フェラーリリモコンキー用傷防止リング作成

フェラーリのリモコンキーのキーリング部に取り付ける傷防止のステンレスリングを作成する為に買ったフレアー加工用の工具ですが、結局その後他に使う機会が無くようやく今回二回目の使用となります。

 大体サイズが合っている穴にステンレスパイプを入れて固定し、

 ハンドルをグルグルと回して円錐状になった先端の金具をパイプの穴に挿し込んでいきます。

 本来の使い方では多分土台にピッタリ当ててプレスするのだと思いますが、今回はフレアーの形が重要なので少し飛び出た位置に固定しています。

 パイプの先端をバンドソーでカットし、板に開けた穴に嵌めて荒れたカット面をヤスリで均します。

 さらに穴の内側も。

 こんな感じで何種類か作成し、

 出来上がった物の中から穴の形に合う物を選びます。

具合が良さそうならさらにペーパー掛けをしてバリを取り、磨いて光らせます。

実際にリングを嵌めてみて、塗装面に接触しないか確認したら完了です。リモコンキーカバーの塗装が終わったら最後に透明エポキシ接着剤で固定すれば完成となります。

本塗りはまだ先になると思いますが、進行しましたら日記の方で紹介しますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!

PRO_Fit New Website β版

今日は海の日と言う事なので、普通に出勤していつもは中々出来ないデスクワークに勤しんでいました。勿論デスクワークなら自宅でも出来るのですが、家だとどうしても働いていない感があるのでやはり出勤して働きたいんですよね。行かなくても家賃は発生しますし(苦)。

実は少し前から始めている「ウェブサイト全体のWordpress化」と言うのが余り進んでおらず、かといってそんな事が出来る余裕も無い状況が続いていますので、今日のような祭日はむしろ絶好のデスクワーク日和となる訳です。まあさすがにちょっと暑過ぎるので休日くらいは現場作業は避けたいなぁと言う思惑も無い訳では無いのでして。

と言う訳ですが、お陰で今日だけで50ページ分(!)くらいは進みました。さすがWordpressです。

ちなみに今までのウェブサイトではこういった画像のリンクも一つ一つHTMLのページを作ってアップロードしていた為、色見本関係のページだけでも30ページ程を要していましたが、Wordpressのような動的にコンテンツを生成してくれるサイトであればこれが1ページだけで大丈夫です。「HTMLみたいに表が入れられればなぁ~」と思ったら、それが出来るプラグインソフトを探してインストールすれば良いだけですし(TinyMCE Advancedがとても便利でした!)。

完成にはまだまだ時間は掛かりますが、取り敢えずイメージだけでも伝わればと思います。→PRO_Fitウェブサイトベータ版

アームライトの塗装

調色ライトと言う訳では無く、普通のアームライトです。KOIZUMI社の物で、机に固定する部分が無いので値段が付かず、安く売られていた物を買って保管しておきました。

ただ普通のアームライトとして使うつもりでは無く、塗装完成品の撮影時に使っている照明パネルを、このアーム部分だけを使って自在に動くようにと改造して使うつもりでした。

ただ製品自体がしっかりしていた事と、(これ以上)ゴミを増やすのもどうかと思って、取り敢えずシェードも塗装して再生してみる事にしました。

当初は時間を掛けず、このままべた塗りにしようかと思っていたのですが、

折角なので分解して色も別けて塗る事に。

色は元々工場にある備品に合わせてオレンジが良いと思っていたのですが、実際に塗ってみるとシェード辺りの雰囲気がちょっとレトロっぽく感じてしまい、

急遽ミントグリーンに。

↓ちなみに使った色はこちらの色です。

比色

また折角なので溝やジョイント周りを黒で塗り分けてみました。

本来はこのままクリアーを塗らずマットな仕様で終わる予定だったのですが、

折角なので(勢い余って)クリアーも塗りました。

またついでなので2トーンカラーの色見本も作っておきました。

後日クリアー硬化後、再び黒い部分を塗り直します。全部艶ありだとちょっとクドイと思っていて(だからクリアーを塗りたくなかったのですが)、二度手間ですが黒い部分をもう一度艶消し黒で塗り直す事にしました。多分こんな事をしているので会社の口座はいつでも危険な状態が続いているんですよね・・・。

黒のベースコートにメタリックアディティブ=STANDOX MIX008を入れて艶を消しています。本来この原色は「メタリックの粒子感を強くして透かしを白くし正面を黒くする」と言う特性を持った顔料で、それの副作用として艶消しの効果があります(恐らくは同じシリカゲル系かと)。DUPONTだと4530Sなる原色ですね。これを少量入れ、艶消しの黒で本塗り完了です。

アーム部分も艶消し黒に塗装しました。

そして完成です!

