スプレーガンメンテナンス

 スプレーガンは毎日使っていてもほぼノーメンテナンスで大丈夫なのですが(勿論使用後にちゃんと洗っていればの話ですが)、

 トリガー部分のパッキンだけはその性質上どうしても劣化する為、数年に一度は交換が必要になってきます。

 左が新品で、右が古い方です。金属パーツは再利用出来るのでパッキンだけ売ってくれれば良いのですが、きっとその辺は大人の事情があるのだと思います(なので意外に高くプリンター商法を彷彿してしまいます)。

ネジは手で締め込んで最後にスパナで60°と記載してありますが、大人の男性であれば指で強く締めるだけで大丈夫だと思います。強く締め過ぎるとパッキンの寿命が短くなると思うので、使っていてここから塗料が漏れなければOK!と私的には思っています。

スプレーガンは使う度に分解して洗浄、なんて事は普通はせず(そんな塗装屋さんは見た事も会った事もありません)、ただ内部にはどうしてもメタリック粒子が残ったりするので、ソリッドカラー(特に黒)はそれ専用にしてしまったりしています。キャンディーカラー用のガンもそれ以外には使いません。

そしてこちらはSATAのエアーブラシです。

以前グリップのプラスチックパーツが加水分解?しているのかと思って交換をしたのですが、どうやらこれもトリガーパッキンからシンナーが漏れていたのが原因だったようです。使っていても塗料が漏れる程では無く、使わない時にカップに入れてあったシンナーが徐々に漏れてグリップ部のプラスチックを溶かしていたみたいです。

 SATAのスプレーガンについては以前オートサプライヤーさんにメンテナンスキットを譲って頂いていたのでそちらを利用します。なんて素晴らしい・・・(色々有難うございます)。

 SATAガンはそれ自体が高価な為、メーカーにオーバーホールを出すと3万円~5万円くらい掛かってしまいますが、こういったメンテナンスキットがあれば自分でも対処が可能です。

ちなみにディーラー在籍時、社内外注の塗装屋さんがクリアーを入れたままのSATAガンをブースに入れっぱなしで熱を入れてしまい、気付いたのが次の日!と言う地獄で見るような事をやっていまして、色々やってはみたもののどうしても本調子に至らず、結局メーカーにオーバーホールを出して5万円くらい掛かっていました。IWATAのガンならこれだけで新品が二丁買える程の金額で、ただ内製工場だと「スプレーガン自体の購入は自己負担だけれどもメンテナンスにおいては会社負担でOK」と言う謎ルールがあったお陰で成せた裏技です。

 メンテナンスキットに入っていたトリガーパッキンは品番が二種類ありましたが、多分共通で使える物だと思います。

 IWATAのガンはスパナで外すタイプですが、SATAのエアーブラシは六角レンチで外します。

外したニードルパッキン(白いの)と、それを固定する為のネジとバネです。パッキンの中心に空いた穴にニードルが通り、トリガーを引くたびにここが干渉するので擦れて穴が大きくなってしまい塗料やシンナーが漏れてしまう訳です。

ちなみにスプレーガンを洗う為の強い溶剤「ガンクリーナー」なる製品がありますが、私の場合それは使っていません。

分解はせずとも毎回使った後にちゃんと洗えば良いですし、ガンクリーナーを使うと本来交換しないでも良い部品(エアー部のパッキン等)が劣化してしまう気がするので、ガンクリーナーを使って丸洗いするくらいならガンを買い替えた方が間違いが無いと思っています。

ガンクリーナーじゃないと落ちないくらい汚れてしまったガンはサフェ用やスプレーパテ用に回せばよく、それでも使い物にならなくなった物と言うのは未だありません。ちゃんと洗って普通に扱っていれば10年以上使えるのでそんなに買い替える必要は無いのです(ただ新しいガンの方が新しいタイプの塗料に対応し易い等で買い足す事はよくあります)。

そういえば知り合いに仕事が上手く行かないとガンやポリッシャーを投げる方が居ましたが、そんな事をしているから上手く出来ないのでは?と、ちゃんと教えてあげれば良かったです(少し前に聞いた話ではホイール専門の塗装屋さんになっているようです)。

SATAエアーブラシ修理

 いつもロゴ入れ塗装などに使っているSATAのエアーブラシ(口径0.3mm)ですが、

最近グリップの隙間から、ベタベタする何かが染み出てくるようになりました。

シンナーで洗えば簡単に落ちますが、使う度にそれをやるのも面倒ですし、そもそも何故これが起きているのかが判らなく気持ち悪かったので、昔から懇意にして頂いているオートサプライヤーさんに相談してみると、

 なんと新しい部品を入手して来てくれました!

