まるで重箱のように。って(苦)

asagao画像とは全く関係無いのですが、今請け負っている依頼の下地作業がようやく終わりに近づきつつあります。被塗物はアルミの塊をNC工作機械で削り出した工業的な製品で、それ単体でも充分綺麗なのですが最高級品仕様?という事で「重箱のように美しく」と言う希望でご依頼承っています(企業様からのご依頼で公には出来ないような案件です)。

状態としては現状でも充分美しいのですが、素地の表面には微妙にエンドミル(ドリルの刃のような切削工具)で削った跡があって、それを削り落としたら新たに全体をプライマー&サフェーサーで充填し、ペーパーと当て板を使って包丁を研ぐようにサフェーサーを平滑に削ります。求めているイメージとしては「超人工的な美しさ!」みたいな仕上がりで、今日はその下地作業でネチネチと延々水研ぎをしましたら指の皮がフニャフニャにフヤけていました。まるで長時間プールに入っていたような感じです。ここまでの長時間水研ぎは久しぶりかも知れません。

ただこういった作業は性に合っているのか結構苦では無く、多分塗るよりも下地作業の方が好きなのだと思います。本塗りは限られた時間の中で瞬間的なパワーを要するような作業ですが、下地作業はじっくり時間を掛けられますし、やればやる程仕上がりが良くなっていくのが判るので地味に面白いんですよね。3次元曲面の逆アールを限りなく0度の角度から透かし見て、スジ一つ無いラインが出来た時は塗るのが勿体無いなんて感じてしまい時もあります(病)。まあ塗装屋なのでそう言う訳にはいかないのですが(笑)。

ちなみに画像は通勤途中に咲いているアサガオで、オーナーらしき方が念入りに手入れをしている姿を通りがけに良く見かけます。育っていく過程はほぼ毎日見ていまして、ようやく不法侵入にならない位置まで来てくれたので(笑)近くに寄って撮影する事が出来ました。自然に咲いた姿ではありませんが全く持って素晴らしい造形美です。

あのアルミの塊も、こんな感じに美しく仕上がってくれれば良いのですが・・・。

(って他力本願じゃいけませんか。笑)