友人から「やっちまった・・・」みたいな電話があって、何かと思って聞いてみると、
どうやら酔っ払って躓いた拍子に部屋にあった姿見を倒してしまい、鏡を割ってしまったとの事でした。
ただこの辺は塗装と同じで「直すより買った方が安いよ」と進言したのですが、聞いてみると奥様の大切な嫁入り道具で、家具屋さんに相談しても同じような回答だろうからなんとかして欲しいとの相談でした。
って、私はただの塗装屋なんですが・・・。
と言う訳ですが、そのまま自宅に置いておけない(奥様に見られる訳にはいかない)との事なので、一応預かる事にしました。
さすがに家具の分解は無理だろうと思って裏側を見てみると、どうやらベニヤで鏡を固定しているだけのようで、ワイヤレスマウスの分解よりは100倍くらい簡単そうに見えたので作業をしてみる事に・・・。
しかしなるほど確かにその辺のホームセンターに売っているような代物では無いみたいです。
ただ固定はタッカーなので、これさえ外せれば問題無いですかね。
なんて油断していたら、10年以上使っていて無傷だったスナップオンのピックツールの先端があああ!(酷)。
と言う訳で、無事背板脱着完了です。やはりと言うか何事にも褌を締めてかからないと駄目ですね(ただそんな事をし続けていたら病んでしまいます)。
そして外した鏡の寸法を測り、
ネットから業者さんに発注しました(画像は全く関係なく、いわゆる夜の部のいつもの状態です)。
ネットで発注した鏡にはカットした断面に対して色々な仕上げがあるみたいで、今回は枠に入れるので切り口は隠れますから一番安い「割っただけ」にしました。鏡だけ単体で使う場合はカット面を磨き加工すればそのまま単体で使えるようです。
予想していたよりも金額は安く、ある程度のサイズなら市販品を買うより安いと思うので、ショーケースを自作したり、壁をピッタリ遊び無しで一面鏡にしたりと面白いかもですね。
どうやら元々着いていた鏡より2ミリくらい分厚いみたいで、鏡の裏に貼ってあった当て板が少し飛び出てしまってます。
今回発注したのが5ミリ厚で、これは選べませんでしたから、多分イタリアの一般的な企画が3ミリ厚だったのだと思います。もしくは輸出用は軽量化する為にわざと薄いのにしているとか。
なので元々着いていた7ミリ厚の当て板を外し、5ミリ厚のアクリル板で代用する事にしました。わざわざ探さずにこういうのが沸いて出てくる環境がもう最高です。
元々着いていた割り箸みたいなのも鏡の厚さが変わったのでそれは取っ払い、スポンジテープを貼る事にしました。
柔らかくて分厚いエプトシーラーと、丁度良くて固いウレタンスポンジを併用しました。どっちかが劣化したりしても大丈夫なようにですかね。
幸いにして今回は接着剤が使われていなかったので分解が可能でしたが、大量生産品だとこの辺が難しいかもですね。イタリア製なのが幸いだったのかもです。
早速完成の連絡を入れたところ、まだ取りに来れないとの事で工場二階に保管しておく事にしました。
鏡と送料、その他の材料で掛かった費用は1万円ちょっとといった感じでしょうか。ただ「塗装工場」としてのこの場所でやると、レーバーレートからしてこれの3~5倍くらいの費用になってしまいますから、仕事としては到底成り立たないです。まさに買った方が安いという事になります。
ただいずれ自宅で仕事をするようになったら何でも屋みたいな感じでこういうのも良いかも知れないので、今は何事も経験ですかね。