて隅まで入らないので、エアー圧を落としてガン距離を2cmくらいまで近づけてとにかくタップリ塗ります。肌がウネウネになっても構いません。

その後治具の枠に納めたイモリ&色相環12色ピースを指で押し込んで枠の中に落としこみます。

枠を外し、

マスキングを剥がしたら一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けてクリアーを硬化させます。

そして完成です!

今までのキーホルダーと違って「背板」が無いのでそれぞれのピースは嵌め込みにはなっておらずクリアーのみで保持されているので、足付け処理とプライマーの塗布は必須、またクリアーをタップリ塗る事でフチにも回り込むようにしています。

最初に作った試作品は実際にリュックに装着して一か月以上使っていて、こちらは足付け処理もプラスチックプライマーも塗っていない状態で大丈夫ですから、今回の物はさらに剥がれ難くしていますから実用でも問題は無いかと思っています。

それにしても面倒なのが各ピースの「バリ取り」で、これに多くの時間を費やしますから、今後の量産はちょっと厳しいかな・・・と思っています。

ただこれのキャンディーカラーVer.も作りたいので、次はそれにチャレンジですかね。

販売は当ウェブショップで、7月16日の21:00から開始予定です。宜しければご検討くださいませ!

15cm色相環壁時計 完成

現在壁時計は15cmの小さい物をメインに制作・販売していて、ただやはりと言うか仕事の合間にそれを行っているとどうしても効率が悪いので、

普段はワークショップでしか使っていないこのスペースに、

天井から照明を吊るして下まで降ろせるようにし、この場所で細かい作業が出来るようにしました!

仕事で使っている机はそのままなので、こちらは作業途中の状態でも片付ける必要が無く、それで大分効率が良くなりました。

以前は夜遅くまで工場に残って作業をする事がありましたが、首を痛めて、さらに最近猫をお迎えしたという事もあって出来るだけ早く帰るようにしているので、これらを片付けないでそのままに出来るのは精神的に楽になりますし、作業効率も上がります。

これまで針はムーブメントとセットで一つずつ買っていましたが、纏めて買った方がコストを下げられるので別々で揃えるようにしています。

それぞれの針は既製品なので、取り付ける時計によって長さをカットしてサイズを合わせます。

その後動作チェックをして問題無ければ、

箱に梱包します。

針が剥き出しのタイプは取り扱いがデリケートになるので、背面をしっかりケースに固定して動かないようにし、

この状態のままで発送できる様にしています。

シールは透明シートに白で印刷した物を知り合いの塗装屋さん(GUNさん)に作って貰いました。

取り扱いについての注意事項の記載もシールにして貼っています。私的に「ハンドメイドだけど大量生産品のようなカチっとしたクォリティ」が好きなので、それに近づくと嬉しいですね。

オプションをつけるとたかが15cmの時計でも1万円を超えてしまう金額になりますが、それでも利益的には「仕事をしていた方が全然良い」という状況なので(と言うよりこれらはその殆どが赤字です…)、あまり入れ込み過ぎないように注意は必用ですかね。

「だったらアルバイトでも雇ってそれ専用の生産ラインを作れば」と思うかも知れませんが、結局どれも人にやらせたくない(全部自分がやりたい!)という性格なので、このスタイルは変わらないですかね。

とりあえず15cm壁時計はここで一旦休憩とし、次は色見本キーホルダーの新作(ウォルナット仕様)を作ろうと思います。

あと特別に20cm壁時計も作ったので、そちらも後日紹介しようと思います。