スマートキーカバー ロゴ色確認

car137 先日に引き続きトヨタランクル用のスマートキーカバーのボタンとトヨタ極小エンブレムに使う色の検証を行っています。

前回はSTANDOXのSPFシルバーで4種類の色を作成しましたが、もっと黒味を強くしても良いかと思い新たに5種類の色見本を作成しました。トヨタの極小エンブレムも新たに5個抜いてます。

car138 色はSTANDOXのSPFシルバーを使った3コート塗装で、金属感を強調する為にまず黒を下塗りします。

今まで金属感を出す塗装ではここで一旦クリアーを塗って熱を掛けていましたが、艶々の上に足付け処理無しで塗るというのが耐久性の面からして好ましく無く、その点今回の仕様は途中のクリアー塗装が必要無いのでそういった問題もありませんから私的に気に入っています。

ちなみにクリアーを塗ってから完全硬化させ「24時間以内」と言う事であれば足付け処理無しでの塗装もマニュアル上で許されてはいるのですが、それって再補修時の事は多分考えられてませんよね。塗装屋さんなら判ると思いますが、削った際に塗膜のエッジがブチブチと切れる感じで、下から艶のある塗膜が見え、そして綺麗にフェザーエッジが出ないのがとても我慢が出来ないのです。

car139 そしてSPFシルバーを塗布します。見た目は艶があるのでクリアーを塗ったように見えますが、これも普通のベースコートです。

模型などを塗る方からするとベースコートでここまで艶を出す事は無いと思いますが、塗りあがりの艶(肌)を重要視する自動車補修塗装だとこれは普通の事です。と言うかドライコートで塗るのはかなり問題で禁止されている塗り方の一つですので。

それにしてもSTANDOXはベースコートが重いので、今まで違う塗料を使っていて移行した塗装屋さんは最初ビックリしているのではないでしょうか。例えばDUPONTではあり得ない事ですが、STANDOXだと「ベースコートで垂らす」と言うのが連発します。特にこれからは気温が下がるので、シルバーとか白とか隠蔽の悪い色は気を付けないとヤバいですよね。

car141そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

今回の内訳としては、SPFシルバーと樹脂(バインダー)を「1:20」「1:25」「1:30」「1:35」「1:40」の5種類を塗っています。

car140塗料中のシルバー顔料が少ない物に関してはもはやただのガンメタじゃ!と言う感じも否めなくはありませんが、まあこれも実際にやってみないと判らない物で、また色見本としてこれからも残るのでとても重要な事でもあります。違う原色塗料が出た時の比較にもなりますしね。

尚いつもの如くブース内だと金属感が弱く見えてしまいますので、完全硬化後に改めて自然光と室内照明下の下で確認~撮影してみます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

トヨタスマートキー ロゴ色確認

car65現在施工中のトヨタスマートキーに埋め込む極小トヨタエンブレムは前回モトクロームで各色に塗装しているのですが、それだと他のロゴや文字の色と揃える事が出来ない為、改めて「2コート塗装」で出来るようにと色を検討し直し中です。

ちなみにモトクロームは変則3コート塗装で、今回のような微細な文字入れ塗装には到底適用出来ません。塗装屋さんなら判ると思いますが、結構面倒な塗装なのです。

car66と言う事で少々勿体ないのですが塗装済みの自家製極小トヨタエンブレムも足付け処理をして塗り直します。

standox15今回使う原色は少し前に導入したSTANDOXの新色SPFシルバーで、粒子感が非常に細かくてフリップフロップ性が高い金属感のあるメタリック原色です。

今までのメタリックは溶融したアルミをノズルから排出し、高圧ガスで霧化したアトマイズ粉をボールミルなどで粉砕・研磨してフレーク状にするという金箔と同じ製法だったらしいのですが、これに対して最近のメタリックは(恐らく「高輝度」と呼ばれる物)、アルミを基盤に蒸着させて粉砕・分級し薄片にするといった「蒸着アルミフレーク」が主流になっていて(と言う事が先日のレクサスのムック本に書いてありました)、その為に最近立て続けに新色のメタリック原色がリリースされているのだと思います。

car67 と言う訳で下塗り無しでそれぞれの色を塗っていきます。

car68 色の構成は「SPFシルバー」と黒「MIX571」で、それぞれ5:2、5:1、1:1、1:2、1:4の5種類を作成しています。

car69 こちらが丁度真ん中の1:1です。私用のサンプル用のキーホルダーもこの色で塗っておきました。

car74 それぞれ区別が付くように裏側に使った原色と比率を描いてあります。さすがにトヨタのエンブレムは描けないので位置がズレ無いように注意しておきます(まあ見比べれば判りますけどね)。

car75一番金属感があるように見えるのは1:1の比率の物ですが、ただ今回は車体に採用されているブラックメッキをイメージされていますので、となると一番手前の濃いのが良いかも知れません。

