蒸着メッキ&メッキ塗装③

先日塗装したメッキ調塗装と、外部に委託して施工して貰った蒸着メッキの見本用マイクです。上の画像だと左側のマイクボディが蒸着メッキで、右側のマイクボディはメッキ調塗装となります。グリルはいずれもメッキ調塗装です。蒸着メッキが明るいのが判るかと思います。

今回行ったメッキ調塗装の検証から、この塗料は隠蔽力が弱い(透けてる!)と言う事が判ったので、下地を「白」「黒」でそれぞれ塗ってみる事にしました。

塗装前の撮影を行わなかったのでいきなりですが、左が下地を「白」、右が「黒」となります。いずれもクリアーを塗って完全硬化→足付け処理してからメッキ塗装を行っています。

予想通り下地の色を透かしているようで、予め白で仕上げていた左側はメッキが明るいです。

対して下地が黒のこちらは暗く、メッキ感も弱いように感じます。

反対側からです。手前が黒く、

こちらは明るいのがよく分かります。これなら蒸着メッキのボディに組み合わせても違和感が少ないのでは、と思います(尚現在蒸着メッキした見本用マイクは確認用に貸し出していますので戻り次第組み合わせて撮影~検証したいと思います)。

また今回はクリアー塗装後の白化防止にメッキ調塗装専用のクリアーも使いました。スタンドックスの2:1等のクリアーだとメッキ層を侵してしまいメッキ感が曇ってしまいがちなところを、浸透性(溶解力)の弱い昔ながらの10:1クリアー(パナロックやPG80等)ならこれを抑えられるような感じですかね。初期の頃のモトクロームに使う水性タイプのモトクリアーのような感じでしょうか。尚、密着性はどの道メッキ層が剥がれてしまうのでこの辺は気にしない事にします(なので一般受付をする予定はありません)。

上手くいけば部品単体に出来るパーツは蒸着メッキで、カプセルなど分解不可能なグリル部分だけメッキ調塗装で対応出来るようになるかもです。

ただ塗装が二回分、塗料も非常に高額なのでどうしてもコスト高になってしまいますから、使える場面は限られるかと思います。

サンプルで貸し出している蒸着メッキ済みの見本用マイクが戻って来たらそれぞれを組み合わせて撮影しようと思います。

また時間に余裕があればそれらに透過色=キャンディーカラーを塗装した見本も作ってみようと思います。イエローキャンディーを塗って金メッキにするような感じですね。

蒸着メッキ&メッキ塗装②

先日試していた新しいメッキ調塗装ですが、仕上がりがイマイチと言う事で仕事(ご依頼品への塗装)に使うのは難しいと考え、新たな見本品を作成する為として、真空蒸着メッキの専門店=カネコ真空さんにお願いする事にしました。

最初に見積もりを頼んだのはこちらのワイヤレスマイク用アルミ筐体で、

分解すると3部品の構成となっています。これに真空蒸着メッキを施した場合の見積もりを御願いしたところ、4万4千円+往復送料との事で、ただ試作費(非ご依頼品)に使うにはちょっとコストオーバーだったので一旦保留とする事にしました。

その後色々探してみたところ、以前サンプルで作っていたこちらの注型樹脂製の色見本用のマイクがあったのでこちらでお願いする事にしました。事前に確認した所塗装済みで問題無い(そのまま上から施工する)との事だったので、大分コストを落とせたかと考えました(実際は変わらなかったのですが笑)。

それから数日、完成と見積もりの連絡メールが来まして、初回の支払いは代引きでとの事なのでそちらを了承→数日後にこちらが届きました。尚、蒸着メッキについては今までも何度か塗装前に施工されたい物に携わっていて、既に確立した技術なので密着性や仕上がりについては信用しています。

また被膜は基本的には塗装と同じで、最後にトップコート=クリアーが塗ってあるので、この後透過性の塗装=キャンディーカラーを塗ればカラーメッキのように出来ます。この様な感じですね。

