クロマフレア風顔料

 少し前に購入したパウダータイプの顔料です。パッと見は通常の偏光パールに見えますが、マジョーラのような光干渉型に近い顔料です。

 ちなみにもう一方のボトルに入っている塗料は、以前当工場に遊びに来たアートトイペインターのGUNさんに頂いたマジョーラのアンドロメダⅡです。

この「マジョーラ」は日本ペイントの商標(商品名)で、最初からリキッド(液体)タイプなので当店では仕事としては使えません。2:1のクリアーなら多分問題無いと思いますが、仕事上であればそう言う訳には行かないのです。

尚、マジョーラに使われているChromaFlair顔料は、(確か)米国JDSU社で販売している物で、それが顔料単体=粉末の状態で手に入れば一番良いのですが、現状ではそういった物が無く、STANDOXユーザーが補修などでこのマジョーラカラーを使う場合にはDUPONT(今はCROMAX)のchromalusion colorを使うのが一般的となっています。

クロマリュージョンカラー(クロマフレア顔料)については以下の記事でも紹介していますので宜しければご参照下さい。

特種塗料と言うかクロマフレア顔料

厳密にはこれもSTANDOXとは別の製品となりますが、デモマンも了承の上でこうするのが業界の通例となっています。以前当店で塗装している物も同じくDUPONTのクロマリュージョンカラー塗料です。

 と言う訳で早速使用テストをしてみました。左奥がニッペのマジョーラアンドロメダⅡで、右手前が今回のパウダー顔料です。

マジョーラ、もしくはクロマリュージョンカラーとの違いとしては、

・若干色変化が甘い(低い)
・若干色の濃さが甘い(低い)
・若干パール目が粗い(粒子感が判る)

といった感じですが、今回の強みとしては顔料がパウダーと言う事なので、これらの事を踏まえても全然許容範囲内です。と言うかよく見つかった・・・!!なと。

塗料は大きく別けて「顔料」「樹脂」「溶剤」「添加剤」で構成されていて、今回はこれの色の着いていない塗料=「ベースクリアー」にパウダータイプの顔料を入れて使う事により、「スタンドックスのベースコート」として使う事が可能となる訳です。これこそが今回一番意味がある事で、これでようやく大手を振って使えます。

STANDOX (幻の)Liquid Silver

ちなみにスタンドックスにもリキッドシルバーのような特殊な顔料=エクスクルーシブラインなる塗料があるのですが、製造は初期ロットのみで増産は一切しないと言う何故か鬼の様な仕様で(!)、それで塗ってしまったユーザーは(そして塗られてしまったお客様も)、その後何かあった時に困ってしまう訳です。うちにも何度か残っている塗料を売って欲しい旨のお問い合わせがありましたが、頂き物なので断らさせて頂いております。申し訳御座いません・・・。

と言う訳で、もう少し様子を見て、大丈夫そうなら今後仕事でも対応出来るようにしようと思います。どうぞご期待下さいませ(コストをかなり落とせると思います)。

色見本マイク クロマリュージョンカラー 完成

 まるで日記の記事みたいですが、今回はオーナー様が居る訳では無いのでこちら社外記での紹介となります。ただし撮影自体はいつも仕事で行っている通りで、画像の編集加工は無しとしています(撮ったままのJPEG画像を半分のサイズに縮小したのみです)。

 塗装は先日紹介したDUPONTのクロマリュ―ジョンカラーで、撮影環境はこちらも少し前に紹介した第二撮影スタジオ(仮)です。

いつも撮影している場所は机がただの白(IKEA製)ですが、ここはガラステーブルになっていて、下から光を当てられるようになっています。マイクの形が尻すぼみ(逆円錐形)になっている為、塗装面に下からの光が当たって良い雰囲気に撮れているのだと思います。

 グリルボールは金属ですが、本体は色見本用として樹脂(ウレタンレジン)を型に流し込んで作製した物なので、マイクとしては使用出来ません。また実物は溝の所で分割出来ますが、それも出来ません。

 今回使用したクロマリュ―ジョンカラーの塗料は、見る角度によって青→紫→オレンジと色が変わる特殊な顔料が使われています。クロマフレア顔料は元々米国((多分Flex Products社)の物ですが、日本では日ペからマジョ―ラとして販売されています。

自動車補修塗装(板金塗装)では殆ど出番の無い塗料なので、今までは余り興味はありませんでしたが、今回テスト的に塗装してみたマイクなど、改めて使ってみると面白そうな物は結構ありそうです。

