GMCホイールキャップ作成

 先日に引き続き、走行中に飛んでいってしまったGMCのホイールセンターカバーの制作となります。純正品が入手出来れば良いのですが、世界中探しても見つからなかったとの事で、残っている部品を基にシリコーン樹脂で型を取り、エポキシレジンで複製しています。j

 今回はこれが3回目、トータルだと7個めくらいの注型となります(その内完成しているのは2個で、それも飛んで行ってしまったとの事でして・・・)。

 今回は注口を大きくして試したところ、その周りに残っていた気泡がかなり減らせました。

どの道気泡部分をエポキシ接着剤(3Mパネルボンド)で埋めるので、前回造った物もOKとしてこの2個で挑む事にしました。これでようやくスタートラインに立った感じです。

参考までに以前塗装して完成した画像を紹介させていただきます。

現在注型して作っている物がこうなります(これも同じ工程で作られています)。

今後の作業は仕事(本業)になるので、日記の方での紹介となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

GMCホイールキャップ 注型

 先日より準備を始めているGMCのホイールキャップ制作です。注文していたエポキシレジンが届きましたが、古いのも少し残っているのでこちらも使います。

 主剤自体は変わりありませんでしたが、硬化剤はかなり黄ばんでいます。クリスタルレジンNEOは耐候性が良いので評判ですが、硬化剤単体だと黄変はしてしまうのかもですね。

 一応以前作った時の試作品(失敗作)をシリコーン型に入れてみて、サイズ的には問題が無い事を確認しました。シリコーン樹脂を固める時に内部にガラスクロスを入れておいたのが良かったのでしょうか。

 型の内側に離型剤を塗り、

 ボルト部に埋め込むアルミリングの穴径を10ミリから12ミリにしておきました(すっかり忘れていました)。

 それをボルト取り付け穴の周りに嵌め込み、

 型を合わせて輪ゴムで止めたら注型準備完了です。

 また樹脂にはガラスパウダーも混入します。強度を上げる為の骨材ですね。

 真空脱泡機で予備脱泡をし、

 注いだエポキシレジンが固まったら型から取り出します(おっと間違えました)。

 実は固定しているゴムが弱くて途中で隙間から樹脂が漏れたりして大変だったのですが、途中でゴムを足してレジンを注ぎ足す事で何とかなりました。

 裏側は良い感じで、

表側は注口付近に溜まった気泡がそのまま残っていますが、まあ前回同様パネルボンド(エポキシ接着剤)で埋めれば使えない事はなさそうです。表面には何故出来たのか判らない離型剤を塗った時の刷毛目が出ていますが、サフェで下地処理を行うので問題ありません。

 と言う訳で後日二回目の注型を行いました。

 今回は新しいレジン100%なので黄ばみが全くありません。白い!

ただこちらも上の方に気泡が残っているので、やはり後でエポキシで埋めないとです。

まだ材料が余っていて、また追加でアルミリングも頼んだので、もう少し良いのが出来ないか試してみようと思います。早く下地処理始めたいですね!

GMCホイールキャップ 注型前準備

 いよいよ先日より仕事でご依頼頂いていたGMCのホイールキャップ制作の準備を始めています。とりあえず以前作成したシリコーン型を棚の奥から降ろしました。

 ひび割れていたりしたらこの時点で終了だと思っていたのですが、幸いにして当時の姿のままに見受けられます。

 とりあえず一安心ですね。

 ボルト取り付け部に使うアルミリングも買っておきました。思いっきり締めてエポキシレジンが割れたりしないよう補強として埋め込む物です。

すっぽ抜けたりしたらマズイので、前回と同様フチにローレット風に溝を切っておきます。

エポキシレジンも残りが少ないので近日中に手配をしておこうと思います。こちらも前回と同様、クリスタルレジンneoにガラスパウダーを混入して強度を上げて使う予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

