スニーカースプラッシュ塗装

  少し前に無印良品で買っていたスニーカーです。

以前こちらでも紹介した、親戚の子供(と言っても成人しているのも居ましたが)を集めてのワークショップみたいな感じで、塗料を使った簡単な事が出来ないかと思い、試してみる事にしました。

全部を塗ると本当の塗装屋の靴(作業靴)みたいになってしまう恐れがあるので(笑)、塗装する範囲は部分的にしています。昔お洒落でワンピースのつなぎを着ていた友人に、「これから仕事なの?!」と言ったら凄く嫌な顔をしていたの思い出しました。まあ場所が大井町でしたし・・・(今は判りませんが当時は下町でした)。

使うのはSTANDOX VOC 2Kエナメルで、これは普段使っているベースコートとは違うタイプの、所謂「1コートソリッド」として使う塗料です。使い方はトップコートクリアーと同じで、それに直接顔料が入っているのでクリアーを塗る必要はありません。クリアー同様硬化剤を入れて使い、これ単体で艶々に仕上がります。なので塗装作業としてはとても楽なのですが、2コート仕上げに比べて耐候性が低い事、また肌の出来方はやはりクリアーのそれには敵わないので今は殆ど使う事はありません。

用意したのは暖色系のパステルカラーで、それぞれには硬化剤も混合済みです。

  こういった塗装方法は今まで一度もやった事は無く、実際どうすれば良いのか判らなかったのですが、とにかく筆に着けて塗料を飛ばしまくってみました。

途中で赤を使ったら「たった今刺して来た人の靴」にしか見えなくなってしまったのでそれは止め、オレンジまでに留めておく事にしました。意外に難しいですね。

飛ばした塗料は最初は盛り上がって立体感があるのですが、時間が経つと繊維に吸い込まれてしまい、予想に反して滲んだ仕上がりになってしまいました。これだとちょっと普通過ぎて、もっとビニールっぽい素材を選べば良かったのかもですね。良い勉強になりました。

まあでも普通に見える分、気兼ねなくその辺で履けるのも良いかも知れません。

塗料が固まったらマスキングを剥がして改めて撮影してみます。

STANDOX空き缶(ペン立て)

 要らなくなった空き缶を使って作った、STANDOX仕様のペン立てです。

工場では実際にこんな感じで使っています。カッターや定規などを仕舞うのに丁度良い1L缶サイズです。

100円ショップが台頭する現在では想像し難いですが、昔の自動車板金塗装工場の現場では使い終わったパテの缶を綺麗に掃除して、ネジ入れなどに使っていたりする光景が良く見られました。

ただ塗料となるとこれを綺麗にする方が大変ですから、

現在はビスコの空き缶にSTANDOXのパッケージを巻いて作っています(ビスコは災害時用の工場備蓄品です)。

 なので中はとても綺麗です。

こちらも一斗缶と同様無料で、ウェブショップで他の商品を購入された方のみ、お一人様一個だけの限定となります。またこちらも発送のみの対応で、直接取りに来られても差し上げられません。どうせ送料が掛かるなら・・・という場面でご利用頂ければと思います。

STANDOX空缶

ちなみに自分用のは実際に塗料が入っていた物を掃除して使っています。赤は良く使うので、パッケージが綺麗なまま交換となる場合が多いのです。

缶を捨てる時は足で缶を潰しますが、STANDOXはパッケージのデザインが格好良いので、綺麗な状態だと勿体なくて捨てられないんですよね。

ガラスフレーク 色見本作成

 先日導入したSTANDOX(CROMAX)の新色PP304ですが、既存のガラスフレークとの違いを確認したかったので、新たに色見本を作ることにしました。

PP304(パウダーパール304 コースガラスフレーク )は、顔料の表面が酸化チタンで覆われている為か、既存のガラスフレークのように黒くは無く、これのお陰で白の上にも塗れる!という特徴があります。今までのガラスフレークだったらゴマ粒のように汚い仕上がりになってしまうので淡い色には使えませんでした。

ガラスフレークはこのようにスポットライトに当たると光が反射し、メタリックよりギラツキ感のある輝きを出すのが特徴となります。画像の白い色見本は作っていたのですが、黒は(遊びでベアブリックしか)作っていなかったんですよね。