固定は棚に直付けしますが、取り敢えず撮影の為にその辺の適当な台座に挿しました。

元々は全体をマットにしようかと思っていましたが、2トーンにした事でクドさは軽減され、艶有りでも良い具合になったと思います。

元々は値段が付かないようなほぼゴミのような扱いをされていた物ですが(たしか¥500)、オリジナルカラーにしたり、手間を掛けてあげた物は自分にとってとても価値のある物になると思っています。実際今まで塗った物はそういった感じで、10年以上経っても大事に使っています。

ただし仕事の塗装でここまでやると費用も高額になり、新しい物を買った方が遥かに安く済むので、余り現実的では無いのも否めません。アームライトは一昔前は安い物でも2万円くらいしたと思いますが、今ではIKEAで新品が二千円くらいで売っていたりしますので、それに数万円の塗装費用を掛ける事は現実的では無いと思います。

が!そういった事を解決出来るのが「自家塗装」で、プロはどうしても時間的な制限がありますが、これを自分でやってしまえば時間的な制限は一切なくなります(ただし多くの場合後悔する事になり、だからこそ私のような仕事が成り立つ訳ですが…)。

塗装以外にも、こういった金具を綺麗にしたいとその道のプロの方に相談すればそれなりの金額が掛かりますが(と言うか多分嫌がられます)、

自分で磨けばお金を掛けずとも綺麗に出来ます。まるで再メッキを掛けたかのよう!(ただコンパウンドで磨いただけです)。

ただ塗装となると技術以外に材料や工具、環境などが必要なのでそう簡単には行かない所もあります。当店のような小物の塗装でも、今の環境を維持するには実は相当のコストが掛かっています(当店の場合はお金と言うより自己犠牲による時間の消費です)。

と言う事ですが、実は知り合いが最近流行りのファブスペースなる物の立ち上げに関わっていて、どうやらそこでは塗装も出来るようになるみたいです。

もしもの話ですが、そういった塗装が出来るファブスペースがあって、そこに多少なりともコーチングしてくれる人が居れば、今回のような塗装も数千円の費用で出来るかも知れません。下地処理は自分の家でやっておき、必要な材料だけを持って後は本塗りだけ!となれば、1時間当たり¥2,000として、¥5,000もあれば出来上がるかも知れません。プロに頼むより1桁安くなる訳です。

まあそんなに上手い話しは無いかも知れませんが・・・(大体がドツボに嵌るかと)。

実は塗装は単に塗るよりも失敗した時が大変で、なので通常本塗りが出来るまでに数年を要します。塗装屋になってもいきなり塗らせて貰える訳では無く、「磨き」「マスキング」「下地(パテ&サフェ)」「調色」が出来てからようやく「塗装」をさせて貰えます。全てのフォローが自分ひとりで出来るようになってようやく本塗りをやらせて貰えるようになる訳で、いきなり塗りたい物を持ち込んで「さあ塗らせてくれ!」と言うのはちょっと難しいかも知れません。失敗したら諦めれて捨てられる物や代替が効く物であれば良いのですが、そんな物塗っても楽しくはないですし、その辺が大きなジレンマだと思います。

また塗装を行う場合は下地(素材)においても重要で、例えばノートパソコンなどを塗りたいと思っている方も居ると思いますが、PC系に使われているABS樹脂は耐溶剤性が弱いので下手をすると塗装で溶けてしまいます。

よくありがちな例としては、キーボードが使っている内に艶が出てくるのは摩擦で磨かれている訳では無く「皮脂」で樹脂が侵されて溶けている為で、そう言うのに色を塗って失敗したからといってシンナーで拭き取ったりする事は出来ません。失敗を何度も繰り返して経験を積み、それらの事を予想して本番では一度で終わらせる!と言う事が必要になります。

良い例としては以下のような案件がありますが、二度目は無いと思っています。問題が起きても補償はしないといった事が前提だとしても、無謀だったとしか言いようがありません。

「Surface3」塗装 完成

と言う事ですが、やはり何事もやってみないと判らない訳で、もしそういった塗装が出来る環境があれば是非紹介したいと思います。ただ知人がやろうとしている所には、当店にいらっしゃるお客様は余りウェルカムでは無いような気がしないでも無いのですが(苦)。

ちなみにそういった事が出来る設備としては既にDMM.make AKIBAがあって、立ち上げ当初に塗装屋を募集していたので、土曜日だけバイトで働かせて貰おうと本気で思っていましたが、今の環境(工場)を維持しながらだと普通の日当では到底賄えないので諦めました。

使用料について一応調べてみたところ、DMM.make AKIBAでは2時間¥1,500で、意外というか随分と安くてビックリしました。→DMM.make AKIBA 塗装ルーム

私も会員になってそこで小物を塗らせて貰った方が実は安泰になのではと・・・(笑)。

他には車のブースを貸してくれるという所もあるみたいなので、探してみれば色々見つかるかも知れません。そして実際にやってみるとどうして塗装は高いのかも判って頂けるかと思っています。

