GMCホイールキャップ シリコーン型 完成~試注型

 先日より作成していたシリコーン型です。遂に完成を迎えました。

 枠のブロックを取り外し、

 型を開きます。離型剤が効いてくれたお陰で綺麗に外れてくれました。

不安だった溝の部分もしっかり隅まで行き届いていて気泡一つありません。さすが真空脱泡です。

本番は強度の事を考えてエポキシレジンを使いますが、まずはテストとしていつものウレタンレジンを使って実際に注型をしてみます(画像は以前の使い回しです)。

型を閉じてゴムとテープで固定し、上に開けた穴からウレタンレジンを注ぎ入れます。

今回はゲート(注ぎ口)が一ヶ所だけなので、本番と同様にレジンを注入後真空脱泡を行っています。一度に入れると溢れるので二回に分けて行いましたが、それでも多少は吹き零れてしまっています。

樹脂が固まったらシリコーン型を開いて中身を取り出します。

注口付近で一部空気溜まりが出来てしまったのでその部分は欠けた仕上がりになってしまいましたが、

型の歪も無く、樹脂は隅々まで行き渡っていて良い具合に出来たと思います。

空気溜まりで欠けた箇所は新たにゲートを設ける事で改善出来ますので、次はいよいよアルミリングを埋め込んでのエポキシレジン+ガラスパウダーで本注型を行います。

GMCホイールキャップ シリコーン型作成③

 先日表側のシリコーン型を作製していたGMCのホイールセンターキャップです。画像は裏返した状態で、ここからは反対側の作業となります。

 シリコーン型から原型が外れないよう注意し、油ねんどを取り除きます。

 型取り用のシリコーン樹脂は他の物質にくっ付きませんが、同じシリコーン同士だとガッチリくっ付いてしまう為、型の合わせ面には離型剤の塗布が必須です。

 準備が出来たらデシケーターの中に型を置き、シリコーン樹脂の予備脱泡を行います。二回目以降は直接注いだ状態で眞空脱泡を行いますが、表面部に気泡が入るのは避けたいので一回目だけはこれをやるようにしています。。

 この状態ではまだ主剤のみで、予備脱泡が終わったら3%程硬化剤を入れてよく混ぜます(規定は4%で夏場は2%で十分なようです)。

 再び真空脱泡を行い、一旦ここで半日ほど置いてシリコーン樹脂を硬化させます。

この後は使用するシリコーン樹脂の量を減らす為、表側の時と同様に不要となった型を切り刻んだ物を投入して嵩上げを行います(画像は使い回しです)。

 刻んだシリコーン樹脂を散りばめ、再びシリコーン樹脂を注ぎ真空脱泡を行います。この時点で2層目です。

 さらに後日固まったシリコーン樹脂の上に、やはり表側と同様ファイバークロスを敷きます。

と、この時点で在庫していた2キロ分のシリコーン樹脂を使い切りまして、

 新たに4キロを補填しました。硬化剤は沢山あってもう要らないのですが、セットなので仕方なく付いてきます(

 また今回は今まで使っていた旭化成ワッカー8012よりも少し固いタイプの8017を、その右の青い文字の缶はさらに固くて強いタイプの「信越シリコーンKE-1417-30」も買ってみました。KE-1417は粘度が高いので真空脱泡機が無いと使えないとの事ですが、今まで使っていたシリコーン樹脂よりも丈夫で長く使えるとの事で期待しています(ただ1キロ¥4,000と少々高いです)。

 と言う訳で3層目は今までより少し固い8017を使いました。

 そしてその後シリコーン樹脂が固まった状態です。こちら側も補強の為に最後に石膏で固めます。

10ミリくらいの厚みになるよう充填し、これでいよいよメス型の完成です。

この後壁のブロックを外して裏表それぞれシリコーンを開いて中の原型を取り出し、再び型を合わせ閉じたら中にエポキシ樹脂を注いでホイールキャップを複製!と言う算段です。

ただし型が上手く出来ていないとここまでの作業は全くの無駄となる為(しかも使った材料が全てゴミ)、今回は塗装以外の作業でも結構真面目に作業をしているという訳です。いつもは楽しんで行う社外記ですが、もうまるで仕事です(苦)。