 と言う訳で、こちらが今まで使っていたガラスフレークです。一応車両の純正色に使われている物ですが、殆ど使う事が無いので全く減りません(笑)。

 見ての通り黒いので、淡い色に使うと大変な事になります(まさに砂が混入したかのように)。

 それぞれは使い易いよう樹脂(ベースコートバインダー)に混ぜておいています。見るからに違うのが判りますね。

下色に黒を塗り、その上にそれぞれのガラスフレークを塗りました。

 こちらはDUPONTのD815です。色味は黄色寄りで粒子が不均一ですが、蛍光灯下で見る輝きは強いです。

 こちらはPP304で、D815に比べると輝きは大人しく、この状態では言われなければガラスフレークだとは分からないくらいです。

 こちらはDUPONTのD815です。黄色味があります。

そしてこちらはPP304です。よく見ると青・グリーン・バイオレットの色味を感じられ、 まさにパールといった感じです。

こちらは実際にマイクに同じ仕様でPP304を塗った状態で(この時点ではまだベースコートのみ)、デカールを貼りに工場二階に持ってきたのですが、この浮いたような質感はパール特有のものです(ガラスグレーくではなくホワイトパールを黒の上に塗ってもこのような感じになります)。

その後熱を入れて塗膜を硬化させ、スポットライトでガラスフレークの輝きを確認しました。左の青い方がPP304で、右の黄色い方がD815です。

蛍光灯で見ると右のD815の方がフレーク感が強かったのですが、スポットライト下では左のPP304の方がギラツキ感が高かったです。これは面白い発見でした。

さらにPP304の方は「青・緑・紫」の色味を確認出来て、まるで宇宙を見ているかのようです。

後日いつものようにプレート化して、壁に飾れるようにしておこうと思います。

グレー色見本 プレート化

 色相ごとに冊子が別れていて、さらにそこから明度を細分化しているニットコウ(日本塗料工業会)の色見本帳はとても便利なのですが、STANDOXにはこれの配合データが存在していません。

 と言う訳で、以前から欲しかったグレー系の色見本を新たに作りました。

配合は1:99から始まって80:20までの7種類を、立体&平面、艶あり&艶消しでそれぞれ28個作っています。

 使った原色とそれらの配合比を印刷した紙をカットし、

 レーザー加工機で同じサイズにカットしたMDF板に貼りつけ、塗装した物を固定して完成です。塗装したアクリル板は被塗物に合わせられるよう、着脱可能にしています。

 他には別の案件で作っていた色見本も一緒にプレート化しておきました。

 こちらの色は、ぱっと見は単なる白ですが、

光に当たると輝くコースガラスフレーク PP304です。

 こちらは先日完成したキャノンデールのカーボンフォークの色見本ですね。オーナー様にも仕上りを喜んで頂き、可能であればフレームもお願いしたいと仰って頂きました(ただ現在フレームのお受付は停止させて頂いております。頸椎ヘルニアで長時間同じ姿勢で作業をするのがとても辛いのです)。

 こちらは純金風にとご依頼を頂いて作成した色見本です。多分今後も同じようなご依頼がありそうなので色見本を作っておきました。

 これらの色見本は貸し出しはしていなく、また現在は受付窓口も設けていないので実物をお見せする事も出来ないのですが、いずれ土曜日を休み(風)にする予定なので、その時には直接ご来店頂いて色を選んで頂く事も可能にしたいと思っています。またもしTwitterを始めるとしたらその時ですかね。「本日受付窓口開いてます」みたいな感じでしょうか。

 さっそくグレーを並べました!

こちらの壁に飾っている色見本は、今回のように数種類を組み合わせた物で、

その他、迷彩ピンクなどのようにバラバラな色見本は、裏側に磁石を着けてこちらのドアに貼ってあります。抜けているところは実際に作業で使っている物で、工場一階の現場に貼ってあります。

ちなみに今の工場は賃貸で、最終的には上の画像のある自宅の作業場で塗装の仕事を続ける予定です。塗装の仕事は長くやればその分経験を得られますが、逆に品質は落ちてしまう筈なので(目が見えなくなる&色々勘違いをしてしまう)、今掛かっている固定経費では経営が成り立たなくなってしまう筈なんですよね。後継者がいる会社であればまた話は違いますが、当店のように自分一人でやっているとそこがネックになってくるのです。

ちなみに自宅のローンも73歳まで払い続けないといけないシステムになっていて(苦)、ただ幸いにして自営業に定年はありませんから、工場の家賃さえ無ければ何とか最後まで塗装を続けられるかと思っています。直接仕事とは関係の無い色見本の制作や、また塗装以外の(全く利益になってはいない)マウスやミニカーの分解組付けなど、それらはその時の為の先行投資を兼ねているような感じですかね。

いずれは「適当コース」とか「盲目コース」とかを設け、ヘッドカバー1万円くらいで塗って余生を過ごせればと思っています(笑)。