タッチミキサー改 塗料自動撹拌機

先日購入しておいたヤマト科学のタッチミキサ MT-51(中古品)です。うちで使っている恒温機等の実験器具で有名なメーカーですね。

スイッチは二種類あって、真ん中の2番は常にオン状態となり、一番上の1番のスイッチは、

上の台座に攪拌したい物=試験管等を押し付けるとそれがスイッチとなって振動する仕組みになっています。

またボリュームで振動(スピード)調整も出来ます。

上のクッションシートを剥がすとネジが出て来て(固定は両面テープだけか!と)、

ネジを外すとシャフトが現れます。今回やろうとしているのは、ここに塗料ボトルを固定する土台の作成ですね。

ちなみに塗料の攪拌方法としては、

このような浸透器を使ったり、

そもそも原色はミキシングマシーンで攪拌出来るようになっているのですが、

気温が低い今の時期は原色ままの状態だと粘度が高く、それが小分けボトルに入れてあるとどうしても攪拌に時間が掛かってしまうので、だったらという事で今回のように強力なタイプを導入してみたという訳です。

ちなみにディーラーに居た時は専用のペイントシェイカーを使っていましたが、これが意外と高いのと(たしか5万円くらいかと)、あと私が使っているような小分けボトルには適していない気がしたので導入には至っていません。

以下の様な物ですね。

ただ沈殿して固形化し易い白の原色やサーフェサーの場合は、これを使っても完全には攪拌出来ない場合があります。3時間くらい動かし続ければどうにかなるかも知れませんが、だったら金属ヘラで底の角に固まった塊りを掬った方が早いですね。

と言う訳で、いつもの通りIllustratorでデータを作り、

レーザー加工機を使ってアクリル板を切り出します。

こういう時は3Dプリンターの方が使えそうな気もするのですが、レーザーを使った工作はとにかくトライアル&エラーが早く出来て、あと材料費が掛からないのも有難いですね(アクリル板は一箱千円で買っている端材です)。

厚みが5mmもあればアクリル板でもタップが効くので、ネジ山を立てておきます。

元々丸かった土台を大きめの四角に変更し、

スペーサーもアクリル板から切り出して作成し、

それぞれを組付けます。ちなみに主に使っている塗料ボトルは3種類の太さがあって、固定する枠はそれぞれに対応出来るよう穴のサイズを変えてテーパー状にしています。

一番上の枠を可動式にしてあり、指で引っ張って広げてボトルを入れてバネの力で固定出来るようにしています。

と言う訳で完成です!

スイッチオン!で、良い感じに攪拌されていきます。

動画も撮影したので紹介しますね。

しかしながらボリュームをMAXにするとボトルが回転して台から飛び出す!という事となり、固定方法の甘さが露呈されました・・・。

とは言ってもホビー用くらいに弱い振動なら全然問題無く、ただ折角なのでやはりここは機械の性能を100%活かしきりたいと思うのは作業者の性ですから、もう少し改良してMAXスピードでも使えるようにしようと思います。

焼付型チヂミ模様塗料 小分け販売

少し前に知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)に頼まれて販売した塗料です。

左から、キャンディーゴールド様に調合した「イエロー:オレンジ=5:1」、「キャンディーイエロー」、「STANDOX MIX571(原色黒)」、「結晶塗装 赤」です。

キャンディーオレンジとイエローに関してはハウスオブカラーでは無く、知り合い塗装屋さんから1リットル缶に小分けして売って貰っている物です。なので商品名と言うのが存在していません(恐らくは製造元が一斗缶から小分けしている物で、正規の商品名と言うのを私は知りません)。

黒に関しては、GUNさんが使っている塗料の黒だと隠ぺい力が弱いらしく、わざわざSTANDOXのをご希望されました。他のメーカーのベースコートに比べると臭いので苦情が来なければ良いのですが(笑)。

そして結晶塗装の赤ですが・・・、

折角なのでうちも販売する事にしました(笑)。

実は15年前には既にこれの小分け販売をしていたのですが、本業(自動車補修塗装)が忙しくてそれどころではなくなり、その後色々あって止めていたのです。

今回GUNさん用にとりあえず当時のパッケージを使って造ったので、だったらという事でウェブショップに並べる事にしました。

 塗料自体は大泰化工社の「焼付型リンター」なる製品で、一斗缶で購入しているそれを、こちらの250ccのボトルに小分けしただけです。主剤200ccに対して同社の専用シンナーを20%=40cc入れてあります。

商品についてはオフィシャルサイトのこちらのページをどうぞ。

当店の場合はこれ専用のシンナー(リンターシンナー)を使って希釈していますが、当初は「洗浄用シンナーで大丈夫ですよ!」とオートサプライヤーさんに言われてそうしていたので、自家塗装等でそんなに拘らなければ手元にあるウレタンシンナーやラッカーシンナーで構わないと思います。「どうしても!」という場合には専用シンナーも販売可能です(ただそれよりも何度も塗って技術を向上させた方が良いと思います)。

結晶塗装を行うと、こういった仕上げの塗装が出来ます。

ただし塗料を硬化させる為に120℃~170℃程の熱を30分ほど掛ける必要があるので、その設備が無いと難しいと思います。ネットで見てみるとストーブの上に置いたりしている姿もありますが、気温の低い冬場などは意外に温度が上がらなかったりするのでお気をつけください。

