自作真空脱泡機 デシケーター作成(配管)①

pomp 先日紹介した真空脱泡器の制作手順を紹介しようと思います。

必要な工具は一般的なスパナやレンチと、後は穴を13ミリまで開けられる工具があれば大丈夫です。私の場合はドリルの刃(ステッピング)が12mmまで対応していなかったので、その後丸い棒ヤスリで穴を広げました。アルミなので簡単に削れますからその方法で全然大丈夫です。

pomp7デジケーターとして使うのはこちらのアルミ製寸胴鍋で、今回は内径240mm、厚さが3ミリの物を選びました。購入したのはこちらの楽天ショップで、コストは税込み¥3,690と送料が¥648、合計¥4,338です。

デジケーターとして使う容器は真空ポンプの能力によって容量が決まってくるらしく、ネットで見ると内径210mmのを選んでいる方が多いようです。ちなみにステンレス製の物は強度的に駄目との事らしく注意が必要です。

私が参考にしたのは主にこちらのサイトとなります。この場を借りてお礼申し上げます。

松枝悠希のABC

いたんぢ?

一期一会のハイジンクス

pomp4 配管については私も余り把握していなかったのですが、今回使ったのは塗装の現場でも良く使う「1/4」のサイズで全部統一する事にしました。画像だと余分な物が写っていますが、余っても今後使い道があるだろうという事で余計に買っています。

購入したのは一部を除いてほぼ全てネット通販で、利用したのは楽天・amazon・モノタロウです。それぞれ購入ページにリンクを張っておきましたので宜しければご活用下さいませ。

pomp3

 

汎用真空計・・・¥1,490(1/4サイズで、ネジ部がPT=テーパー状になっています)

 

 

pomp21

 

ボールバルブ×2・・¥769×2=¥1,538(1/4サイズです)

 

 


pomp22

チーズ・・・¥219(1/4です)

ニップル(上記チーズとボールバルブを繋ぐ両ネジ)×3・・・¥69×3=¥207(1/4です)

ナット・・・¥114×3=¥342(1/4です)


pomp20
エルボ・・・¥139(真空計を付けるのに使いました)

・寸胴鍋固定用ニップル・・・¥200くらい×2=¥400くらい(詳しくは下記で紹介します)

 

 

取り敢えずデジケーターに使った配管関係のパーツはこんな感じです。

pomp5 今回便利だったのがこちらのニップルです。ネットでは見つけられなかったので島忠ホームセンターで購入しました。品番が判ったのでこちらのサイトから購入可能と思います。これで家(または工場)から一歩も外に出ないでこれらが完成可能です(そこに意味があるかどうかは別として)。

pomp6両端のネジは同じに見えるのですが、一方はストレート=PF(平行ネジ)、もう一方はテーパー状=PTになっています。

pomp10殆どの製品がそうなのですが、「PT 」と表示されている物はこんな感じで途中でナットが止まります。シールテープを巻けば簡単にエアー漏れを止められるのでとても便利な反面、今回のように寸胴鍋に直接固定する場合にはこの隙間が出来てしまうのでNGなのです。

pomp8 それに対して逆側はストレート=「PF」のネジとなっているので、通常のボルト・ナットのように最後までピッタリ締める事が出来ます。求めていたのはこれですよ、これ。

pomp22こんな感じで配管を組み合わせ、寸胴鍋に開けた穴にチーズ(配管)を固定するのに先ほどのPFニップルを使います。

pomp19 ナットが最後まで締まるのでこのようにピッタリ&ガッシリ鍋に固定する事が出来ます。この時ネジを締める前に漏れ防止の為にシリコンシーラーを塗っておきますが、ナット自体がかなりピッタリになる為非常に少ない量で済みます。

ネットで見る自作デジケータはこの部分にタップリシーラーが盛られているので、恐らくそれらはPTネジを使ってしまい、仕方なくシーラーをタップリ盛って対応しているのでは、と思う次第です。ちなみにこれのお陰で買っておいたOリングは必要無くなりました。

pomp3こちらの真空計もネジ部がPT=テーパー状になっていますので、これも直接寸胴鍋に挿すのではなく、間に先ほどのPFのニップルを使い、さらにエルボー(画面右上にあるL型のパイプ)を使って固定します。

pomp20 寸胴部との固定部にはネジを締める前にシリコンシーラーを塗って固定後に拭き取り、その他のネジ部は全てシールテープを巻いておきます。

pomp21構造としては、右側のエアーホースが真空ポンプに繋がっていて、真空ポンプを止めた時に逆流を防ぐ為この弁(ボールバルフ)を設けています。

反対側の弁は内部の気圧を解放する時に使う物で、注型樹脂の気泡を取り除いた後に鍋の内部を常圧に戻してあげるのですが、私はやったことがありませんがいきなり開けるとどうやら大変な事になるみたいです(噴くのでしょうか)。

