0.01g電子天秤導入

塗料の重さを量る場合はこういった専用のスケールを使っていて、自動車塗装用だと0.1g~6Kgくらいまで量れるのが一般的ですが、

ただ現在の「小物」になってからは必要な量が極少量で良くなってきたので、もっと精密に量れる秤が欲しかったんですよね。

また少し前からSTANDOXから配布される配合データが小数点第二位まで案内してくれるようになったので(昔は第一位まででした)、もしかして他のペイントショップでは既にそういった精密秤を導入しているのでは?!と思い、担当してくれているオートサプライヤーさんに相談したところ、「そんなの使ってるところありませんよ(笑)」という事で、どうするか悩んでいたんですよね。

例えばこちらは以前塗装したWRX STIのフロントグリルメッキモールに塗ったWRCブルー(カラーコードK7X)ですが、使う塗料の量は極少量で、ただ必要量(20gくらい)を作ろうとすると各原色の数値はかなりシビアになり、今の秤では正確な色が作れません。なので実際には50gくらいの量を作っていて、ただこうなると使う分よりも余る方が多く、それでもそういった塗料は捨てずに下色として使っていますが、それにしたって無駄過ぎています。

 と言う訳でジャジャーンと!

 新しく0.01gから測れる秤を買いました。時期的にはクリスマスプレゼントといった感じでしょうか(もしくは現物支給のボーナス・・・)。

 ちなみに0.01gから測れる秤でも数千円で買える物もありますが、さすがに仕事で使うにはその辺では不安がありますし、何より使っていて誤差が出て来るのが怖いです。

例えば1円玉は1グラムですが、実際に量ってみると0.99gだったりしますので、

キャリブレーション機能を使って校正を行います。ディーラーに勤めていた時は一年に一回メーカーの人がやってきてこれをやってくれていましたが、多分一回で3万円くらいは掛かるので(出張なのでもしかしたらもっとかも・・・)、普通の町工場でそんな事をやっているところはありません。少なくとも私を含め、見たことも聞いた事もありませんので・・・。

 と言う訳で、まずは水平を出して、

 分銅を使って調整を行います。

 20グラムで校正を行い、その後各分銅で±0.01gの誤差も無い事を確認しました。なんて気持ちが良い・・・。

その後汚れないようマスキングをして、工場一階の調色室に設置しました。

水平を出して改めて量ったところ問題無かったので、これでようやく少量での色作成が出来るようになりました!。無駄が無くなったのもそうですが、何より四捨五入しないでピッタリ作れるのは気分が良いです。

ただ塗装屋あるあるで、目検討で入れたクリヤーや硬化剤が奇跡的にピッタリ!(これは超気持ちが良いです)と言うのは、相当難しくなってしまいました(笑)。

IWATA 極み Mini

 先日塗料屋さんからお借りしていたデモ機のIWATA 極みMiniですが、その後使ってみて悪いところは見当たらなかったので早速購入しました。良い点は、実はまだよく判っていません(笑。いや、デモ機を借りた時点で買うのは既に決まっていまして)。

 現在持っているスプレーガンでは、IWATAのMiniガンは合計8丁になりました。口径は0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.0mm、そして今回の1.3mmです。

車体を塗っていた頃は普通のガン(もっと大きいタイプ)をメインに使っていましたが、今の小物になってからはこの辺の小さいガンしか買っていません。SATAも使っているのは0.3mmと0.5mmのエアーブラシだけですし、デビルビスもミニガンだけです。新車肌の再現とかより、肌目を残さない塗り方&見切りの美しさ、そして小回りが効くのを優先している結果ですかね。

新しい極みminiを使ってみた感じとしては、トリガーの引きがちょっと強くなったかな?と思いましたが、多分今まで使っていたガンのバネがヘタっているだけか、ニードルパッキン(白いプラスチックの部品)がまだ新しいからだと思います。実際の良し悪しが判るのはせめて100回くらい、三ヶ月は使ってみないと判らないですかね。あとはパターン幅が少しの回転で変化してくれるので、トリッキーに塗る時にはそれが便利だと感じました(形がイビツな物は塗装中にパターン幅を何度変えながら塗ります)。

 そう言えばスプレーガンとは全然関係ありませんが、先日使ったVOCプラチナクリアーと、クリスタルクリアーを再び比べてみたので紹介したいと思います。

左がクリスタルで、右がプラチナクリアーです。クリスタルもそこそこ色が着いた(黄色い)クリアーですが、プラチナの方はさらに濃い感じです。高いクリアーは耐候性を上げる為などの添加材が入って大体濃くなる傾向になって、逆に昔アルバイトで行っていた会社のパナロックの10:1を使った時は、その透明度にまるで水のよう!と驚きました。磨きも楽で、あれだったら身体も壊さなかっただろうなぁ、と(現時点で背中が毎日ヤバいです)。

