色相環キーホルダー ウォルナット仕様

ほぼ完成形に至った色相環キーホルダーですが、

その後2ミリ~3ミリ厚のウォルナット無垢材を入手したので、これを使ったウッド仕様のキーホルダーを作成する事にしました。ただそのままだと仕上がりが悪くて使えないので、ダブルアクションサンダー#80→#120、手研ぎ#120→#180→#240で目を均しています。

アクリル板の場合は予め台紙が貼っていますが、この場合は木素地が剥き出しなので、焦げ目がつかないようマスキングテープを貼ってからレーザー加工を行います。

レーザー彫刻&カットで裏と表のパーツを切り出した状態です。この後このマスキングテープを剥がす作業は結構面倒なので、これは持ち帰って作業するようにしています(自宅での作業は工賃として考えない為)。

アクリル板に比べて良い点としては(楽な点としては)レーザー彫刻した所が焦げて色が濃くなるので、この後溝に色を入れなくて良い事です。材料費は高くつきますが、作業が楽になる分コストを落とせています。

出来上がった枠に結晶塗装の黒を塗った背板と、ミラーアクリルのキャンディーカラーピースを取り付けて完成です。渋くて良い感じですね!

こちらはそれぞれの色相環ピースを違う仕様にした物で、手前からソリッドカラー、メタリックキャンディーカラー、ミラーキャンディーカラーとなります。私的な好みとしては木目にはメタリックキャンディーが合いますかね。

さらに薄い板=1mm厚のウォルナット材を入手したので、背板もこれで作ってみました。オールウォルナット仕様ですね。

裏側のデザインは既存と同様で、色相環のそれぞれの色をRGB値で記しています。

当初はこの木目が製品毎にバラつきがあるので気に入らなく(私的にはiPhoneのようなカチっとした個体差の無い工業製品的な品質が好きです)、幾つか作ってはみたものの製品化をする予定は無かったのですが、ワークショップを開催した時に参加された方々からの評判が良かったので考えを改めた次第です(毎回これな気がしますね…)。

その後もウォルナット材の入手を安定して出来ているのである程度の数を制作出来ましたから、デザフェスの前にウェブショップでの販売も検討しています。販売日時についてはTwitter(X)で事前にお知らせしていますので、もし宜しければそちらもチェックして頂ければと!

色相環キーホルダーウッド仕様作成

以前テスト的に作っていたウォルナット枠の色相環キーホルダーですが、当然ですが使う木はどれも模様が違いますからどうしても仕上りにばらつきが生じてしまい、それが嫌でその後お蔵入りにしていました。よく言えば「どれも違っていて世界に一つしかない」になるのかも知れませんが、私的には一番良いと思った物とイマイチな物が同じ商品になるのが嫌なんですよね。iPhoneのようなカチッと整った高レベルな物を、個体差無く作れる方が好きです。

と言う事ですが、先日行ったワークショップでかなり評判が良かったので、気を取り直して(笑)こちらを増産する事にしました。材料費的にはアクリル板に比べるとかなりのコスト高になってしまいますが、彫刻した文字の部分を塗らなくて良い分で相殺しています。

そのまま彫刻&カットすると木の表面が焦げるので、マスキングテープをからレーザーで加工しています。

その他背板も在庫が無くなっていたので増産しています。

これも初期の頃からすると大分改良されていて、作れば作る程完成度が上がっていくのは楽しいところでもあります。

 

こちらはホログラムラメ仕様です。

自宅でネチネチと作っていたのですが非常に効率が悪いので、工場で纏めて作る事にしました。

通常ラメとなると黒やグレーやシルバーを下に塗ってからその上に重ねるのが一般的ですが、私的に粒子感の隙間から見えるそれが気になるので、「ラメで完全隠蔽させる」といった手法をとっています。非常に膜厚が着くので一般的な塗装面では出来ませんが、透明アクリルの裏から行うのでこれが出来ます。ただ行程が増えるのでこんな事は誰もしないと思いますが…。

