自作デシケーター(大)作製

 デシケーターの作成に足りなかったニップル2個を近所のホームセンターで買って来ました。、一方はストレート=PF(平行ネジ)、もう一方はテーパー状=PTになったニップルです。一個¥300くらいでした。

こちらの部品は先日紹介したMonotarouで購入した物で、これらを組み合合わせると、

 こんな感じになります。

一方がドライポンプに、もう一方は内部の空気を常圧に戻す時の為の開放弁です。

 真空計のネジもテーパー状になっている為、そのまま寸胴に固定すると隙間が出来てしまうので、こちらは一旦エルボー(L型に曲がった配管)に取り付けて平行ネジに変換します。

 寸胴には13ミリ径の穴を二カ所開けて、

 先ほど作製した配管と真空計を取り付けます。また念の為穴の周りにシーラーを塗っておきます(食み出た余分は拭き取りました)。

さらに取っ手の接合部にもシーラーを塗っておきました。

後は蓋にするアクリル板と寸胴の間に挟むパッキンで、こちらは「コ」の字型のゴムモールをフチに取り付ける予定です。

と思っていたのですが、昨日行って来たコーナンで何と50cm幅のゴムマットが切り売りしていました!

近所の島忠ホームセンターやamazonでは30cm幅、もしくはロール買い(20メートル)しか無かったのですが、これを見つけられたのは凄く幸運でした。10cm150円程で、40cm買いました。

 寸胴のフチに合わせてカットし、

 さらに内側をカットします。

接着面にシリコーンシーラーを塗り、ひっくり返して重たい物を乗せて圧力を掛けます。

シーラーが固まってエアー漏れが無ければ直ぐに使えるので、時間が出来たら次はいよいよ原型となるホイールキャップからシリコーン型を作ろうと思います。

事前準備にちょっと予定外の時間が掛かってしまいましたが、これでようやくスタート地点に立てましたので、どうぞもう少々お待ち頂けますようお願い申し上げます!

遠心注型用シリコーン型作製

enshin40 先日遠心注型(脱泡)用の台座プレートが出来たので、続いてそれ用のシリコーン型を作製しました。複製するのはいつもの色見本用ミニカーですね。代り映えしなくてすいません…。

enshin41 シリコーンを注ぐ為の容器を用意する時間が無かった為、今回はMDF板に直接壁を作って注ぎ込むようにしました。実は良く判らないのですが、多分型の形を丸くしないとバランスが悪く上手く回らないんでしょうね。

enshin42 壁にはいつものPP製クリアーファイルを切って使います。こんなので大丈夫かと思いきや、意外と何とかなりました。

enshin43 芯の部分も適当な物が無かったので50mm幅のマスキングテープを置き、そことミニカーとの間には5ミリ幅のスチレンボードをカットした物を配置します。真ん中に注いだレジンが遠心力の力でその導管を通って型に流し込まれると言う算段です。

enshin44 今までシリコーンの量は適当でしたが、今回は結構使うので体積を計算してみました。

半径×半径×3.14×高さ=9×9×3.14×2.5とし、シリコーン樹脂の比重は1.2くらいなので少し多くして700g程作製しています。

enshin45 まずは真空脱泡し、

enshin46 硬化剤を混ぜ型に流し込みます。さらにもう一度この状態で真空脱泡を行います・・・が!

失敗しました…。

台に使ったMDF板が大きく、これではデジケーターに入らないのです。全く失念していました…。

enshin47 と言う事ですが、デジケーター自体をひっくり返して被せると言う荒業を考えだして何とかしのぎを削りました。

enshin48 MDFとその上に貼ったマスキングテープで空気の密封性はとても悪かったですが、鍋の上に全体重を乗せて数分ポンプを回してみると、意外にも結構なエアーは抜けてくれたようです。下の台がアクリル板だったらさらに良かったっぽいですね。

enshin49急ごしらえで作成したクリアーファイル製の壁でしたが、予想以上にしっかりしていて漏れもありませんでした。次もこれで大丈夫そうです。

既に型からの取り外しも出来ていますので、また後日紹介しようと思います。次はいよいよ遠心注型本番、ですかね。

シリコーン型 増産

car64色見本用ミニカーの製造に使っているシリコーン型は、現在一回に6台分の制作が可能で、ただウレタン系レジンは発熱量と密着性(型への食いつき)が強い為かシリコーン型の消耗が激しいです。

factory54と言う訳で先日到着していた旭化成のワッカーシリコーン8012です。本業だか副業だか判りませんが、モデラーっぽい塗装屋さんに教えて頂きました(笑)。

car210 新たにマスターとして使うのはサフェーサーで仕上げた物で、これなら巣穴も綺麗に埋まっているので良い型が作れる気がします。ただお尻の部分にネジ穴を開けていたので、そちらは一旦ラッカーパテで埋めておきました。この後塗装する物なので油粘土は嫌だったんですよね。もしくはガムとかご飯粒(!)でも良かったのかも知れません。

car211 ちなみにシリコーンを使う時にいつも思うのが容器の口の部分の汚れで、よくガムテープなどを着けたりする光景を見かけますが、自身一度も上手く行ったことがありません(苦)。