ただし塗料自体かなり高額なので、今回のように面積は小さい物など使用用途は限られますかね。何にしても材料費は調べてみようと思います。

色見本用マイク 本塗り

先日本塗りの準備をしておいたSHUREマイクの色見本品です。

 グリルボールがまだ必要数揃っていないのですが、取り敢えずこの一個だけはあるので、まずはマジョーラ系のクロマリュージョンカラーで色見本を作ろうと思います。

 下色にまずベースコートの黒を塗り、

 極少量だけ在庫しているDUPONTのクロマリュージョンカラーを塗布します。詳しい原色名は判らないのですが、恐らく下の画像の真ん中の色だと思います。

特種塗料と言うかクロマフレア顔料

 また今回白とシルバーのロゴデカールを作製しました。

 こんな感じで貼って、

 クリアーを塗って本塗り完了です。

ちなみに今回はデカールのテストも兼ねていて、これを貼ってから1時間程で本塗りを行いました。デカール部に塗った1コート目のクリアーは少し遠慮気味にしましたが、40℃60分の強制乾燥で問題無く仕上がっています。

 グリルボール部はシルバーとの2トーンカラーにしようと思ったのですが、今回は余すところなくクロマフレア顔料で埋め尽くしたかったと言う事もあって(笑)、少々クドイとは思いましたがベタ塗りで挑む事としました。

 まるで横から赤い照明を当てているようですがそう言う訳ではありません。見る角度によって色相が変わるのがクロマフレア顔料の特徴です。これがステージ上だとどんな風になるのでしょう。

 ちなみに表面のロゴは白色に、

 裏側(穴の開いた方)はシルバーのロゴにしてみました。

見本用なのでどちらも判るようにと思いきや、最初に白を貼った段階で「シルバーの方が良かったんじゃ…」と思い、急遽裏側にも追加したと言う訳です。他にはゴールドや、私は持っていませんが青メタリックのインクも良さそうですね。

今回最も色の変化が楽しめたのはこちらの注型ミニカー型の色見本で、やはりと言うか一方向からの視点で色々な角度の塗膜を見れるこの形はアピール度がとても高いです。

今なら色々使い道がありそうなので、改めて導入を検討してみようと思います。

特種塗料と言うかクロマフレア顔料

croma 塗料的には今更な感じもしますが、日記で紹介する施工例でこの塗料を使った物があったのでついでにこちらでも紹介しようと思います。少ないネタを効率よく使うという感じでして御理解頂ければと・・・。

croma1 一般的には「マジョーラ」と呼ばれる塗料は日本ペイントなる塗料メーカーの商品名でして、各塗料メーカーによってその呼び方は違います。

この色見本はDUPONT社の物で(今は塗料部門は買収されてアクサルタでしょうか)、「クロマリュージョンカラー」と呼ばれる物です(間違っていたり変わっていたらすいません)。

croma2こういった色に使用されているクロマフレア顔料はパールの一種で、表面層で光を反射させつつ透過もさせ、さらに中央層でも光を反射させるという多重層によって、見る角度によってみるみる色が変わって見えると言う優れ物です。

塗料自体はそんなに真新しいという物では無いのですが、如何せん材料費が高いので一品物への使用となるとその点でハードルが高いかも知れません。尚当店でも一応施工例はあって、昔の日記でも紹介していますので後日改めて今の日記に施工例として紹介したいと思います。

croma3 同じ色でも見る角度によってここまで色相が変わると言うのは確かに他に例は無いかも知れません。綺麗にグラデーションして見える所がまた良いですよね。

croma4 私が持っている1色は多分この色だと思います。グリーンが入っていない青・紫・オレンジに変わるタイプの物ですね。

croma5 私的な見解としては、この見本のように曲面と平面、そして急激にラインが変わるプレスラインを併せ持った形だと一番効果的に色の変化を表現出来ると思います。ボンネットのような平面の1パネルだけこれに塗っても余りパッとしないのですが、全体にこれが塗られるとそれぞれ見る角度が違いますから凄いことになります。

croma6 使い方としては、上塗りに使う塗料(クロマ顔料)自体はパッケージのままが基本で、調整は下色で行います。DUPONTの場合は黒から白までを7段階に分けていて、これさえ控えておけば後で再補修をする際も調色作業が不要(!)と言う事になります。と言っても他人が塗っていたり他メーカーの物だったり、また厳密には膜厚も揃えないといけないのでそんな簡単な話でも無いと思いますが・・・。

croma7材料費の半額をご負担頂ければお取り寄せも可能です。定価は6万円くらいなので、塗装費とは別に3万円・・・と言う感じでしょうか(勿論使用量は半分以下に限られますが・・・)。

ちなみに現在制作中のR2-D2のボディの一部に使ってみたいなんて思っていたりしますが、やっぱり邪道かなと(笑)。