GMCホイールキャップ シリコーン型作成②

 先日第一回目のシリコーン樹脂を注いでいたGMCホイールセンターキャップ用のシリコーン型です。画像は既に固まった状態です。

 今回はサイズが大きい事、また形が歪むとホイールに入らなく恐れがある為、型の変形防止として骨材を入れる事にしました。全ネジを外周に沿って曲げた物を、固まったシリコーンの上に置きます。

 さらに嵩上げの為に不要になったシリコーン樹脂を細かく刻んで投入します。

刻んだシリコーンの基となるのはこちらの色見本用マイクの型で、最初に作った方は一部に古いシリコーン樹脂(を無理やり希釈した物)を使った為に型の一部が柔らかくなって歪が出てしまい、その後新たにもう一個型を作ったのでこちらは不用としました。柔らかい部分は除いています。

 こんな感じで刻んだシリコーンを全体に散りばめて、

 新たに作ったシリコーン樹脂を注ぎ、真空脱泡を行います。

 さらに今回はこちらのファイバークロスを、

 全体に覆うようにして配置し、

さらに新たなシリコーン樹脂を注いで真空脱泡します。

 それが固まった状態です。若干表面にファイバークロスの模様が浮き上がっています。

 さらに今回は石膏も使う事にしました。水と1:1で混ぜます。

固まったシリコーンの上に15ミリくらいの厚みになるよう充填しました。一時間もあれば固まりますが、念の為一日置いてから今度は逆側を行います。

反対側は離型剤塗り忘れたとかしないよう注意して挑もうと思います。


↓③に続きます

GMCホイールキャップ シリコーン型作成③

GMCホイールキャップ シリコーン型作製

 先日ゴムパッキンを接着していた自作デシケーター(大)です。

 接着剤が固まったようなので早速テストしてみました。ドライポンプに繋ぎ、内部の空気を吸いだします。ドライポンプについてはこちらで紹介していますので宜しければどうぞ。

 容積が大きくなった分負圧するのに時間が掛かるようになりましたが、大体40秒くらいでマイナス0.95Mpaまで到達出来ます。

 内部の気圧が下がるとお菓子などのパッケージはこんな風に膨らみます。眞空脱泡ではこれと同じようにして、シリコーンやレジンなど液中の空気を吸いだし気泡を取り除きます。

 そしてこちらが今回メインとなるGMCのホイールセンターキャップです。無くなった一つがもう入手が出来ない物との事で、予備用も含めて今回これと同じような物を2個作製するご依頼を承りました。塗装は出来ますが、複製は業務外と言うかまるで門外漢なのでこちらの社外記での紹介としています。

今回のデシケーター(大)の制作は、今までの物ではここまでのサイズに対応できない為、新たに大きい物を作ったと言う訳です。

 と言う訳で、まずはシリコーンを注ぐ為の枠を作ります。こちらのダイヤブロックも今までの量では足りなかったのでamazonで追加購入しておきました。安い上に精度が良いのでモデラ―の間では定番らしいです。

 ただこのダイヤブロック、見た目が(というか実際に)子供用の玩具な為、傍から見ると「いい大人が昼間からブロック遊びをして・・・」としか思って貰えない所が辛い所です。

 ちなみにすっかり作業に没頭してしまい大きな勘違いをしていまして、型にレジンを注ぐ時は縦置きにしますが、シリコーン型を作る時は平置きで行うので、これではデシケーターに納まらない!と言う事に気が付きました。一体何をやっていたんだか・・・。

 と言う訳で角を取り除きました。これなら最初から円形の壁にしておいた方が確実に早かったですね。

土台に詰めた粘土に噛み合わせの為の凹みを設け、デシケーターに入れます。

 シリコーン樹脂を流し込み、蓋を被せてドライポンプで内部の空気を抜き取る真空脱泡を行います。

画像では余り泡立っていませんが、これは先に主剤の予備脱泡を行っていたからでして、真空脱泡は問題無く出来ました。

と言う訳で片面の半分が完了です。

「半分」と言うのはちょっと理由があって、今回はシリコーン型のサイズが大きいので型が歪む恐れがある為、骨材をいれるべく片側を二回に分けて行う事にしました。一度でこれをやろうとすると骨材が沈んで原型(ホイールキャップ)に触れてしまう為、一旦膜となる層を作ってからその上に重ねようと言う作戦です。これなら必要無くなったシリコーン型を刻んで嵩上げに再利用する事も出来ますしね。

またそれでも強度的に足りなそうなら、さらに石膏を流し込んで補強しようかと思います。


②に続きます↓

GMCホイールキャップ シリコーン型作成②