色見本キーホルダー 本塗り

こちらは仕事で塗装を行っていたブレンボキャリパーです。今回はこのキャリパーとは別に、色見本キーホルダの制作も承っていましたので、そちらも並行して作業を行っていました。

色見本キーホルダーについては以下ページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。尚こちらは塗装のご依頼を頂いた方のみ制作を承っております(単品で制作・塗装を行うと完全に赤字で、サービスの一環とお考え下さいませ)。

リキッドシルバー 色見本キーホルダー

  通常色見本として使う場合は注型して型から抜いたまま塗装を行いますが、キーホルダーもしくはご要望に応じてサフェーサーまたはクリアーの下塗りで下地を作ってから上塗りを行います。

 色については塗装のご依頼を頂いた色と同色のみのお受付で、今回は2コートオレンジパールメタリックとなります。

また今回は序でに私物も塗らせて頂きました。塗ろう塗ろうと思って買ってから5ヶ月が経ち、本当、ようやくです。詳しくはまた後日こちらの社外記で紹介しますね。

ちなみにブレーキキャリパーの色は急遽途中で作り直す事となり、それに合わせて周りの付帯作業も変更する事になりました。普通だとあり得ませんが、こういうのが一人でやっていて良い所(か悪いところ)ですかね。

と言う訳でベースコートの塗装が完了です。

そしてデカールを貼る為に場所は工場の二階に移りました。

色見本の裏に入れる情報は以前作成したデータをテンプレートとして使うので多少なりとも手間は省けるようになりました。こういう積み重ねが老後の役に立つのではと信じ、夜な夜な残って作業を出来ています。それにしても今日は高温多湿のせいか腰の調子がすこぶる良くありません。現在は椅子をどかして床に正座でタイピングしています(正座の姿勢が腰には一番楽なのです)。

小物の塗装をし始めの頃はこういった小さい文字を入れるのに「インスタントレタリング」という物を使っていましたが、それから考えると今はまさに夢のような事が出来ています。ちょっと大げさなのですが、未だにこういった印刷を見て「スゲェ・・・」と声に出すくらいですので(笑)。

ちなみにインスタントレタリングとは、

こういった物で、確か1シート当たり¥500くらいで文房具屋さんやユザワヤなどの回転する棚に沢山並んでいました。昔はカセットテープの表題をこれで作りましたよね。小物塗装の仕事はその作業がずっと続くような感じです(笑)。

と言う訳でデカール貼付けの準備です。いつものように木工用ボンドを垂らした水にデカールを浸けます。

念の為ですが、QRコードを読み込むと当ウェブサイトのトップページにアクセス出来ます。本当はこのページにアクセス出来れば良かったのですが、さすがにタイムリープは出来ない訳でして…。

デカールを貼る際にはマークセッターもタップリ使い、木工用ボンドも併用してピッタリ貼り付けます。この時点で気に入らなければ剥がして新たな物に貼り直します。その為に予備として使う分の倍以上は作ってあります。

こちらのクリアーは後日でと考えていたのですが、丁度他に熱を入れる物(先日塗装したボールペンの胴軸です)があったので、それと一緒に強制乾燥させ、最後に一緒にクリアーを塗れました。

相変わらずデカールの段差は出来ていますが、今回は二度塗りでは無く磨きでこれを均してみようと思います。

色見本キーホルダーの販売・制作については当サイト内のウェブショップにて紹介しておりますので、ご興味の方はご検討頂ければと思います。

それではこちらも完成次第キャリパーと一緒に紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

色見本壁時計(草案)

 ちょっと紹介する事が無くなってしまったので、少し前から構想している「PRO_Fit色見本壁時計」のイメージイラストでも紹介したいと思います。

材料として使うのは色見本用として作成している注型ミニカーで、先日遠心注型によって裏面がフラットなタイプを量産出来るようになった為、折角なのでこれを使って何か面白い物を作ろう、と言う事となります(構想自体は時計の方が先なのですが)。

尚、ミニカーを量産する遠心注型については以下記事をどうぞ。

第3回~ 遠心注型

一応これで遠心注型は完成型となりましたので、今度時間が出来たら改めて記事を纏めておきたいと思います。

そして!