裏側のラメが完了したら表側にクリアーを塗ります。ちなみにこの後これらは殆ど廃棄となりました(笑)。前からどうも変だと思っていたのですが、沈殿したラメが素材(今回の場合アクリル樹脂)に到達すると、そこで密着性が低下してしまうみたいなんですよね。なので今は一度クリアーを塗って完全硬化させてから再度足付け処理をしてクリアー→ラメ→クリアーを繰り返して仕上げています。さらに面倒くさい事に・・・。

 他にはいつもの結晶塗装バージョンも作成しています。

もちろんこれ単体で塗っていたら会社が破綻してしまいますので、仕事の御依頼品と一緒に、本塗り前のテストピースとして塗るようにしています。この時はフェラーリのエンジンルーム内に装着されるアルミプレートを塗りました。

同じ色相環のピースでも、それぞれに組み合わせる枠や背板のパーツによって全然雰囲気が変わるのが面白いですよね。

来年の5月に開催されるデザインフェスタNo.59に抽選したので、これらのキーホルダーはそちらで販売する予定です。ウェブ販売を希望されている方も居らっしゃるので何とか200個は作りたいですね!(なので最近寝不足です…)。

猫型ドット画キーホルダー作成

今年の4月頃にお迎えした保護猫のつくねですが、

スマホのアプリで作って貰ったドット画を元に、

Illustratorでベクターデータを作成、

色見本帳から実際の色に近い感じの物を彩色し、

良さそうな色を選んだら、

それをデータ化して、

レーザーカットしたアクリル板に塗装を施しました。

それらのパーツを組み合わせ、いつもの土台に取りつけたら完成です。

枠は余っていた物を使ったのでマット地で、

中央のつくねと背板は艶あり仕上げとなっています。ちょっと判り難いですかね。

リュックに取り付けて撮影をしました。

一応は「色見本」を銘打っているので、それぞれ使った色はデータも残しています。

それぞれの色について具体的に言うと、


■背板の白・・・VWキャンディホワイト(LB9A)

■枠と目と口の黒・・・STANDOX原色 MIX571

■目の黄色・・・フェラーリGIALLO MODENA(4305)

■顔のグレー・・・PRO_Fit Color Chip Gray No.5


となります。なので後で同じ物を作る場合、これと全く同じ色で再現が可能です。一見当たり前の事のようですが毎回これを行おうとするのは結構な手間で、ぶっちゃけ適当に混ぜて作った方が断然楽だったりしますが、そこは塗装を仕事にしている身としてはちゃんとしておきたい所ですかね。実際企業様からの案件で、最初に御依頼頂いたマイクの塗装から数年経って「前回塗ったマイクと全く同じ色で」と御依頼頂いて、しっかりそれに応えられた経緯があったりしますので。

フィギアとかでは無い、こういった2次元的な物への塗装となると、どうしても単調な感じになり易いですが、今回のようなピクセルアートだと塗装との相性が良く、また組み合わせ次第で色々なキャラクターが作れるのが良い所だと思います。今後ワークショップやデザフェスでの販売といった事も出来そうな気がしています。

またそれぞれのパーツは1ミリ、2ミリ、3ミリと、それぞれ厚みの違うアクリル板を使っていて、立体感があるのもアクセントになって面白いと思っています。立体物に施された塗装は見る角度や光の当たる方向によって違った表現を感じられる(フリップフロップ性)のが良いところで、また塗装の質感は素材そのものに比べると段違いに良いですから、一度それを知ると(見ると)、また御願いしたくなるという事で当店

その後違う種類の猫ちゃんも作りました。

また普通に塗装で行っても面白いかと思い、時間が出来たらマイクの色見本なんかも作ってみようと思っています。

デザフェスでの販売方法としては、各色に塗装したパーツを購入される方に選んで頂き、その場で組み合わせてオリジナルのキーホルダーを作る!みたいな感じを考えています。

ゴールデンウィーク前から続いていた忙しさがようやく落ち着いてきたので(結局GWも夏季休暇も一日も休めていません・・・)、何とか年内に形に出来ればと思っています。

貸し切りワークショップ

以前紹介した貸し切りワークショップはその後も何回か継続していまして、先日ついに修了となりました!

