ペールカラー色相環 本塗り

先日完成させていた淡いトーンの色相環12色です。

ちなみに通常塗装業界では「トーン」という呼び方はしないのですが、SNS等で一般の方に紹介する場合はこの方が分かり易いので最近は進んで使うようにしています。

尚、「トーン」とは明度と彩度の組み合わせで表現した色調の事で、「高いトーン」は明度も彩度も高く、逆に「低いトーン」はどちらも低い色味を表します。こんな曖昧過ぎる表現だと厳密な色を扱う(作る)場面では使えないので、自動車補修塗装(板金塗装)業界ではほぼ聞かない単語です。「まだトーンが低いですね」なんて言ったら上司(親方)に引っぱたかれるのは確実です(昔は本当にそういう業界でした…)。

と言う訳でまずは材料の準備をします。画像に写っているのは色相環キーホルダー用に使うピースで、厚さ3ミリのアクリル板をレーザー加工機で扇状の形にカットしています。

今回これを艶あり12色+艶消し12色で合計24色、キーホルダー400個分くらいは作りたいので合計10000個程を塗れるよう準備をします。

 たださすがにそういった事を職場では出来ないので(そんな事を業務時間内に行うと会社は直ぐに傾くので)、カットした材料は自宅に持ち帰って行ないます。幸いにして平日仕事が終わってから呑みに行ったりする事はしないので、毎日自宅で2時間くらいやれば一カ月で実質40万円分くらいのコストを省けます。早く帰れば猫も喜びますし(多分)。

そして出来上がった物を工場に持ち込み、今回はお正月休みを返上して本塗りを行う事にしました。

また今回は15cmの卓上色相環時計用のピースにも塗装を行います。とにかく12色塗るのは準備も大変なので、もう当分やらないで済むようにしたいんんですよね。

と言う訳で三が日も終わらない内に本塗りを終えました。ここ一年くらいあり得ないくらい仕事量が増えているので、趣味の物を塗るのは休日を潰すしか方法が無いんですよね。お陰様で昨年は売り上げも落ちず楽しい事や新しい事を色々と出来た一年になりました。

艶消しも良い感じに仕上がりました。これは楽しみです。

塗装をしたら終わりではなく、この後はそれらを板から取り外したり傷や汚れがつかないよう保管しておく作業が続きます。さすがにこれは家に持ち帰ってやる事は出来ないのでアルバイトを頼むことにしました。幸いにして社会人になった娘が工場の傍に住んでいて、ただ勤務先では副業が禁止になっているみたいなのでうちで闇バイト的に作業を手伝って貰っているという感じです。

色は原色に近い白と、今回のペールカラーに合わせて暖色系の白=オフホワイトを作る事にしました。

ちなみに自補修業界ではこういった「オフホワイト」などという言葉も使う事は無く、今回の場合だと「黄色味のある白」というのが正解です。色名でベージュとかはありますが、やはりそういった呼び方もしません。「青い白」「黒い白」「赤い白」「白い白」(?)などと言ったりするのが一般的だったりします(勿論私の知る限りで普通に使っている所もあると思いますが)。

背板はいつものようにMDF板をレーザー加工機でカットして作ります。

ちなみにMDF材の弱点は水ですが、塗装する事でそれを防げるのが気に入ってます。

色見本を元に色を作ります。後で同じ色が作れるよう配合データも作っておきます。

と言う訳でそれぞれ違う二種類の白を塗りました。

この後裏側と側面に黒を塗るのですが、一つ一つマスキングするのは大変なので(最初はそうしていました・・・)、

要らない紙=私の場合は古いカレンダーを取っておいていて、それにスプレー糊(55)を塗って白を塗った面を貼り付けてマスキングとします。一度に出来るしコストも掛からないのでかなり良い方法だと思ってます。動画も撮影したので紹介しますね。

と言う感じで再びアルバイトをお願いしました。

各ピースはピッタリ並べられるようデジタルデータで治具を作っているので一応誰でもちゃんとした物=規格品に収まるレベルで作れるようにしています。手作りだけど大量生産品のようなカチっとした物が好きなのでこういった工程を考えるのも楽しかったりします。

趣味の物ですがさすがに採算が合わな過ぎるのはマズイので、使用するパーツはそれぞれ違うショップさんから買っています。具体的には以下のような感じです。

■MDF板・・・楽天のMDF板専門店から100枚くらいをまとめ買い

■アクリル板・・・アクリル板専門店の安価な端材セット

■ムーブメント・・・手作り時計専門店から送料無料になる額でのまとめ買い

■針・・・アリエクスプレスからまとめ買い

アクリル板をレーザーでカットすると断面の分子構造が崩れる為か、塗装した際にその分が溶剤に侵されやすくひび割れが生じます。最初は気にしなかったのですが落として割れたように思われてしまうかも知れなかったので和柄紙を貼って見えなくするようにしました。これもレーザー加工機でカットしているので大きなコストを掛けずとも綺麗で簡単に作れるのが気に入っています。

・・・が!

