スマートキー ロゴ入れ塗装 テスト

key131 先日作成しておいたトヨタランクル用スマートキー用のマスキングシートです。ようやく色が決まりましたので早速テスト塗装を行いました。

key132 今回は元々サイズの小さいスマートキーカバーに「LAND CLUISER」のロゴを塗装で入れようという事ですから、一文字辺りのサイズは普通ではあり得ない程のサイズになっています。

通常であればデカールで行うのですが(そもそもそのつもりでした・・・)、カバーの窪みに埋め込むトヨタの極小エンブレムと色を合わせようと言う事でこちらも塗装になっています。

key133 マスキングシートの使わない部分を、ちょっと試しに1円玉に貼ってみました。尋常では無いサイズなのが判ると思います。

key134 テスト用の被塗物としては、いつもの注型ミニカーを使います。

ベースカラーのホワイトパールは、スマートキーカバー本体に塗った色と同じ「トヨタホワイトパールクリスタルシャイン」(カラーコード:070)で、少し前にこちらで紹介した痛車風のキーホルダーの時に一緒に塗っておいた物です。あの色はこの色だったんですよ。

key135 ロゴの色は3コートSPFシルバーで、まず下色に黒を塗り、その上に樹脂で15倍に薄めたSTANDOX SPFシルバー原色を塗っています。

key136 ロゴが余りにも小さいので実際はどれぐらいシルバーを塗っているのかよく判りませんから、目安としてこちらの色見本にも同じ様に塗る事にしました。

key137 ロゴの方のマスキングを剥がしました。

key141 さらにクリアーも塗っています。丁度お急ぎ(納期指定)でマイク塗装のご依頼があったので、タイミングよくこちらも一緒に塗る事が出来ました。

マイクの塗装はライブの関係上納期を急がれる方が多く、ただお金が勿体ないので(納期指定のオプションは5割程上がってしまいます)、出来るだけ早めにお問合せを頂ければと思います。尚年内完成は既にお受付を終了しております。

key142こちらも同じくクリアーを塗りました。

ただやはりと言うかあのサイズのロゴへの塗装だとどうしても塗装(塗膜)は控えめになってしまうので、同じ15倍希釈のシルバーでも明るさが弱いように感じます。

こちらはまた後日改めて検証してみたいと思います。

key138 それよりもどうしても諦めきれていないのがこちらのレーザー加工機によるマスキングテープのレーザーカットで、物理的に刃が回ってカットするカッティングプロッターの仕上がりではどうしても気に入らない部分があって、それに比べるとこちらのレーザーカットした物ではとても満足のいく仕上りなのです。

もはやマスキングで出来る域を超えているのは重々理解はしているのですが、どうせならさらに高みを目指したいので、もう少しこちらを詰めてみようかと考えております。

key140カッティングプロッターを使っている方ならこれがどういう仕上がりなのか良くご理解を頂けているかと思います。カッティングプロッター速度を一番遅くしても角では刃の回転が追い付きませんが、レーザーだと並行と垂直がキッチリ出ています。

key139 ただレーザーでもここまでのサイズとなると使い方はかなりデリケートで、カットするその時の気温(雰囲気温度)にまでも左右されてしまう程なのでこれも中々思うようにはいきません。少し前に試した時は上手くいっていたのですが、今回は殆どが失敗していたんですよね。

と言う事でもう少しこの辺を煮詰めてみて今一度テスト塗装を試みてみようと思います。

長らくお待たせしておりますがどうぞもう少々お待ち頂ければ・・・と思う次第です。

スマートキーカバー ロゴ色確認

car137 先日に引き続きトヨタランクル用のスマートキーカバーのボタンとトヨタ極小エンブレムに使う色の検証を行っています。

前回はSTANDOXのSPFシルバーで4種類の色を作成しましたが、もっと黒味を強くしても良いかと思い新たに5種類の色見本を作成しました。トヨタの極小エンブレムも新たに5個抜いてます。

car138 色はSTANDOXのSPFシルバーを使った3コート塗装で、金属感を強調する為にまず黒を下塗りします。

今まで金属感を出す塗装ではここで一旦クリアーを塗って熱を掛けていましたが、艶々の上に足付け処理無しで塗るというのが耐久性の面からして好ましく無く、その点今回の仕様は途中のクリアー塗装が必要無いのでそういった問題もありませんから私的に気に入っています。