ワークショップで塗っていたのはイラストが描かれた履物の土台部分で、こちらは海外で展示・販売するアート作品との事です。透明レジンの各層にイラストが描かれ、そのままでも十分良い作品だと思うのですが、以前ご参加頂いたサーモス塗装ワークショップで塗った際の塗膜の美しさに感動し、是非自分の作品に自らの手でやってみたい!という事でマンツーマンのワークショップを開催する事にしました。

先ほどの状態からダブルアクションサンダー#120で研磨して段差を平滑にし、その後#180→#240→#320→#400と番手を上げ、最後に#600→#800→#1500の水研ぎでペーパー傷を均します。尚仕事では無いので全部ご自身の手でやって頂いています(その後筋肉痛等でかなり大変だったみたいです)。

ガン距離がかなり離れていますが、やはりというか慣れていないと「塗り重ね」「運行スピード」を一定にするのは難しいようで、なのでその辺を確実に出来るよう必要以上に距離を取ってゆっくり塗って貰えるようにしています。多すぎるオーバースプレーもその為ですね。

塗装後は30℃程で30分程初期乾燥を行い、その後60℃1時間の熱をかけて塗膜を硬化させます。

 塗って直ぐに熱を入れたくはないのですが、その日に持って帰って頂くので多少無理はしている感じですかね。

穴の部分に紐を通して実際に下駄として使えるようになります。

各イラストは層を変えて描かれているので立体的に感じられます。

その他違う形の物も塗っていて、たしか全部で4回になったと思います。

フチの木の部分には違う色で塗るのでそこにはクリアーが付かないようにしています。

動画も撮影してそちらはTwitterでアップしています。

この時の方がガン距離は近く、自然に塗れていた感じです。

その後花緒を着けた画像がありました。

やはりと言うか素材単体で見るよりも、それぞれが組み合わさって出来て良く様が良いですね。

そして最後のワークショップです。

尚、これらの作品を作られている方は上記の「ビールの妖精」さんで、ツイッター(X)よりもインスタで多くの作品を紹介しているので、そちらを見る方がお勧めですかね。

こちらが最後のワークショップで塗る作品です。透明レジンで造られた物で、予め透明なブルーと、その上にクリアーがコートされています。事前のテストでチヂレ等問題が起きない事を確認しておきました。

このように雲の上にキャラクターが乗るような構造になっているとの事で、当店で行うワークショップではこの雲にスタンドックスのクリアーを塗る作業となります。

全体を塗るには固定する部分が必用で、下側に穴を開けてネジを挿せるようにしています。ちょうど知り合いの原型師さん(くまさん)が遊びに来ていたので手伝って貰いました(笑)。

そして後日、最後のワークショップ無事修了です!

貸し切りのワークショップは1時間あたり¥5,000とかなり割高になりますが、今回のように予め着色まで終えておきあとはクリアーを塗るだけ!という事でなんとかなった、という感じですかね。

確かにラッカーや10:1のアクリルクリアーではこういった質感の艶は出せないので、そういった点では今後も需要はあるかもです。8時間で4万円なら仕事としても成り立ちますし。

こちらは最初のテストで塗った時の画像です。いつものように編集加工はせず、サイズの縮小のみ行っています。

表面にあった無数の巣穴を埋める為にかなり強引にクリアーを塗り重ねていて、垂れたクリアーが一番下に溜って固まった状態ですが、こうやって見る分には一番仕上がりが良い物だと思います。

雲の上に人形が乗せられる形状になっていて、

そちらの人形も華やかに彩色されるようです。艶々な塗装とマットな質感の組み合わせが凄く良さそうです。

貸し切りワークショップはこれでひと段落したので、次はいつものように多人数で行う催しをしようと思います。折角都内に工場を構えてやっているので、人が集まり易い今の内にもっとワークショップをやらないとなんですよね!