pomp2 Oリングも買っておきましたが、先ほど紹介したようにPTとPFを使い分ければこれは必要ありません。まああれば使い道があるので持っていて損は無いと思います。こういうの純正品で買うと信じられない金額しますからね。amazonで¥377でした。

pomp32 今回シーラーとして使ったのは自動車板金塗装屋さんにはメジャーなこちらの「カーコーク」です。無駄に性能が良いので(値段も高いので)今回のような物には全く必要なく、普通にホームセンターで¥200くらいので大丈夫です。

pomp33ただ仕事で使っているALPSのドライプリンターもそうですが、ちゃんとメーカーの説明書きでこうやって言い切ってくれるのはとても気持ちが良く、「※注1>」とか書いていない潔さが本当に大好きです。っていうかパッケージデザインが販売当時から変わっていない気が…(少なくとも私が小僧の時からこれです)。

pomp23最後に実際に真空引きをして弁を閉じ(画像では開いてますが…)、各ジョイント部に石鹸水をスプレーしてエアー漏れを確認します。と言ってもゲージが着いているので、真空状態にして数時間放置すれば漏れているかどうかは判るんですけどね。ちなみに漏れは全くありませんでした。

後は蓋に使う20mmのアクリル板と、それと鍋の間に挟むゴムパッキンについてはまた後日紹介したいと思います。

日常に少し変化を

nomigawa (1 - 1)-21 友人に影響されて今週は自転車通勤改め歩いて会社に通ってます。と言っても毎日は流石に大変なので最初は片道ずつ、朝自転車で行ったら帰りは歩いて帰ると言うパターンです。

ただそれだけでも上半身のコリは解れてくれているようで、先日作業した地獄のサフェ研ぎ(ヘッドカバーの艶々仕様です)はいつもなら腕が上がらない程になっていますが、お陰で全然大丈夫です。

nomigawa (1 - 1)-22通勤ルートはいつもの呑川沿いで、ここには亀が沢山居るのですが、今朝歩いていてふと下を見るとなんとカエルが!!

スッポンは時々見かけますが、まさかこんなコンクリート護岸の川に両生類も居たとは…。呑川恐るべしです。

factory (1 - 1)-32 そしてこちらも数日前から始めた水出しアイスコーヒーですが、これはヤバいですよ…。

factory (1 - 1)-31正直ホットで飲むのは少々苦痛な豆だったのですが、水出し珈琲にして飲むと非常にマイルドで、まるで違う豆かと思うくらいです。飲んだ最初の感想が「何だこれ…」って感じで、これなら一杯¥1,000って言われても納得ですよ。本当にビックリしました…。

珈琲自体の味と香りはしっかりしているので、ブラックや苦みが苦手な人でもこれなら甘いカフェオレにして美味しく頂けると思います。安い豆でこれですから、元から美味しい豆で水出しにしたら一体どんな味になるんでしょう…(憧)。

自作真空脱泡機(概要)

pomp16 今年は夏休みを返上してこのような真空脱泡器を作成していました。

用途としては注型時に混入した樹脂中の気泡を取り除く為の物で、現在仕事で行っているスマートキーカバーの塗装&トヨタエンブレム埋め込みにこれを使いたかったのです。

pomp 揃えた材料はこんな感じで、作り方についてはネットで自作されている方が多くいらっしゃいましたのでそちらを参考にさせて頂きました。後日こちらでも作り方と使用した材料を紹介しようと思います。

pomp18 仕組みとしては非常に単純で、真空に出来る密封容器を作ってその中に注型する樹脂を入れるだけです。

市販のデジケーターでは2万円くらいの安い物もあるのですが、素材がポリカーボネートなので溶解力の強いポリエステル樹脂などを使えませんから、その点では自作した方が手っ取り早いようです。

pomp17肝となるのがこの真空ポンプで、一般的な油回転真空ポンプだとその辺に油を撒き散らしてしまうので当店のような塗装工場では使えず、今回は油の出ないドライポンプ(中古品)を入手しました。

また真空ポンプのパワーが足りないと真空になる前に樹脂が固まってしまう!と言う事態になりますので、通常は最低でも一分間に100L程度の排出量が求められる所を、今回は235L/minと十分な物を選びました。