 ただ単に壁時計を作っても面白くなので、各塗色には実際にその色を作る為の配合データなども記載してみようかと思っています(メーカーから配布されたデータは著作権上マズイので独自に作成した物に限りますが)。

また折角良い材料を使っているので、その辺も前面に押し出してみようと思います。と言っても普通の方にSTANDOXと言っても何のことだか判らないと思いますが…。

試してみたい仕様は色々あって、先ほどのは「艶消し黒」をベースにミニカーを艶々に、またこちらのイメージは艶消し仕上げにして普通に室内にも使えるようにといった感じになっています。

 ミニカーの配色は色相環となっていますが、特にこれに拘る必要は無く、彩度を落として柔らかくしたパステル系や、PANTONEの色見本みたいにグラデーションしていく様にしても良いかもです。車好きな方向けなら例えば歴代のGT-R純正色を並べて行く、なんてのも面白いかもですね。

と言う訳で、一旦これらのデータをメールに添付し、PRO_Fit二階工場に間借りして貰っているクリエイティブディレクターのK氏に投げてみたところ、画像と共にコメントが返って来ていたりしました。

以下がそちらになります。

「 やはり放射状に配置してあるほうが気持ちいいな。ただ、その場合配合データは「表」ではなく、要素を絞った上でテキストのみにするとすっきり収まるかも。」や、

「添付の「2」の方は表のままでも行けなくもないが要素が多すぎる印象ですな。」といったコメントと一緒に上記二枚の画像が送られて来ました。

うーん、なるほどですな(笑)。

時計の台座に関してはMDF板をレーザー加工機でカットすれば簡単に出来るのですが、文字の印刷方法と、また時計本体にはある程度の「厚み」が欲しい為、側面部分をどうするか、と言う所で思考がストップしています。

本来であれば文字盤はUVプリンターを使うか印刷したシートを貼ったりすれば問題無いのですが、やはりと言うかこの工場内にある設備と今出来る技術を使って全部一人で完結させたいんですよね。となると文字全てデカール、ですか…(恐)。

こちらは以前紹介したグラスリッドなる塗料メーカーの壁時計で、こんな風に四角形にした方がスペースに余裕があって良いかも知れません。

と言う訳で、各パーツを量産出来るようにして、それらを色々組み合わせてオリジナル壁時計が作れるようなればー、なんて思っています。まあ実際はこんな事をやっている場合じゃないので、結果作業は止まっている訳なのですが…。

休日は事務作業

現在ゴールデンウィークの真っ最中ですが、使わなくても家賃は自動的に発生すると言うシステム(?)の為、仕事をしていないとどうも落ち着かないと言う事もあって、事務作業がメインですが本日も普通に出勤していました。

画像は現在お預かり中の自転車小物部品に使うつや消しゴールド色を見本帳から探している所ですが、残念ながら良い色は見つかりませんでした。全部ひっくり返しましたが、やはりと言うかゴールド(メタリック)は難しいですよね。これに関しては作業が進行しましたら日記の方でも紹介したいと思います。

先日本塗りを終えているテールランプ等は無事撮影も完了し、こちらは連休明けには紹介出来ると思います。画像のはNINJA ZX-14Rのテールランプで、スポンジテープは新たに作成しておきました。連休明けには完成予定ですのでどうぞもう少々お待ちくださいませ。

そして溜まっていた色見本達も整理しました。

こちらは業者様からのご依頼だった日記では紹介していないピンク迷彩で、余り例のない作業なのでサンプルとして色の見本を作成しておきました。

尚、色はPANTONEの色見本を参考に、簡易的な色の作成(スティックで確認のみ)で塗料を作成し、その後出来上がった(完全硬化した)色を改めてPANTONEの色見本帳2種から近似色を探し照らし合わせると言う、こんな事をしているからいつまで経っても利益が出ないんじゃ…言う手段を取っています(苦)。

たださすがにこの色見本プレートの作成も色々な所に影響が出始めた為(気付くのが遅かったのですが…)、一部の加工を諦め、今回からは単に周りをカットして磁石を埋め込むだけの仕様にしました。これはもう超速ですよ。