GMCホイールキャップ 注型完成

 先日から少しやり方を変えて注型に挑戦していたエポキシレジン製のGMCホイール用センターキャップ(複製)です。

画像は5個目の物で、注型している途中に隙間からエポキシレジンが漏れたので、当て木をしてバイスで固定していました(ここで気付くべきでした)。

 と言う訳で、テスト用のウレタン樹脂製の物(右上)が1個と、エポキシレジン+GP(ガラスパウダー)製の4個が完成となります。念の為ですが右下の物がオリジナルです。

 最後に出来たのが左下の物で、全体的に良さそうに見えるのですが、

 どうも湾曲した部分のラインが変わっている!と言う事で、結局採用するのは最初に作った二個にする事にしました。

恐らくですが、型を開いた状態で注いだレジンが、真ん中の頂点部分で反対側のシリコーン型に当たってしまい、その分厚みが付いて型がしっかりと締まらずに隙間から樹脂が漏れ、製品自体のラインも変わってしまったのでは?と思った次第です(と言っても微妙な違いですし外径は変わらないので、使用(装着)は問題無いと思いますけどね)。

元々刺さっていた4ミリ径のスチール製の芯の跡は残るように成型しているので、そこの突起の中心に1ミリの穴を開けて貫通させ、その後徐々にサイズを広げて元の通り4ミリの穴を開けました。ここには同じサイズのステンレス製のシャフトに、エポキシ接着剤を塗って本塗り前に打ち込みます。

 表面にダブルアクションサンダー#180を当てて均します。またゴムパッキンが入る周りの溝は、一部埋まった個所をヤスリで成型しておきます。

 今回使う2個はどちらも上部に気泡が出来ていたので、それをペーパーやカッター、ワイヤーブラシを使って予備軍的な壁を削り落とします。ここはガッツリやってしまいましょう。

 外周に合わせてPP(ポリプロピレン)製の板をカットし、溝に挿し込んでそれを型枠代わりとして構造用エポキシ接着剤(3Mパネルボンド)を塗布します。

 3Mパネルボンドは主に金属同士を固定させる構造用接着材で、今回のようにパテ代わりとしても使えます。

パネルボンドは単なる接着剤では無く、今回エポキシレジンに入れたGP(ガラスパウダー)のように骨材が含まれていて、ある程度粘性があるので今回のように欠落した部分をヘラで形造る事が可能です。

鈑金屋さんならよくご存じだと思いますが、パネルボンドをヘラで練る時、アルミ製のパテ板を深く傷付ける程の硬い骨材が混入しているのが確認出来るので、恐らくこれは珪砂やガーネットなど鉱物系の物が使われているのでは?と思っています(以前調べましたが判りませんでした)。

エポキシ樹脂は一般的なパテ(ポリエステル系)に比べて強度や密着性が非常に高いのが特徴で、これを軽くしたのが以下のZ-1パテです。

Z-1パティ

 PP(ポリプロピレン)などのオレフィン系樹脂は、プライマー無しだと塗料も接着剤もくっ付かないという特徴から、嵌めておいたPP板は離型剤などを塗らなくても簡単に外れてくれます。FRP屋さんだったらシートワックスとかを使う場面ですが、結構高いので当工場にはありませんでして・・・。

 その後熱を掛けて硬化させ、#120→#180で研ぎました。

ボルト穴に着いた余分の樹脂を削り落とし、取り敢えずこれで注型したエポキシ製ホイールセンターキャップは完成です。

予定ではこの後サフェーサーを塗るつもりでしたが、予想よりも巣穴が多い為、その前に一旦スプレーパテを塗ろうかと思っています。どの道本塗りは2色を二回に分けて塗るつもりなので、多少のピンホールは途中工程で埋まると思っていますが、念の為ここはローラー作戦と言うか匍匐前進な感じで行こうと思います。

段々と塗装屋の仕事らしくなって来ました(笑)。