まああくまでもイメージではありますが、ご確認&ご検討頂ければと思います。

ようやくこれで一歩進みました(しかし作業が進んでも何故かゴールが霞んで行くような気が…笑)。

スマートキー ボタン作成

key54 現在仕事で作業進行中のトヨタランクルのスマートキーカバーです。本業の塗装からは少し外れてしまっていますのでこちらの社外記での紹介となります。

スマートキーのボタンはカバーパネルよりも一段低くなっていて、オーナー様からはここをツライチにされたいとの事で加工を承っています。

key55方法としてはボタンの上に新たにABS板を貼り付ける方法で、在庫のある0.3mm、0.5mm、0.8mm、1.0mm~の中から丁度良さそうな0.8mm厚の物を使う事にしました。

key56 ちなみにボタン部分はこのように若干山なりになっているので、

key57 ABS板を貼り付けられるよう表面を平らに削ります。

削ってもイラストが消えないのでこれはプリントではないからで、さすがと言うかこの辺は良く出来ていますね。

key58 ABS板を粗削りしてボタンの形に大体合わせ、両面テープで仮貼りします。

key59 その後さらにペーパーで形を整え、実際に装着してみました。

key60続けて他の二枚も作成します。

ただ如何せんサイズが小さいだけに、ちょっとしたチリ(隙間)が目立ってしまいますから、結局ここからかなりの微調整が必要になりそうです。

またABS板も平らなままで変なので、枠の形が決まったら表面にパテを盛り、周りのカバーパネルのラインに合わせて削り出す作業を行う予定です。

ちなみにトヨタのエンブレムを埋め込む方は現在真空脱泡器製造計画(!)を進行中で、少し余計に時間が掛かるかも知れませんがそれなら失敗する確率は格段に減らせると思います。

そちらも材料が届き次第順次紹介していきますね。どうぞ今しばらくお待ちくださいませ!

スマートキー用トヨタエンブレム 増産

key34こちらは塗装の仕事でご依頼頂いている、トヨタのスマートキーカバーに埋め込む極小エンブレムバッジです。奥の物が元々着いていた物で、新たに入手した手前の物をブラックメッキ調に塗装してキーケースに埋め込み、さらに透明レジンで琥珀のように固めてしまおう!と言う作戦ご依頼です。

ただ作業をした時の事をイメージしてみると、どうやっても透明レジンを注いだ時に中に気泡が混入してしまい、かといって既に塗装した物を塗装したカバーに埋め込んでいる訳なので、もう取り返しが効かない・・・と言うような地獄絵図が頭の中に出来上がってしまいまして(苦)。

key43 と言う感じで、もう失敗する事が前提になってしまっているので、まずは複製品を使って練習&改善方法を模索する事にしました。最近流行りのシリコーン型です。

key44 もっと早く気づいていれば色見本用の車を作る時に一緒に出来ていたのですが、まあお陰で型造りの作業は随分と慣れました(笑)。

key45シリコーンが固まって台座から外した状態です。

key46 さすが買って開けたばかりのシリコン樹脂と言う事で、非常に流動性が良く細部まで気泡も入らず綺麗に型が取れました。

っていうかあれから色々と調べていたら、どうやら古くなって固くなったシリコーン樹脂に入れる専用シンナーと言うのがあるみたいですね。

key47 と言う訳で車型の色見本と一緒に複製作業に勤しんでいます(勿論仕事の合間にです)。

key48 食み出た分は研ぐのが面倒なので、上にクリアーファイル(ポリプロピレン樹脂)の切れ端を置いておきます。

key49さらにその上に重しを置いて余分を減らすようにします。

key50 そしてジャジャーン!と、複製品の出来上がりです。

key51 取り敢えず5個作製しました。

回りに付いたバリは裏側を平らに削っていれば勝手に取れてくれます。

key52 良かったのは元の金属製の物と違って樹脂なら簡単に削って薄く出来る事で、これならカバーのツラよりも確実に低く出来るのでしっかり樹脂の中に固める事が出来そうです。key53ついでに、なんてやっている内に色見本用の車の方も大量に出来てしまいました。これなら取り敢えずはシリコーン型を増産しなくてもやっていけそうですね。