新パウダー顔料3色

 注文していたパウダータイプの顔料が届いたので早速テストを行いました。3色の顔料で、4種類の色見本を作成しています。

 パウダータイプの顔料をバインダー(樹脂)で50倍くらいに薄め、黒く塗った下地の上に重ねてクリアーをコーティングしています。

 正面は鮮やかなグリーンで、透かしの青に綺麗にグラデーションしています。

 またパール目の荒々しさもあって、マイクにもよく似合いそうな感じです。

実はこの顔料は違う使い方を想定していたので、今回思わぬ収穫でした。

 そしてこちらはピンク系です。

 深みのあるバイオレットが良い感じで、これもマイクに採用出来そうです。

 一色だけでこの色変化ですから中々脱帽です。

 そしてこちらはゴールド系です。

 ゴールドとなるとやはりキャンディーカラーの方が断然綺麗なので、こちらはお蔵入りになるかもです。

 そしてこちらは白系です。下地に白(VW社キャンディホワイト)を塗った上にパールを重ねていて、当初はホログラムっぽい色変化を期待していたのですが、ちょっと違う感じでした。

それでも平面で見るとグリーンの発色が綺麗で、これはこれで使えるかと思ったのですが・・・、

立体になると余りパっとしません。

ただこの顔料、一番最初に紹介したグリーンと同じ物なんです。顔料の黒い粒粒が目立たないので元々白系として使おうと思っていた物ですが、黒に重ねた方が断然色変化が楽しめるという事でそちらに利用出来そうです。

ちなみに以前知り合いの塗装屋さんから譲ってもらった顔料にも見ているのですが、

(↓これです。)見比べてみるとこちらよりも彩度と輝度が高い感じでした。是非今度の小物塗装屋会でも確認して貰おうと思います(コロナウイルスの影響で延期になりそうですが・・・)。

と言う訳で使える色は二つあったので、近々マイクの色見本も作ってみようと思います。白ももう少しサイズが大きければ良さそうなので、一応こちらもマイクに塗っておきますかね。

パウダー顔料クロマフレア風No.4

 先日新たに取り寄せていたパウダータイプの顔料です。

色味はマゼンタっぽいピンクから、

オレンジ色に変化する、クロマフレア風の顔料No.4です。

これをいつものようにバインダー(液状の樹脂)に混ぜ、STANDOXのベースコートとして使います。

 また今回は下色をそれぞれ変えた4種類を作成する事にしました。大まかに「黒」「赤」「金」「ピンク」といった感じです。

画像右側は下色を黒にしたものです。

クロマフレア系の顔料は下色を「黒」にする事がセオリーでしたが、下色に色味(色相・彩度・明度)のある物を使う事で、どのように色が変化するのかが判る色見本を今回作ることにしました。以前知り合いの塗装屋さんが色々試していたのを聞いて、私も実際にやってみたかったんですよね。

 こちらは下色を赤系のパールメタリック(具体的にはプジョーEKQ)を塗ったものです。先ほどの黒より色が濃くなっているのが判ると思います。

 こちらは下色にマゼンタを塗ったもので、使用したのは以前塗った迷彩ピンクの②です(4種類の内、明るいほうから二番目の色)。左端がゴールドですね。

 当店で使う色見本で重要なのは「良い色を作る」という事ではなく、どれだけ再現が可能かという事になります。絵の具のチューブから少量ずつ出して筆でグリグリして、それを紙に塗って取っておいても余り意味はなく、見本で用意した物と全く同じ色で塗れる事が重要だと考えています。

 と言う訳で、それぞれの内容が判るよう、いつものようにプレート化しておきました。

 こちらが下色を黒にした色で、怪しい感じはあるのですが、発色はあまり良くないのが判ると思います。今まではこれで終わりにしていたので、今回のようにイマイチだった顔料は次回使う機会は無くなっていたところですが、下色を変える事で使い道が出てくるのでは・・・!と思った次第です。

 こちらは下色をゴールドメタリック(STANDOX原色 MIX806)にしたものです。色味が明るくなり、オレンジが強くなったのが判ると思います。

こちらは下色を赤パールメタリック(プジョーEKQ)にしたものです。まさに赤味が強くなって濃くなっています。

そしてこちらはピンクカモフラ②です。淡いピンクな感じで、今回この仕様が一番良かったと思います。

ちなみに下色を「白」にした仕様も試してみたのですが、クロマフレア系の顔料特有の「黒い粒粒」が見えてしまったのでそれはボツとなりました。下色にはある程度明度が低くないとダメなようですね。

尚、私的には今回のクロマフレア系No.40よりも、以前試したNo.4の方が粒子が細かくて上品に感じるので、今度はこれらの下色とそれを組み合わせてマイクの色見本を作ってみようと思います。

 その他ガラスフレークの色見本も出来ましたので、こちらは後日改めて紹介したいと思います。

色見本マイク クロマフレア風No.19

 結構前に塗っていたのですが、一応途中工程の撮影をしていたので紹介したいと思います。

画像は新しく作ったシリコーン型で、色見本用の樹脂製マイクを作っているところです。当然ですがマイクとしては使えません。

 塗装した色は以前も紹介したクロマフレア風のパウダータイプ顔料で、「緑→青→紫」に変化するNo.19です。下地に黒を塗り、その上にバインダー(樹脂)と顔料を混ぜた物を塗り重ねています。