先日レーザー加工機が動かなくなってしまい、こういった作業が全てストップしてしまいました。

以前にも電源が入らなかった事があって、今回は電源は入るのですがレーザーの出力が出なくなってしまったので、恐らくこの電源ユニットのどこかが原因なのでは?と思った次第です。幸いにして同じ型の物が入手可能だったので、現在到着待ちといった感じです。

場所があるならもう一台あっても全然良いので、これでダメだったら新しいのをもう一台買ってその間に直したこちらを自宅用にとかでも良さそうですね。またはどこかファブスペースを利用するとかでしょうか。とにかく何とかしないとですね。

ヤモリ型色見本キーホルダー 完成

先日作成していたヤモリ型の色見本キーホルダーです。デザフェスでの販売に向けて撮影を行いました。

上段がパステルカラー、中段は枠がマジョーラ「アンドロメダ」該当のクロマフレアカラー、下段左側2個がマジョーラ「アンドロメダⅡ」、「マゼラン」「トラぺジウム」に該当するクロマフレアカラーの枠となります。

ヤモリについてはミラーアクリルにキャンディーカラーをグラデーションさせたりと色々な仕様があります。

散りばめらたピースは色相環の12色と、空いた隙間に違う一色を入れていたりします(スモーク等もあります)。

先に枠だけを完成させ、そこに予め塗装を施した各ピースを配置~接着し、最後にクリアーでコートしています。めちゃくちゃ面倒くさい内容になっています。もはや利益を出すとか趣味とかの範疇を超え、何かに挑戦しているような感じですね。

各画像はいつもの通りサイズの縮小以外は未加工となります(彩度やコントラストを強くするなどの画像加工は一切していません)。

ちなみに中段一番左側にあるののみ、色相環ピースを「メタリックキャンディー」にしています。

他の物はミラーアクリルの上にキャンディーカラーを塗装しているだけなので手間は掛かっていませんが(むしろ作業自体はソリッドカラーより楽です)、こちらはシルバーメタリックを下地に塗っているので塗装回数もバリ取りも非常に面倒な物となっています(なので1,000円アップとしています)。

下段左側の二個はアンドロメダ該当で、こちらにはイモリを暖色のオレンジキャンディーにした仕様を作っています。

こちらの2種は明度が高く、映える感じが良いですね。

とにかくこのピースの隙間にクリアーを入れるのが大変で、エアーの吹き返しに負けないようエアーブラシのノズルを10mmくらいまで近づけてスプレーしています。

動画も撮影しました。

裏側は通常通りRGB値の色相環をレーザー彫刻&白で塗装しています。

私的に一番好きなのがパステルカラーで、ただあまり人気は無いだろうなぁと思ってこの3個しか作ってません。評判が良ければまた作るかも知れませんが日に日に本業が忙しくなってしまっているので時間が掛かる(その割に値段は上げ難い)ヤモリシリーズは今後は抑えめになるかもです(そもそも今回も数年ぶりの完成かと)。

他ではまず見ない物なので、カバンとかに着けて外に持ち出すとしたらパステル系はめっちゃ可愛いと思うのですが…。

単に接着するだけでは無くわざわざクリアーを塗っているのは、取り付けたピースと本体との一体感を出す為で、言われなければ判らないようなところではありますが、意外と人間の能力は高いのでぱっと見でこれは普通じゃないな…と気付いてはくれるのではと思ってます。

とくにこちらのアースカラー=フォルクスワーゲンのハーベストムーンベージュはとても気に入っています。売れなければ自分で買い取ってしまおうかと(笑)。

BLACKRABBiT+色見本キーホルダー

以前作っていたBLACKRABBiTのキーホルダーですが、

次回のデザインフェスタvol.62ではGUNさんの隣のブースで一緒に出展する事となったので、その際残っていたこれらのキーホルダーを再販する事としました。3年前のデザフェスvol.56と同じような感じですね。

ちなみにGUNさんについては以下の記事が判り易いかと思います。偶然同じように塗装が好きで、偶然同じ年齢で、偶然同じようにネットのブログで塗装の事などを発信していたのがきっかけで知り合いました。