 尚、常温での硬化速度はプラチナクリアーの方が早いです。

以前の旧プラチナクリアーは締まり切りが悪く、非常に磨き難いので80℃二度焼き(磨く直前も入れると三度焼き)が必用との事で、かなり酷評だったようですが(なので当時はDUPONTのクリアーを使うのが主流だったそうです)、それの解決策として今のVOCプラチナクリアーには最初から促進剤が入れてあるのだと思います。

そしてこちらは艶消しクリアーが固まった物ですが、普通のクリアーに比べて白く濁っているのが判ると思います。恐らくこの白いのがシリカ顔料と思われ、これにより塗膜の表面に細かい凸凹が出来て艶消しになるのだと思いますが、知り合いの塗装屋さん(GUNさん笑)が「透明な艶消しクリアー見つけたんですよ!」と言っていたのを思い出して、それのメカニズムがどうなっているのかとても気になります。今度会ったら是非その後を聞いてみたいです。

こちらは全く意味は無く、単に余って固まっていたクリアーです(笑)。

IWATA W50「極mini」

 先日お逢いした塗装屋さんのお勧めで、IWATAのスプレーガンのデモ機を借りてみる事にしました。

 通常はメーカーからの貸し出しですが、今回のスプレーガンW50-136BGC「極mini」は、いつもお世話になっている塗料屋さんにデモ機があったので、そちらから借りる事が出来ました。

メーカーサイトの説明文も紹介しますね。


  • 超小型のボディーながら、ワイドなパタン幅を実現しております。
  • 小面積の補修時に、最適なパタン幅で塗装できます。
  • 塗料使用量を30%削減できます。(※1)
  • 100V(1馬力)のコンプレッサの空気量で使用できます。
  • 本体ボディーは、当社「極み’kiwami」シリーズを象徴する「トワイライトクロムメッキ」を採用。
  • 深みのある光沢が上質感を演出します。
  • スプレーガンにフリーアングルカップ(PC-150SB-2LF・130ml)をセットしたモデルとなります。
    ※吹付け空気量での塗着効率の差、オーバースプレー量の差等、当社独自の方法で算出。

こちらのオフィシャルページからも見れます。小面積補修のスペシャリスト!との事です。

 ただ今まで借りていた塗装屋さんの扱いが悪かったからか、ノズルは固着していて回らず、外してよく見てみると、穴の周りにクリアーのカスが詰まっています。トリガーの動きも微妙に引っ掛かるようで、今までの貸し出しでは中々男前な使い方をされていたようです。哭きの竜じゃありませんが、使っている方の背中が煤けて見えてしまいますって・・・(マニアック過ぎて判りませんか)。

まさか自分のガン以上に掃除をするとは思いもしませんでしたが(笑)、多少長く使っても構わないと言う事で、出来るだけ万全の状態にして何回か本塗りに使わせて貰おうと思います。実際に使ったらまた紹介させて頂きますね(現在ニードル類をシンナーに浸けてますので)。

SATAエアーブラシ修理

 いつもロゴ入れ塗装などに使っているSATAのエアーブラシ(口径0.3mm)ですが、

最近グリップの隙間から、ベタベタする何かが染み出てくるようになりました。

シンナーで洗えば簡単に落ちますが、使う度にそれをやるのも面倒ですし、そもそも何故これが起きているのかが判らなく気持ち悪かったので、昔から懇意にして頂いているオートサプライヤーさんに相談してみると、

 なんと新しい部品を入手して来てくれました!

そもそもこのガンは日本に殆ど入っていない物なので(多分三個しか無く、その内の二個が私ので、もう一個は以前間借りしていたTACさんが使ってます)、簡単に部品が手に入る物では無い筈ですが、今回の為にわざわざ本国から取り寄せて頂いたのでしょうか。もう本当に有難い限りです。

 と言う訳で早速分解してみたところ、かなりシュールな光景に(笑)。

 どうやらこのガン、グリップはカバーだった訳ではなく、それ自体がスプレーガンの一部だったようです。こんなの普通ありませんよ・・・(恐)。

「最悪カバーをカッターで切って取っ払っちゃえば」なんて考えていましたが、そう言う問題では無かったようです。

 ネバネバの原因は良く判りませんでしたが(樹脂自体が劣化して溶け始めているのではと)、とにかくこれでスッキリしました。

 上が古い物で、下が新品です。少しデザインが変わりましたが使用は問題ありません。

しかしスプレーガンと言えばシンナーで洗う事は前提とされている訳で、そこに樹脂部品を使うのはどうなのか?と思いましたが、もしかしたら重量バランスとか、長時間使っても疲れないよう軽量化を考えての事なのかもですね。

とにかくこれで復活です。有難う御座いました!