KORGショルダーキーボード 分解

先日より塗装の仕事でご依頼を頂いているKORG社のショルダーキーボードです。

分解については仕事としてはお受付しておりませんので、PRO_Fitの仕事とは関係の無い、こちらの個人的なblog=社外記で紹介します(稀にですが分解のみや修理などのお問合せが入ってしまうので誤解を招かないようにです)。

キーボード表面には一部突起したレバースイッチが着いているので、

そこを囲むようにしてクッションシートを貼っておきます。ひっくり返して作業した際、スイッチ部分の破損を防止する為ですね。

分解は比較的簡単で、各ネジを外しただけでキーボードの機械部分から木製の枠が取り外せました。

さらにネック部分を本体から分離し、コンソールパネルも取り外します。

何故か違う穴にネジを打った痕が残っていたので、組み付ける時に間違えないよう印を着けておきました。

コンソールパネルを固定している土台部分のプレートも取り外しました。

と言う訳で分解が完了です。各ネジは元々着いていた位置等が判るよう印を着け、さらに何枚も撮影をしながらの作業でしたが、一時間しないくらいで無事完了しました。少し前に分解した、同じくKORGのキーボードに比べると大分楽に出来ました。

塗装するのはこちらの木製外装パーツで、この後はいつも通り仕事の方のblog=PRO_Fit日記の方で紹介をさせて頂きます。

KORGキーボード塗装

仕事で行った塗装なので本来であれば日記の方での紹介となりますが、ちょっと特殊な内容だったので(通常の仕事としてはお受付しない方法)、こちらでの紹介となります。

最初の状態を紹介します。

状態としては新品で、色はシルバーの艶消し仕上げでした。恐らくですが、クリアーも塗っていない状態だと思います。

ご依頼内容としては、こちらのキーボード外装(筐体)をピンクに、

ただし各文字は残して欲しいとの事でした。

通常であればこれらの文字を残す事は出来なく、一旦違う色で塗装した上に新たに各文字を入れ直す(!)といった方法になりますが、各文字を一旦データ化しないといけないので、ビックリする程の金額となってしまいます。新聞が一部数百円で買えるのは一つの版で大量に刷るから出来る事で、これが一部だけの為となると数億円になってしまうのと同じ様に考えて頂ければと思います。

また分解についてもネックとなっていて、ご依頼頂く方が行うのは難しく、また当方としても見た事も無い物を作業するのは中々にリスクのある事ですが、

以前テスト的に行ったローランドのMIDIキーボードの分解経験があったので、その辺は心強かったです。Twitterで見る制作物とかで、一見すると「凄い!」と思う物でも、それが個人の物か(趣味の物か)、依頼品なのか(失敗が出来ない物なのか)という事で、全く別の見え方になりますので。

と言う訳で分解完了です。

各キーの配列は、途中何度も撮影を行って記録を行い(そして違う場所にもコピーを保存しておき)、また必要であればメモ等も残しておきます。自身記憶力が良く無い方なので、組み付ける時はすべての記憶を失っていても何とかなるようにとしています。

土台は塗らず、上側のカバーのみとなります。

マニュアルに沿った作業では出来ない所もあるので詳細は控えさせて頂きますが、まあ塗装屋さんならなんとなく判るのでは、と思います。

そして塗装完了後、組付け作業を行います。

組付ける時も一応撮影をしておきます。お納めした後に何かトラブルがあった際、画像を見て「コネクターを繋げていなかった・・・!」なんて事が判れば安心ですので。

そして完成です!

色は透過性のマゼンタ=キャンディーピンクとなります。

下地のシルバーや文字が透けているので、それらを残したまま色だけを変更できました。

仕事として行うにはかなり特殊な内容で、まず「完全な新品」と言う事が必須条件となります。

液晶パネル周りのアクリル板は恐らく両面テープでくっ付いていると思われ、外そうと思えば外せない事は無いと思いましたが、万が一割れるともう一台同じキーボードを用意しないといけない為、マスキングでの対応としておきました。

各文字も視認可能です。

「ピンク」の色味についてはお任せ頂いていたので、蛍光ピンクを使おうかとも考えたのですが、ダマが目立つのは避けたかったので、いつもの慣れたキャンディーカラーのマゼンタを採用しました。

ACアダプターが付属されていたので最後に一応動作テストも行い、ただ「音が出ない・・・!!」と思ったら、どうやらスピーカーは内臓されていなく、ヘッドフォンを挿して無地動作確認出来ました。スピーカー、着けないのが普通なんですか・・・。

以前は趣味で塗装したこちらのRolandのキーボードですが、ようやく仕事に繫がったという事で嬉しく思いました。

もう一台同型で塗装していないキーボードがあるので、そちらもいずれ仕事に繫がるよう何かしらの色で塗ってみようかと思います。今度は白い鍵盤を塗ってみたいですね!