結晶目は塗り方や熱を入れるタイミングで変わります。全体を均一にしっかり塗り込むと、比較的綺麗に仕上がります。簡単に考えると至極簡単な塗装なのですが、難しく考えると全く上手く出来ない塗装でもあります。

ちなみに当時よく買ってくれていた方は、ドラッグレースで使うホイールのビード部分にこれを塗っていたそうです。スタート時にタイヤが空転してしまう為(!?)、それの滑り止めに使っていたのだそうで・・・(恐)。

ちなみに今回ご購入頂いGUNさんは、自宅に乾燥炉を持っているので結晶塗装も普通に使える!と言う訳です。

GUNさんについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければどうぞ。

マスキングシートを届けついでに

さすがにヘッドカバーを塗るのは難しいかも知れませんが、ちょっとした箱に工業用ドライヤーなどを入れて小物を塗るくらいなら楽しめると思います。宜しければご検討くださいませ。

焼付型チヂミ模様塗料 黒

焼付型チヂミ模様塗料 赤

ミッドナイトパープルⅡ色見本

  先日ミッドナイトパープルⅡ(LV4)の色で塗装したKPGC10型スカイラインGT-R(ハコスカ)のヘッドカバーです。

こちらの色はSTANDOXでは配合データが公開されておらず、また原色の一部にクロマフレア系の顔料が使われている為、調合済みの物=パッケージで塗料を購入するしか方法はないのですが、

使って余った塗料は当店にて買い取らせて頂きましたので、今後(割増料金さえ頂ければ)こちらの色も対応可能となります。素晴らしい・・・。

が、実際のところミッドナイトパープルⅡはそんなに派手な色ではありませんので、余程それに拘る事がなければ小物の塗装には不向きかも知れません。

上の画像だと左側がミッドナイトパープルⅡで、右が現在当店で扱っている最も色変化の激しいクロマフレア風H07です。

ミッドナイトパープルⅡは車体(実車)に使われる事が前提なのでこのサイズでは余り色の変化は感じられません。

「撮り方が悪いんじゃ?」と思うかも知れないので、

以前GUNさんから頂いたマジョーラ(本物)と並べてみました。

左がマジョーラのアンドロメダⅡで、右がクロマフレア風H07です。後者の方が明るくて色変化が激しく、また粒子が細かいのが特徴です。

今年は色見本を余り作っていなかったのでうっかりしていましたが、このH07をまだちゃんと使っていなかった為、近々マイクとBOSEのスピーカーに塗ってみようと思います。101MMの筐体は凸凹しているから映えそうですね~。

小分けクリスタルクリアーセット 発送

  当ウェブサイトで販売しているクリスタルクリアーの小分けセットで、時々ご注文を頂いています。

以前一度ハードナー(硬化剤)が固まってしまった!と言うご報告を頂いたので、もしそうなった場合半年以内であれば追加で50ccを送るという特典を付けています。

少し前、Twitterで知り合ったプロの塗装屋さんから「いつも写真のツヤがとてもキレイで気になっているのですが乾燥後もあの艶なのでしょうか。」とのご質問を頂いたのですが、勿論乾燥硬化後の状態ですし、基本的には磨きもしないので、恐らくは「塗りっぱなしであの艶なのですか?」という事だと思います。

例えば先日完成したS20のヘッドカバーですが、

塗装屋さんなら判ると思いますが、この形状でまともな磨き処理は出来ませんから、基本的に塗りっぱなしなのが判ると思います。ただこの時は一か所だけ目立つゴミが着いたのでそこだけ磨いています。

他にはこちらのL型ヘッドカバー等も。

車体の塗装だと完全硬化後に磨き処理(ポリッシュ)はセットなので艶よりも「塗り肌」=新車肌の再現に重きを置きますが、小物塗装の場合は「艶」の方を優先しているので、昔とは塗り方も変わっています。技術的な事もそうですが、材料や考え方自体も違いますかね。どちらが難しいと言えば車体補修の塗装の方が難しい筈で、新車肌の再現こそが絶対的な事になると、ゴミが一つ着いた時点で試合終了ですから(磨きが出来ません。笑)、そもそも物理的に不可能なのです。100%出来ない事を判っていて敢えてそれに挑む訳ですから、なんて辛い仕事なのかと(笑)。

艶消しなんてゴミが着いたらお終いですから(塗り直すしか方法がありません)、これで車体のオールペなんて地獄の作業としか思えません(笑)。そもそも塗り直したら隣接パネルとの艶具合が違って見えてしまう筈なので、そこに終わりはあるのでしょうか・・・(ちなみに以前勤めていた会社でそういった仕事が入った時、途中で退社する事になったので後の塗装屋さんが引き継ぎましたが、ボンネット一枚だけで10回くらいの塗り直しになったみたいです)。

ただ今の小物の塗装も完成時に撮影をしなければならないので(しかも編集加工はしないと決めているので)、実はそれもかなりのプレッシャーです。

まあでもそうでないとみるみる自分のレベルは落ちていくでしょうから、ある意味これが良い傾向になっているのだと思います。人は他人に見られていると感じると向上すると言われていますから、今のスタイルが丁度良いのかも知れませゴボハッ!(吐血した感じで。笑)。

あと20年とか働けるのでしょうか・・・。