ちなみにクリアーを塗ってから完全硬化させ「24時間以内」と言う事であれば足付け処理無しでの塗装もマニュアル上で許されてはいるのですが、それって再補修時の事は多分考えられてませんよね。塗装屋さんなら判ると思いますが、削った際に塗膜のエッジがブチブチと切れる感じで、下から艶のある塗膜が見え、そして綺麗にフェザーエッジが出ないのがとても我慢が出来ないのです。

car139 そしてSPFシルバーを塗布します。見た目は艶があるのでクリアーを塗ったように見えますが、これも普通のベースコートです。

模型などを塗る方からするとベースコートでここまで艶を出す事は無いと思いますが、塗りあがりの艶(肌)を重要視する自動車補修塗装だとこれは普通の事です。と言うかドライコートで塗るのはかなり問題で禁止されている塗り方の一つですので。

それにしてもSTANDOXはベースコートが重いので、今まで違う塗料を使っていて移行した塗装屋さんは最初ビックリしているのではないでしょうか。例えばDUPONTではあり得ない事ですが、STANDOXだと「ベースコートで垂らす」と言うのが連発します。特にこれからは気温が下がるので、シルバーとか白とか隠蔽の悪い色は気を付けないとヤバいですよね。

car141そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

今回の内訳としては、SPFシルバーと樹脂(バインダー)を「1:20」「1:25」「1:30」「1:35」「1:40」の5種類を塗っています。

car140塗料中のシルバー顔料が少ない物に関してはもはやただのガンメタじゃ!と言う感じも否めなくはありませんが、まあこれも実際にやってみないと判らない物で、また色見本としてこれからも残るのでとても重要な事でもあります。違う原色塗料が出た時の比較にもなりますしね。

尚いつもの如くブース内だと金属感が弱く見えてしまいますので、完全硬化後に改めて自然光と室内照明下の下で確認~撮影してみます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

3コートSPFシルバ―塗装

car88 先日導入したスタンドックスの新色SPFシルバーですが、その後原色の黒(MIX571)を混ぜた2コート仕様として何種類かの色見本を作成しておりまして、さらに今回は改めて3コート仕様を試してみる事にしました。

key65 ちなみに当初トヨタの極小エンブレムはメッキ調塗装で進行していて、これは一旦艶あり黒で完成させた後にさらに専用のシルバー(モトクローム)を塗装し、専用のクリアー(モトクリアー)&通常のクリアーを塗るという手間の掛かる工程となる為、今回のスマートキーのボタンに入れる極小のロゴには使えず、色の統一感を図れないという事で却下となりました。

car74 car75その後に検証したのがこちらの「SPFシルバーに黒を添加」する仕様で、ただどうしても黒味よりもシルバーの輝きが強くなってしまい、かといって明るさを抑えようとすると金属感が落ちると言う事に陥ってしまいました(まあ当然と言えば至極当然なのですが・・・)。

と言う事で、今回の改めて黒とSPFシルバーを別々にした「3コート塗装」としまして、イメージとしてはマツダの新色「マシーングレープレミアムメタリック」(カラーコード:46G)をさらにドぎつくしたような感じです。

mazdaマツダのマシーングレープレミアムメタリックにはSPFシルバーは他の色に対して3割程しか入っていなく、また黒も1割程入っている為、恐らく先に作成した色見本と金属感的にはそんなに変わらないと思います。上の画像はかなり良い具合に見えますが、これは塗装面積自体が大きいのと、さらにコントラストを強く画像を加工編集した物と思われます。

car89 と言う事で今回は下色にマシーングレープレミアムメタリックと同様に単体の黒(MIX571)を塗り、その上にSPFシルバーのみを含有量を変えて塗装しました。下色との差が大きいので当然ムラやダマは目立ちますが、その分金属感は増します。

car90 SPFシルバーはMIX818と同様に隠ぺい力が高く、そのまま塗るとあっという間に下色の黒を隠ぺいしてしまいます。

ですので今回はマツダのマシーングレープレミアムメタリックを参考に、SPFシルバーに対して樹脂分(バインダー)を添加してシルバーの含有量を減らし、下色の黒を透かせようとしました。