ちなみに今まではと言うと、

色見本を貼る部分を切り抜き、

何だか気分が悪いので一旦つや消し黒に塗り(これも省きました!)、

印刷した紙を手作業で切り抜き(角が丸いので結構面倒…)、

さらに艶消し黒に塗ったブリキ板を裏当てに貼って、色見本が磁石で脱着可能にしていたりもしました。

こんな事をしていた結果、会社の口座の残金がみるみる減っていっていた訳です(いや、まあこれのせいでも無いのですが。苦笑)。

ちなみに元々色見本に使っていたのは市販のシリコーン型を使った「ダースベイダー」だった為、これの出っ張りが激しく、その為にプレートに穴を開けて一段落としていたと言うところもあります。

その後はオリジナルとして作った車型の色見本にシフトし、これにより高さを抑えられた為、わざわざ一段落とさなくても良くなった事に気が付きました。

と言う訳で今回からはプリントした紙を糊で貼り、色見本をそのまま両面テープで貼るだけにしたところ、信じられないくらい超絶作業が楽になりました(笑)。

またその後ミニカー色見本の注型方法を自然落下式(重力式)から遠心方式に変えた為、底面やフチの仕上りが良くなったのでそこを隠す必要も無くなりました。

言われてみるとちょっと出っ張った感はありますが、最初からこうだったとしても全然問題無い感じです。一体何をやっていたんだか…(苦)。

自動車メーカーのロゴや塗料メーカーから配布された配合データについては著作権の関係上出来上がった物を販売と言う訳にはいきませんが、いずれこんな感じで「飾れる色見本」みたいな物を商品化出来ればと思っています。理想としてはアクリルプレートに文字を白で印刷したデカール貼り、クリアー仕上げ!と行きたいところですが、コスト的な事を考えるとアクリルプレートにレーザー彫刻&白墨入れといった所でしょうか。どちらにしても楽しそうです(病)。

第3回~ 遠心注型

enshin70ちょっと時間が開いていましたが、その後も何回か試行をしていましたので、内容を一部修正しながら紹介したいと思います。

ちなみに前回はFRPの補修に使うポリエステル樹脂(リゴラック)を使っていましたが、今回はいよいよ専用のウレタン注型樹脂を使います。

enshin71 また前回は120秒硬化だった物を、今回は少し可使時間の長い180秒硬化にしました。色はグレーからアイボリーとなります。遠心注型にするなら硬化が早い方が良かったのですが、まあこの辺はイレギュラーと言う事で(苦笑)。

enshin72 そしていつものようにビューンと。

enshin73入れる量がちょっとまだ掴めていなくて、多分入れ過ぎで周りに零れていってしまっている分もあると思います。これはいずれ中央の穴をテーパーにすれば防げるかなぁ、と思ってます。

enshin74型から外してみると、うーん、ちょっと歪んでいるっぽいですね。

enshin75どうやら下に敷いたPPフィルムが薄過ぎて波打った癖がついてしまうようです。

実はネジを閉めすぎでシリコーン型を歪ませてしまっていた事が現認と思われます。

enshin76と言う事ですが、まあ色見本として使うなら全然OKです。巣穴は一つもありません。

今まで普通に型に樹脂を注いでいた時は、底面となる天井最上部に目に見えない程の巣穴が出来ていたのですが(塗ってみて初めて気が付くという程の超極小です)、遠心注型ではそれらも見られません。

さらにその後100円ショップで厚めのPP板を買っていました。これが結構大きなサイズなので徒歩でも自転車でも持って来れなく、ようやく先日の雨の日にカブ通勤となったので持って来れました。

型を作った時のデータを使い、レーザーカットします。

これならコシがあってシワが寄らないのでは、と思った次第です。

確かにシワは寄らず再利用も可能となったのですが、実は根本的な所で色々間違えていました。それはまた後程。

そしてこちらが新たに導入したスピードコントローラーです。DC用なら普通に売っていたので100Vに使える物もあるんじゃないかと探していたらamazonで¥300くらいで普通に売っていました。ただ中国から直送だった為、これも届くまでに結構時間が掛かったのです。