 この顔料は透明感のある青緑が綺麗で、さらに透かしのバイオレットが鮮やかなのが特徴です。

こういった色は適当な色名をつけた方がユーザーには判り易いかも知れませんが、元々売っている色(顔料)に勝手に名前を付けるというのはどうなのかと思い、当店の場合は商品名の一部をそのまま利用するようにしています。

尚、社外記でも仕事の塗装に関わる物は画像の編集加工はしないようにしています。これも結局のところ後で墓穴を掘る事になりますので・・・(代わりに自分が塗った物でないものなどはストレス発散も兼ねてPhotoshop Lightroomでガンガン弄ったりします。笑)。

 そして完成画像です。こちらはストロボを使って撮影しています。

 使った素体は以前作成した物で、「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程も行っています。

ブルーグリーンからバイオレットへのグラデーションが美しい顔料です。

 ストロボを使った撮影のメリットとしては、レンズの絞りを小さく出来る事で(F14~F18)、これにより被写界深度を深くする事ができ、被塗物全体にピントが合わせられるようになります。

こういった撮影や機材などについてはネットでは余り詳しい事を紹介していなく(後で知ると敢えて伏せられているような事もあって大変でした・・・)、書籍も色々買ったのですが、そもそも使っている機材を持っていなかったりしたので(そしてどれも三脚を使っているので)、最終的にはプロの方に教えを乞うという事で全ての疑問が改善されました。

使用しているストロボなどについてはこちらの記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

こちらは蛍光灯で撮影した画像です。この場合だとストロボ程の明るさが無いので絞りはF5.0~F8.0くらいとなりますが、全方向から光を当てているので被塗物全体を見渡せ、色も自然な感じで見れるようになっています。ストロボで撮影した画像に比べるとコントラストが小さくなります。

 格好よく見せるなら被写界深度を浅くして背景を暈したりするのですが、カメラの事を知っている人からすると「上手く誤魔化したな」と思う筈なので、紹介する画像は出来るだけ色々な角度や状況で撮影するようにしています。

 こちらは自然光で撮影した画像です。

 完成時の撮影に使っているカメラはNIKON D200で、レンズは同社の20mmかマクロ40mm、ストロボ以外の撮影ではISOは250、ホワイトバランスはオート、シャッタースピードと絞りはマニュアルでその都度変えています。オートフォーカス以外の機能は殆ど使わないので、カメラが古くてもそんなに不便ではありません(と言う負け惜しみでもありますが。笑)。

こういった色見本を作っても一円のお金にもなりませんが、当店の場合はこれが営業(宣伝)の全てを担っているという事でもあるので、ある意味好きな事をして仕事が出来ているのは幸いだと思います。と言うか子供の頃の私からすると今はまさに夢のような環境です(笑)。

マイク塗装のご依頼についてはこちらのページからお願いいたします。

ピンクゴールド色見本 作製

 仕事のマイクの塗装案件で、一部に「ピンクゴールド」といった色でご指定を頂いていたので夜な夜なその作業に勤しんでおりました。

 色々試してみた結果、こんな感じが良いのでは?と思い、

 実際に色見本に塗装する事にしました(何気にかなり時間を掛けています)。

尚、先ほどの色板の下色はイエローの原色で、その他「白」など下色に塗った物を用意しています。

 そしてその上に、角度によって色の見え方が変わる「クロマフレア」風系の顔料(No.4)を重ねています。下色を「黒」で行った場合は既に検証していますが、今回は明度の高い色を試してみよう!と言う作戦です。

普通の顔料では出せないような綺麗なピンクの色味は出てくれたのですが、

 如何せん透かしのゴールド(オレンジ)が強過ぎる!と言う事で、これらはボツにする事にしました。

とは言ってもこれはこれで良い色なので、今後マイクの色見本も作製して施工例を増やしていこうと思います。普通のパールでこんなピンクは出せませんからね。

 と言う訳で改めて一から色を作り直しました。今度は間違いがない感じで、私は一体何をやっていたんだか・・・(苦)。

色の造り方については事前に知り合いの塗装屋さんと色々と話していて、これしかないでしょう!と言う方法は最初から判ってはいたのですが、うっかり簡単に出来てしまうと逆に不安に感じてしまう気がして、「もしかしたら他にもっと良い色が出せたのでは・・・」みたいな事を考えたら大分遠回りをしてしまいました。馬車馬のように働いているのに会社のお金が全く増えないのは、きっとこの辺に理由があるのではと・・・。

と言う訳で、概ねこんな感じで色が出来ました。予想通りで間違いありませんでした(笑)。

 ちなみに他には着色オレンジメタリック系も試していたりして(ゴールドに見えますが着色オレンジメタリックです)、

 さらに輝度感の高いゴールドフレーク(?)を使い、

蛇紐金印みたいなゴールドを作ってみたり(笑)。

いや、最近頂いたお問い合わせで妙にエグイ金色の塗装があったので、調色作業をした序でに「王様ご用達」みたいな色見本も作っておきたいと思ってしまいまして・・・。

そしてこちらも無事クリアーを塗って色見本本塗り完了です!

一応本物らしく薄いピンクと、もう少し色味が判り易いよう少し濃い色とで2種類作っておきました。

 こちらが濃い方ですね。ちょっとゴールド感が強いかと。

こちらが薄いピンクで、色味の淡さ加減が良い感じだと思います。

今回知り合いの塗装屋さんに言われて気が付いたのですが、実はコーラル系ピンク=「ピンクゴールド」は表現するのが難しい色!と言う事で、ただもう仕事を請けてしまったので先にこれを終わらせておきたかったのです。

と言う訳で色々良い色が出来たので、今度色見本用のマイクも作っておこうと思います。