西陣織壁時計 針塗装⑤

先日既存の針を取り付けていた西陣織壁時計ですが、

白いままだと変だったので(黒は針が見えませんでした・・・)、

日本の伝統色「真緋」を参考に塗料を作成し、

秒針にそれを、短針と長針には以前仕事で調色したR34GT-Rブレンボのゴールドを塗りました。それぞれ艶消し仕上げとなります。

と言う訳で早速取り付けてみました!

色味自体は良い感じにしっくりしています。

が、壁時計本体に対して短針と長針の存在がちょっと大きすぎる気がします。秒針は凄く良い感じですね。

ただ針自体を加工するのは難しいので(直ぐに折り目が着くので超絶デリケートに扱う必要があります…)、塗装でもう少しスリムに見えるよう試してみようと思います。

しかしなにはともあれ超絶豪華な時計です。

西陣織を貼り付けるのはまあまあ時間が掛かるのですが、千代紙とかなら比較的簡単に出来るので、いずれはこれのワークショップなんかも出来ればと考えています。塗装屋人生の最後は、仕事半分、ワークショップ半分くらいの割合で出来れば良いな~と(いずれ目が見えなくなる筈なので細かい作業は出来ないと思うんですよね)。

西陣織壁時計 色作成④

先日組付け作業を行っていた西陣織壁時計です。

針の色は白と黒が既存の物なのですが、それだと全く似合わないので、

短針と長針を泥金みたいな色にしようかと思った次第です。

ただこれだとちょっと違う気がしたので(針が目立ち過ぎてしまう気がしたので)、

R34GT-Rブレンボのゴールドの色を採用しようかと思います。

秒針は細身なので鮮やかな赤にしようかと思い、ただフェラーリのロッソコルサ程度でもちょっと派手過ぎるようなので、

現在別案件で進行中の「日本の伝統色」色見本の中から、落ち着いた感じの赤=「真緋」(あけ)を採用しようと思います。

と言う訳で、一時はゴミになってしまうかも知れなかったRMの色見本帳=カラーマスターから赤系の引き出しを選び、

それらの中から良さそうな赤を選び出します。車の塗装屋さんなら判ると思うのですが、通常自動車補修用塗料の色見本は自動車メーカー毎に別れているので、このように同じ色相の物をズラ~と並べるような事は出来ず、なので車以外での塗装を行う場面では使い難いんですよね。

その点このRM社のカラーマスターは「メーカー」という枠がないので、今の小物塗装屋にはとても使い易いのでは!と思ったのですが、良い色を見つけてもその配合データはRM社の塗料でしか使えない=自動車メーカーや色番号を逆引きが出来ない!と言う致命的な問題があるので、今までは余り使い道が無かったんですよね。

と言う訳ですがジャジャーンと!

仕事では中々出番がないのですが、以前知り合いの塗装屋さん(アッソさん)に頂いたこのスタンドックスアクワイヤーⅡ=測色機があれば、その色見本(塗膜)を基に配合データを割り出す事が出来る!という凄い事が出来るようになります。なんて素晴らしい・・・!

モニターの色(RGBだけどCMYK)から近い物を色見本から選び、

それを測色機で読み込んで、

オンラインでSTANDOXのウェブサイトに繋いで配合データをダウンロードします。場末の塗装工場がこんな感じで世界に繋がったりするのは何だか感慨深いですね・・・(わざと大げさに言って楽しんでいます)。

選んだのは三菱の「FIRE RED」(カラーコード:FC1)で、聞きなれない色番号なので日本では流通していない色かもです。

ちなみにアクワイヤーはとても高価な物で、当店のような保険業務の無いほぼお客様の実費で行う塗装業務ではとても手が出る機械では無いのですが、これを無償で譲ってくれたアッソガラージュさんには本当に感謝です。恩返しとしてはとにかくこれを使う事だと思うので、今進行中の日本の伝統色では全てこの方式で色の選定を行おうと思っています。幸いにして以前作った色相環12色のように鮮やかな色ではないので(あの時はRGB色を参考にしているのでとにかく色を濁らせないよう使用原色種類を少なくする必要がありました)、今回は自動車ボディーカラーでも十分近い色を出せると思っています。

西陣織壁時計 組付け③

先日本塗りを終えていた背板に、西陣織を貼り付けた12個のピースを取り付けました。やはりと言うか艶のある背景とマットな生地との組み合わせは抜群に良いですね!

ピース毎に違う柄の西陣織を配した今回の壁時計はかなり贅沢で、まさに豪華絢爛といった言葉が良く似合うと思います。今回は製作途中からかなりテンションが上がりました!

ちなみに最初はこれを千代紙で作っていたのですが(そちらは紹介はしていません)、それに対してこちらの西陣織は糸の織りで模様が立体的に表現されるのでかなり贅沢に感じられます。

ただそれだけにカットした断面の糸のほつれが激しく、それを整える作業が今回一番大変でした。

量産は出来そうも無いので、どうせならという事で背板の塗装(模様)はオーダーメイドに、周りの12ピースはお任せで製作~販売をしようと思います。

 試しにムーブメントと針を付けてみたら黒も白も全く似合わなかったので、今回はこれら針も塗装しようと思います。

金箔押しVer.とかも早く作りたいですね!

西陣織壁時計 土台作成②

先日紹介していた西陣織を使った壁時計ですが、これだけだと塗装屋的な作業が殆どありませんので、

新たにMDF板をレーザーで切り出し、

裏→表にベースコートの黒を塗り、さらに表側への塗装を何度か繰り返し、

とりあえず土台の試作2点を完成させました!

下色に使っているのはどちらも同じ原色の黒=MIX571で、

こちらはその上に、見る角度で色相が変わるクロマフロア系の光干渉型顔料を使用しています。以前知り合いの塗装屋さん(Gショック塗装屋さん)に別けて貰ったパウダータイプの顔料ですね。

先ほどと同じ物ですが、見る角度でここまで色が変わります。

そしてこちらはマスキングシートを使い、先ほどと同じクロマフレア風の顔料=EB1を流水文で描いています。

線はわざと細くしてかなり控えめにしています。

上に当たる側には月や雁を入れても良かったのですが、今回は上下好きに向きが換えられるようシンメトリーっぽくしました。いずれは図柄もオーダーメイドで受付られるようにしようと思います。

こちらも見る角度によってオレンジ~グリーンへと色が変化します。かなり判り難いのですが、今回は黒をメインにした仕様なのでこれでOKとしています。クリアーは3工程(3回分)で何とか仕上がりました。サフェで下地を作れば2工程で終わりますが、「何かのついで」という事でコストを抑えています。

あとはこれに西陣織を被せたピースを12種取り付けます。今回の壁時計はどちらかと言うとそちらがメインですからね。針は短針と長針を黒かゴールドで、秒針を赤=今並行して作業している「日本の伝統色」で使用する色=真緋(あけ)にしようと考えています。それぞれの製品が実は繋がっている、みたいな感じで派生に派生を繰り返して作っていったら無理なく出来て面白いかな~と!