MIX575&MIX577 イエロー系色見本

好きな事を仕事にしてしまうと、私用での塗装は余りやれなくなってしまうのですが、最近行っている色見本の製作は仕事の一環と言う事もあって非常に楽しくやらせて頂いています。イメージとしてはロールプレイングゲームで敵を倒して経験値を稼ぎつつ、お金やアイテムを手に入れている感じでしょうか(いずれ時間が出来たらまたゲームをやりたいなぁ、と)。

 と言う訳で、今回の色見本はSTANDOX MIX577、オレンジ寄りのイエローです。

弱点としては隠蔽力が弱い所がありますが、有機顔料らしい発色の良さ(彩度の高さ)と、透明感の中に温かみのある暖色系な黄色が私的に大好きな原色の一つです。

オレンジの原色はMIX579が別にありますが、そちらは比較的濁った色なので余り使われる事は無く、むしろこちらの方がオレンジ系の塗色には多く採用されています。

 今回も予備用としてアクリル板は2セット分塗りました。

 また今回はこちらのMIX577とは別に、レモンイエローなMIX575も塗っています。奥にある青味のある黄色がそうで、少し前に塗ったレモンイエローなマイクに採用したMIX884に似た色ですね(似ていますが微妙に違います)。

 クリアーは後日それぞれ仕事でご依頼頂いた案件と一緒に塗らせて頂きました。艶消しのクリアーはアルファロメオ147の内装パーツの序となります。

こちらがレモンイエローなMIX575の方で、こうやって彩度の高い塗料原色を白で割って順番に並べると、印刷のそれとは大きな違いがある事に気が付きます。

並んでいる色見本は左の方が白が多く含まれていますが、鮮やかなイエローが含まれているにも関わらず、途中で黄土色っぽい色になっているのが判ります。具体的に言うと、左から2番目~4番目はちょっとおかしく見えませんでしょうか。

この辺が「染料」と「顔料」の違いで、塗装(塗料)の場合は白と混ざれば何でも発色が良くなるという訳では無く、むしろ「濁り」を生じてしまいます。

ちなみにこちらのレモンイエロー的な原色「MIX575」は、イエロー系ではとても多く使われる塗料原色で、車体色で言うと、


・ポルシェ「スピードイエロー」(カラーコード:12G)

ブレンボブレーキキャリパー塗装 完成


・フェラーリ GIALLO MODENA(カラーコード:4305)

Ferrari F50 Brake Calipers


あとは珍しいところで

・スバル「サンライズイエロー」(カラーコード:C2Z)

SUBARU IMPREZA Canard&Interior parts

などの色に多く使われています(こちらはてっきりオレンジ寄りのMIX577が多く使われていると思いきやMIX575がベースだったというオチで・・・)。

この原色無くして世の中のイエローは作れない、と言う程使用頻度は高くなります。


そしてこちらが最初に紹介したオレンジ寄りのイエロー、MIX577です。

やはりこちらも左から2番目~4番目で色が変な濁り方をしていて、せっかく透明感があった色が台無しとなっています。この場合彩度を落とさず明度を上げるには、白では無く先ほどのレモンイエローMIX575を使うのが正解と言うのが良く判ります。こういう事に気付けるのも設定を固定した色見本の良い所ですね。

と言う訳でこれでようやく6原色で、次は赤系のMIX561と、先ほども紹介したオレンジ原色MIX569を作る予定です。

こうやって色相=原色数を増やしていき、これは!と言う12色がいよいよ揃ったら・・・

以前から計画していた色相環壁時計計画を実行してみようと思います。

あ、でもその前に塗装スタンドが思いの外ご好評を頂いておりまして、そちらの商品化を先にしようと思います。お陰様で3個受注しました!(まだ値段も決めていなかったのでフライング気味過ぎている気がしますが…)。

尚こちらはブログとかSNSをご利用の塗装屋さんにはモニター的に無料で差し上げる事も考えておりますので、宜しければ是非ご応募頂ければと思います。詳細が決まり次第紹介させて頂きますね。

塗装スタンド2.1 完成

以前こういった小物塗装用のスタンドを自作していて、これはこれでとても重宝しているのですが、

その後クリップ単体で使うケースが増えて来て、

ただこれだと台の高さがあるのでクリップを持つ部分が狭く、なので新たに専用の台を作る事にしました。

ちなみにこれらのスタンドは以下ページの記事にある物です。

自作塗装スタンド(保管用)

 取り敢えず以前のデータの基にして半分ほどのサイズに変更し、

レーザー加工機でテストカットをしてみます。

が、何故かちょっとエラーが出て一部が違う形に…。

まあ取りあえずは試作と言う事で一応組んでみました。

クリップが掴み易いようにと今回は高さは50ミリに抑えたのですが、ちょっと低すぎたようで不安定な感じが否めません。

また一応中央にボール紙の棒も挿せるようにしましたが、この高さじゃ全く意味が無かったですね。この辺がやはり二次元で見ているだけの場合と実際に三次元に起こした時の違いでしょうか。俄然やる気が出て来ます(病)。

と言う訳で新たにデータを見直しました。今回は3コート・・・じゃ無くて三層構造です。

使っている材料はいつもの6ミリ厚のMDF板で、横幅が40センチ、縦が30センチのサイズです。

ちなみにこのような塗装台は既に「模型用」として市販されているのですが、それらはプラスチック製だったり、被塗物を挿したまま持ち運ぶ事は想定していないようなので、だったらと言う事で自作してしまおうと思った次第です。データさえ出来てしまえば量産も可能ですしね。

と言う訳でジャジャーンと!取り敢えず塗装台Ver.2.1の完成となります。

尚今回は以前作ったスタンドよりも穴のサイズを少し小さくし、接着剤無しで組み付けられるようにしました。前回はレーザーで焼けてしまう分を考えなかったので挿し込む個所が緩かったんですよね。

ただ今回の物は仕事で使う物なので、念の為天板のみ木工用ボンドをくっ付けてます。

今回は中板(底板)に少し大きめの穴を開け、そこにクリップの柄を通して安定するようにしました。

また中板のサイズを少し広くする事で柄のが外に食み出さないようにもしています。隙間に指を入れられるので台から持ち上げる時も遣り易いですかね。

この状態でもしっかり固定されていますが、

さらに中板を上にスライドする事でホールド性が高まります。こいつ・・・動くぞ!みたいな(判りませんか)。

普段の仕事では塗り終わった物を乗せたまま移動させる事が多いので、これだけしっかり固定していれば隣の被塗物と接触するような事も無いと思います。

落とそうとしても落ちないくらいなので、塗る時はわざわざクリップを一本ずつ抜いて持つのではなく、この台ごと持って塗った方が楽かも知れません。汚れたらまた作れば良いですしね。

尚、今回作った物は以下よりPDFファイルがダウンロード出来ますので、レーザー加工機を遣える方はご自由にお使い頂ければと思います。使い易いよう適当に改造してみたりもどうぞ。

また以前作製した台も今度増産するので、細部を修正したらそちらもアップしたいと思います。大した物では無いですが、完成度が高まればウェブショップでも販売しようかと思います。