そもそもこのガンは日本に殆ど入っていない物なので(多分三個しか無く、その内の二個が私ので、もう一個は以前間借りしていたTACさんが使ってます)、簡単に部品が手に入る物では無い筈ですが、今回の為にわざわざ本国から取り寄せて頂いたのでしょうか。もう本当に有難い限りです。

 と言う訳で早速分解してみたところ、かなりシュールな光景に(笑)。

 どうやらこのガン、グリップはカバーだった訳ではなく、それ自体がスプレーガンの一部だったようです。こんなの普通ありませんよ・・・(恐)。

「最悪カバーをカッターで切って取っ払っちゃえば」なんて考えていましたが、そう言う問題では無かったようです。

 ネバネバの原因は良く判りませんでしたが(樹脂自体が劣化して溶け始めているのではと)、とにかくこれでスッキリしました。

 上が古い物で、下が新品です。少しデザインが変わりましたが使用は問題ありません。

しかしスプレーガンと言えばシンナーで洗う事は前提とされている訳で、そこに樹脂部品を使うのはどうなのか?と思いましたが、もしかしたら重量バランスとか、長時間使っても疲れないよう軽量化を考えての事なのかもですね。

とにかくこれで復活です。有難う御座いました!

SATAエアーブラシ

IWATA低圧0.4mmガン導入

ロゴ入れの塗装などで使っている小口径のスプレーガンですが、やはりと言うかSATAのエアーブラシが非常に使い易いのでもう一個買おうかどうかと考えていたところ、

 以前から懇意にして頂いているオートサプライヤーさんから、今使っている同型のSATAエアーブラシ dekor2000と、さらにその他の付属品を譲って頂けました。

ぉぉぉぉ・・・!(嬉)

 このガンは通常のスプレーガンと同じトリガーアクション式の為、元々車を塗っていた塗装屋には非常に使い易く、また塗料の吐出具合や微妙なエアー調整なども含めトータルで非常に素晴らしい製品です(お値段もですが)。

ちなみに箱にはSATA正規品を表す封が貼ってあって、今回初めてこれを開いた訳ですが・・・、

 なんと中には懸賞でiPodが当たる応募券などが入っていました。っていつの時代のですか!と。

最近はSATAの偽物が多く出回っているようですが(なので正規オフィシャルサイトでしか買えなくなった模様です)、そもそも偽物がまだ作られていない時代の製品なので今回の物は心配は無用です。

 他には吸い上げ式ボトルの予備品や、

 ニードル部などのパッキン関係も揃っています。

 ちなみに今まで使っていた同型のSATAエアーブラシは口径が0.3mmで、今回のガンにはなんと1.0mm(!)が装着されていました。と言うかこのガンに1.0ミリとかを普通に付けられるのにビックリしましたが・・・。

尚、付属品には上記の0.5mm口径セット(ニードルとインナー&アウターキャップ)もあったので、今回のガンにはこちらを装着して使おうと思います。

 参考までに今まで使っていたSATAエアーブラシはこういったキットになっている物で、実はこちらも同じオートサプライヤーさんから譲ってもらった物です。

今であれば海外のサイトからでも買えると思いますが、当時は多分大日本塗料からのルートしか無かった筈で、現在でも日本にあるのはこれ一つしか無いのではと思います。

 と言う訳で折角なので久しぶりに中も見てみました。

入れてあるのは今回のガンで、元々ここに入っていた物が現在使っている物です。

尚こちらのキットでは口径が0.2mmと0.3㎜が選べて、現在は0.3mmを装着しています。余っている0.2mmを今回のガンに使うと言う手もありますが、口径が小さいとドライコート気味になって密着性が落ちるデメリットがあるので、現在の使い方だと0.5mmの方が用途は多い気がします。今のところはシャドウとかハイライトとか入れる機会は無いですしね。

 先程の小瓶はこんな感じに蓋にパイプを挿し込めるようになっていて、

重力式(上カップ)から吸い上げ式に変更が可能です。小瓶はワンタッチで交換できるので色々な色を使う時に楽ではあるのですが、内部で色が混ざるというのは結構気持ちが悪いので、この点は補修塗装で育った塗装屋向けでは無いかも知れませんかね。

と言う訳で、後日早速使ってみようと思います。この度は貴重な物を有難う御座いました!