ただこのドライポンプがどうやら少々お疲れ気味のようで、いくら頑張っても真空になりません(失敗したかも知れません…)。

pomp24真空になるにはこのメーターが-0.1Mpaの所までならないといけないのですが、MAXで-0.09が限界です。到達速度は十分早いので、調べてみるとどうやら内部のカーボンブレードが消耗しているように思われ、ただこちらは既に馴染みの業者さんにオーバーホールキットの値段も調べて貰っているので、時間が出来た時に分解して自分で交換してみようと思います。

pomp25 と言う訳で既にテストランも済ませています。使うのは少し前に作製した溶けたウサギのシリコーン型です。

pomp26いつものように型に透明ポリエステル樹脂を注ぎ、容器の内部を真空にすると(実際は真空に届いていませんが…)、こんな感じで樹脂の内部に残っていた気泡がまるで水が沸騰するかのようにブクブクと表面に上がって来ます。

pomp27その後弁を開けて空気を入れてあげると、表面に出ていた泡のような気泡が潰れて落ち着いて来ます。樹脂の硬化が早くこのタイミングが遅いと泡が残ったままとなってしまうのでその点に注意ですかね。

pomp28 ちなみにここでも問題が露呈しまいた。現在使っているレジン(透明ポリエステル樹脂)は収縮率が高いので、固まった際に型から剥がれてしまいます。

factory33しかもノンパラ(ノンパラフィン)のせいか表面の硬化が遅くいつまでもベトベトしているので、型から出すと糸を引くは表面に変な皺が出来てしまうはで出来具合としてはとても良くありません。

ちなみにこちらは最初に作った失敗作なので気泡も入ってしまっています。

pomp31こちらが二回目に作った物で、表面のシワは同じ様に出来てしまっていますが気泡は殆ど無い状態で出来ています。

pomp30一緒に作った車型の方もシワは出来てしまっていますが、気泡は全く見られません。

今回使っている透明ポリエステル樹脂は粘度も高く(露店の水飴くらい)、注型に使うには比較的気泡が入り易い樹脂だと思いますが、それでこれなら十分真空ポンプが機能してくれていると思われます。

本番の際には注型専用の粘度の低いエポキシ樹脂を使う予定ですので、次回は艶々テロテロ透明な造形品が出来ると思います。

ちなみに自家製真空脱泡機は信じられないくらい簡単に且つ安く出来ました。ただドライポンプをまともに買うとそれだけで10万円は掛かってしまうので(それ以下は使い物にならないようです)、塗装屋さんでなければ安い油回転ポンプが良いと思います(ただ油の煙が出て床がヌルヌルになるらしいです…)。尚、ダイアフラム型は安いのですが排出スピードが遅くて脱泡用には使い物にはならないようです。

ドライポンプどうしても本体が高くなりがちですが、オーバーホールが上手くいけば値段的な事も解消出来ると思いますので(OHキットは1万円くらいとの事です)、その辺も今後試してみて紹介出来ればと思ってます。

今回の制作工程は後日また改めて紹介したいと思います。使用するニップルの規格さえ間違えなければエアー漏れなどの心配も無く、本当に超簡単に出来てしまうんですよ。

ダッチコーヒー

factory29 少し前に珈琲豆の銘柄を変えて飲んでいるのですが、どうにも苦くて…。

いや、苦いのは結構好きな方ですが、この豆の場合はどうにも焦げたような癖が強くて、粗く挽いたりお湯の温度を下げたりと色々工夫してはみたものの中々良い具合が見つからないのです。

factory30 と言う訳でジャジャーンと!ウォータードリップ用サーバーです。所謂「水出し珈琲」を飲む為のドリッパーとデカンタですかね。

factory31 水出し珈琲と言えば珈琲好きの夢!みたいな物ですが(違うかも知れませんが…)、まさか器具が¥1,000ちょっとで買えるとは思ってもみませんでした。私が昔アルバイトしていた喫茶店で水出し珈琲は扱っていなかったので、てっきりもっと敷居の高い物かと思っておりまして…。

factory32水を注いでから抽出し終わるまでは8時間くらいとの事で、帰る前にこれをセットしておき、明日の朝には爽やかな味わいの冷え冷えアイスコーヒーが嗜める!と言う算段です(ただ今思うと常温で落とした方が良かったのではと少し後悔しています)。

しかもこれならお湯を沸かす手間が無いですし、味の調節は豆の挽き方と量だけで済むので、今後はより安定したドリップが可能になりそうです。

ただいつものハンドドリップはお湯の温度やら注ぐスピードなど、その豆に合ったやり方を探し出す行為はそれはそれで楽しいので、これはこれで続けていきたいですけどね(←と言う考えも一瞬で消えてしまうような美味しい珈琲が飲める事を期待しています。笑)。