マスキングシートを届けついでに

デザフェスで販売するのは今まで通り色相環の色見本キーホルダーとなりますが、

今回は先日紹介したヤモリバージョンと、

新たにGUNさんに作って貰ったデータを使い、色相環+ブラックラビットの色見本キーホルダーも作成しています。

尚、これまでは歯も一体化としていましたが、今回は見せる面が片側だけと言う事もあり、顔と歯を別体で作ってみました。

顔の方は厚みが3mmのアクリル板で、歯は厚み2mmのミラーアクリル板を使用しています。歯の部分もアクリル素地のままだとチープなのでクリアーを塗っています。

こんな感じでヤモリと同じうように散りばめた色相環のピース12色+αを枠の窪んだスペースに貼り付けます。

その後同じようにして口径0.5mmのエアーブラシでクリアーを塗ります。こちらは12色のピースがミラーアクリルのキャンディーカラーで、

こちらはメタリックのキャンディーカラーとなります。

この狭い隙間にクリアーを入れようとするとガン距離を1cm~2cmまで近づける必要があり、ただそれでもエアー噛み(塗料を乗せ過ぎてクリアー中に気泡が入ってしまう現象)は免れないところですが、スタンドックスVOCエクストリームクリアーは同社クリスタルクリアーに比べてこれが起きにくい性質がある為、このトラブルを回避出来ています。初期の同社イージークリアーを彷彿する良さでこの点は素晴らしいです。

またどうせならという事で、以前GUNさんに頼まれて作った色とお揃いで、

それぞれの色を使って各素材への塗装も行いました。

ただソリッドカラーにミラーの歯は似合わないと言う事で、

新たに白の歯を作製しました。

ちなみに最初は白のアクリル板をカットしただけで試していたのですが、やはり安っぽい感じが否めなかったので、新たに白(VWキャンディホワイト)を塗装し、クリアーを塗って立体感を出しています。

やはりというかミラーよりこっちの方が断然良いですね!

ソリッドカラーのブラックラビットに合わせて色相環もソリッドカラーとし、枠も同じくソリッドカラーとしています。こちらはカーキ色=VWのハーベストムーンベージュ(LB1M)を採用してみました。

ただブラックラビットの場合、ヤモリと同じ方法でクリアーを塗るとフチに溜まったクリアーが目立ってしまい変な感じになってしまったので、

こちらの方は一回り大きい型を装着して各ピースを配置、それを抜いた状態でクリアーを塗る事にしました。

これなら隙間にもクリアーが塗り易くて非常にやり易いです。

その後単体で塗ったブラックラビットを接着して完成となります。

初期のモデルでは色相環の配置はランダムでしたが、

今回は一応順番通りにしてみました。これは可愛いですね!

尚、ブラックラビット関係は単独で販売する事は無く、今回のようにGUNさんと一緒に出展&承諾頂いた場合のみとなりますので、売れ残った場合の事を考えると余り数を作る事は出来ず、また再販出来る機会も無いかも知れません。なので気になった方は是非デザフェス会場までお越し頂ければと!

ヤモリ型色見本キーホルダー制作

以前テスト的に作ったクロマフレアカラーのイモリ型色見本キーホルダーですが、

ちょっと隙間があって見た目が残念な感じと、

クリアーを塗って直ぐにピースをくっ付けたら先に塗った塗膜(完全硬化済み)がチヂレてしまう!という事が発覚し、製作を諦めていました。

ちなみにこちらのソリッドカラーのモデルは元々枠が黒い物を使っているので(枠を塗っていないので)チヂレの心配はありませんから、一度商品化しています。

ただあまりにも手間が掛かるので、どうにかならないかと思い、今回改めて施工方法を変えて挑戦をしてみました。

方法としては、枠は前回と同じく先に組付け、

各ピースを配置して接着してしまいます。隙間を狭くするようピースも12個から正規の13個に増やしました。

枠をマスキングし、

その隙間にエアーブラシでクリアーを塗る!という方法となります。

ただこの方法だと当然隙間にクリアーを入れる前に手前がモリモリになってしまい、

塗膜中に気泡が発生してしまうワキのリスクが非常に高くなるのですが、

口径0.5mmのエアーブラシの空気量を絞ってガン距離を極限まで近づけて塗る事で、

なんとか隙間の奥までクリアーを入れる事に成功しました。

クリアーも常温硬化タイプのスタンドックスエクストリームプラスに変更しています。

こちらの仕様ではヤモリと色相環12色はミラーアクリルにキャンディーカラー塗装を、

枠は見る角度で色が変わるクロマフレア顔料を採用しています。マジョーラにも使われている米JDSU社の「ChromaFlair」なる物を、STANDOXのベースコート樹脂=MIX599に添加して使っています。こちらはアンドロメダに該当するカラーですね。

こちらの枠はマジョーラマゼランに該当する顔料です。

こちらはトラぺジウム該当の顔料ですね。

ちなみにマジョーラは日本ペイントの塗料で、それに使われている樹脂も同社に対応された物となります。となると下色に使う黒はnaxアドミラで、クリアーもそれに準じた物(日本ペイント社製)を使う必要があります。うちはそれが出来ないので、スタンドックスの塗装システムで使えるようにしている訳ですね(恐らく他で聞いた事が無いのでわざわざこんな事をしているのは世界でもうちだけかも知れません)。

完成品は11月のデザフェスと、その後在庫が出来ればウェブショップでも販売予定です。