と言う訳で、今回蒸着メッキされた樹脂製の見本用マイクと、当店でメッキ調に塗装したグリルを組み合わせてみました。

やはり蒸着メッキの方が明るい感じで、それに対してメッキ調塗装は黒っぽいのと表面が曇った感じがあります。ただ装着した際に角度が変わる部位=今回のようにマイク本体とグリルとであればそこまで違和感を感じません。

ミニカー型の注型樹脂の方も当店で行なったメッキ調塗装ですが、丸みを帯びて違う形状だと隣に並べてみても違和感は少ないです。

ただし同じ物を並べてみるとやはり違いは歴然です。左が蒸着メッキ、右がメッキ調塗装です。ちなみに右側のメッキ調塗装は下地は黒では無いです(サフェの明るいグレー色です)。

ネックなのはコストで、今回部品点数が1個になったので当初の半額くらいで済むかと思っていましたが、出来上がってみれば金額は変わらなかったので、今回はこれ一点で46,706円となりました。数で金額が変わらないのであればもっと纏めてお願いすれば良かったですね。ワイヤレスマイクなら部品が13点くらいになるので今回と同じ金額ならむしろ安くなりますから、次回お願いする時は事前に見積もりを確認しようと思います。

また今回使った新しいメッキ調塗装は、トップコート=クリアーをスタンドックスで塗りましたが、専用のクリアーなら白く曇った感じも無くなるとの事なので注文しておきました。そちらもテスト出来次第紹介しようと思います。

蒸着メッキ&メッキ塗装

メッキ調の塗装についてはこれまで色々なメーカーを試していて

ただしどれも激しく密着性が悪いので全く実用に向かなかったのですが、

今回新しいタイプのメッキ調塗料が発売されたので試してみる事にしました。

画像のマイクはいつも使っている見本用の注型ウレタン樹脂製の物となります。

見本として同じく注型樹脂製のミニカー型色見本と、アクリルプレートにも塗装を行いました。

アクリル樹脂の場合は通常プラスチックプライマーの塗布を必須としているので同じようにやりましたが、相性が悪かったせいかちょっと信じられないくらいのハジキを発生しました。

ただこれに限らず全体的にハジキ易い傾向にあり、色々調べてみるとやはり塗り方にかなりのコツと言うか修練が必要なようです。具体的にはドライコートは絶対ダメ、ウェットコートで一回のみ、厚膜にはしない(クラックが入る!)と言う塗り方にする必要があるそうです。

と言う事も想定して塗装を行ったのですが、メッキ調塗料自体に隠蔽力は余りないようで、透明な素材への直接塗装は向いていないようです。透き通ってる…。

大きなメリットとしては「足付け処理が出来る」で、今回のメッキ調塗料は主剤と硬化剤(と樹脂とシンナー)の2液型になったからか、下地のペーパー目が表面に現れる事がありません。

これまでのメッキ調塗料はとてもデリケートで、下地にちょっとの傷でも残ってしまいますから(高輝度シルバー全般言える事ですよね)、足付け処理なんて絶対無理!だったのですが、今回の塗料ではそれが全く問題ありません。セオリーとしては一旦黒で仕上げ(1コートソリッドまたはクリアートップコート)、完全硬化した後に足付け処理→そのまま直接メッキ調塗装を行えます。

さらにその上にパナロック10:0等の浸透性が無い(溶解力が弱い)クリアーを使えばメッキが白く曇る事も無さそうですが、今回はそのまま2:1のスタンドックスクリスタルクリアーを塗りました。これまでのメッキ調塗料に比べるとかなり手軽にメッキ感は楽しめる物と思います。ハジキさえ出なければ…。

その後アクリル板に塗装した物で密着性のテストも行いました。全般的に密着性は悪いですが、これまで行ってきたメッキ調塗装の中ではまあまあ良い方だと思います(ちなみに碁盤目テストは本来一個も剥がれてはいけません)。