上の画像ではシルバー原色1に対してバインダー分が4となっていて、これでもマツダのマシーングレープレミアムメタリックよりは薄くしてありますが、シルバー感は強過ぎます。2コートしか塗っていませんが下の黒は殆ど隠蔽してしまっているようです。

car91と言う訳でその後徐々にバインダー分を増やして塗料中のSPFシルバー含有量を減らし、最終的にはこちらの「1:15」までしました。SPF シルバーを15倍に薄める!と言う程にまでしています。

ただそれでもシルバー感は強く、最終的にはウェットでは無くドライコートで、ムラ・ダマが目立たないギリギリの所に留めて塗りました。被塗物が小さいから出来ていますがボンネットじゃ多分相当ムラムラです。

car92 その後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、最初に塗った「SPFシルバーに黒を添加」した2コート仕様の見本と見比べてみました。そちらが右奥で、今回の3コート仕様が手前です。

car93 SPFシルバーをドライコートで仕上げた見本と、以前「モトクローム」を使ってブラックメッキ調に塗ったダースベイダーのと比べてみました。

ダースベイダーの方は5コート2ベイクとかなり手間が掛かっていますが、今回の3コートSPFシルバーも工程の割には似たような雰囲気になっています。

car94 全方向から光が当たる塗装ブースの中では余り金属感が判りませんでしたが、外に出してみるとその差は歴然でした。バインダーで薄めたSPFシルバーは完全には隠ぺいしておらず、一方向からのみ光が当たると下色の黒が透けて良い具合に黒味が出てくれています。

念の為ですが、手前が2コート仕様で、奥が今回の3コート仕様です。

car95屋外で見るとさらに金属感が強調されます。勿論ですが、画像は未加工です(縮小はしていますがいつもの撮影と同じです)。

普通の純正塗料(自動車補修用塗料)でこの質感はちょっと昔ではあり得ないくらいで、さすが蒸着アルミフレーク!(多分)と感心しました。

と言う事で、一応私的には上の画像の一番手前の、「黒の上に、15倍に薄めたSPFをドライコート」で良いのでは、と考えております。

どうぞご確認の程宜しくお願い致します!

トヨタスマートキー ロゴ色確認

car65現在施工中のトヨタスマートキーに埋め込む極小トヨタエンブレムは前回モトクロームで各色に塗装しているのですが、それだと他のロゴや文字の色と揃える事が出来ない為、改めて「2コート塗装」で出来るようにと色を検討し直し中です。

ちなみにモトクロームは変則3コート塗装で、今回のような微細な文字入れ塗装には到底適用出来ません。塗装屋さんなら判ると思いますが、結構面倒な塗装なのです。

car66と言う事で少々勿体ないのですが塗装済みの自家製極小トヨタエンブレムも足付け処理をして塗り直します。

standox15今回使う原色は少し前に導入したSTANDOXの新色SPFシルバーで、粒子感が非常に細かくてフリップフロップ性が高い金属感のあるメタリック原色です。

今までのメタリックは溶融したアルミをノズルから排出し、高圧ガスで霧化したアトマイズ粉をボールミルなどで粉砕・研磨してフレーク状にするという金箔と同じ製法だったらしいのですが、これに対して最近のメタリックは(恐らく「高輝度」と呼ばれる物)、アルミを基盤に蒸着させて粉砕・分級し薄片にするといった「蒸着アルミフレーク」が主流になっていて(と言う事が先日のレクサスのムック本に書いてありました)、その為に最近立て続けに新色のメタリック原色がリリースされているのだと思います。

car67 と言う訳で下塗り無しでそれぞれの色を塗っていきます。

car68 色の構成は「SPFシルバー」と黒「MIX571」で、それぞれ5:2、5:1、1:1、1:2、1:4の5種類を作成しています。

car69 こちらが丁度真ん中の1:1です。私用のサンプル用のキーホルダーもこの色で塗っておきました。

car74 それぞれ区別が付くように裏側に使った原色と比率を描いてあります。さすがにトヨタのエンブレムは描けないので位置がズレ無いように注意しておきます(まあ見比べれば判りますけどね)。

car75一番金属感があるように見えるのは1:1の比率の物ですが、ただ今回は車体に採用されているブラックメッキをイメージされていますので、となると一番手前の濃いのが良いかも知れません。

まああくまでもイメージではありますが、ご確認&ご検討頂ければと思います。

ようやくこれで一歩進みました(しかし作業が進んでも何故かゴールが霞んで行くような気が…笑)。