色相環+結晶塗装壁時計 完成

今まで作っていたのはこういった背板が白い物や、

こういった黒い物

その他グレーブルーっぽい色の物(VWアクエリアスブルー)を、ベースコートのみ(クリアー塗装無し)で仕上げていたのですが、

さらに当店らしい物を!という事で、

結晶塗装を施してみました!

素材はMDF=木製品なのでてっきり熱を掛けた時に泡を吹いたりするかと思ったのですが、

金属の場合と同じく普通にそのままで焼き付けて綺麗に仕上がってしまったのです。

在庫している塗装済みの色相環ピースを集め、

それらと背板をシーリング接着剤(シーカフレックス221)を使って固定します。ピースの裏側はアクリル樹脂素地が露出しているので、プラスチックプライマーも塗っておきます。

最後に針を着けて完成です!

ちなみに今まで出品していたものは全部売れてしまっていて、その後追加で作成したのですが、どれも採算が全くあっていないので売るのが勿体ないと思い、現在は販売を停止しています。

ただ今後は「針を外した状態で梱包」(取り付けは購入された方にやって頂く)という事を考えていて、それが可能になれば多少なり赤字幅も減らせるかと思っていて、とりあえずその仕様で今度のデザフェスに出店して販売してみようと考えています。通常の壁時計と違って針がむき出しですから、発送や梱包で気を遣うのもネックだったんですよね。

この辺にプレートか何かのアクセントが着けば良さそうだと思うのですが、360度どの方向でも大丈夫!というのもあるので、とりあえずは何も無しにしておこうかと思います。もしくは限定でPRO_Fitのカーボンエンブレムを着けるとかですかね。

それにしても結晶塗装のストラクチャーがめちゃくちゃ格好いいです。

色相環のピースのエッジが立っているのも私的に大好きです(自動車のボディではこういったところは安全上廃されてしまっているので)。

11月のデザインフェスタでは知り合いの塗装屋さん(GUNさん。笑)と一緒に出店する予定なので、これらを含め、塗装を施した物を色々販売しようと思っています。

今の環境(諸々の固定経費)でのこういった物販行為はどうしても赤字を免れませんが(なのでとりあえず通販は辞めました)、ワークショップや小物塗装の宣伝を兼ねればそういった催しにも出る意義もあるかと思った次第です。

経営の事だけを考えると仕事をしていた方が間違いないですが、あと25年は働き続けなければならないので(具体的には家のローンがその期間ある為)、環境が変わっても今の塗装の仕事が続けられるよう、色々な事を試しておかないといけない訳ですね。

壁時計自作キット販売

先日作成した、西陣織を使った壁時計です。

とりあえずこれで完成だったのですが、短針と長針の貼りが太くてちょっと野暮ったいと感じていたので、

針の中央をマスキングしてフチを黒に塗り、それを剥がしたら針全体に見る角度で色が変わるマジョーラっぽい光干渉型パール(当店規定No.4)を塗りました。

ゴールドの色味は柔らかい感じになり、フチは見る角度で色が変わります。

フチは光が当たらないと下地に塗った黒が目立つので、針が細く見えてスリムに感じられます。

という事ですが、この西陣織壁時計を作るのに使う材料をキットで販売しようかと考えました!

西陣織を貼るのは大変ですが、千代紙や、

薄いファブリックであれば初めての方でも簡単に綺麗に貼れるかと思います。

あと読み終えて捨てる本が勿体ないので、

気に入った頁の一部を切り取ってピースにしたりするのも面白いかと思った次第です。

漫画で感動したシーンとかも良いですね!

西陣織の時計ではベースを塗装しましたが、市販の和紙などを貼れば簡単に装飾が可能です。

フチは殆ど見えないので多少ガタガタしても問題無いかと思います。

ちなみに作成したピースを綺麗に配置するのは難しいですが、

それようのジグとそれを固定するボルトもキットに含めるので、

それに合わせて固定すれば誰でも簡単にピッタリの位置に貼り付けられるかと思います。

接着剤が乾いたら、短針→長針→秒針の順番に針を取り付けて完成です。

素材のMDFは糊や木工用ボンドとの相性が良いのが特徴です。

千代紙はネットで買えますし、文房具屋さんや100円ショップなどでも入手できると思います。

とりあえずウェブショップでの販売をしてみて、11月に開催されるデザフェスに参加出来たら販売もしてみようと思います。値段は¥3,000くらいを考えています。

西陣織壁時計 針塗装⑤

先日既存の針を取り付けていた西陣織壁時計ですが、

白いままだと変だったので(黒は針が見えませんでした・・・)、

日本の伝統色「真緋」を参考に塗料を作成し、

秒針にそれを、短針と長針には以前仕事で調色したR34GT-Rブレンボのゴールドを塗りました。それぞれ艶消し仕上げとなります。

と言う訳で早速取り付けてみました!