ただそう言えば以前オートサプライヤーさんがこんな方法を行っていたのを思い出して、ちょっと試してみました。容器の内側では無く外側にマスカーを貼ってしまいます。

car212 必要量をカップに移し、硬化剤を混ぜる前にまず一回目の脱泡を行います。使っているのは以前作成した真空脱泡用のデジケーター(元はただの鍋)です。

car213 ちなみに今回は3回脱泡を行いましたが、やはりと言うか一番最初のこれが最も激しく泡が出ました。

car214 そして注いだ時のいつもはヌルヌルのダラダラになってしまう容器のフチは、少し的が外れてしまっていますが(一体どうして・・・)、ほぼ容器のフチを汚さず後片付けが出来ました。次は大丈夫だと思います。

car215 二回目の脱泡は容器に硬化剤を混ぜた状態で、最後は上の画像のように型に注いだ状態で真空脱泡を行いました。

car216尚、こちらのシリコーン型は先週末に作成しておきまして、今朝出社した時にはしっかり固まっていました。

car223 原型となるミニカーは、底に両面テープを二重に貼って厚みを出し、少し浮かした状態にしてシリコーンを注ぎました。一枚台紙を剥がし忘れていたようですが、問題無かったようです。

car224 取り出す時は口の周りにカッターで切れ目を付け、多少強引に抜き出します。

ちなみに今回はタイムアタックも行っていて(私的に結構これが好きです)、型の準備から脱泡作業、シリコーンを注ぎ終わるまでに一時間を切りました(55分でした)。本当は型を分割にしたりした方が早いのでは?と思ったりもしたのですが、だったら型自体の製造スピードを上げればと言う事でどれくらいで出来るのか試してみたかったのです。

car225 と言う訳で新たなシリコーン型の完成です。

元々使っていた物もまだ十分使用は可能で、これで3倍、いや12倍は早く作れるようになる予定です(笑)。

car220先日塗装が完成していたSTANDOXリキッドシルバー仕様のミニカーもキーホルダー化は完成していて、もう少し撮影を行ったら改めて紹介しようと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車用色見本 シリコーン型作成

sworksmini3先日エポキシパテで作っておいたS-WORKSカーボンフレームのヘッドチューブ周りの原型です。今回はこれを複製する為のシリコーン型を作成します。

sworksmini先日サフェーサーを塗っておいたので、まずはそれを水研ぎします。

sworksmini13クリアーファイルの上に両面テープを貼って原型を中央に配置し、それを囲むようにブロックで壁を作りました。

black6使うのは少し前に購入してまだ余っているクレオスのシリコーンです。主剤が少々固くなっていましたがまだ大丈夫な範囲だと思います。次はヤバいかもですね。

pomp16シリコーン型の作成には少し前に作成した真空脱泡機があるのがかなり力強いです。今までは気泡が噛んでしまうような入り組んだ箇所も、これがあると細部まで綺麗に行き渡ってくれます。

sworksmini10 まずは硬化剤を混ぜる前に主剤だけを脱泡します。うっかりパワーを全開にすると溢れてしまうので少しずつ空気を抜きながら調整してあげます。

それにしてもこの光景、どこか懐かしい記憶!というかとっても美味しそう!(笑)的な記憶が蘇ると思ったら、これってまるでカプリコなんじゃ・・・と気が付きました。実際の所はどうなのか判りませんが、カプリコのようなエアインチョコもこうやって真空状態にしてあの気泡を作っているのではないでしょうか(なんて全然違うかも知れませんが)。

sworksmini11 3分くらい待ってから圧力を戻してあげるとこんな感じで落ち着いてくれます。常圧に戻す時に加圧と同じような作用が行われるようで、潰れないで残った気泡もみるみる体積が減って消えてしまいます。

sworksmini8 と言う訳で先ほど予備脱泡をした主剤に硬化剤を3%混ぜて掻き混ぜて型に注ぎます。ちなみにマニュアルだと硬化剤は4%になっていますが、何度か煮え湯を飲まされていますので3%以下にしています(どうかと思いますがそれで問題無く固まります)。

尚、シリコーンを注ぐ際、今までは気泡が入らないように高い位置から糸状にして少しずつ入れていましたが、真空脱泡機があればそういうのも大丈夫な筈なので(多分)気にせずドボっと入れてしまっています。

sworksmini12 窯の中に入れてポンプを動かして真空にします(実際には真空には至ってませんが)。

sworksmini143分くらいおいてから常圧に戻してあげると予備脱泡の時と同じくこんな感じで落ち着きます。この状態ではまだ硬化していません。しっかり固まるには一日は掛かります。

それにしてもこの形、まるで豆腐屋さんになって気分です(笑)。

sworksmini16 そして後日、シリコーンが固まったので台から剥がします。裏側はこんな感じになってます。

sworksmini17型から原型を取り出しました。多少固くなったシリコーン樹脂を、しかも全く気を遣わずに注ぎましたが、気泡など一つも見当たらずかなり綺麗に成型出来ています。恐るべし真空脱泡機です。これをコンクリートで使ったら凄い高密度のが出来るんじゃと妄想が止まりません・・・(危)。