面白い発見としては、足付け処理を行ってプラスチックプライマーを塗った物が最も密着性が悪いという事で、ハジキもそうですがかなり相性が悪い事が判ります。

なんにしてもPMMA(アクリル)やPP(ポリプロピレン)へ直接メッキ調塗装を行う事は避け、一旦トップコートで仕上げてから足付け処理→プライマー無しで塗るのが良さそうですね。

と言う事でまだ通常業務(依頼を請けて行う塗装)には採用は出来なさそうですが、マイクのグリルのみであればハジキもほぼ目立たないので、以前からご要望のあった「マイク本体を真空蒸着メッキに」「カプセルの分解が出来ないグリルを今回のメッキ調塗装で」という組み合わせを現在試してみています。

蒸着メッキについては既に外部依頼をして完成待ちの状態で、そちらは今後の参考になるかと思いますので実際にお願いをした会社や金額、依頼の流れ(メール内容)などを紹介しようと思います。

色相環新色作成

当店で使う塗料は自動車補修用の為、それ故に既存の色見本は比較的地味な色=自動車ボディカラーがメインとなりますから、塗装の対象が車から小物全般になった初期の頃はパントンカラー=印刷を塗装に変換した色見本の作成などに勤しんでいました。

その後パステルカラーやグレーなどの色も本も作り、

さらには補色などを見やすい色相環の色配合データも作成しました。

出来上がったのがこちらの塗料で、

その後それらを使ってキーホルダーや、

色相環の形を模した時計なども作成したりしました。

お陰様で念願だった「受注して塗る」スタイルから「塗った物を売る」と言う事も出来るようになりました。後者はまだ趣味の範囲ですが、これなら技術レベルが落ちた老後でも塗装を仕事として続けていけるのではと考えています。

と言う訳で今回新たに色相環の新色を作る事にしました。

元々作っていた色相環は極力彩度を落とさないビビッドカラーでしたが、

そこから彩度を下げたライトトーンや、

さらに淡い色のペールトーンの色相環を塗装で表現してみよう!と思った次第です。

色は単純に既存の色に白を加えれば出来るという事では無く、

それぞれを見本に合わせ、且つ他の色との兼ね合いも見ながら、さらには添加する質量をデータとして記録していく必要があります。一度足した分は引く事が出来ないので、ダメなら一旦捨てて(実際には捨てず下塗り用として取っておきます)一から作り直していきます。

配合データを残すために計量しながらの作業になりますから、まあまあ時間が掛かります。なので仕事が終わってから毎日1~2時間掛けて少しずつ作っていきます。

とりあえずこんな感じで7色程出来ました。

続けて暖色赤系の色を作ります。

こちらはグリーン系です。最初に作ったビビットな色だとそれぞれはっきり色味が違うのが判りますが、今回のペールカラーだと彩度を落とすと色相の差異が判り難くなるのでかなり微調整を行っています。

結果、先ほど掲載した青の3色は全てボツにして新たに作り直しました。上の画像だと右から左にいくに連れて赤味が増していく感じです。

最初のビビットカラーでは色見本(画像のRGB)を参考に極力彩度を落とさないよう色を調整しましたが、今回は隣合う色=類似色の違いが判るようにしました。

ボトル用のラベルも作りました。上の画像だとRGB値になっていますが、これとは別に配合データを記載した仕様もあります(そちらは当店用ですね)。

ただまだこれで終わりではなく、次はそれぞれの配合データ通りに色を作って今回の色との差異を確認、その後実際に12色を塗ってみてバランスを見て問題無ければ完成!といった感じになります。

塗料が完成したら色相環時計や色見本キーホルダーのパーツ、ベアブリックなども塗っておきたいですね(後で12色を塗るとなるとかなり大変なので…)。

ちなみに私的には大人な雰囲気のグレイッシュトーンも遣りたく、こちらはソリッドカラーではなくメタリック系、もしくは見る角度で色相が変わるクロマ系のパールを使っても面白いかと思っています。

まだまだ塗装でやりたい事があるので、このまま死ぬまで楽しく続けていけそうですね!