取り敢えずその辺にあった物を使い、

それらしいケースに仕立ててみました。しかし何故だか判りませんが、どうみても怪しい装置に…(苦)。

そしてこちらが第四回目の遠心注型となります。途中スピードコントローラーの一部が発火するという事態が起きましたが(!)、念の為二個買っておいたので問題ありません。

って、あれれ?、スピードが落ちない…。

どうやら二個目のスピードコントローラーが不良品だったようで、結局全く回転数が変わらないままのスタートです。

まあ値段的に仕方ないのでここはまた後日挑戦してみようと思います。追加で頼んでいた物が本日3個届きました(笑)。それはまたリベンジと言う事で。

と言う訳で第四回目の遠心注型が完了なのですが、うーん、なぜか湯口が開いてます・・・。

今回はちょっと締め付けトルクを小さくしたので合わせ目から若干樹脂が漏れていたようです。PPの表面がツルツルし過ぎたので嚙み合わせも悪かったんですかね。

実は間に挟んだスポンジパッド(白いの)の位置を間違えていました!本来であれば底面PP板(ピンクの)とMDF板との間に入れなければならないのですが、どうやら違う方に挟んでいたようです。

と言う訳ですが、取りあえず蓋を外します。

見事に足りてないです(笑)。

GANTZの転送途中じゃないですが、これはこれで面白いかもです(笑)。

この後同じような事が3回続き、一体何が起きているのかと自分を疑いました…。

と言う訳で、底面については前回よりマシになりましたが、やはりと言うかちょっと歪みが残っています。もっとこう、当て板を使って研いだみたいにビシッと決まって欲しいのですが、型を挟む圧力とか樹脂の痩せとかでどうしても歪んでしまうのかも知れませんね。

樹脂の痩せは関係無く、隙間から漏れないようにとネジを閉めすぎたのが歪の原因でしょう。

ここでちょっと、最初の頃の画像を・・・

私も今初めて確認したのですが、やはりと言うかスポンジパッド(ウレタンフォーム)の位置を間違えていました。この画像のが正しい位置で、それからはずっと逆側に入れていたのです。

しかし改めてこのスポンジパッドの効果が判り、色々あったモヤモヤが晴れました。うーん、素晴らしいです!

と言う訳でこちらが最終形、恐らく第7回目くらいだと思います。今回は底面にスポンジパッドを入れたので、強く締めなくても殆ど漏れなく形も綺麗に仕上がりました。

塗装の仕事もそうなのですが、一度失敗しても短期間で集中して同じことを繰り返していると問題が解決できる事が多いです。大抵は材料などのせいでは無く自分のミス、もしくは思い込み&勘違いと言うケースが殆どで、「これはもう二度とやらない!」では勿体ないんですよね。特に悩んだ事で解決できた時はその後同じようなミスをする確率は減る為、同じ轍も踏まないようになりますし。

と言う訳で大分溜まって来ましたが、私が使いたい事にはまだまだ数が足りないので、今後も時間さえあれば(そもそもそれが無いのですが)どんどん増産していきたいと思います。

あとそう言えば最近新たな洗浄液を導入してみました。

いつもヘッドカバー等のオイルを洗浄する時はそれ専用の層に入れているのですが、そこにアイボリーの注型樹脂を入れるとオイルの色がこっちに移ってしまい、何だかとても気分が悪いので(塗装が滲みそうで…)、今回は新たに同じアルカリ系でも粉末では無くリキッドタイプの物を購入してみました。

原液はかなり強いので水で10倍くらいに薄め、3時間くらい置けばタップリ塗られたグリースなどもきっちり落としてくれます。濃度が高いと肌が凄く荒れるのでそれには注意が必要ですが、容器に入れておけば捨てずにずっと使えるので、スプレーするタイプに比べると環境負荷は少ないと思います。

後は棚の奥で眠っている超音波洗浄機を出したい所ですが、如何せんもう置く場所が無く…。次は工場の整理が必要ですかね。