色味自体は良い感じにしっくりしています。

が、壁時計本体に対して短針と長針の存在がちょっと大きすぎる気がします。秒針は凄く良い感じですね。

ただ針自体を加工するのは難しいので(直ぐに折り目が着くので超絶デリケートに扱う必要があります…)、塗装でもう少しスリムに見えるよう試してみようと思います。

しかしなにはともあれ超絶豪華な時計です。

西陣織を貼り付けるのはまあまあ時間が掛かるのですが、千代紙とかなら比較的簡単に出来るので、いずれはこれのワークショップなんかも出来ればと考えています。塗装屋人生の最後は、仕事半分、ワークショップ半分くらいの割合で出来れば良いな~と(いずれ目が見えなくなる筈なので細かい作業は出来ないと思うんですよね)。

西陣織壁時計 色作成④

先日組付け作業を行っていた西陣織壁時計です。

針の色は白と黒が既存の物なのですが、それだと全く似合わないので、

短針と長針を泥金みたいな色にしようかと思った次第です。

ただこれだとちょっと違う気がしたので(針が目立ち過ぎてしまう気がしたので)、

R34GT-Rブレンボのゴールドの色を採用しようかと思います。

秒針は細身なので鮮やかな赤にしようかと思い、ただフェラーリのロッソコルサ程度でもちょっと派手過ぎるようなので、

現在別案件で進行中の「日本の伝統色」色見本の中から、落ち着いた感じの赤=「真緋」(あけ)を採用しようと思います。

と言う訳で、一時はゴミになってしまうかも知れなかったRMの色見本帳=カラーマスターから赤系の引き出しを選び、

それらの中から良さそうな赤を選び出します。車の塗装屋さんなら判ると思うのですが、通常自動車補修用塗料の色見本は自動車メーカー毎に別れているので、このように同じ色相の物をズラ~と並べるような事は出来ず、なので車以外での塗装を行う場面では使い難いんですよね。

その点このRM社のカラーマスターは「メーカー」という枠がないので、今の小物塗装屋にはとても使い易いのでは!と思ったのですが、良い色を見つけてもその配合データはRM社の塗料でしか使えない=自動車メーカーや色番号を逆引きが出来ない!と言う致命的な問題があるので、今までは余り使い道が無かったんですよね。

と言う訳ですがジャジャーンと!

仕事では中々出番がないのですが、以前知り合いの塗装屋さん(アッソさん)に頂いたこのスタンドックスアクワイヤーⅡ=測色機があれば、その色見本(塗膜)を基に配合データを割り出す事が出来る!という凄い事が出来るようになります。なんて素晴らしい・・・!

モニターの色(RGBだけどCMYK)から近い物を色見本から選び、

それを測色機で読み込んで、

オンラインでSTANDOXのウェブサイトに繋いで配合データをダウンロードします。場末の塗装工場がこんな感じで世界に繋がったりするのは何だか感慨深いですね・・・(わざと大げさに言って楽しんでいます)。

選んだのは三菱の「FIRE RED」(カラーコード:FC1)で、聞きなれない色番号なので日本では流通していない色かもです。

ちなみにアクワイヤーはとても高価な物で、当店のような保険業務の無いほぼお客様の実費で行う塗装業務ではとても手が出る機械では無いのですが、これを無償で譲ってくれたアッソガラージュさんには本当に感謝です。恩返しとしてはとにかくこれを使う事だと思うので、今進行中の日本の伝統色では全てこの方式で色の選定を行おうと思っています。幸いにして以前作った色相環12色のように鮮やかな色ではないので(あの時はRGB色を参考にしているのでとにかく色を濁らせないよう使用原色種類を少なくする必要がありました)、今回は自動車ボディーカラーでも十分近い色を出せると思っています。