ただ塗装は難しい反面、人の手では出来ないような事も表現出来たりするので、一度その楽しみを知ったら抜け出せなくなってしまったりもします。さらに高みを求めると趣味の範囲では難しくなり、それだったらいっその事仕事にしてしまえば!と言う事の結果が今のPRO_Fitなのでして(笑)。

工場の設備とか工具とか

 板金塗装工場あるあるなのですが、暑くなってくると色々な所からエアーが漏れ始めます。気温が上がると弱っていた所が熱で裂けるんですかね。

ちなみに画像のホースは普通のエアホースでは無く、塗装屋さんなら判ると思いますが、いわゆる「折れないホース」です。本塗り中ににホースが捩じれてエアーが止まると最悪な事態になりますが、これはそうなり難いしなやかさのあるちょっと高級なホースです。

頼んだのは今まで使っていた長さと同じく10メートルで、ただ残りの最後だったらしく余った分も一緒におまけしてくれて15メートルにしてくれました。5メートル、どこに使いましょう…。

 そして以前キャンペーンの勢いで買ってしまったデビルビスのミニガンですが、その後「やっぱり使い難いなぁ~」と思って結局IWATAをメインで使っていたのですが、「やはり使い続けないと良いところは判らない」と思い無理無理使っていたところ、ようやく良い面が判って今ではまさかのメイン機になっています(笑)。

と言うのも、このガンの特徴でもある「驚くほど狭い範囲のノズルパターン」のお陰で、奥の方が塗り難いブレーキキャリパーの塗装も非常に楽で、また低圧ガンらしい塗着効率の良さから塗料の使用量もかなり少なく済んでいます。同等クラスのIWATA LPH-50に比べると70%くらいしか使いません。

ただしその反面低圧ガンらしさの強い面もあって、慣れていないと「これは駄目だ」と最初に思う筈です。イメージとしてはSATAのNR(低圧ガン)が出た当時と同じような感じでしょうか。

 あと半年くらい前に、工場一階の現場に新たにシロッコファンを増設していました。本来の使い方では無いのでモーターは剥き出しで、冷却する為に高速で回っているファンが手に当たると怖いのでクリアーファイルを巻いてあります。何故ピンクを選んだのかは意味不明です(苦)。

 先ほどのシロッコファンに繋がっているダクトホースはそのまま壁を伝い、

あ、エアーが漏れたのは一緒に写っているホースリールの根元部分で、青いホースが綺麗になっているのが判ると思います。ちょっとの漏れでもシューシューいってると気持ち悪いんですよね。

そして先ほどのダクトホースは、塗装ブースの天井内部へと繋がっていきます。

塗装ブースはゴミが付かないよう内部を若干のプラス圧にする必要がありますが(その辺に舞ったホコリが中に入ってくるとマズイので)、そのせいで工場内に溶剤を含んだ空気が漏れ出し、それを吸気マスクに強制送気されると結構辛いので(マスクの意味が無いんです…)、コンプレッサー周りの空気もクリーンなエアーで充満させよう!と言う作戦でした。

見た目はちょっとアレですが、結果としては見事に環境が改善されまして、工場内には一次フィルターを通った新鮮な空気で充満されるようになりました(ただ結構うるさいので本塗りの時にしか回しませんが)。

尚、強制送気マスクについては以下の記事で紹介していますので宜しければどうぞ。このシステムにしてからは防毒マスクが必要無くなったのでもう買っていません。

塗装作業マスク

 あと、先日クリアーを塗った新しいPRO_Fitオリジナル極小ドライカーボンエンブレムですが(名称が長い…)、デカールをカーボン板のサイズに合わせてカットして段差を目立たなくするのには成功したのですが、デカールの艶引けが気になったので結局もう一度塗る事にしました。磨いて終わりでも良かったのですが、ペーパー掛けてコンパウンドを使ってポリッシュするなら研いで塗った方が早いですよね。

 こちらのカーボンエンブレムは横幅のサイズが3センチ程で、下の文字は1ミリ以下なので遠視だと読めないと思います。

以前定規と並べて撮影した画像なども掲載しましたが、それでも「実物は想像以上に小さくてビックリしました!」と言ったコメントを頂いたりして、なので「極小」と銘打っています。

大きい分には普通の塗装屋さんでも作れますが、ここまでとなると印刷したりデカールを作る&貼るような作業が必要になる為、小物塗装屋としては丁度良いかな~と思っています。

ちなみに今回こちらをご注文のお客様は先日TOYOTA86用のブレンボキャリパーをオレンジパールメタリックの塗装でご依頼頂いた方で、本日頂いたメールには「想像以上の仕上がりで、一瞬取り付けるのがもったいなくなりました。」とのお言葉も頂戴しました。いやはや有り難い限りです。