週休三日制

先日観たニュースでみずほフィナンシャルグループが週休3・4日制を導入するかもという事を知ったのですが、私が最初に勤めていた職場ではまさにこれと同じような事が実施されていました。当時勤めていた会社は外資系の自動車メーカーのサービスセンターで、その施設には整備と車体補修(板金塗装)が入っていたのですが、私の居た板金塗装部だけは上司が外国人で、他とは独立したような体制だったのです。

元々は他の部(整備部等)と同じく普通の週休二日制だったのですが、ある時に都内近郊の販売店から一気に修理車両を集めるという事をやり始め、さらに外注さんも募集し、元々居た塗装屋4人が6人になりました。

工場にあった塗装ブースは4基で、現場のスペースは十分に広く、通常であれば6人でも問題無かったのですが、「分業は絶対駄目。一から十まで一人でやりきる」と言う謎のスタイルだった為、これによって「ブースが足りない!」と言う事態が発生してしまいました(ちなみに普通なら「下地・塗装・磨き」といった分業にした方が効率も上がるので、ブースは4基もあれば十分です)。

という事でアメリカ人の上司(とさらにその上のイギリス人)が考えたのが「三勤三交代制」で、三日働いたら三日休みと言う、当時としてはかなり珍しい勤務体制になりました。ちなみに休みが増えた分は一日の業務時間を長くして補い、確か一日13時間が定時だったと思います。それでよく労基の許可が下りたと(笑)。

この辞令については当初全員が猛反対したのですが、外資系企業でそんな事はまかり通る筈は無く、ただいざ始まってみるとこれが素晴らしい事だと皆気付きました(笑)。

やってみて判った事は、人は一日13時間でも簡単に慣れてしまい、またそれだけで仕事が終わらない場合もあるので「休日出勤」として休みの一日も来たりして、勿論それは休日出勤扱いになりますから、当時給料の良かった親方(日本人の上司)はウハウハだったようです。

私は増えた休日を利用して自宅から近い町工場にアルバイトに行っていて、お陰で関ペのPG80やパナロックなど、普段は使わなかった塗料を使わせて貰う機会があったり、行く度にベンツの色替えオールペンなど、通常のディーラー勤務では余り得られない経験などをさせて頂きました。当時はW124が全盛の時代で、不人気色を安く買って色を変えて高く売ると言うのが中古車業界で流行っていたんですよね。

ただそういった働き方からして実質週6日勤務(しかもアルバイトの方が労働時間が長い)となっていたので、今だったら確実に死んでいると思います(笑)。

私の場合は休みが増えても給料は減りませんでしたが、もしそうだったとしても十分メリットはあると思うので、私的にはこの制度に羨ましい限りなのです。

私も固定経費(主に工場の家賃)が無くなれば塗装の仕事を半分くらいに減らし、全く違うけど一応関係性のある業種で働きたいと思っています。例えばスマホの修理屋さんとかメガネの製造工場とかオーディオメーカーのメンテナンス事業部とかで、専門工具と知識が無いと分解出来ないような物が出来るようになれば塗装の幅がもっと広がって面白くなるかな~と。